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第伍譚
0052:聖女マリアとスピカコンビ
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ーーここは、アデル国立大劇場の舞台上。ーー
ーー噴き出してきた月の砂は客席へ飛散した‼︎ーー
ザワザワザワ……。(降り掛かる白い粉に困惑な観客)
ゲホゲホ、ゴホンゴホン⁉︎(気管に侵入する月の砂)
「(舞台中央まで出てきてスチャッとフードを目深に被り)クエクエエエー⁉︎(殿下、このままだと、月の砂の被害が大きくなります‼︎ どうすればいいですか⁉︎ 気持ちが焦る着ぐるみ親ペンギンさんノア)」
「(ガバッとフードを目深に被って)わふわふわわん……。(ノア、……白い粉だけじゃないよ。舞台袖を見てみて。 滝のような汗を放置するパトリック殿下)」
「クエ? (舞台袖を見て)ーーーーっ⁉︎ クッ、クエエエ⁉︎(役者さん達が鉄パイプを持って俺たちを睨んでるーー⁉︎ ギョエエエッなノア)」
「わんわわわわわん、わんわふふ。(懐かしいよね。ああいったゴロツキ達を、片っ端から二人で懲らしめて、スピカに勧誘しまくった青春時代を思い出すよ。 なかなかピンチな状況下で何故か酔いしれ出したパトリック殿下)」
「……クエエエー?(……いや、そんな記憶は無いんですが……。どちらかと言うと、意味わからん理由で殿下からボコボコにされた事実は沢山ありましたよ? 酔いしれているパトリック殿下に対して至極冷静なノア)」
「わん、わふわふわふわんわわん?(こうしてまた、相方のノアと一緒にゴロツキ達と手合わせできるなんて、嬉しいよ。久しぶりに、ハメを外しちゃおうかな? さりげなくマリア様の前で、謎の酔いしれたポーズをとっているパトリック殿下)」
「クエエエ、クエエエ‼︎(いや、いつ俺が、殿下の相方になったんですか? 一切、記憶が抜け落ちててわからないんですが。……あと、殿下がハメを外しすぎると後処理が大変なんで、絶対にやめてください‼︎ 俺に罪を着せるのも禁止です‼︎ それと、さりげなく役者のみなさんをゴロツキ呼ばわりするのは、ものすっごく失礼ですよ‼︎ 至極冷静に殿下と接するノア)」
「わんわわ、わんわん。(武器をチラつかせている時点で、既にゴロツキさ。……なに、ちょっとお昼寝してもらうだけだから痛くも痒くもない筈だよ。 マイペースに準備運動を始めるパトリック殿下)」
「……クエエエ。(……お昼寝で済めばいいんですけどね。 トホホなノア)」
「わふわんわわん‼︎(……よしっ、……月の砂は、マリア様にお任せするとして、僕とノアで、マリア様を全力でお守りするぞ‼︎ 準備運動を終えた殿下)」
「クエエエ‼︎(ラジャー‼︎ 敬礼ノア)」
「わん、わふ、わんわんん‼︎(そうと決まれば、マリア様、心の準備はいいかい? カチャッと収納小箱より、鈴を取り出して、マリア嬢の様子を確認するパトリック殿下)」
「もっふ、もっふう‼︎(準備万端ですわ‼︎)」
「わん、わふわふわわわん‼︎(了解‼︎ じゃあマリア様、……頼むよ。 フードを下ろしたリリアナ嬢に、鈴を手渡すパトリック殿下)」
ーー邪気祓いの月輪は、マリア嬢に託された‼︎ーー
ーーその瞬間、マリア嬢が発光を始める‼︎ーー
ピカアアアアアッ‼︎
シーーーーーーン(ポカーンな観客席)
シャンシャンシャン…………。(小気味良い鈴の音)
「…………心頭滅却。……しんとうー、めっきゃーーく‼︎(目からビーム光線を出すマリア嬢)」
シーーーーーーーン(困惑してる観客席)
「心頭滅却‼︎ 悪霊退散! 全てを清め、無に返してやるう‼︎ ンキエエエーーー‼︎(鈴を両手で持ってブンブン振りまくるマリア嬢)」
シャンシャンシャンシャン‼︎(激しい鈴の音)
スズノミコ、トラエル、コロス。(とあるロボ)
スズノミコハキケンブンシ、ソクマッサツ。(ロボ)
コン、カン……キイイー。(鉄パイプを引きずる音)
シャンシャンシャンシャン‼︎(激しさを重ねる鈴の音)
ーーと、銀色の月の砂によってロボット化した役者達が、マリア嬢を目掛けて舞台上へ躍り出て来るではないか⁉︎ーー
「わんわわわわん?(ノア、わかってるね? 霊力で練られた目に見えない縄を手首に巻き付けるパトリック殿下)」
「クエエエー‼︎(ラジャー‼︎ マリア嬢の盾になるノア)」
ーーロボ役者達と、スピカの衝突が始まった‼︎ーー
「ブツブツブツブツ……シャーシャーンキキキキエーー。……月の灰全てを昇華してアンパンややややあああああ! ンキエエエエエー‼︎(髪を振り乱してがむしゃらに鈴を振りたくるマリア嬢)」
「わんわわわん‼︎(マリア様、頑張って‼︎ 霊力の縄で、ロボ役者達を捕捉しまくるパトリック殿下)」
ワレラニアダナスモノモ、ソク、マッサツ。(ロボ)
アノ、キグルミゼンインマッサツタイショウ。(ロボ)
ヒルムナ、ススンデ、マズハ、チビヲコロスノダ。
「……わんわふわわわん⁉︎(えっ? 今チビって言った? 言ったよね? ……ごめんけど、僕、マリア様よりは身長高いから‼︎ もう一回言うけど、僕はチビじゃないよ‼︎ 誰? 僕のことチビ呼ばわりしたヤツは⁉︎ 一人残さずぶちコロしてやるう⁉︎ さりげなくコンプレックスを刺激されたため、冷静さを見失ってお怒りなチビ殿下)」
「……。(大人気ない。元々小柄なのは、覆せない事実ではないですか、殿下。 ものすっごい勢いで舞台上を動き回ってるマリア嬢を、邪魔しないように盾になり、ついて回ってるノア)」
「ンキシャアアアアー! アンパンカモーーーーン‼︎(意識は無い筈だか、何故かアンパンの所望を口にしつつ鈴を振りたくるマリア嬢)」
「わふわふん……。(まりあさま。……そんなにアンパンが大好きなんですね。 マリア嬢のアンパンに対する執着を見て、冷静さを取り戻す殿下)」
パアアアアアアア、……ザンッ‼︎
ーーマリア嬢から強力な白い光が放射された瞬間。ーー
………………スンッ‼︎(全ての月の砂が消失した音)
ーー空気中を漂う白い月の砂は霧散し、ロボット化した役者達は、全員気を失って、その場へ倒れた‼︎ーー
バタンッ…………。(倒れるマリア嬢)
「マリアさまあ‼︎(すかさずマリア嬢のところへ飛び、マリア嬢の手から離れた鈴を回収しつつ、マリア嬢を抱きしめ起こす、フードを下ろしたパトリック殿下)」
「……ぱと、さま、と、……あんぱん。(ガクンとパトリック殿下にもたれかかる、頬っぺたがゲソゲソなマリア嬢)」
「まりあさまあーー‼︎(悲劇のヒロインばりに絶叫しながら、携帯していたアンパンをマリア嬢のお口に放り込むパトリック殿下)」
「……。(マリア様、以前よりもゲソゲソになってる。……お年頃のお嬢様が、こんなにも犠牲になって、……可哀想すぎますよ。 パトリック殿下達の近くで、ひっそりと涙を流してるノア)」
「……ノア、ロボ役者さん達の様子は?(涙を流しながらも、冷静に状況を把握しようとするパトリック殿下)」
「(フードを下ろして)劇団員、全員気絶しています。銀色の月の砂も、マリア様のおかげで、全て消失できたと考えられます。(大真面目ノア)」
「よし、……一旦、ミクル姉さんのところまで戻って、マリア様を診てもらうよ。(着ぐるみさんの袖で、涙を拭うパトリック殿下)」
「ラジャーー‼︎(敬礼ノア)」
「(マリア嬢をお姫様抱っこして)指定人物魔法転送……。(瞳孔ピカッ)」
ーー橙色の光とともに、三人は消失した‼︎ーー
シーーーーーーーン(観客席)
……ぱち、……ぱち、……パチパチパチパチ‼︎
着ぐるみトリオ、良かったぞー‼︎(とある観客)
内容違うけど、楽しめたー‼︎(とある観客)
泣かせすぎだぞ、コノヤロー‼︎(とある観客)
ーースピカトリオが去った後、暫く、観客のアツくてあたたかい、拍手のシャワーが舞台上に降り注いだ‼︎ーー
◇ ◇ ◇
ーーところ変わって、こちらは、一般観客席。ーー
「……感動だな。(頬をつたう涙を拭うマーズ殿下)」
「……マーズ、……ずっと、わんこの女の子のこと見てた。……浮気だ。……許せない‼︎(ポカポカとマーズ殿下を叩きまくる、虚な瞳のマーキュリー殿下)」
「違うよ、マーキュリー。……着ぐるみを着たマーキュリーは、さぞ美しいだろうなって、妄想してたのだ。(マーキュリー殿下に叩かれてとても嬉しそうなマーズ殿下)」
「たとえ妄想でも、僕以外の女の子を見るのは禁止だよ‼︎(虚な瞳でマーズ殿下に抱きつくマーキュリー殿下)」
「そうだな。……次からはもうしないって、誓うよ。(ものすっごい嬉しそうなマーズ殿下)」
「約束だからね?(虚な瞳のマーキュリー殿下)」
「ああ。(懐から出した青い火薬に火をつけて、舞台上へ投げ入れるマーズ殿下)」
バン‼︎
ーーマーズ殿下が投げ入れた青い火薬は、瞬時に、水色の煙幕となり、劇場全体へ広がっていった‼︎ーー
「マーズ、どうしたの?(ほえーなマーキュリー殿下)」
「うん? ああ、……ちょっと、一般のお客様には、見られたらまずそうな場面が多かったからな。……ここで起こったことは、全て夢として処理した方が、弟にとって都合がいいのだよ。(なんとなく事態を察してたマーズ殿下)」
「そうなんだ……。(虚ろな瞳のマーキュリー殿下)」
「私たちも、弟達のところに合流しようか。」
「……うん。(虚ろな瞳のマーキュリー殿下)」
「……私から手を離さないようにな。……魔法転送ーー。(シュパッと転送用魔法陣を発動させるマーズ殿下)」
ーー青い光とともに、とある二人は消失した‼︎ーー
◇ ◇ ◇
ーーところ変わってここは、月国の宮殿。ーー
『クックック、……アレが鈴の巫女か。(謎の男)』
『……はい。(無表情な月国王ユエ)』
『良い。……良いぞ。……あの女子は、私が貰う‼︎ アッハッハハハハハハ‼︎(気が狂ったように笑う、謎の男)』
『……。(早く……。早く……。 様子がおかしいユエ)』
ーーマリア嬢が、謎の男に狙われている⁉︎ーー
ーー噴き出してきた月の砂は客席へ飛散した‼︎ーー
ザワザワザワ……。(降り掛かる白い粉に困惑な観客)
ゲホゲホ、ゴホンゴホン⁉︎(気管に侵入する月の砂)
「(舞台中央まで出てきてスチャッとフードを目深に被り)クエクエエエー⁉︎(殿下、このままだと、月の砂の被害が大きくなります‼︎ どうすればいいですか⁉︎ 気持ちが焦る着ぐるみ親ペンギンさんノア)」
「(ガバッとフードを目深に被って)わふわふわわん……。(ノア、……白い粉だけじゃないよ。舞台袖を見てみて。 滝のような汗を放置するパトリック殿下)」
「クエ? (舞台袖を見て)ーーーーっ⁉︎ クッ、クエエエ⁉︎(役者さん達が鉄パイプを持って俺たちを睨んでるーー⁉︎ ギョエエエッなノア)」
「わんわわわわわん、わんわふふ。(懐かしいよね。ああいったゴロツキ達を、片っ端から二人で懲らしめて、スピカに勧誘しまくった青春時代を思い出すよ。 なかなかピンチな状況下で何故か酔いしれ出したパトリック殿下)」
「……クエエエー?(……いや、そんな記憶は無いんですが……。どちらかと言うと、意味わからん理由で殿下からボコボコにされた事実は沢山ありましたよ? 酔いしれているパトリック殿下に対して至極冷静なノア)」
「わん、わふわふわふわんわわん?(こうしてまた、相方のノアと一緒にゴロツキ達と手合わせできるなんて、嬉しいよ。久しぶりに、ハメを外しちゃおうかな? さりげなくマリア様の前で、謎の酔いしれたポーズをとっているパトリック殿下)」
「クエエエ、クエエエ‼︎(いや、いつ俺が、殿下の相方になったんですか? 一切、記憶が抜け落ちててわからないんですが。……あと、殿下がハメを外しすぎると後処理が大変なんで、絶対にやめてください‼︎ 俺に罪を着せるのも禁止です‼︎ それと、さりげなく役者のみなさんをゴロツキ呼ばわりするのは、ものすっごく失礼ですよ‼︎ 至極冷静に殿下と接するノア)」
「わんわわ、わんわん。(武器をチラつかせている時点で、既にゴロツキさ。……なに、ちょっとお昼寝してもらうだけだから痛くも痒くもない筈だよ。 マイペースに準備運動を始めるパトリック殿下)」
「……クエエエ。(……お昼寝で済めばいいんですけどね。 トホホなノア)」
「わふわんわわん‼︎(……よしっ、……月の砂は、マリア様にお任せするとして、僕とノアで、マリア様を全力でお守りするぞ‼︎ 準備運動を終えた殿下)」
「クエエエ‼︎(ラジャー‼︎ 敬礼ノア)」
「わん、わふ、わんわんん‼︎(そうと決まれば、マリア様、心の準備はいいかい? カチャッと収納小箱より、鈴を取り出して、マリア嬢の様子を確認するパトリック殿下)」
「もっふ、もっふう‼︎(準備万端ですわ‼︎)」
「わん、わふわふわわわん‼︎(了解‼︎ じゃあマリア様、……頼むよ。 フードを下ろしたリリアナ嬢に、鈴を手渡すパトリック殿下)」
ーー邪気祓いの月輪は、マリア嬢に託された‼︎ーー
ーーその瞬間、マリア嬢が発光を始める‼︎ーー
ピカアアアアアッ‼︎
シーーーーーーン(ポカーンな観客席)
シャンシャンシャン…………。(小気味良い鈴の音)
「…………心頭滅却。……しんとうー、めっきゃーーく‼︎(目からビーム光線を出すマリア嬢)」
シーーーーーーーン(困惑してる観客席)
「心頭滅却‼︎ 悪霊退散! 全てを清め、無に返してやるう‼︎ ンキエエエーーー‼︎(鈴を両手で持ってブンブン振りまくるマリア嬢)」
シャンシャンシャンシャン‼︎(激しい鈴の音)
スズノミコ、トラエル、コロス。(とあるロボ)
スズノミコハキケンブンシ、ソクマッサツ。(ロボ)
コン、カン……キイイー。(鉄パイプを引きずる音)
シャンシャンシャンシャン‼︎(激しさを重ねる鈴の音)
ーーと、銀色の月の砂によってロボット化した役者達が、マリア嬢を目掛けて舞台上へ躍り出て来るではないか⁉︎ーー
「わんわわわわん?(ノア、わかってるね? 霊力で練られた目に見えない縄を手首に巻き付けるパトリック殿下)」
「クエエエー‼︎(ラジャー‼︎ マリア嬢の盾になるノア)」
ーーロボ役者達と、スピカの衝突が始まった‼︎ーー
「ブツブツブツブツ……シャーシャーンキキキキエーー。……月の灰全てを昇華してアンパンややややあああああ! ンキエエエエエー‼︎(髪を振り乱してがむしゃらに鈴を振りたくるマリア嬢)」
「わんわわわん‼︎(マリア様、頑張って‼︎ 霊力の縄で、ロボ役者達を捕捉しまくるパトリック殿下)」
ワレラニアダナスモノモ、ソク、マッサツ。(ロボ)
アノ、キグルミゼンインマッサツタイショウ。(ロボ)
ヒルムナ、ススンデ、マズハ、チビヲコロスノダ。
「……わんわふわわわん⁉︎(えっ? 今チビって言った? 言ったよね? ……ごめんけど、僕、マリア様よりは身長高いから‼︎ もう一回言うけど、僕はチビじゃないよ‼︎ 誰? 僕のことチビ呼ばわりしたヤツは⁉︎ 一人残さずぶちコロしてやるう⁉︎ さりげなくコンプレックスを刺激されたため、冷静さを見失ってお怒りなチビ殿下)」
「……。(大人気ない。元々小柄なのは、覆せない事実ではないですか、殿下。 ものすっごい勢いで舞台上を動き回ってるマリア嬢を、邪魔しないように盾になり、ついて回ってるノア)」
「ンキシャアアアアー! アンパンカモーーーーン‼︎(意識は無い筈だか、何故かアンパンの所望を口にしつつ鈴を振りたくるマリア嬢)」
「わふわふん……。(まりあさま。……そんなにアンパンが大好きなんですね。 マリア嬢のアンパンに対する執着を見て、冷静さを取り戻す殿下)」
パアアアアアアア、……ザンッ‼︎
ーーマリア嬢から強力な白い光が放射された瞬間。ーー
………………スンッ‼︎(全ての月の砂が消失した音)
ーー空気中を漂う白い月の砂は霧散し、ロボット化した役者達は、全員気を失って、その場へ倒れた‼︎ーー
バタンッ…………。(倒れるマリア嬢)
「マリアさまあ‼︎(すかさずマリア嬢のところへ飛び、マリア嬢の手から離れた鈴を回収しつつ、マリア嬢を抱きしめ起こす、フードを下ろしたパトリック殿下)」
「……ぱと、さま、と、……あんぱん。(ガクンとパトリック殿下にもたれかかる、頬っぺたがゲソゲソなマリア嬢)」
「まりあさまあーー‼︎(悲劇のヒロインばりに絶叫しながら、携帯していたアンパンをマリア嬢のお口に放り込むパトリック殿下)」
「……。(マリア様、以前よりもゲソゲソになってる。……お年頃のお嬢様が、こんなにも犠牲になって、……可哀想すぎますよ。 パトリック殿下達の近くで、ひっそりと涙を流してるノア)」
「……ノア、ロボ役者さん達の様子は?(涙を流しながらも、冷静に状況を把握しようとするパトリック殿下)」
「(フードを下ろして)劇団員、全員気絶しています。銀色の月の砂も、マリア様のおかげで、全て消失できたと考えられます。(大真面目ノア)」
「よし、……一旦、ミクル姉さんのところまで戻って、マリア様を診てもらうよ。(着ぐるみさんの袖で、涙を拭うパトリック殿下)」
「ラジャーー‼︎(敬礼ノア)」
「(マリア嬢をお姫様抱っこして)指定人物魔法転送……。(瞳孔ピカッ)」
ーー橙色の光とともに、三人は消失した‼︎ーー
シーーーーーーーン(観客席)
……ぱち、……ぱち、……パチパチパチパチ‼︎
着ぐるみトリオ、良かったぞー‼︎(とある観客)
内容違うけど、楽しめたー‼︎(とある観客)
泣かせすぎだぞ、コノヤロー‼︎(とある観客)
ーースピカトリオが去った後、暫く、観客のアツくてあたたかい、拍手のシャワーが舞台上に降り注いだ‼︎ーー
◇ ◇ ◇
ーーところ変わって、こちらは、一般観客席。ーー
「……感動だな。(頬をつたう涙を拭うマーズ殿下)」
「……マーズ、……ずっと、わんこの女の子のこと見てた。……浮気だ。……許せない‼︎(ポカポカとマーズ殿下を叩きまくる、虚な瞳のマーキュリー殿下)」
「違うよ、マーキュリー。……着ぐるみを着たマーキュリーは、さぞ美しいだろうなって、妄想してたのだ。(マーキュリー殿下に叩かれてとても嬉しそうなマーズ殿下)」
「たとえ妄想でも、僕以外の女の子を見るのは禁止だよ‼︎(虚な瞳でマーズ殿下に抱きつくマーキュリー殿下)」
「そうだな。……次からはもうしないって、誓うよ。(ものすっごい嬉しそうなマーズ殿下)」
「約束だからね?(虚な瞳のマーキュリー殿下)」
「ああ。(懐から出した青い火薬に火をつけて、舞台上へ投げ入れるマーズ殿下)」
バン‼︎
ーーマーズ殿下が投げ入れた青い火薬は、瞬時に、水色の煙幕となり、劇場全体へ広がっていった‼︎ーー
「マーズ、どうしたの?(ほえーなマーキュリー殿下)」
「うん? ああ、……ちょっと、一般のお客様には、見られたらまずそうな場面が多かったからな。……ここで起こったことは、全て夢として処理した方が、弟にとって都合がいいのだよ。(なんとなく事態を察してたマーズ殿下)」
「そうなんだ……。(虚ろな瞳のマーキュリー殿下)」
「私たちも、弟達のところに合流しようか。」
「……うん。(虚ろな瞳のマーキュリー殿下)」
「……私から手を離さないようにな。……魔法転送ーー。(シュパッと転送用魔法陣を発動させるマーズ殿下)」
ーー青い光とともに、とある二人は消失した‼︎ーー
◇ ◇ ◇
ーーところ変わってここは、月国の宮殿。ーー
『クックック、……アレが鈴の巫女か。(謎の男)』
『……はい。(無表情な月国王ユエ)』
『良い。……良いぞ。……あの女子は、私が貰う‼︎ アッハッハハハハハハ‼︎(気が狂ったように笑う、謎の男)』
『……。(早く……。早く……。 様子がおかしいユエ)』
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※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
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