【モフモフは正義‼︎】親友に裏切られて国外追放された悪役令嬢は、聖女になって返り咲く

星 佑紀

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第陸譚

0057:スピカ面接 ベル殿下

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 ーーここはフィックスド辺境伯家の会議室。ーー

 ーー現在、スピカ入団志望者の面接中である。ーー


「失礼致します。リリアナ嬢を無事、控え室に送り届けました。(静かに会議室へ入るノア)」

「よしっ‼︎ 次の志望者を呼んじゃって‼︎(やる気満々な、パトリック殿下)」

「……了解致しました。(出入口扉を開けて)……ランドット王国第一王子ベル殿下、どうぞお入りください。」

「……失礼します。(キリッとベル殿下)」

 ーースピカ入団志望者三番、ベル・ナユタ。ーー

「はい、スピカ入団面接へようこそ! そこの席に座ってください。(ベル殿下へ、面接官と対面している志望者席を促すパト殿下)」

「失礼致します。(完璧な所作で着席するベル殿下)」

「それでは、お名前と、出身地と特技を教えてください。(手元にある『ベル・ナユタの履歴書』と書かれた用紙を手に取るパト殿下)」

「ベル・ナユタ、出身地はランドット王国首都王城、特技は、小説を書くこと。(キリッとベル殿下)」

「へえ、小説を書いていらっしゃるのですね。書籍として出されているんですか?(大変興味深いパト殿下)」

「ええ、……ペンネームは、です。(ドヤッとベル殿下)」

「「「「「「ーーーーっ⁉︎」」」」」」

「……? クリンゲル・ホームズ?(さっき、リリアナ嬢が言ってた小説家? 困惑パト殿下)」

「はい、年間十数冊程出させていただいています。(ドヤドヤベル殿下)」

「…………昨日劇場で公演されたミュージカルの原作者の?(なんとも言えない表情のパト殿下)」

「いかにも。あの作品は、色々資料を集めて書いたので、自信作です。(ドヤっとベル殿下)」

「そうですか。…………何て言えば良いんだろう。…………えっと、……何のために、小説を書いているのですか?(ちょっと困惑パト殿下)」

「リアの為です。(至極真面目な表情のベル殿下)」

「「「「「「…………?(ほえーー?)」」」」」」

「り、リリアナ嬢のためとは?(困惑パト殿下)」

「……話せば長くなるのですが、いいですか?」

「はい、……どうぞ。(とりあえず促すパト殿下)」

「……あれは、十数年前のことです。……私とリアは、アデル皇国の宮殿で初めて出会い、恋に落ちました。(謎の酔いしれた表情のベル殿下)」

「(小声で)十数年前って、ガキンチョの頃ってことだよね?(モフモフに聞くパト殿下)」

「(小声で)もっふう‼︎(推定七、八、十歳くらいですわね‼︎ さりげなくあん餅をもふもふしてるマリア嬢)」

「私はリアに一目惚れし、リアも私に……。私たちは、ランドットに帰って婚約する予定でした。(謎の感傷に浸ってるベル殿下)」

「なるほど。それで、リリアナ嬢と婚約したのですね。(思った以上に長そうだぞ、こりゃ。 パト殿下)」

「いいえ、……なんと、ヘレン公爵家の意向で、リアは私の弟ロバートと婚約することになったのです‼︎(悔しさに涙を滲ませるベル殿下)」

「「「ーーーーっ‼︎(驚愕パト、マリア、ノア)」」」

「私とリアは、離れ離れになってしまい、心の闇路を彷徨っておりました。……許せない。リアは、私と結婚するために生まれてきたはずなのに、ロバートとなんて‼︎ ……悩んだ結果、クリンゲル・ホームズという名で小説を書き、『悪役令嬢が婚約者から不当な理由で断罪されて婚約破棄の後、国外追放された結果、運命の相手と巡り合い結ばれて、幸せになる』という概念を作り出し、リアに刷り込みました。(超真面目なベル殿下)」

「…………。(いや、長いな‼︎ あと、リリアナ嬢が言っていた『悪役令嬢』とはこのことか‼︎ ベル殿下の熱意に圧倒されるパトリック殿下)」

「そして先日やっと、……ロバートが以前より泳がせていた男爵令嬢と不貞をした挙句リアのことを断罪裁判にかけてくれたおかげで、リアを手に入れることができました。(超真面目なお顔でなかなかゲスいことを言っているベル殿下)」

「……えっと、……リリアナ嬢は、ロバート殿下(?)から、断罪裁判にかけられて、罪をきせられて、婚約破棄をされた結果、国外追放されたということですか?(確かに、僕もマリア様をゲットする為に、いろいろ手を回してきたけれど、流石にハニートラップをかけたりとかはしてないよ⁉︎ リゲルが勝手にマリア様の親友と不貞を犯したんだからね‼︎ いろいろ心の中で言い訳をしてるパト殿下)」

「そうですね、……リアは、『ランドットの宝』ですので、国外追放は取り消しましたが、ご想像の通りです。……私がリアを監視するという名目で、婚約しました。(ドヤドヤっとベル殿下)」

「……なかなか大変でしたね。(この人、僕よりヤバい人なのかもしれない。 ちょっとビビってるパト殿下)」

「いえ、……リアと一緒になる為でしたら、私は、なんでもやってみせます‼︎(目がピカピカ光ってるベル殿下)」

「……それでリリアナ嬢は、ベル殿下がクリンゲル・ホームズであることをご存知なのですか?(……うん。早く終わらせよう。 ゴッソリ体力を吸い取られているパト殿下)」

「いえ、リアは、知りません。しかし、リアは、私のこともクリンゲル・ホームズのことも、愛しています。(キリッとベル殿下)」

「そそそうですか……。(超困惑なパト殿下)」

「いつか、クリンゲル・ホームズの正体を、リアに明かすつもりです。……とても、楽しみですね。(真面目顔でニヤッとするベル殿下)」

「……わわわかりました。……いろいろお伺いしましたが、……ベル殿下は、スピカには勿体無いお方だと僕は思っています。……スピカには在籍せずに、クリンゲル・ホームズとして、数々の名作を生み出された方が、ベル殿下とリリアナ嬢の今後の幸せに繋がるのではないのでしょうか?(ベル殿下は、ちょっとクセが強すぎるからね。良い感じに誤魔化して、お帰りしてもらおう。 どうにかベル殿下を不合格にしたいパト殿下)」

「ーーーーっ⁉︎ 何故、リアは合格で、私が不合格なのですか⁉︎ 私とリアは、運命共同体‼︎ 双子の魂‼︎ 恋人で、親友で、婚約者で、配偶者で、人生における全てなのです‼︎ パトリック殿下、お願いします‼︎ 私とリアを引き剥がさないでください‼︎(号泣しながら訴えかけるベル殿下)」

「……いや、でもですねー。(どうしようかなー。 かなり悩んでるパトリック殿下)」

「(パトリック殿下の肩に手をやって)もふ。(パト様、……ベル殿下も合格に致しましょう。 ポケットからあん餅を取り出して、パトリック殿下へ、さも賄賂かのように持たせるマリア嬢)」

「…………マリア様、いきなりどうしたの⁉︎(いろいろびっくりしてるパトリック殿下)」

「もっふう、もっふもっふう‼︎(リリアナ様と同様、ベル殿下も、ランドットのお土産『シュークリーム』とやらを恵んでくださったのですわ‼︎ パトリック殿下の居ないところで、ランドットズからもふもふ餌付けされてたマリア嬢)」

「ーーーーっ⁉︎ ……まさか、ベル殿下にも餌付けされてたなんて、……却下だ却下‼︎ ランドットのお二人は、ランドットへ強制送還させてやる‼︎(自身の知らないところで、マリア嬢が餌付けされててかなりお怒りなパト殿下)」

「まあまあ落ち着こう、パトリック。……お二人は、何かあったらにできるから、合格にしておいた方が得だぞ。(さらりとゲスなことを言いつつ、グッシャグシャになった『ベル・ナユタの履歴書』を確保して、『合格』ハンコをペッタンするサネユキ)」

「……ちょっと、サネユキ、……僕、まだ納得いかないんだけど‼︎(激おこパト殿下)」

「まあまあ、……私に、良い考えがあるから、後生だ、パトリック。(なかなか悪い顔をするサネユキ)」

「…………少しでも、スピカに不利益になるなら、二人の記憶を消去して、ランドットに返すからね‼︎(なかなか恐ろしいことを言うパト殿下)」

「それでいこう。……ベル殿下、……ランドットのお二人が少しでも、スピカを裏切るような行動を取るようであれば、即、記憶を消してランドットへ強制送還させますが、……それでも、スピカに入りたいですか?(ビシッとサネユキ)」

「入りたいです‼︎(アツい男、ベル殿下)」

「……その言葉、絶対に忘れないでくださいね。(ちょっと機嫌がおさまったパト殿下)」

「ええ、これからよろしくお願い致します、パトリック殿下‼︎(深く頭を下げるベル殿下)」

「よし、じゃあ、ノア、……ベル殿下を控え室まで、送り届けて。(キリッとパト殿下)」

「ああ、……自分で戻れるからいいですよ。(即座に転送魔法を発動して消えるベル殿下)」


 ーー志望者席は、空っぽになった‼︎ーー


「「「「「ーーーーっ⁉︎」」」」」

「そういえば、ベル殿下って、魔法もプロ並に使えますし、霊力もまあまあできるんですよね。(子どもの頃色々教えてもらったなー。全然出来なかったけど。 過去に思いを馳せるノア)」

「なるほど。……特技に魔法と霊力も足しておこう。(『ベル・ナユタの履歴書』の特技の項目へ、勝手に書き足すサネユキ)」

「…………マリア様、……僕の見てないところで、ランドットズに餌付けされて、それでいいと思っているのですか⁉︎(ちょっと寂しい気持ちもあるパト殿下)」

「(フードを下ろして)此度は、本当に申し訳ありませんでした。(パト殿下のお膝の上で、誠心誠意謝るマリア嬢)」

「これから最低一週間は、僕から離れるの禁止だからね‼︎(マリア嬢をギュウギュウに抱きしめるパト殿下)」

「うぐっ、……そ、……れは、ちょっと……⁉︎(パト殿下のハグハグ攻撃を受けて、ちょっと苦しげマリア嬢)」

「わかった‼︎ マリア様の言う通り、一ヶ月は、僕とずっと一緒だよ‼︎(全然マリア嬢の気持ちを理解しきれていない、パト殿下)」

「も、もふうーー⁉︎(フードを被っていないのに、驚きのあまり、犬語になってしまうマリア嬢)」

「……よし、……ランドットズを入れると、良い感じの戦力になるな。(さりげなくちゃんと考えているサネユキ)」

「……。(難しいことは、わからないけれど、超がつくほどの貴族のお方が、僕の同僚になることは、わかったぞ。……ああ、実家に帰りたい。……ニホンの田舎でもいい。……ずっとニート生活したいよおー‼︎ 遠い故郷へ、現実逃避するジョナサン)」

「ランドット王国の王族のお方ともお知り合いだなんて、……パトリック殿下、素晴らしいですわ‼︎(本当に、パト殿下の胸の内を知らない、ど天然オリビア)」

「……。(アクというか、クセというか、……なんで、こんなにもこだわりのある人たちが、寄ってくるんだ⁉︎ 今後の活動を思い浮かべて、頭痛がしてくるノア)」

「スピカ入団志望者も残るは、あと五人‼︎ ノア、よろしく‼︎(もふもふをもふもふしながら指示するパト殿下)」

「ラジャーー‼︎(ヤケクソなノア)」


 ーースピカ入団志望者面接は、まだまだ続く‼︎ーー
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