引きこもりニートが、クーデター組織に入った話

星 佑紀

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第壱譚(修正前)

0002:ジョナサン、元職場に行く⁉︎ 其弐

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「ジャスミン、辞めてから随分経つな!」

「は、はい。……そうですね。(滝のような汗)」

「地元にいるなら、定期的に顔を出さないといけないじゃないか!(ほんとコイツ地味で気が利かない奴だわ。)」

「え、ええと……。(誰か、助けてー!)」

「……すまないが、私の嫁に勝手に話しかけないでくれないか。(この輩がジョナサンを苦しめるゴミ虫か。)」

「な、何だって⁉︎(俺様でさえ、結婚してないのに、この女、もう結婚してたのかよ!)」


 隊長は、僕と部長との間にズイッと入ってきてくれた。……やっぱり隊長は良い人だ‼︎


「……俺とつい最近まで婚約してたのに、……とんだアバズレ女だな。(軽蔑した視線をジョナサンに向けて)」

「最近って言ったって、もう三年経つではありませんか‼︎(怖い怖い怖い怖い‼︎)」


 僕は部長の目付きがあまりにも怖すぎて、隊長の背中に隠れてブルブルと震えてしまった。


「うるさい黙れ! ……おい、そこのお前! ……ここいらじゃ全然見掛けないが、何者だ?(ビシッと)」

「……彼の夫だが。(きょとん)」

「名前だよ名前! どうせ地味女と結婚するくらいだから、卑しい身分の出だろう!」

「申し遅れた。私は、ニホン帝国から来たサネユキ・イトーだ。現在、トルネード王国との親善大使をやっている。」

「「「ーーーーっ‼︎」」」


 ええええ‼︎ 何だって⁉︎ 親善大使ということは……。


「イトー姓、……もしかしてーーっ‼︎」

「一応、みかどの遠い親戚にあたるが。(きょとん)」


 隊長って、皇族のお方なのですか⁉︎(びっくり仰天)


「も、申し訳ありません。イトー様。先ほどの無礼をお許しください‼︎(汗だくになりながら必死で土下座する部長)」

「別にいいから、さっさと手続きを済ませてくれ。」

「は、はいいいい‼︎」


 部長は物凄い勢いで、戸籍の書類を捌くのであった。



 ◇  ◇  ◇



「……イトー様、ジャスミン・レイヤーの除籍処理が終わりました。(滝のような汗をダラダラ流してる)」

「ああ、ありがとう。」


 ふうー。やっとここから出られるな! と、一安心しているところに、部長の後ろから、ミリリンが顔を出してきて、大きな爆弾を落としてきたのだ!(ガクブル)


「あの、イトー様、……婚姻証に『』の記載がなかったので、付け足しましょうか?(きゅるるん)」

「…………それは、一体どういう意味だ?」

「えっと、……ジャスミンは地味でなんの取り柄もない、ただのモブ子ですから、イトー様の『妾』なのかと思いまして。……この国トルネード王国は、一夫多妻制なので、『本妻(正妻)』と『妾』の記載はしっかり行わないといけないのですよ。(きゅるるん)」

「私の妻はジョナサンだけだ! これ以上、私のジョナサンを貶める言葉を吐くならば、戦争に発展するやもしれんぞ。」

「ひいいいいい‼︎(卒倒してバタン)」

「ジョナサン、行こう。」

「は、はい!」


 カンカンに怒ってしまった隊長は、除籍書類と僕をガシッと掴むと、カツカツ足音を鳴らしながら、役場の外へと出るのであった。(大汗)



 ◇  ◇  ◇



「……隊長、ごめんなさい。」

「何故、ジョナサンが謝るのだ?(きょとん)」

「だって、……僕の元同僚達が、隊長に対して酷いことを言ってしまいましたから。(モジモジ)」

「私は大丈夫だ。……それよりもジョナサン、……さぞや辛かったろう?(ジョナサンの頭をヨシヨシと撫でる)」

「…………た、たいちょうーー‼︎(ウルウル)」


 気がつくと僕は、隊長の胸の中で、すんごく泣きじゃくっていた。……怖かった。本当に、怖かった。


「思う存分、泣くといい。……言いたいことも今なら言ってもいいぞ。(ジョナサンの頭を撫でながら)」

「ううっ……ぐすん……ひっく、ひっく、……部長は、はじめはとても優しかったんです。」

「…………そうか。」

「ひっく、……一緒の部署で残業してたから、お互いに助け合って、……いつしか恋仲になって、……四年前に婚約しました。ぐすん。」

「…………。」

「で、でも、……婚約を境に、僕のことを罵倒したり、暴力を奮ってきたり、無理な残業を強いるくせに、仕事をさせてくれなくなったり…………。しまいには、さっきの受付の女性との逢瀬を目撃してしまって……。ひっく、ひっく。」

「…………浮気か。(鬼のような顔)」

「はい。……問い正したら、逆上して、『婚約破棄だ!』って。……ひっく、それが三年前のことです。……ひっく、……一年間は我慢したのですが、婚約破棄をきっかけに、役場を退職しました。」

「…………。(ぎゅうっとジョナサンを強く抱きしめる)」

「部長が豹変してから、皆からの風当たりも強くなって、お弁当捨てられたり、大事な書類隠されたり、……聞こえる距離で悪口を言われたり、お手洗いに入ると上からバケツで水を掛けられたり、通勤中に生卵をぶつけられそうになって、急いでキャッチしてから卵かけご飯にしたり、……散々な職場でしたね。(苦笑い)」

「無理して笑わなくていい。(真っ直ぐな瞳)」

「ーーーーっ‼︎」

「もう大丈夫だ。勿論私がついているし、パトリックや『スピカ』も、必ずジョナサンを守るからな。」

「隊長ーーーー‼︎(ふえーーん‼︎)」

「よしよし。……ちなみに、あのゴミ虫野郎とは、何処まで進んだのかな?(一番それが気になるぞ。)」

「…………何処までとは?(きょとん)」

「……手を繋いだとか、……接吻したとか。(ギロリ)」


 隊長は、先程までのとても優しいお顔を潜めて、まるで、般若のような顔でじっとりと問うてくる。……さっきまでの優しさは何だったのー⁉︎(ガクブル)


「や、やるわけないじゃないですか! それに、付き合っているときも、婚約してからも、『皆には秘密だからな!』って言われて、ほんとに何にもなかったんですからね!」

「そうか、……それを聞いて、安心した。」


 隊長は、抱き締める力を更に強めて言った。


「ジョナサン、……私以外のゴミ虫と交際していた時点で浮気確定だ。(ジョナサンには私以外いらないからな。)」

「ーーーーっ‼︎(いや、いつから隊長と、そ、そのような関係になったのですか⁉︎ 大汗)」

「しかし、今回は、……自ら甘えてきてくれたから、大目にみてやろう。(優しい微笑み)」

「隊長……。(お、大目にみるとは⁉︎)」

「これからは、一緒のベッドで寝るからな!」

「いや、何でそうなるのですかーー⁉︎」


 ちなみに、いつも同じ天幕で寝泊まりしているのだが……ベッドまで同じになると、かなり窮屈だなー。(遠い目)


 ーージョナサン、過去のシガラミから解き放たれる‼︎ーー
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