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第5章 病めるときも健やかなるときも *
5.それでも一緒にいたい
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「それでアプリコット。
チハルの今後ってなんだ?」
「え……?」
さらに五分もたたないうちに、レオンが仕事場から出てくる。
お客はどうも帰したようだけど……。
「レオン、お客様はよかったんですか……?」
「は?
仕事よりチハルが優先に決まってるだろ?」
さも当たり前、なふうに言って、レオンは空いている椅子を引っ張り、部屋の隅まで離れて座った。
これはこの世界がこうなのか、私の常識がおかしいのか。
ちょっとばかり、自信はない。
「さてレオン。
チハルの今後について話しあいましょう?」
「なんで俺がお前と、チハルの今後について話しあわねばならん」
椅子を後ろ向きにして座り、レオンはあまり聞く気がなさそうだ。
「だってレオン、チハルを傷つけるのが怖くて避けてるんでしょう?
いくらチハルのためでも可哀想だわ」
「そ、それは……」
図星、なのでレオンの視線が落ち着かずあちこちに向く。
「それなら私がチハルを預かるわ。
ちょうど私、誰か雇おうと思っていたの。
チハルなら人間だけど読み書きもできるし、計算も高度なものまでできるから助かるわ」
「……」
レオンは黙ったままなにも言わない。
レオンの家を出るなんて考えたこともなかった。
「チハルはどう?
私の家で暮らすのは」
いつもアプリコットさんの提案はすでに彼女の中では決定事項なのに、いまはちゃんと私の意思を確認してくれている。
アプリコットさんと暮らせば、不注意でレオンから傷つけられることも、――私を傷つけてレオンが落ち込むこともなくなる。
自分が少しくらい怪我をするのはかまわない。
けれどその度に彼が、深く後悔するのは嫌だ。
「私は……」
「ダメだ」
私の言葉を遮るように、レオンが口を開く。
「チハルをアプリコットの家にやった方がいいのはわかっている。
これは俺のわがままだって。
でも俺はたとえチハルに触れられなくても、……一緒に、いたい」
最後、絞り出された言葉は酷く苦しそうで、胸がぎゅっと締め付けられた。
「けれどチハルが、いつ傷つけるかわからないようなこんな俺と一緒にいるのが嫌だというのなら、強制はしない」
レオンの目はいまにも泣きだしそうに潤んでいる。
ぶんぶんと勢いよく、首を横に振った。
「私はレオンと一緒にいたい……です」
彼だってまた私を傷つけたらという恐怖があるのに、それでも一緒にいることを選んでくれた。
なら、私も自分の気持ちに正直になるべきだ。
「アプリコットさんの家に行けば、もうレオンが私を傷つけて苦しんだりしなくていいのはわかっています。
でもそれ以上に、レオンと一緒にいたい。
……好き、とかはまだ、わかんないけど」
また、怪我を負わされるかもしれない。
大型肉食獣と暮らすというのはそういうことだ。
わかっていても、そのことにこんなに怯えながらも私と共に生活したいと言ってくれるこの獣が、こんなにも愛おしい。
「……もうそれって、好きってことじゃない」
はぁーっ、とアプリコットさんの口からため息が吐きだされる。
「レオンハルト!」
「なんだ?」
平静を装いながらも小型草食獣を相手に、尻尾がビン!と立ち上がる。
「二度とチハルに淋しい思いをさせちゃダメよ?
今度やったらそのたてがみ、全部剃ってやるからね!」
ほーっほっほっほ、なんて手の甲を口もとにあて、アプリコットさんは高笑いした。
「……それは勘弁してくれ」
レオンは耳まで倒して項垂れているけれど。
……たてがみを全部、剃る?
「それはダメです!
……あいたっ」
足が届いていないのに勢いよく立ち上がろうとして、椅子から滑り落ちてお尻を打った。
「大丈夫か!?」
瞬間移動でもしたんじゃないかという勢いでレオンが私の傍に来て、助け起こしてくれる。
「あ……。
その、すまん」
しかしすぐに、私を支えた手を引っ込めようとした。
すかさずその手を、掴む。
「私、少しくらい、レオンに傷つけられたってかまいません。
それよりもレオンが触れてくれない方がつらい、から」
「チハル……」
こわごわ、レオンの腕が私の背中へと回る。
繊細な細工物のように気遣いながら、そっと私を抱き締めた。
「俺はチハルに触れてもいいんだろうか」
「いいんですよ」
彼の背中に腕を回し、ぎゅっと力いっぱい抱き締める。
もふ、と顔が埋もれるたてがみが気持ちいい。
うん、このもふもふは私の癒やしなのだ。
剃るなんて絶対、ダメに決まっている。
「あのさー、そーゆーのは私が帰ってからやってくれない?」
やっていられない、とばかりに足を組んで行儀悪く肘をつき、アプリコットさんはお菓子を囓った。
「あー、えと。
その。
はい」
ずっと彼女に見られていたのだと思うと、顔が一気に熱くなった私に対し、レオンは。
「なんだ、アプリコット。
まだいたのか」
空気読めよ、って感じでまた、アプリコットさんが大きなため息をついた。
ひさしぶりにレオンとふたりで食卓を囲む。
「うまいな、これ」
「喜んでくれてよかったです!」
時間をかけてとろ火でコトコト煮込んだ肉は、スプーンで簡単に崩れるほど柔らかくなっていた。
「チハルが来てから俺の食生活は、すっかり潤ったな」
「ずっとサンドイッチだけでしたもんねー」
「うっ。
……ごほ、ごほごほっ!」
ツッコまれてレオンが喉を詰まらせる。
「大丈夫ですか!?」
「あー、大丈夫だ」
水を飲んで人心地つき、レオンはふーっと息を吐きだした。
「もうチハルのいない生活になんて戻れないな」
「……そう、ですか」
目尻を下げてレオンがうっとりと笑う。
なんだかその顔を見ていられなくて目を逸らした。
獣人、だからなのかここの獣たちは表情豊かだ。
「……だから俺は、チハルを大事にする。
チハルは俺に傷つけられてもかまわないと言ってくれたが、いままで以上に気をつけてもう二度と、チハルに怪我をさせない」
伸びてきた手が慎重に、私の手を握る。
「だからこれからも俺と、一緒にいてくれるだろうか」
真っ直ぐに彼が私を見つめる。
どこまでも澄んだ瞳は一点の曇りもない。
「私こそ、レオンにつらい思いをさせると思います。
きっと、後悔だって。
それでも私を、傍に置いてくれますか」
爪に気をつけながら、指を絡めてレオンの手を握り返す。
「もちろんだ。
何度だって言う。
俺はチハルと一緒にいたい」
それってまるでプロポーズのようだって、レオンは気づいているんだろうか。
「私もレオンと一緒にいたいです。
それこそ、病めるときも健やかなるときも」
「なんだその、変なのは」
「秘密でーす」
レオンは不満そうだけど、笑って誤魔化しておく。
恋なんて存在を忘れていた私には、いきなりのプロポーズは身体がびっくりしてしまう。
いや、あれはプロポーズではないんだけど。
少しずつ、気持ちをならしていこう。
そして恋がちゃんとできるようになったら。
あれは私の世界では永遠の愛を誓う言葉だとレオンに教える。
チハルの今後ってなんだ?」
「え……?」
さらに五分もたたないうちに、レオンが仕事場から出てくる。
お客はどうも帰したようだけど……。
「レオン、お客様はよかったんですか……?」
「は?
仕事よりチハルが優先に決まってるだろ?」
さも当たり前、なふうに言って、レオンは空いている椅子を引っ張り、部屋の隅まで離れて座った。
これはこの世界がこうなのか、私の常識がおかしいのか。
ちょっとばかり、自信はない。
「さてレオン。
チハルの今後について話しあいましょう?」
「なんで俺がお前と、チハルの今後について話しあわねばならん」
椅子を後ろ向きにして座り、レオンはあまり聞く気がなさそうだ。
「だってレオン、チハルを傷つけるのが怖くて避けてるんでしょう?
いくらチハルのためでも可哀想だわ」
「そ、それは……」
図星、なのでレオンの視線が落ち着かずあちこちに向く。
「それなら私がチハルを預かるわ。
ちょうど私、誰か雇おうと思っていたの。
チハルなら人間だけど読み書きもできるし、計算も高度なものまでできるから助かるわ」
「……」
レオンは黙ったままなにも言わない。
レオンの家を出るなんて考えたこともなかった。
「チハルはどう?
私の家で暮らすのは」
いつもアプリコットさんの提案はすでに彼女の中では決定事項なのに、いまはちゃんと私の意思を確認してくれている。
アプリコットさんと暮らせば、不注意でレオンから傷つけられることも、――私を傷つけてレオンが落ち込むこともなくなる。
自分が少しくらい怪我をするのはかまわない。
けれどその度に彼が、深く後悔するのは嫌だ。
「私は……」
「ダメだ」
私の言葉を遮るように、レオンが口を開く。
「チハルをアプリコットの家にやった方がいいのはわかっている。
これは俺のわがままだって。
でも俺はたとえチハルに触れられなくても、……一緒に、いたい」
最後、絞り出された言葉は酷く苦しそうで、胸がぎゅっと締め付けられた。
「けれどチハルが、いつ傷つけるかわからないようなこんな俺と一緒にいるのが嫌だというのなら、強制はしない」
レオンの目はいまにも泣きだしそうに潤んでいる。
ぶんぶんと勢いよく、首を横に振った。
「私はレオンと一緒にいたい……です」
彼だってまた私を傷つけたらという恐怖があるのに、それでも一緒にいることを選んでくれた。
なら、私も自分の気持ちに正直になるべきだ。
「アプリコットさんの家に行けば、もうレオンが私を傷つけて苦しんだりしなくていいのはわかっています。
でもそれ以上に、レオンと一緒にいたい。
……好き、とかはまだ、わかんないけど」
また、怪我を負わされるかもしれない。
大型肉食獣と暮らすというのはそういうことだ。
わかっていても、そのことにこんなに怯えながらも私と共に生活したいと言ってくれるこの獣が、こんなにも愛おしい。
「……もうそれって、好きってことじゃない」
はぁーっ、とアプリコットさんの口からため息が吐きだされる。
「レオンハルト!」
「なんだ?」
平静を装いながらも小型草食獣を相手に、尻尾がビン!と立ち上がる。
「二度とチハルに淋しい思いをさせちゃダメよ?
今度やったらそのたてがみ、全部剃ってやるからね!」
ほーっほっほっほ、なんて手の甲を口もとにあて、アプリコットさんは高笑いした。
「……それは勘弁してくれ」
レオンは耳まで倒して項垂れているけれど。
……たてがみを全部、剃る?
「それはダメです!
……あいたっ」
足が届いていないのに勢いよく立ち上がろうとして、椅子から滑り落ちてお尻を打った。
「大丈夫か!?」
瞬間移動でもしたんじゃないかという勢いでレオンが私の傍に来て、助け起こしてくれる。
「あ……。
その、すまん」
しかしすぐに、私を支えた手を引っ込めようとした。
すかさずその手を、掴む。
「私、少しくらい、レオンに傷つけられたってかまいません。
それよりもレオンが触れてくれない方がつらい、から」
「チハル……」
こわごわ、レオンの腕が私の背中へと回る。
繊細な細工物のように気遣いながら、そっと私を抱き締めた。
「俺はチハルに触れてもいいんだろうか」
「いいんですよ」
彼の背中に腕を回し、ぎゅっと力いっぱい抱き締める。
もふ、と顔が埋もれるたてがみが気持ちいい。
うん、このもふもふは私の癒やしなのだ。
剃るなんて絶対、ダメに決まっている。
「あのさー、そーゆーのは私が帰ってからやってくれない?」
やっていられない、とばかりに足を組んで行儀悪く肘をつき、アプリコットさんはお菓子を囓った。
「あー、えと。
その。
はい」
ずっと彼女に見られていたのだと思うと、顔が一気に熱くなった私に対し、レオンは。
「なんだ、アプリコット。
まだいたのか」
空気読めよ、って感じでまた、アプリコットさんが大きなため息をついた。
ひさしぶりにレオンとふたりで食卓を囲む。
「うまいな、これ」
「喜んでくれてよかったです!」
時間をかけてとろ火でコトコト煮込んだ肉は、スプーンで簡単に崩れるほど柔らかくなっていた。
「チハルが来てから俺の食生活は、すっかり潤ったな」
「ずっとサンドイッチだけでしたもんねー」
「うっ。
……ごほ、ごほごほっ!」
ツッコまれてレオンが喉を詰まらせる。
「大丈夫ですか!?」
「あー、大丈夫だ」
水を飲んで人心地つき、レオンはふーっと息を吐きだした。
「もうチハルのいない生活になんて戻れないな」
「……そう、ですか」
目尻を下げてレオンがうっとりと笑う。
なんだかその顔を見ていられなくて目を逸らした。
獣人、だからなのかここの獣たちは表情豊かだ。
「……だから俺は、チハルを大事にする。
チハルは俺に傷つけられてもかまわないと言ってくれたが、いままで以上に気をつけてもう二度と、チハルに怪我をさせない」
伸びてきた手が慎重に、私の手を握る。
「だからこれからも俺と、一緒にいてくれるだろうか」
真っ直ぐに彼が私を見つめる。
どこまでも澄んだ瞳は一点の曇りもない。
「私こそ、レオンにつらい思いをさせると思います。
きっと、後悔だって。
それでも私を、傍に置いてくれますか」
爪に気をつけながら、指を絡めてレオンの手を握り返す。
「もちろんだ。
何度だって言う。
俺はチハルと一緒にいたい」
それってまるでプロポーズのようだって、レオンは気づいているんだろうか。
「私もレオンと一緒にいたいです。
それこそ、病めるときも健やかなるときも」
「なんだその、変なのは」
「秘密でーす」
レオンは不満そうだけど、笑って誤魔化しておく。
恋なんて存在を忘れていた私には、いきなりのプロポーズは身体がびっくりしてしまう。
いや、あれはプロポーズではないんだけど。
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