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第7章 郊外にある村 *
1.人間は馬車に乗れません
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「……」
しばらく無言で目の前のサンドイッチを眺めたあと、そーっとパンを剥いで挟まれているハムを抜いた。
「……?」
そんな私を見て、いままさに口へサンドイッチを入れようとしていたレオンが止まる。
なにも言わずに皿へ戻し、彼も同じようにハムを抜いた。
「レオンまでする必要はないんですよ?」
「いや、かまわない」
ばくばくと豪快に野菜だけのサンドイッチを食べ、また次のサンドイッチからレオンがハムを抜く。
それを見ながら私もサンドイッチに口をつけた。
「まだ肉はダメか」
「……はい」
これは本当は人間の肉なんじゃ?
そう疑ってしまってから、肉を食べられなくなった。
わかっているのだ、これは魔獣の肉だって。
レオンだって食べているんだから絶対に人間の肉じゃない。
理解はできても身体が受け付けなかった。
「レオンは肉を食べなくて大丈夫なんですか……?」
私を気遣ってレオンはこのところ、肉をまったく口にしていない。
肉食獣なのにいいんだろうか。
「別に俺たちは肉が食える肉好きな獣、ってだけで、なんだって食える。
草食獣は肉が食えないけどな」
「そうなんですね」
そういえば、動物には食べさせてはいけないはずのタマネギだって普通に食べているし、コーヒーだってあるらしい。
食性は人間とあまり変わらなくて、肉が食べられる、食べられないで肉食、草食と分かれている程度なんだろう。
「それにチハルが肉がダメなうちは、俺が肉を食ってたら嫌だろ?」
サンドイッチを食べ終わり、レオンはお茶を飲んでいる。
理解はしていてもきっと、肉を食べるレオンは、私の目からは人間を食べているように見えるだろう。
彼はそれをちゃんと、わかってくれていた。
「なんか、……すみません」
「チハルが気にすることはないからな。
俺が勝手にやっていることだ」
レオンの手が伸びてきて、私のあたまをぽんぽんする。
彼は私に、とことん甘い。
「今日は出掛けるからな」
朝ごはんはもう食べたというのに、レオンはさらにサンドイッチを作っている。
ハム、抜きで。
「どこへ行くんですか?」
私がここで出掛けるなんて、アレクさんのところへ本を借りに行くくらいしかない。
市場へも行きたいところだが、レオンは絶対に連れていってくれなかった。
きっと、あそこには人間の奴隷が売られているから気を遣ってくれているんだと思う。
「んー?
着いてからのお楽しみだ」
「はぁ……」
なんだか鼻歌すら出そうな感じで準備できたサンドイッチをふきんで包み、レオンはバッグに入れた。
「悪いが、首輪をつけさせてもらうな」
「はい」
私に首輪をつけるとき、毎回、彼は私に詫びた。
私に首輪を嵌めるのはレオンも嫌だし、それにこれは私を守るためのものでもあるってわかっているから、いいのにな。
それに、いまはちょっとだけ……ううん。
なんでもない。
レオンと一緒に家を出る。
彼は絶対にリードというか引き縄を首輪につけない。
そもそも、首輪自体必要ないんだから、それもいらないだろ、って。
今日はアレクさんの家とは反対方向へ進んでいく。
道を歩くとやはり、指をさされてこそこそ話された。
きっと石が飛んでこないのは、レオンがライオンだからだ。
家を出れば毎回なのでわかっているとはいえ、いい気はしない。
少し歩いて、広場のようなところへ出た。
そこには馬車がたくさん止まっている。
誤解のないようにいっておくが、馬車といっても馬が引くのではない。
馭者が、馬なのだ。
ここでは馬ではない、馬によく似た六本足のヒムが車を引く。
馬ももちろん獣人だから車引きなんてさせたら、虐待で訴えられる。
でも金持ちのあいだでは人間に引かせたりもするらしいけどね。
「チハル」
獣が多くなってきたからか、レオンが私の手を掴んだ。
「えっと……」
「はぐれたら困るだろうが」
レオンは至極、真面目だ。
そんな、子供みたいな、とは思ったが、ここでは少しでもレオンの目の届かないところへ行けば、生死に関わる危険がある。
「……はい」
黙って、レオンに手を引かれて歩く。
彼は馬車に乗せてもらえるよう交渉していた。
「ダメだ、ダメだ。
人間は乗せられないね。
人間が乗っていいのは、あれだけだ」
白馬がさした先にあるのは、馬車というよりも小汚い檻だった。
「人間は獣と一緒に車には乗せられないが、獣が人間と乗るのは別にかまわないぜ」
バカにするように白馬がヒィヒィ笑い、しぶきが飛んできて辟易した。
それと同時に、自分のせいでレオンがこんなふうにバカにされて、申し訳ない気持ちになる。
「……チハル、行くぞ」
私の手を軽く引き、レオンが歩きだす。
「せっかく、ライオンが檻に入るなんて、貴重なものが見られると思ったんだけどなぁ」
仲間と一緒になってなおも白馬がヒィヒィ笑い、腹の底がかっと熱くなった。
「……!」
「いいんだ、チハル」
言い返そうとした私を制し、レオンは別の馬と交渉をはじめた。
けれど、反応はさっきの白馬と同じ。
相手を変えて何度交渉しても結果は同じで、そのうち声をかける馬もいなくなった。
「……すまん、チハル」
馬車だまりから少し外れて獣のいないところで、レオンは疲れただろうと見つけた木箱の上に私を座らせてくれた。
「まさか、こんなことになるとは思っていなかった」
はぁーっ、とレオンの口から深いため息が落ちる。
なんでレオンが詫びるのだろう。
馬車に乗れないのは私が人間だからで彼のせいじゃない。
「レオン。
私は檻でかまわないので、別々に……」
「ダメだ」
言い終わらないうちに、かぶせ気味に拒否された。
「あんなものにチハルを乗せるくらいなら、俺が抱えていった方が……。
そうか、俺がチハルを背負っていけばいいのか。
日帰りは無理だが、それでなんとか……」
レオンの気持ちは嬉しいが、それはかなり無理があるのでは?
それに、そんなことをするくらいなら。
「なら、私も歩きます。
少しくらい、へっちゃらです」
なんて、強がってみせる。
馬車で行こうとするような先まで、私が歩けるかどうかは不安だけど。
「そりゃ、無理があるだろ。
目的地はかなり遠いからな」
「えー、大丈夫ですよー」
レオンが呆れるので、むくれてみせる。
私が頬を膨らませて唇を尖らせるので、レオンが吹きだした。
「まー、チハルは元気だもんな。
……もう少し、頑張ってみる」
レオンが私のあたまをぽんぽんし、手を取るので立ち上がった。
しばらく無言で目の前のサンドイッチを眺めたあと、そーっとパンを剥いで挟まれているハムを抜いた。
「……?」
そんな私を見て、いままさに口へサンドイッチを入れようとしていたレオンが止まる。
なにも言わずに皿へ戻し、彼も同じようにハムを抜いた。
「レオンまでする必要はないんですよ?」
「いや、かまわない」
ばくばくと豪快に野菜だけのサンドイッチを食べ、また次のサンドイッチからレオンがハムを抜く。
それを見ながら私もサンドイッチに口をつけた。
「まだ肉はダメか」
「……はい」
これは本当は人間の肉なんじゃ?
そう疑ってしまってから、肉を食べられなくなった。
わかっているのだ、これは魔獣の肉だって。
レオンだって食べているんだから絶対に人間の肉じゃない。
理解はできても身体が受け付けなかった。
「レオンは肉を食べなくて大丈夫なんですか……?」
私を気遣ってレオンはこのところ、肉をまったく口にしていない。
肉食獣なのにいいんだろうか。
「別に俺たちは肉が食える肉好きな獣、ってだけで、なんだって食える。
草食獣は肉が食えないけどな」
「そうなんですね」
そういえば、動物には食べさせてはいけないはずのタマネギだって普通に食べているし、コーヒーだってあるらしい。
食性は人間とあまり変わらなくて、肉が食べられる、食べられないで肉食、草食と分かれている程度なんだろう。
「それにチハルが肉がダメなうちは、俺が肉を食ってたら嫌だろ?」
サンドイッチを食べ終わり、レオンはお茶を飲んでいる。
理解はしていてもきっと、肉を食べるレオンは、私の目からは人間を食べているように見えるだろう。
彼はそれをちゃんと、わかってくれていた。
「なんか、……すみません」
「チハルが気にすることはないからな。
俺が勝手にやっていることだ」
レオンの手が伸びてきて、私のあたまをぽんぽんする。
彼は私に、とことん甘い。
「今日は出掛けるからな」
朝ごはんはもう食べたというのに、レオンはさらにサンドイッチを作っている。
ハム、抜きで。
「どこへ行くんですか?」
私がここで出掛けるなんて、アレクさんのところへ本を借りに行くくらいしかない。
市場へも行きたいところだが、レオンは絶対に連れていってくれなかった。
きっと、あそこには人間の奴隷が売られているから気を遣ってくれているんだと思う。
「んー?
着いてからのお楽しみだ」
「はぁ……」
なんだか鼻歌すら出そうな感じで準備できたサンドイッチをふきんで包み、レオンはバッグに入れた。
「悪いが、首輪をつけさせてもらうな」
「はい」
私に首輪をつけるとき、毎回、彼は私に詫びた。
私に首輪を嵌めるのはレオンも嫌だし、それにこれは私を守るためのものでもあるってわかっているから、いいのにな。
それに、いまはちょっとだけ……ううん。
なんでもない。
レオンと一緒に家を出る。
彼は絶対にリードというか引き縄を首輪につけない。
そもそも、首輪自体必要ないんだから、それもいらないだろ、って。
今日はアレクさんの家とは反対方向へ進んでいく。
道を歩くとやはり、指をさされてこそこそ話された。
きっと石が飛んでこないのは、レオンがライオンだからだ。
家を出れば毎回なのでわかっているとはいえ、いい気はしない。
少し歩いて、広場のようなところへ出た。
そこには馬車がたくさん止まっている。
誤解のないようにいっておくが、馬車といっても馬が引くのではない。
馭者が、馬なのだ。
ここでは馬ではない、馬によく似た六本足のヒムが車を引く。
馬ももちろん獣人だから車引きなんてさせたら、虐待で訴えられる。
でも金持ちのあいだでは人間に引かせたりもするらしいけどね。
「チハル」
獣が多くなってきたからか、レオンが私の手を掴んだ。
「えっと……」
「はぐれたら困るだろうが」
レオンは至極、真面目だ。
そんな、子供みたいな、とは思ったが、ここでは少しでもレオンの目の届かないところへ行けば、生死に関わる危険がある。
「……はい」
黙って、レオンに手を引かれて歩く。
彼は馬車に乗せてもらえるよう交渉していた。
「ダメだ、ダメだ。
人間は乗せられないね。
人間が乗っていいのは、あれだけだ」
白馬がさした先にあるのは、馬車というよりも小汚い檻だった。
「人間は獣と一緒に車には乗せられないが、獣が人間と乗るのは別にかまわないぜ」
バカにするように白馬がヒィヒィ笑い、しぶきが飛んできて辟易した。
それと同時に、自分のせいでレオンがこんなふうにバカにされて、申し訳ない気持ちになる。
「……チハル、行くぞ」
私の手を軽く引き、レオンが歩きだす。
「せっかく、ライオンが檻に入るなんて、貴重なものが見られると思ったんだけどなぁ」
仲間と一緒になってなおも白馬がヒィヒィ笑い、腹の底がかっと熱くなった。
「……!」
「いいんだ、チハル」
言い返そうとした私を制し、レオンは別の馬と交渉をはじめた。
けれど、反応はさっきの白馬と同じ。
相手を変えて何度交渉しても結果は同じで、そのうち声をかける馬もいなくなった。
「……すまん、チハル」
馬車だまりから少し外れて獣のいないところで、レオンは疲れただろうと見つけた木箱の上に私を座らせてくれた。
「まさか、こんなことになるとは思っていなかった」
はぁーっ、とレオンの口から深いため息が落ちる。
なんでレオンが詫びるのだろう。
馬車に乗れないのは私が人間だからで彼のせいじゃない。
「レオン。
私は檻でかまわないので、別々に……」
「ダメだ」
言い終わらないうちに、かぶせ気味に拒否された。
「あんなものにチハルを乗せるくらいなら、俺が抱えていった方が……。
そうか、俺がチハルを背負っていけばいいのか。
日帰りは無理だが、それでなんとか……」
レオンの気持ちは嬉しいが、それはかなり無理があるのでは?
それに、そんなことをするくらいなら。
「なら、私も歩きます。
少しくらい、へっちゃらです」
なんて、強がってみせる。
馬車で行こうとするような先まで、私が歩けるかどうかは不安だけど。
「そりゃ、無理があるだろ。
目的地はかなり遠いからな」
「えー、大丈夫ですよー」
レオンが呆れるので、むくれてみせる。
私が頬を膨らませて唇を尖らせるので、レオンが吹きだした。
「まー、チハルは元気だもんな。
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