6 / 6
6.これからは……
しおりを挟む
その後。
月曜日は休んでてねって云われた。
私がいると、矛先がそっちに向いちゃうから、って。
それに、
「俺の女、ここまで傷つけて。
死ぬほど後悔、させてやる」
くすくす笑ってる、よ、嘉規(よしのり)……さんは、めちゃくちゃ怖くて、私の方が泣きそうでした。
嘉規さん曰く、円満に話し合いは終了し、西田くんは会社を辞めた。
もう西田ママからかかってくることはないと思いつつも、嘉規さんの勧めもあって、携帯は解約し新規契約をした。
「逆恨みされると面倒だし。
まあ、そうなったらそうなったで、俺が痛い目みせてやるけどな」
やっぱりおかしそうにくすくす笑ってる嘉規さんは怖い。
ふたりでいるときはときどき“俺”って云って口調が変わる。
あれがどうも素、というか昔はそうだったみたい。
「今日はなに食べる?
そろそろ暑くなり始めたし、イカとかどうかな」
「は?
なに云ってるんですか?
これからの時期に備えてスタミナつけなきゃ!
肉ですよ、肉!」
「どうして君はいつも、莫迦のひとつ覚えみたいに、肉しか云わないのかなー?」
「だって、あなたと違ってまだまだ若いので」
二枚のレンズを挟んでにらみあう。
しばらくして嘉規さんははぁっと小さくため息ついた。
「わかったよ。
肉……」
「いいですよ、イカで」
「は?」
「イカでいいって云ってるんです。
そのかわり、おいしいところに連れて行ってくださいよ?」
さっさと歩き出した私を、嘉規さんが慌てて追ってくる。
やっぱり意見は相変わらずあわないけど、これからは少し、私が嘉規さんに合わせてもいいかな。
【終】
月曜日は休んでてねって云われた。
私がいると、矛先がそっちに向いちゃうから、って。
それに、
「俺の女、ここまで傷つけて。
死ぬほど後悔、させてやる」
くすくす笑ってる、よ、嘉規(よしのり)……さんは、めちゃくちゃ怖くて、私の方が泣きそうでした。
嘉規さん曰く、円満に話し合いは終了し、西田くんは会社を辞めた。
もう西田ママからかかってくることはないと思いつつも、嘉規さんの勧めもあって、携帯は解約し新規契約をした。
「逆恨みされると面倒だし。
まあ、そうなったらそうなったで、俺が痛い目みせてやるけどな」
やっぱりおかしそうにくすくす笑ってる嘉規さんは怖い。
ふたりでいるときはときどき“俺”って云って口調が変わる。
あれがどうも素、というか昔はそうだったみたい。
「今日はなに食べる?
そろそろ暑くなり始めたし、イカとかどうかな」
「は?
なに云ってるんですか?
これからの時期に備えてスタミナつけなきゃ!
肉ですよ、肉!」
「どうして君はいつも、莫迦のひとつ覚えみたいに、肉しか云わないのかなー?」
「だって、あなたと違ってまだまだ若いので」
二枚のレンズを挟んでにらみあう。
しばらくして嘉規さんははぁっと小さくため息ついた。
「わかったよ。
肉……」
「いいですよ、イカで」
「は?」
「イカでいいって云ってるんです。
そのかわり、おいしいところに連れて行ってくださいよ?」
さっさと歩き出した私を、嘉規さんが慌てて追ってくる。
やっぱり意見は相変わらずあわないけど、これからは少し、私が嘉規さんに合わせてもいいかな。
【終】
22
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
19時、駅前~俺様上司の振り回しラブ!?~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
【19時、駅前。片桐】
その日、机の上に貼られていた付箋に戸惑った。
片桐っていうのは隣の課の俺様課長、片桐課長のことでいいんだと思う。
でも私と片桐課長には、同じ営業部にいるってこと以外、なにも接点がない。
なのに、この呼び出しは一体、なんですか……?
笹岡花重
24歳、食品卸会社営業部勤務。
真面目で頑張り屋さん。
嫌と言えない性格。
あとは平凡な女子。
×
片桐樹馬
29歳、食品卸会社勤務。
3課課長兼部長代理
高身長・高学歴・高収入と昔の三高を満たす男。
もちろん、仕事できる。
ただし、俺様。
俺様片桐課長に振り回され、私はどうなっちゃうの……!?
契約結婚に初夜は必要ですか?
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
勤めていた会社から突然、契約を切られて失業中の私が再会したのは、前の会社の人間、飛田でした。
このままでは預金がつきてアパートを追い出されそうな私と、会社を変わるので寮を出なければならず食事その他家事が困る飛田。
そんな私たちは利害が一致し、恋愛感情などなく結婚したのだけれど。
……なぜか結婚初日に、迫られています。
そういう目で見ています
如月 そら
恋愛
プロ派遣社員の月蔵詩乃。
今の派遣先である会社社長は
詩乃の『ツボ』なのです。
つい、目がいってしまう。
なぜって……❤️
(11/1にお話を追記しました💖)
チョコレートは澤田
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「食えば?」
突然、目の前に差し出された板チョコに驚いた。
同僚にきつく当たられ、つらくてトイレで泣いて出てきたところ。
戸惑ってる私を無視して、黒縁眼鏡の男、澤田さんは私にさらに板チョコを押しつけた。
……この日から。
私が泣くといつも、澤田さんは板チョコを差し出してくる。
彼は一体、なにがしたいんだろう……?
Promise Ring
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
浅井夕海、OL。
下請け会社の社長、多賀谷さんを社長室に案内する際、ふたりっきりのエレベーターで突然、うなじにキスされました。
若くして独立し、業績も上々。
しかも独身でイケメン、そんな多賀谷社長が地味で無表情な私なんか相手にするはずなくて。
なのに次きたとき、やっぱりふたりっきりのエレベーターで……。
残り香
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
水城野乃花は煙草のにおいで目が覚めた。
自分は煙草を吸わないのになぜだろうと部屋の中を見渡すと、足下に男が座っている。
フードの付いた長い黒マントを纏う男は死神だと名乗った。
片思いの相手を事故で亡くし、自暴自棄になる野乃花と、彼女の元に現れた死神の、ある朝の話。
【短編】
昨日、彼を振りました。
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「三峰が、好きだ」
四つ年上の同僚、荒木さんに告白された。
でも、いままでの関係でいたかった私は彼を――振ってしまった。
なのに、翌日。
眼鏡をかけてきた荒木さんに胸がきゅんと音を立てる。
いやいや、相手は昨日、振った相手なんですが――!!
三峰未來
24歳
会社員
恋愛はちょっぴり苦手。
恋愛未満の関係に甘えていたいタイプ
×
荒木尚尊
28歳
会社員
面倒見のいい男
嫌われるくらいなら、恋人になれなくてもいい?
昨日振った人を好きになるとかあるのかな……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる