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最終章 愛している、だから殺した
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『妻を、殺しました』
そう通報があったのは、明け方に近い時間だった。
詳細を聞こうにも、住所だけを言って切れる。
すぐに近くの警察官が現場へ向かった。
部屋の鍵は当然かかっていた。
呼びかけるが返事はなく、緊急性を感じてドアを破って侵入する。
部屋の中は真っ暗で、まるで人の気配がない。
リビングには誰もいず、すぐ隣の部屋のドアを開けようとしたが、なにかで塞がれているようで重い。
もう嫌な予感しかせず、体当たりで開いた細い隙間に身体を滑り込ませた。
そこでは通報してきたであろう男が、ドアノブを利用して首を括っていた。
「おい、救急車!」
ドア向こうにいる同僚に声をかける。
彼は部屋の中に入り、救急車を呼びながら部屋の中を確認していた。
ベッドにはさらに、男の妻らしき女性が横たわっている。
ちらりと視線を送ったが、同僚は黙って首を横に振った。
急いで首に巻き付くタオルを外し、男を床に横たえる。
脈はないが、温かい。
通報してきた時間からいって、まだ間に合うはず。
「死ぬな!
戻ってこい!」
男に馬乗りになり、心臓マッサージを施す。
けれどいくらやったところで、男は息を吹き返さない。
まもなく救急車が到着し、救急隊員にあとを託した。
捜査員たちが来て、現場検証が始まる。
妻だとおぼしき女性は男が着替えさせたのか、綺麗な身体でよそ行きの服を着ていた。
さらに、死んでいるなんて信じられないくらいに、幸せそうに笑っている。
そういえばあの男も、同じように幸せそうな顔で笑っていた。
すぐに、結局あの男は助からなかったと連絡が入った。
動機はわからないが、これは無理心中なのだろうか。
家の中を捜索するうちに、男の手帳が見つかった。
そこには、遺書らしきものが書いてある。
【愛している、だから殺した】
【終】
そう通報があったのは、明け方に近い時間だった。
詳細を聞こうにも、住所だけを言って切れる。
すぐに近くの警察官が現場へ向かった。
部屋の鍵は当然かかっていた。
呼びかけるが返事はなく、緊急性を感じてドアを破って侵入する。
部屋の中は真っ暗で、まるで人の気配がない。
リビングには誰もいず、すぐ隣の部屋のドアを開けようとしたが、なにかで塞がれているようで重い。
もう嫌な予感しかせず、体当たりで開いた細い隙間に身体を滑り込ませた。
そこでは通報してきたであろう男が、ドアノブを利用して首を括っていた。
「おい、救急車!」
ドア向こうにいる同僚に声をかける。
彼は部屋の中に入り、救急車を呼びながら部屋の中を確認していた。
ベッドにはさらに、男の妻らしき女性が横たわっている。
ちらりと視線を送ったが、同僚は黙って首を横に振った。
急いで首に巻き付くタオルを外し、男を床に横たえる。
脈はないが、温かい。
通報してきた時間からいって、まだ間に合うはず。
「死ぬな!
戻ってこい!」
男に馬乗りになり、心臓マッサージを施す。
けれどいくらやったところで、男は息を吹き返さない。
まもなく救急車が到着し、救急隊員にあとを託した。
捜査員たちが来て、現場検証が始まる。
妻だとおぼしき女性は男が着替えさせたのか、綺麗な身体でよそ行きの服を着ていた。
さらに、死んでいるなんて信じられないくらいに、幸せそうに笑っている。
そういえばあの男も、同じように幸せそうな顔で笑っていた。
すぐに、結局あの男は助からなかったと連絡が入った。
動機はわからないが、これは無理心中なのだろうか。
家の中を捜索するうちに、男の手帳が見つかった。
そこには、遺書らしきものが書いてある。
【愛している、だから殺した】
【終】
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