愛している、だから殺した。

「殺して、いいんですよ?
それがあなたの愛だと、知っていますから」

公園のベンチで座っていたところ、
愛未は知らない男から好きなったので殺していいかと声をかけられる。
そのときは気持ち悪くて逃げたが。

不倫している上司の飯田と喧嘩したのは3日前。
妊娠している奥さんと彼が仲睦まじそうに歩いているのを目撃したからだった。

『妻とは上手くいってないんだ』

そんな、不倫男の常套文句を信じた自分がバカだった。
愛未は別れを切り出すが、
飯田は愛未を暴行し、逃がさないと釘を刺した。

それから、飯田の気配のある部屋に帰るのが嫌で、
公園のベンチで時間を潰している。

そんなとき、あの男から声をかけられた。

死ねば、飯田から逃げられるんだろうか。
あの男なら苦しまずに殺してくれるだろうか。
死ねば、この苦しみから楽になれるんだろうか。

愛未の心は次第に、死へと傾いていく。

再会した男、野末に殺してくれと頼んだ。
最後に美味しいものを食べるのもいいでしょう?と、
野末は近くのレストランへ愛未を連れていき、
話を聞いた彼が言ったのは。

「その男を私が殺してあげましょうか」

その問いに愛未は――。
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