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第2章 セレブ一家と私
1.奥様って一体誰?
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引っ越しの荷解きをしなくていいのだろうかとか気になるけれど、のんきにお茶を飲んでいる雨山さんに訊くスキルを私は持ち合わせていない。
仕方ないので私もお茶を黙って飲む。
無駄に広い、リビングの一部は壁はガラス張りになっていて、その向こうはガレージなのか車が三台見えた。
当然、AAグループ社製の。
あとは壁面に自転車が何台も飾ってあるから、あのR.Mountainの社長は雨山さんで間違いないだろう。
「奥様。
こちらはどうなさいましょう?」
先ほど玄関で見た、お髭が立派な初老の紳士が聞いてくる。
「お、おく、おくさまぁっ?」
「高村。
全部任せる。
あとで僕に報告してくれればいい」
雨山さんはなんでもないように紅茶を飲みながら答えているけれど、私はそれどころではない。
「承知いたしました」
紳士は私にかまうことなく右手を胸に当て、恭しく礼をして去っていた。
「あ、涼鳴に紹介しとくの忘れた。
いまのは高村。
雨山家の執事だよ」
「し、し、しつじぃーっ?」
執事みたいだ、とは思っていたけれど、まさか本物だとは。
さすが、世界のAA。
「気にしなくても、ここで暮らすのは僕と涼鳴のふたりだけだから。
今日は涼鳴の部屋の準備があるから実家から来てもらったけど。
いつもこんなに人はいないよ」
「は、はぁ……」
それはちょっと安心だな。
高村さんに奥様なんて呼ばれるだけで心臓に悪いもん。
「安心した?」
きゅるん、と妙に可愛い顔で雨山さんが顔をのぞき込んでくる。
「ひゃっ!」
でも突然至近距離なんて、私に耐えられるわけがなく、手に持っていたカップを放り投げて驚いてしまった。
「うわっ」
危なげなく、雨山さんがカップをキャッチする。
「やけどとかしなかった?
ん、空だったみたいだから大丈夫か」
いやいや、やけどしなかったか心配なのは私の方ですよ?
……なんて口にできるはずもなく。
「ご、ごごごごごご」
「ん?
ああ、ごめんね。
嬉しくて僕ばっかりはしゃいじゃって」
雨山さんがこっちを向いたかと思ったら、ぎゅっと抱き締められていた。
「ぴぎぃっ」
「とりあえず、ちょっと落ち着こうか。
はい、深呼吸」
促すようにゆっくりと雨山さんの手が背中をトン、トン、と軽く叩く。
それに合わせて深呼吸を繰り返した。
ふんわりと香水なのか、爽やかなのに少し甘い匂いがする。
不思議とそれで、気持ちが落ち着いていった。
「落ち着いた?」
「……は、はい」
私の身体を離した雨山さんが、眼鏡の奥でにっこりと笑う。
顔が近づいてきてびくっと怯えてしまったけれど、彼はすぐに離れた。
「んー、ちょっとずつ慣らしていかないとダメか……」
首を傾げて雨山さんはなにやら悩んでいる。
「そ、その、お手柔らかに、お願い、します……」
目は相変わらずあわせられないが、向島くんと話すくらいの感じで話せた。
彼とこのくらいの感じで話せるようになるまで、結構かかったというのに。
「そうだね」
にぱっと笑った雨山さんの顔が突然、目の前に出現する。
飛びすさろうとしたけれど、後ろはソファーの背で逃げられない。
――ちゅっ。
雨山さんの唇が私の唇に触れた瞬間、なにかが爆発した。
そこから私は完全に機能停止していたらしく、しばらくの記憶がない。
お昼ごはんはざる蕎麦と天ぷらだった。
それはいい、引っ越し蕎麦の意味もあるんだろうし。
ただ、職人さんを家に呼んで打ち立てのお蕎麦、っていうのが全く理解ができない。
「美味しい?
涼鳴」
「そ、そそそそ、そう、で、です、ね」
笑う彼にぎくしゃくとぎこちない笑顔を返す。
一度は症状が治まったかと思ったあがり症は、見事に元に戻っていた。
「よかった」
正直なところ、緊張で味なんて全くわからない。
名店の蕎麦職人さんらしいが、非常に申し訳ない。
食事のあと、片付けが終わった私の部屋だというところへ案内してくれた。
「嘘……」
ドアを開けた先はテレビでしか見たことがない、高級ホテルのスイートルームのようだ。
「手前が仕事部屋を兼ねたリビング、奥が寝室だよ」
そう言って雨山さんが開けた部屋の中には、立派な天蓋付きベッドが置いてあった。
「そ、そそそ、その、ベ、ベ」
「慣れるまでは寝室は別でいいよ。
そうじゃないと涼鳴、眠れないでしょ」
まるで慰めるみたいに雨山さんがあたまをぽんぽんしてくる。
そういえばさっきから、同じ年のはずなのに子供扱いされている気がする。
「ここはウォークインクローゼット。
いまはほとんど入ってないけど。
明日、少し買いに行こう」
洋服は通勤用に何着かと、私服も似たようなものだったので、広いクローゼットの中にはほんの申し訳程度しかなかった。
あまりにもみすぼらしすぎてクローゼットの隅に小さくなって収納されてしまいたい。
それにしてもどれだけ広いんだ、このウォークインクローゼット。
というか、ここだけで元いたマンションの寝室くらいある。
「バス、トイレも付いてるから」
そう言って開けられたドアの中には白い、猫足のバスタブが置いてあった。
「うわ……」
おしゃれなインテリア雑誌に載っているようなバスルームに思わずため息が漏れる。
「気に入った?」
思わず、何度もこくこくと頷いていた。
こんなの、気に入らない方がおかしい。
「よかった」
まるで、安堵するかのように雨山さんが僅かに息を吐き出した。
もしかして、ずっと心配だったんだろうか?
変人だったらどうしようって心配していたけど、いい人なのかもしれない。
部屋の案内が終われば、今度は家の中を案内してくれた。
「廊下を挟んで反対側が僕の部屋。
それでその隣がシアタールーム」
一般家庭にシアタールームなんて意味がわからない。
いや、ここは一般家庭じゃないか。
「涼鳴の隣の部屋はいまは倉庫として使ってる。
子供ができたら子供部屋になるのかな?
あ、でも、その頃には涼鳴は僕の部屋に移動してるだろうから……」
なにやら楽しいご想像中みたいですが。
子供?
そんなの無理、無理。
そもそも私、いまだに処女ですよ?
そんなことができるとは思えない。
――そんなこと。
この人の妻になったってことは、避けて通れるはずがなくて。
どうしよう?
「で、書斎と納戸に、ここはゲストルーム。
その前が洗面所にお風呂場にトイレ。
こんな感じかな」
「……」
「涼鳴?」
「ひゃぃっ!」
ぼーっと考え込んでいたところへ顔をのぞき込まれて、変な声が出る。
というかさっきから、こういうことばかり繰り返している気がする。
仕方ないので私もお茶を黙って飲む。
無駄に広い、リビングの一部は壁はガラス張りになっていて、その向こうはガレージなのか車が三台見えた。
当然、AAグループ社製の。
あとは壁面に自転車が何台も飾ってあるから、あのR.Mountainの社長は雨山さんで間違いないだろう。
「奥様。
こちらはどうなさいましょう?」
先ほど玄関で見た、お髭が立派な初老の紳士が聞いてくる。
「お、おく、おくさまぁっ?」
「高村。
全部任せる。
あとで僕に報告してくれればいい」
雨山さんはなんでもないように紅茶を飲みながら答えているけれど、私はそれどころではない。
「承知いたしました」
紳士は私にかまうことなく右手を胸に当て、恭しく礼をして去っていた。
「あ、涼鳴に紹介しとくの忘れた。
いまのは高村。
雨山家の執事だよ」
「し、し、しつじぃーっ?」
執事みたいだ、とは思っていたけれど、まさか本物だとは。
さすが、世界のAA。
「気にしなくても、ここで暮らすのは僕と涼鳴のふたりだけだから。
今日は涼鳴の部屋の準備があるから実家から来てもらったけど。
いつもこんなに人はいないよ」
「は、はぁ……」
それはちょっと安心だな。
高村さんに奥様なんて呼ばれるだけで心臓に悪いもん。
「安心した?」
きゅるん、と妙に可愛い顔で雨山さんが顔をのぞき込んでくる。
「ひゃっ!」
でも突然至近距離なんて、私に耐えられるわけがなく、手に持っていたカップを放り投げて驚いてしまった。
「うわっ」
危なげなく、雨山さんがカップをキャッチする。
「やけどとかしなかった?
ん、空だったみたいだから大丈夫か」
いやいや、やけどしなかったか心配なのは私の方ですよ?
……なんて口にできるはずもなく。
「ご、ごごごごごご」
「ん?
ああ、ごめんね。
嬉しくて僕ばっかりはしゃいじゃって」
雨山さんがこっちを向いたかと思ったら、ぎゅっと抱き締められていた。
「ぴぎぃっ」
「とりあえず、ちょっと落ち着こうか。
はい、深呼吸」
促すようにゆっくりと雨山さんの手が背中をトン、トン、と軽く叩く。
それに合わせて深呼吸を繰り返した。
ふんわりと香水なのか、爽やかなのに少し甘い匂いがする。
不思議とそれで、気持ちが落ち着いていった。
「落ち着いた?」
「……は、はい」
私の身体を離した雨山さんが、眼鏡の奥でにっこりと笑う。
顔が近づいてきてびくっと怯えてしまったけれど、彼はすぐに離れた。
「んー、ちょっとずつ慣らしていかないとダメか……」
首を傾げて雨山さんはなにやら悩んでいる。
「そ、その、お手柔らかに、お願い、します……」
目は相変わらずあわせられないが、向島くんと話すくらいの感じで話せた。
彼とこのくらいの感じで話せるようになるまで、結構かかったというのに。
「そうだね」
にぱっと笑った雨山さんの顔が突然、目の前に出現する。
飛びすさろうとしたけれど、後ろはソファーの背で逃げられない。
――ちゅっ。
雨山さんの唇が私の唇に触れた瞬間、なにかが爆発した。
そこから私は完全に機能停止していたらしく、しばらくの記憶がない。
お昼ごはんはざる蕎麦と天ぷらだった。
それはいい、引っ越し蕎麦の意味もあるんだろうし。
ただ、職人さんを家に呼んで打ち立てのお蕎麦、っていうのが全く理解ができない。
「美味しい?
涼鳴」
「そ、そそそそ、そう、で、です、ね」
笑う彼にぎくしゃくとぎこちない笑顔を返す。
一度は症状が治まったかと思ったあがり症は、見事に元に戻っていた。
「よかった」
正直なところ、緊張で味なんて全くわからない。
名店の蕎麦職人さんらしいが、非常に申し訳ない。
食事のあと、片付けが終わった私の部屋だというところへ案内してくれた。
「嘘……」
ドアを開けた先はテレビでしか見たことがない、高級ホテルのスイートルームのようだ。
「手前が仕事部屋を兼ねたリビング、奥が寝室だよ」
そう言って雨山さんが開けた部屋の中には、立派な天蓋付きベッドが置いてあった。
「そ、そそそ、その、ベ、ベ」
「慣れるまでは寝室は別でいいよ。
そうじゃないと涼鳴、眠れないでしょ」
まるで慰めるみたいに雨山さんがあたまをぽんぽんしてくる。
そういえばさっきから、同じ年のはずなのに子供扱いされている気がする。
「ここはウォークインクローゼット。
いまはほとんど入ってないけど。
明日、少し買いに行こう」
洋服は通勤用に何着かと、私服も似たようなものだったので、広いクローゼットの中にはほんの申し訳程度しかなかった。
あまりにもみすぼらしすぎてクローゼットの隅に小さくなって収納されてしまいたい。
それにしてもどれだけ広いんだ、このウォークインクローゼット。
というか、ここだけで元いたマンションの寝室くらいある。
「バス、トイレも付いてるから」
そう言って開けられたドアの中には白い、猫足のバスタブが置いてあった。
「うわ……」
おしゃれなインテリア雑誌に載っているようなバスルームに思わずため息が漏れる。
「気に入った?」
思わず、何度もこくこくと頷いていた。
こんなの、気に入らない方がおかしい。
「よかった」
まるで、安堵するかのように雨山さんが僅かに息を吐き出した。
もしかして、ずっと心配だったんだろうか?
変人だったらどうしようって心配していたけど、いい人なのかもしれない。
部屋の案内が終われば、今度は家の中を案内してくれた。
「廊下を挟んで反対側が僕の部屋。
それでその隣がシアタールーム」
一般家庭にシアタールームなんて意味がわからない。
いや、ここは一般家庭じゃないか。
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子供ができたら子供部屋になるのかな?
あ、でも、その頃には涼鳴は僕の部屋に移動してるだろうから……」
なにやら楽しいご想像中みたいですが。
子供?
そんなの無理、無理。
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そんなことができるとは思えない。
――そんなこと。
この人の妻になったってことは、避けて通れるはずがなくて。
どうしよう?
「で、書斎と納戸に、ここはゲストルーム。
その前が洗面所にお風呂場にトイレ。
こんな感じかな」
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