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第2章 私の都合と彼の都合
2-4 お仕置き
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「……沙也加。
まだ僕と別れたいか?」
「だか、らっ、……うそっ、だっ、……てっ」
「んー?」
いつもの感覚が迫ってくる。
あと少しで弾ける、……そう思った瞬間、悠生が手を止めた。
「……ゆう、きっ……」
恨めしく、悠生を見上げる。
けど、意地悪く笑っていて。
「まだだ。
そう簡単にイかせない」
再び動き始めた指に、身体にふれる唇に、敏感になっている身体はすぐに昇り始める。
「別れたいか、僕と?」
「うそっ、……ゆう、き、……とっ……」
ぎゅっと爪を立てて握りしめた手。
でも、悠生は動きを止めて、その手をほどいてしまった。
「……ゆうっ、……!」
「あーもー、涙でぐしょぐしょ。
相変わらずよく泣くな、沙也加は」
両手で顔を挟んで、目尻に残っていた涙を拭う。
その手をぎゅっと掴んで、目で悠生に懇願した。
「……イきたいか?」
こくんと頷くと、悠生がふっと笑った。
安心したのも……束の間。
「まだイかせない。
お仕置きだって、言っただろ?
二度と沙也加が、嘘つかないように」
ニヤリ、片頬をあげて笑う悠生に……怯えた。
何度も何度も昇らされた。
でも、その先へは連れって行ってもらえない。
泣きながら、もう二度と、絶対に嘘はつかないと約束し、……そして。
「……いいよ、イって」
瞬間、白く弾ける世界。
荒い息で見上げると、いつも通り、優しく笑っている悠生。
「これで沙也加はもう、嘘、つかないな」
「……うん」
ふれた唇。
髪を撫でてくれて……悠生がゆっくりと入ってくる。
「今度は途中でやめたりしないから。
何度だってイっていいからな……」
……結局、また冷蔵庫の中身にお世話になる羽目になった。
その後、悠生のまわりはごたごたしていた。
そういうのは隠したがる悠生だけど、
「私の家族のこと、悠生が背負うっていうのと同じで、私だって悠生の力になりたい」
そう言って詰め寄ったら、それからは相談してくれるようになった。
私は勤めていた会社を辞め、悠生の会社へ。
そして悠生に頼んで、経理の学校に通わせてもらっている。
たぶん私にできることは、そういうのだと思うから。
きちんと勉強して、悠生の力になりたい。
季節がひとつ過ぎたころ、悠生は円満に……というと変だが、下坂の家を勘当になった。
「清々した」
悠生は清々しい顔で笑っている。
……昔から嫌いだったんだって。
仮面家族している家が。
自分だってあの両親の子供ってことになっているけれど、実際のとこ、わからないからなって。
――そして。
突然、桜坂のマンションに連れて行かれ、回りくどい言い方で、プロポーズされたというわけです。
まだ僕と別れたいか?」
「だか、らっ、……うそっ、だっ、……てっ」
「んー?」
いつもの感覚が迫ってくる。
あと少しで弾ける、……そう思った瞬間、悠生が手を止めた。
「……ゆう、きっ……」
恨めしく、悠生を見上げる。
けど、意地悪く笑っていて。
「まだだ。
そう簡単にイかせない」
再び動き始めた指に、身体にふれる唇に、敏感になっている身体はすぐに昇り始める。
「別れたいか、僕と?」
「うそっ、……ゆう、き、……とっ……」
ぎゅっと爪を立てて握りしめた手。
でも、悠生は動きを止めて、その手をほどいてしまった。
「……ゆうっ、……!」
「あーもー、涙でぐしょぐしょ。
相変わらずよく泣くな、沙也加は」
両手で顔を挟んで、目尻に残っていた涙を拭う。
その手をぎゅっと掴んで、目で悠生に懇願した。
「……イきたいか?」
こくんと頷くと、悠生がふっと笑った。
安心したのも……束の間。
「まだイかせない。
お仕置きだって、言っただろ?
二度と沙也加が、嘘つかないように」
ニヤリ、片頬をあげて笑う悠生に……怯えた。
何度も何度も昇らされた。
でも、その先へは連れって行ってもらえない。
泣きながら、もう二度と、絶対に嘘はつかないと約束し、……そして。
「……いいよ、イって」
瞬間、白く弾ける世界。
荒い息で見上げると、いつも通り、優しく笑っている悠生。
「これで沙也加はもう、嘘、つかないな」
「……うん」
ふれた唇。
髪を撫でてくれて……悠生がゆっくりと入ってくる。
「今度は途中でやめたりしないから。
何度だってイっていいからな……」
……結局、また冷蔵庫の中身にお世話になる羽目になった。
その後、悠生のまわりはごたごたしていた。
そういうのは隠したがる悠生だけど、
「私の家族のこと、悠生が背負うっていうのと同じで、私だって悠生の力になりたい」
そう言って詰め寄ったら、それからは相談してくれるようになった。
私は勤めていた会社を辞め、悠生の会社へ。
そして悠生に頼んで、経理の学校に通わせてもらっている。
たぶん私にできることは、そういうのだと思うから。
きちんと勉強して、悠生の力になりたい。
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「清々した」
悠生は清々しい顔で笑っている。
……昔から嫌いだったんだって。
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――そして。
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