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第十一章 憧れの上司は重い彼氏でした
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少し歩いて目的のシネコンに着く。
「ポップコーン、買うか?」
足を止めた彼が、振り返って私の顔をのぞき込んできた。
「あっ、えっと。
先にトイレ、行ってきてもいいですか?」
それに曖昧な笑顔を浮かべ、答える。
「そうだな」
「じゃ、じゃあ……」
笑顔を貼り付けたままそろりと彼から離れ、ある程度距離ができたところで速攻でトイレへと向かった。
幸い、空いていてすぐに個室へ飛び込む。
閉めたドアに背中を預け、そのままずるずるとその場に座り込んだ。
……ど、どうしていいのかまったくわかんない。
恋人同士なんだから、龍志のあの距離感は普通なんだろうというのは理解する。
けれど無駄にどきどきするし、手を繋ぐだけでパニックで目の前がぐるぐる回るし、ここまでどうにか普通な顔を作ってきたが、このまま今日一日過ごすなんて絶対に、無理。
「……はぁーっ」
少しして気持ちも幾分落ち着き、とりあえず便器に座って用事を済ませる。
こんなの、女子高生ならまだわかるが、もうアラサーの域に踏み込んだ女子の反応としておかしいのはわかっていた。
しかしこれが初恋のド処女、しかも今まで恋愛と縁がない純粋培養されてきた私としては完全に異常事態なのだ。
なんというかこう、バージョンの低いOSに最新アプリを入れた状態というか、メモリが8GBなのにハイスペック画像編集ソフトを使っている状態というか。
とにかく私というロースペックなPCで過分な恋愛というソフトを稼働させているため、こうやっていろいろと不都合が起きる。
「ううっ、どーしよー」
けれど悩んだところでデートは始まったばかり。
それに今日一日だけではなくこの先も龍志との恋人関係は続くのだ。
喧嘩でもして別れるか、彼が私と一緒にいられる期限が来るまで。
「……そっ、か」
その事実に気づいて、急に冷静になった。
長く恋愛関係が続けばそのうち結婚なんて可能性もあるが、私たちにはそれがない。
龍志はそのときがきたら、私の元からいなくなる。
期間限定の恋人関係だと言われながらも、それを受け入れたのは私だ。
だったら、貴重な今、この時間を大事にしなければならない。
恋愛初心者だからとパニックになっている場合ではないのだ。
「……うん」
覚悟を決めて便器から立ち上がる。
彼と一緒にいられる時間、目一杯楽しもう。
手を洗ってトイレを出る。
「具合でも悪いのか?」
待っていた龍志は私の顔を見た途端、心配そうに眼鏡の下で眉を寄せた。
それくらい長いこと、私はトイレに籠もっていたみたいだ。
「無理しなくていい。
帰ろう」
「えっ、あっ、ちょっと混んでいただけなので」
慌てて平気だと笑顔を作り、適当な言い訳をする。
嘘だとわかっていそうだが、これしか思いつかなかった。
「ほんとか?
なんか顔も赤い気がするし……」
しかし彼の心配はぜんぜん晴れない。
龍志の顔を見て、また緊張がぶり返してきて顔が熱を持って赤くなっている自覚があるだけに、これ以上は誤魔化しきれない。
「……その」
けれどこんなことを告白するのは恥ずかしく、彼の袖をちょんと摘まんで俯いた。
「初めてのデートで緊張して、どうしていいのかわかんなく、て」
彼からの返事はない。
アラサー女にあるまじき状態に呆れているのかと泣きたくなった頃。
「あー、うん。
わかった」
それがどういう返事なのかわからなくて、顔を上げる。
龍志はなぜか眼鏡から下を手で隠し、私から目を逸らしていた。
なにがそんなに気まずいのかと思ったら、眼鏡の弦がかかる耳が真っ赤になっているのに気づいてしまった。
「……実は俺も、年甲斐もなくはしゃいでる」
言われている意味がわからず、彼の顔をまじまじと見ていた。
ずっと余裕な感じなので、さすが経験値の違いだなと思っていたのに。
「さっきの七星が滅茶苦茶可愛くて今、キスしたくなるのを必死に我慢してる」
顔を寄せ、耳もとで囁かれ、完全にフリーズして棒立ちになっていた。
「えっ、あっ、その」
「そういうわけで俺もかなり怪しい行動していると思うから、気にするな」
赤い顔でわたわた慌てている私の顔をのぞき込み、龍志がにかっと笑う。
それでなんかちょっと、気が抜けた。
「……はい」
「うん。
飲み物とポップコーン、買うだろ?
もうあまり時間がない」
私の手を引っ張ってフード売り場へと向かっていく彼の顔をちらり。
もしかして私を気遣ってくれたのかな。
それとも、本当に?
どちらか判断がつかないが、それでもよかった。
ドリンクとポップコーンを買い、シアターへと向かう。
「チケット代、出してもらったので私が買うって言ったのに」
そうなのだ、昨日、チケットは龍志のカードで取ってくれた。
私の分は払うと言ったのに、現金もらうの面倒臭いとか言って受け取ってくれなくて。
じゃあ送金するって提案しても、俺と七星じゃ使っているバーコード払いが違うからできないだろってさらに断られた。
ちなみに私は大手ペイ払いを使っているが、龍志はN払いだ。
いろいろ不便もあるしサブでペイ払いを導入すればいいのに、頑なに拒否している。
なんでだろう?
「初デートなんだから今日くらい、俺に奢らせろよ」
「初デート……」
その単語を聞いた途端、またみるみる頬が熱くなっていく。
そんな私を見てなぜか、龍志も恥ずかしそうに俯いていた。
それでもシアターの中は席は別だし!と少々安心していたのだ……が。
「えっと……龍志?」
携帯に表示させたチケットを確認しながら、ここだと案内された席を見て顔が引き攣る。
そこはなんと……ペアシートだった。
「なんで普通の席にしなかったんですか!
追加料金もかかるのに」
上映前とはいえ大きな声を出すわけにはいかず、こそこそと抗議する。
「ドリンク代払ったと思えば、さほど高くないからなー」
仕方なく腰を下ろした私の隣で、龍志は素知らぬ顔をしてキャラメルポップコーンをぽいっと口に入れた。
「ううっ」
場所が場所なだけにそれ以上はなにも言えず、おとなしくした。
「ポップコーン、買うか?」
足を止めた彼が、振り返って私の顔をのぞき込んできた。
「あっ、えっと。
先にトイレ、行ってきてもいいですか?」
それに曖昧な笑顔を浮かべ、答える。
「そうだな」
「じゃ、じゃあ……」
笑顔を貼り付けたままそろりと彼から離れ、ある程度距離ができたところで速攻でトイレへと向かった。
幸い、空いていてすぐに個室へ飛び込む。
閉めたドアに背中を預け、そのままずるずるとその場に座り込んだ。
……ど、どうしていいのかまったくわかんない。
恋人同士なんだから、龍志のあの距離感は普通なんだろうというのは理解する。
けれど無駄にどきどきするし、手を繋ぐだけでパニックで目の前がぐるぐる回るし、ここまでどうにか普通な顔を作ってきたが、このまま今日一日過ごすなんて絶対に、無理。
「……はぁーっ」
少しして気持ちも幾分落ち着き、とりあえず便器に座って用事を済ませる。
こんなの、女子高生ならまだわかるが、もうアラサーの域に踏み込んだ女子の反応としておかしいのはわかっていた。
しかしこれが初恋のド処女、しかも今まで恋愛と縁がない純粋培養されてきた私としては完全に異常事態なのだ。
なんというかこう、バージョンの低いOSに最新アプリを入れた状態というか、メモリが8GBなのにハイスペック画像編集ソフトを使っている状態というか。
とにかく私というロースペックなPCで過分な恋愛というソフトを稼働させているため、こうやっていろいろと不都合が起きる。
「ううっ、どーしよー」
けれど悩んだところでデートは始まったばかり。
それに今日一日だけではなくこの先も龍志との恋人関係は続くのだ。
喧嘩でもして別れるか、彼が私と一緒にいられる期限が来るまで。
「……そっ、か」
その事実に気づいて、急に冷静になった。
長く恋愛関係が続けばそのうち結婚なんて可能性もあるが、私たちにはそれがない。
龍志はそのときがきたら、私の元からいなくなる。
期間限定の恋人関係だと言われながらも、それを受け入れたのは私だ。
だったら、貴重な今、この時間を大事にしなければならない。
恋愛初心者だからとパニックになっている場合ではないのだ。
「……うん」
覚悟を決めて便器から立ち上がる。
彼と一緒にいられる時間、目一杯楽しもう。
手を洗ってトイレを出る。
「具合でも悪いのか?」
待っていた龍志は私の顔を見た途端、心配そうに眼鏡の下で眉を寄せた。
それくらい長いこと、私はトイレに籠もっていたみたいだ。
「無理しなくていい。
帰ろう」
「えっ、あっ、ちょっと混んでいただけなので」
慌てて平気だと笑顔を作り、適当な言い訳をする。
嘘だとわかっていそうだが、これしか思いつかなかった。
「ほんとか?
なんか顔も赤い気がするし……」
しかし彼の心配はぜんぜん晴れない。
龍志の顔を見て、また緊張がぶり返してきて顔が熱を持って赤くなっている自覚があるだけに、これ以上は誤魔化しきれない。
「……その」
けれどこんなことを告白するのは恥ずかしく、彼の袖をちょんと摘まんで俯いた。
「初めてのデートで緊張して、どうしていいのかわかんなく、て」
彼からの返事はない。
アラサー女にあるまじき状態に呆れているのかと泣きたくなった頃。
「あー、うん。
わかった」
それがどういう返事なのかわからなくて、顔を上げる。
龍志はなぜか眼鏡から下を手で隠し、私から目を逸らしていた。
なにがそんなに気まずいのかと思ったら、眼鏡の弦がかかる耳が真っ赤になっているのに気づいてしまった。
「……実は俺も、年甲斐もなくはしゃいでる」
言われている意味がわからず、彼の顔をまじまじと見ていた。
ずっと余裕な感じなので、さすが経験値の違いだなと思っていたのに。
「さっきの七星が滅茶苦茶可愛くて今、キスしたくなるのを必死に我慢してる」
顔を寄せ、耳もとで囁かれ、完全にフリーズして棒立ちになっていた。
「えっ、あっ、その」
「そういうわけで俺もかなり怪しい行動していると思うから、気にするな」
赤い顔でわたわた慌てている私の顔をのぞき込み、龍志がにかっと笑う。
それでなんかちょっと、気が抜けた。
「……はい」
「うん。
飲み物とポップコーン、買うだろ?
もうあまり時間がない」
私の手を引っ張ってフード売り場へと向かっていく彼の顔をちらり。
もしかして私を気遣ってくれたのかな。
それとも、本当に?
どちらか判断がつかないが、それでもよかった。
ドリンクとポップコーンを買い、シアターへと向かう。
「チケット代、出してもらったので私が買うって言ったのに」
そうなのだ、昨日、チケットは龍志のカードで取ってくれた。
私の分は払うと言ったのに、現金もらうの面倒臭いとか言って受け取ってくれなくて。
じゃあ送金するって提案しても、俺と七星じゃ使っているバーコード払いが違うからできないだろってさらに断られた。
ちなみに私は大手ペイ払いを使っているが、龍志はN払いだ。
いろいろ不便もあるしサブでペイ払いを導入すればいいのに、頑なに拒否している。
なんでだろう?
「初デートなんだから今日くらい、俺に奢らせろよ」
「初デート……」
その単語を聞いた途端、またみるみる頬が熱くなっていく。
そんな私を見てなぜか、龍志も恥ずかしそうに俯いていた。
それでもシアターの中は席は別だし!と少々安心していたのだ……が。
「えっと……龍志?」
携帯に表示させたチケットを確認しながら、ここだと案内された席を見て顔が引き攣る。
そこはなんと……ペアシートだった。
「なんで普通の席にしなかったんですか!
追加料金もかかるのに」
上映前とはいえ大きな声を出すわけにはいかず、こそこそと抗議する。
「ドリンク代払ったと思えば、さほど高くないからなー」
仕方なく腰を下ろした私の隣で、龍志は素知らぬ顔をしてキャラメルポップコーンをぽいっと口に入れた。
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