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最終章 執事服の王子様
13-3 ベストセラー作家にしてあげる
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「んんーっ!」
息苦しくて目が覚めた。
口の中に詰まるなにかを取り出そうとするが、手が動かない。
気づけば後ろ手にがっちりと縛り上げられていた。
足も同じく。
「んーっ、んーっ!」
身体をばたつかせ、必死に助けを呼ぶ。
なんで?
どうして?
誰が?
祐護さんは、どこ?
「あー、気がついちゃったんだー」
声がした方へ視線を向けると、こたつを椅子にして祐護さんが座っていた。
なにがおかしいのかのどの奥でくっくっくっと笑う。
「薬が少なかったのかなー?」
薬っていったい、なんのことなんだろう。
どうして祐護さんは私を助けてくれないの?
「あのまま眠っていれば、苦しまずに死ねたのにね。
可哀想に」
くくくっ、祐護さんはまた、愉しそうに笑った。
「なんで?
って顔してるね。
まあそうだよね、わけがわかんないよね。
じゃあ、教えてあげる。
――君を、ベストセラー作家にしてあげるためだよ」
なにを言っているのか理解できない。
ベストセラー作家にするため?
そのためになんで、こんなことが必要なの?
「あの小説。
絶対入賞するよ。
だって、この僕が推して通すからね。
でも、賞を獲っただけじゃダメだ。
じゃあ、――どうするか」
ぐいっ、祐護さんは私へ、顔を近づける。
「作家が書き上げた直後、非業の死を遂げればいい」
大仰に頷き、彼は私から顔を離した。
彼がなにを言っているのかさっぱり理解できないが、ひとつだけわかったことがある。
私はいまから彼に――殺されるのだ。
「んーっ!
んーっ!」
「なに、不満かい?
彼女も、そうだったな」
彼女っていったい、誰のことなんだろう。
たぶん、私と同じ目に遭った人。
……あ。
「ネット小説家も僕がやったんだ。
たまたまNyaitterで知り合って、いろいろ相談に乗ってあげてた。
本が売れるのか酷く心配していたね。
だから僕が――殺してあげたんだ」
くくくっ、また祐護さんが笑う。
なにがそんなにおかしいんだろう。
「わざわざさ、きれいに死体を飾って宣伝してあげたのにすぐに削除されちゃって。
あたまにくるよね」
不満そうに祐護さんは唇を尖らせた。
「それでも、僕のおかげで本はバカ売れ。
初版なんて店頭に並んだ途端売り切れて、重版が短期間に三回もかかったよ。
だから実験してみることにしたんだ」
実験、ってなに?
「SNSをよくやってる作家を中心に、嫌がらせしたんだ。
ほら、炎上商法って奴?
手間は凄くかかったけどね。
大っ嫌いな猫だって捕まえて。
……ああ、でもあれはあれで嫌いな猫を殺せてすかっとしたけど。
それでさ、奴ら、すぐにSNSで嫌がらせされてるとか発信するから、ほんとよく燃えて本も売れたね」
そういえば祐護さんは言っていた、嫌がらせを受けた作家、本がよく売れているって。
「実験は成功したから、次の段階に移ることにした。
それが――君」
どうして私なんだろう。
作家なんてたくさんいる。
「TLから文芸転向ってまあまあ話題になるし。
それにさ、桃谷に紹介されて再会したときは、これは運命だって思ったね。
しかも恋する乙女みたいな顔してるし」
くくくっ、祐護さんは酷く愉しそうだ。
「ねっ。
君もベストセラー作家になりたいよね」
「んんーっ!」
そんなの、なりたくない。
死んで話題になって本を売るなど。
私にはまだまだ書きたい作品がたくさんある。
「ねえ。
――なんで僕の言うこと、理解しないの?」
祐護さんの顔から一切の感情が消えた。
ピタピタと手にしたナイフで私の頬を叩く。
「僕がどれだけ苦労したか知ってる?
君のためにけっこうお金、つぎ込んじゃったし。
なのにやあぁーっと見つけたすてきなターゲットには、邪魔なナイトがついてるし」
すぅーっ、ナイフを頬につけたまま彼が引き、頬に鋭い痛みが走っていく。
「まあさ、ド処女のひきこもりを騙すのなんて簡単だったけど。
どんどん不安にさせてちょっと背中を押してやったら、自分からドツボにはまって。
あとは優しくしてやったらチョロいチョロい」
その通り、だった。
私は信じないといけない人を疑って、信じてはいけない人を信じた。
自分の馬鹿さ加減が嫌になる。
「ねえ、どこからバラされたい?
僕さ、この間、気づいたんだけど、人を殺すの、好きみたいなんだよね。
ネット小説家のときは殺してからバラしたけど、紅夏は生きたままバラしたいな」
まるで夕食の相談でもするみたいに祐護さんは話している。
その感覚に背筋をざわざわと冷たいものが駆けていく。
「まずは手、かな。
大きいところは大変だからね、最後がいい」
祐護さんが手のロープをほどく。
これで抵抗できるのに、身体はちっとも動かない。
指を一本一本切り離すつもりなのか、祐護さんは右手の薬指を掴んだ。
「まずは、この指環ごと切り落とそう。
ねえ、恋人の編集者のところへペアの指が嵌まった彼女の指が送られてくるとか、最高の話題にならないかな」
この指環にそんな意味があるなんて知らなかった。
これをもらったときは、このまま松岡くんを忘れて祐護さんを好きなるのだと覚悟を決めたのに。
「んーっ、んーっ」
嫌々と首を振るが、祐護さんは手を離してくれない。
指なんて切り落とされたくない。
そんなことされたら、書いていけなくなる。
カミソリの刃が送られてきて指を怪我したとき、松岡くんは作家に指になにするんだって怒ってくれた。
なのにこんな、作家の指を大事にしない人間なんて編集なんかじゃない。
ただの――殺人者だ。
「僕、料理が下手だって言ったよね?
バラすの、あんまり上手じゃないんだー。
きっと死ぬほど痛いけど、簡単に死なないでね」
この場に似つかわしくないほどにっこりと、きれいに口角をつり上げて祐護さんが笑った。
「んーっ!!!!!!!!!!!」
ゆっくりとナイフが指へめり込んでいく。
声にならない悲鳴を上げた。
なにが悪かったのかわからない。
きっと、全部が悪かったのだろう。
これで私の作家生命も、――私の人生も、終わる。
「ニャーッ!!!!」
「こら、離せ!
このくそ猫!」
閉じていた目を開ける。
そこでは祐護さんの手にセバスチャンが必死に噛みついていた。
「離せって言ってるだろっ!」
ブン、祐護さんが手を振り、セバスチャンが飛んでいく。
「ギャッ!」
壁に激突したセバスチャンは短く絶叫して落ちた。
「んーっ!
んーっ!」
無駄だとわかっていながら声をかけるが、セバスチャンはぴくりとも動かない。
パニックになったあたまは目からぽろぽろと涙をこぼれ落とし続ける。
「こんなことならあの猫、さっさと殺しておけばよかった。
あーあ、なんか興醒め。
また邪魔が入ったら面倒だし、さっさと殺しちゃお」
祐護さんがナイフを逆手に持ち替え、大きく振りかぶった。
今度こそ死ぬのだと、目を閉じた、が。
息苦しくて目が覚めた。
口の中に詰まるなにかを取り出そうとするが、手が動かない。
気づけば後ろ手にがっちりと縛り上げられていた。
足も同じく。
「んーっ、んーっ!」
身体をばたつかせ、必死に助けを呼ぶ。
なんで?
どうして?
誰が?
祐護さんは、どこ?
「あー、気がついちゃったんだー」
声がした方へ視線を向けると、こたつを椅子にして祐護さんが座っていた。
なにがおかしいのかのどの奥でくっくっくっと笑う。
「薬が少なかったのかなー?」
薬っていったい、なんのことなんだろう。
どうして祐護さんは私を助けてくれないの?
「あのまま眠っていれば、苦しまずに死ねたのにね。
可哀想に」
くくくっ、祐護さんはまた、愉しそうに笑った。
「なんで?
って顔してるね。
まあそうだよね、わけがわかんないよね。
じゃあ、教えてあげる。
――君を、ベストセラー作家にしてあげるためだよ」
なにを言っているのか理解できない。
ベストセラー作家にするため?
そのためになんで、こんなことが必要なの?
「あの小説。
絶対入賞するよ。
だって、この僕が推して通すからね。
でも、賞を獲っただけじゃダメだ。
じゃあ、――どうするか」
ぐいっ、祐護さんは私へ、顔を近づける。
「作家が書き上げた直後、非業の死を遂げればいい」
大仰に頷き、彼は私から顔を離した。
彼がなにを言っているのかさっぱり理解できないが、ひとつだけわかったことがある。
私はいまから彼に――殺されるのだ。
「んーっ!
んーっ!」
「なに、不満かい?
彼女も、そうだったな」
彼女っていったい、誰のことなんだろう。
たぶん、私と同じ目に遭った人。
……あ。
「ネット小説家も僕がやったんだ。
たまたまNyaitterで知り合って、いろいろ相談に乗ってあげてた。
本が売れるのか酷く心配していたね。
だから僕が――殺してあげたんだ」
くくくっ、また祐護さんが笑う。
なにがそんなにおかしいんだろう。
「わざわざさ、きれいに死体を飾って宣伝してあげたのにすぐに削除されちゃって。
あたまにくるよね」
不満そうに祐護さんは唇を尖らせた。
「それでも、僕のおかげで本はバカ売れ。
初版なんて店頭に並んだ途端売り切れて、重版が短期間に三回もかかったよ。
だから実験してみることにしたんだ」
実験、ってなに?
「SNSをよくやってる作家を中心に、嫌がらせしたんだ。
ほら、炎上商法って奴?
手間は凄くかかったけどね。
大っ嫌いな猫だって捕まえて。
……ああ、でもあれはあれで嫌いな猫を殺せてすかっとしたけど。
それでさ、奴ら、すぐにSNSで嫌がらせされてるとか発信するから、ほんとよく燃えて本も売れたね」
そういえば祐護さんは言っていた、嫌がらせを受けた作家、本がよく売れているって。
「実験は成功したから、次の段階に移ることにした。
それが――君」
どうして私なんだろう。
作家なんてたくさんいる。
「TLから文芸転向ってまあまあ話題になるし。
それにさ、桃谷に紹介されて再会したときは、これは運命だって思ったね。
しかも恋する乙女みたいな顔してるし」
くくくっ、祐護さんは酷く愉しそうだ。
「ねっ。
君もベストセラー作家になりたいよね」
「んんーっ!」
そんなの、なりたくない。
死んで話題になって本を売るなど。
私にはまだまだ書きたい作品がたくさんある。
「ねえ。
――なんで僕の言うこと、理解しないの?」
祐護さんの顔から一切の感情が消えた。
ピタピタと手にしたナイフで私の頬を叩く。
「僕がどれだけ苦労したか知ってる?
君のためにけっこうお金、つぎ込んじゃったし。
なのにやあぁーっと見つけたすてきなターゲットには、邪魔なナイトがついてるし」
すぅーっ、ナイフを頬につけたまま彼が引き、頬に鋭い痛みが走っていく。
「まあさ、ド処女のひきこもりを騙すのなんて簡単だったけど。
どんどん不安にさせてちょっと背中を押してやったら、自分からドツボにはまって。
あとは優しくしてやったらチョロいチョロい」
その通り、だった。
私は信じないといけない人を疑って、信じてはいけない人を信じた。
自分の馬鹿さ加減が嫌になる。
「ねえ、どこからバラされたい?
僕さ、この間、気づいたんだけど、人を殺すの、好きみたいなんだよね。
ネット小説家のときは殺してからバラしたけど、紅夏は生きたままバラしたいな」
まるで夕食の相談でもするみたいに祐護さんは話している。
その感覚に背筋をざわざわと冷たいものが駆けていく。
「まずは手、かな。
大きいところは大変だからね、最後がいい」
祐護さんが手のロープをほどく。
これで抵抗できるのに、身体はちっとも動かない。
指を一本一本切り離すつもりなのか、祐護さんは右手の薬指を掴んだ。
「まずは、この指環ごと切り落とそう。
ねえ、恋人の編集者のところへペアの指が嵌まった彼女の指が送られてくるとか、最高の話題にならないかな」
この指環にそんな意味があるなんて知らなかった。
これをもらったときは、このまま松岡くんを忘れて祐護さんを好きなるのだと覚悟を決めたのに。
「んーっ、んーっ」
嫌々と首を振るが、祐護さんは手を離してくれない。
指なんて切り落とされたくない。
そんなことされたら、書いていけなくなる。
カミソリの刃が送られてきて指を怪我したとき、松岡くんは作家に指になにするんだって怒ってくれた。
なのにこんな、作家の指を大事にしない人間なんて編集なんかじゃない。
ただの――殺人者だ。
「僕、料理が下手だって言ったよね?
バラすの、あんまり上手じゃないんだー。
きっと死ぬほど痛いけど、簡単に死なないでね」
この場に似つかわしくないほどにっこりと、きれいに口角をつり上げて祐護さんが笑った。
「んーっ!!!!!!!!!!!」
ゆっくりとナイフが指へめり込んでいく。
声にならない悲鳴を上げた。
なにが悪かったのかわからない。
きっと、全部が悪かったのだろう。
これで私の作家生命も、――私の人生も、終わる。
「ニャーッ!!!!」
「こら、離せ!
このくそ猫!」
閉じていた目を開ける。
そこでは祐護さんの手にセバスチャンが必死に噛みついていた。
「離せって言ってるだろっ!」
ブン、祐護さんが手を振り、セバスチャンが飛んでいく。
「ギャッ!」
壁に激突したセバスチャンは短く絶叫して落ちた。
「んーっ!
んーっ!」
無駄だとわかっていながら声をかけるが、セバスチャンはぴくりとも動かない。
パニックになったあたまは目からぽろぽろと涙をこぼれ落とし続ける。
「こんなことならあの猫、さっさと殺しておけばよかった。
あーあ、なんか興醒め。
また邪魔が入ったら面倒だし、さっさと殺しちゃお」
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