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感謝の気持ち 1
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たくさん注文したゼリンダの服と下着の代金はカイとシエルが全て支払った。ゼリンダも少しは払うと言ったが、ふたりが頑として受け取らなかった。
それならせめてものお礼に、夕飯はふたりの好きなものを作りたいとゼリンダは申し出た。今さらだが、カイとシエルの好物を聞いたことがなかった。
「好物……」
シエルは善からぬ思考が過ってゼリンダを頭のてっぺんから爪先まで見つめる。しかし好きな食べ物を真剣に知りたがっているゼリンダに申し訳ない気がした。
「やっぱりお肉かな?」
「お肉……」
「焼いた肉で良い」
シエルの答えにカイが乗っかってくる。どうやら早く帰りたくなっているらしい。
カイとシエルが焼いた肉が良いと言うので、今夜はポークソテーにサラダとスープとパンという献立に決めた。必要なものを食材店で買い集める。荷物はやはりゼリンダが持つことはなかった。
アジトに戻ると、ずっと我慢していたカイがゼリンダを背中から抱きすくめた。食材を整理しようとしていたゼリンダは驚いて目を丸くする。
「カイ?」
「ゼリンダがあの下着つけてるところ、想像するだけでヤバかった」
カイは大きな手でゼリンダの胸を弄り、彼女の性感帯のひとつの耳殻を甘噛みする。選んだ下着が完成するまでまだ時間がかかるが、カイの頭の中であのランジェリーをまとったゼリンダを想像するだけで身体が熱くなった。
「ん……っ」
ゼリンダは今、快楽に堕ちてはいけないと身をよじった。夕飯を作らねばならない。
「まだだめ! ご飯作るから!」
カイはゼリンダのはっきりとした意思表示にピタリと動きを止める。
「ご飯食べて、お風呂に入り終わったら、良いよ。カイとシエルの好きにして……」
もじもじと恥ずかしそうにゼリンダは告げる。きっぱり断ったゼリンダとのギャップがカイはかわいいと思った。
「……わかった」
ゼリンダの意見を素直に聞き入れたカイは恋人を解放した。ゼリンダの意思が固いことを悟って、今はおとなしく引き下がることにする。
「ありがと」
ちゅ、とカイの唇にゼリンダが短く触れるだけのかわいいキスをする。思いも寄らないゼリンダの行動にカイはどきりとした。目が合うと、照れ笑いを浮かべるゼリンダの愛らしさにカイも自然に笑顔になる。
ゼリンダも少しずつ強くなってきているようだ。シエルは嬉しいような困るような気持ちになる。
「食事の準備手伝わせて?」
「でも、今日はお礼だし……」
「一緒に作ったほうが夕飯もいちゃいちゃも早くできるかなって下心だから、気にしないで」
シエルは整った面に艶のあるいたずらな微笑みを浮かべた。
「……うん」
ゼリンダは耳まで赤く染めてうなずく。
「俺もやる」
カイがゼリンダの背中に覆いかぶさる。
「ありがと」
ちょっと大きすぎるが、ヤキモチ妬きのねこみたいだとゼリンダはカイをかわいいと思う。
ゼリンダを中心に夕飯の準備を始めた。カイとシエルは手つきが怪しいが、ゼリンダに言われたことは素直に従って行う。
ふたりが手伝ってくれたおかげで、ご飯の用意は予定の半分ほどの時間でできた。
「変な時短は良くないんだね」
出来上がったコンソメ味の野菜スープを飲みながらシエルはしみじみとつぶやく。ゼリンダはシエルがあまりにも身にしみた様子の言葉として発するのでおもしろくなってくすくす笑ってしまう。
「うまい」
カイは相変わらず吸い込むようにたくさん食べる。そこにふしぎと育ちの良さがちらりと見える。多目に準備して良かったとゼリンダは思った。次々に皿が空になっていく。
「ごちそうさま」
カイ、シエル、ゼリンダの順に食事を終える。
「ゼリンダと一緒に料理を作れて良かった。楽しいってわかったから、俺も少し挑戦してみようかな」
「俺は食べる係で良い」
調理器具と食器の後片付けを和やかに行う。最後の一枚のお皿をゼリンダが流し終えて水道をキュッと止めた瞬間に空気が変化した気がした。
それならせめてものお礼に、夕飯はふたりの好きなものを作りたいとゼリンダは申し出た。今さらだが、カイとシエルの好物を聞いたことがなかった。
「好物……」
シエルは善からぬ思考が過ってゼリンダを頭のてっぺんから爪先まで見つめる。しかし好きな食べ物を真剣に知りたがっているゼリンダに申し訳ない気がした。
「やっぱりお肉かな?」
「お肉……」
「焼いた肉で良い」
シエルの答えにカイが乗っかってくる。どうやら早く帰りたくなっているらしい。
カイとシエルが焼いた肉が良いと言うので、今夜はポークソテーにサラダとスープとパンという献立に決めた。必要なものを食材店で買い集める。荷物はやはりゼリンダが持つことはなかった。
アジトに戻ると、ずっと我慢していたカイがゼリンダを背中から抱きすくめた。食材を整理しようとしていたゼリンダは驚いて目を丸くする。
「カイ?」
「ゼリンダがあの下着つけてるところ、想像するだけでヤバかった」
カイは大きな手でゼリンダの胸を弄り、彼女の性感帯のひとつの耳殻を甘噛みする。選んだ下着が完成するまでまだ時間がかかるが、カイの頭の中であのランジェリーをまとったゼリンダを想像するだけで身体が熱くなった。
「ん……っ」
ゼリンダは今、快楽に堕ちてはいけないと身をよじった。夕飯を作らねばならない。
「まだだめ! ご飯作るから!」
カイはゼリンダのはっきりとした意思表示にピタリと動きを止める。
「ご飯食べて、お風呂に入り終わったら、良いよ。カイとシエルの好きにして……」
もじもじと恥ずかしそうにゼリンダは告げる。きっぱり断ったゼリンダとのギャップがカイはかわいいと思った。
「……わかった」
ゼリンダの意見を素直に聞き入れたカイは恋人を解放した。ゼリンダの意思が固いことを悟って、今はおとなしく引き下がることにする。
「ありがと」
ちゅ、とカイの唇にゼリンダが短く触れるだけのかわいいキスをする。思いも寄らないゼリンダの行動にカイはどきりとした。目が合うと、照れ笑いを浮かべるゼリンダの愛らしさにカイも自然に笑顔になる。
ゼリンダも少しずつ強くなってきているようだ。シエルは嬉しいような困るような気持ちになる。
「食事の準備手伝わせて?」
「でも、今日はお礼だし……」
「一緒に作ったほうが夕飯もいちゃいちゃも早くできるかなって下心だから、気にしないで」
シエルは整った面に艶のあるいたずらな微笑みを浮かべた。
「……うん」
ゼリンダは耳まで赤く染めてうなずく。
「俺もやる」
カイがゼリンダの背中に覆いかぶさる。
「ありがと」
ちょっと大きすぎるが、ヤキモチ妬きのねこみたいだとゼリンダはカイをかわいいと思う。
ゼリンダを中心に夕飯の準備を始めた。カイとシエルは手つきが怪しいが、ゼリンダに言われたことは素直に従って行う。
ふたりが手伝ってくれたおかげで、ご飯の用意は予定の半分ほどの時間でできた。
「変な時短は良くないんだね」
出来上がったコンソメ味の野菜スープを飲みながらシエルはしみじみとつぶやく。ゼリンダはシエルがあまりにも身にしみた様子の言葉として発するのでおもしろくなってくすくす笑ってしまう。
「うまい」
カイは相変わらず吸い込むようにたくさん食べる。そこにふしぎと育ちの良さがちらりと見える。多目に準備して良かったとゼリンダは思った。次々に皿が空になっていく。
「ごちそうさま」
カイ、シエル、ゼリンダの順に食事を終える。
「ゼリンダと一緒に料理を作れて良かった。楽しいってわかったから、俺も少し挑戦してみようかな」
「俺は食べる係で良い」
調理器具と食器の後片付けを和やかに行う。最後の一枚のお皿をゼリンダが流し終えて水道をキュッと止めた瞬間に空気が変化した気がした。
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