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3章
王子様の秘密 6
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あの日から翡翠くんにも遥さんにも会うことは無く週末を迎えた。
変わったことと言えば、透さんが1日置きに私たちの下校時間に校門に迎えに来てくれて、そのまま一緒に夕飯を食べて帰るようになったことぐらい。
明日はお休みで、イズミさんが私と裕翔くんのタリスマンの完成品を届けてくれる予定。
私は透さんがお土産にくれた大きな瓶に入っているバスソルトを溶かした湯船に浸かった。
大きく深呼吸をすると、浴室を満たしたオリエンタルな香りが鼻腔をくすぐる。
それにしてもイズミさんと言い透さんと言い、私は女子力で負けている気がする。
と、言うか、私は全般に渡ってみんなの足を引っ張っている。私の存在がみんなに迷惑をかけている。
思わずため息を吐いてしまって、慌てて首を何度も横に振った。
みんなとても鋭いから、私がこんなマイナス思考に陥っていたらものすごい勢いで心配してくれる。それはまた申し訳ない気持ちになってしまう。
強くなるしかない。せめて足手まといにならないように。
いつもながらその答えにしか行き着かないのだけど、それしかない、と湯船を出た。
「おっはよ~!」
イズミさんがまたたくさんの荷物を抱えて、我が家へ来てくれた。
「おはようございます」
「淳くんの微笑み、本当に癒されるわ~」
淳くんとイズミさんの足元で、みやびちゃんが毛を逆立ててイズミさんをいかくしている。
淳くんはスマートにイズミさんの荷物を代わりに持って家の中へ案内する。
「おはよー」
リビングへ行くと、裕翔くんがワクワクした様子でイズミさんの側へ駆け寄って来た。
「おはようございます」
「……おはよう」
優雅に本を読んでいた誠史郎さんと、ソファーを盾のようにして警戒している眞澄くん。
「眞澄くーん、会いたかったわ~」
両腕を広げてイズミさんが眞澄くんに駆け寄ろうとすると、私の背中の影に眞澄くんは隠れた。
「イズミさん!眞澄より、早くオレのタリスマン見せてよー」
裕翔くんがイズミさんのシャツの裾を引っ張っる。
「お代の中に眞澄くんとハグするのも入っ……」
「なんや、朝から騒がしいなあ」
いつの間にか透さんが来ていた。淳くんが通してくれたみたい。
「あら~、透くん~」
「お久しぶりです」
イズミさんに透さんは会釈する。ふたりも知り合いだったみたいだ。祓い屋業界は広いようで狭い。
「みさきちゃん、家の中に閉じこもっててもらちが開かんから俺と出かけへん?」
透さんがにっこり笑って私の手を握ろうとしたけれど、眞澄くんが間に割って入った。
「……俺も行く」
「いけませんよ、ふたりとも。まずはイズミさんからタリスマンをいただいて、出かけるのはその後です」
「お母様はお元気~?」
「めっちゃ元気。せやから俺はしばらくひとりで首都圏で仕事しろって追い出されたんや」
「え……。それでこちらに?」
淳くんが少し驚いた様子で透さんに問いかける。どうやら私たちが思っていたような難しい事情はなかった。
「そうや。ホンマ人使いの荒いオカンやで。真堂さんとこへは絶対挨拶行け言われるし。来たら早々吸血鬼騒動の依頼があるし」
裕翔くんの視線が天井の辺りを泳ぐ。
「ま、おかげで可愛いみさきちゃんとも会えたんやけど」
ウインクして見せた透さんにイズミさんが後ろから抱きついて、頬を指先でつついた。
「みさきちゃん、気をつけなさいよ~。透くんはとんでもない狼よ~」
「人聞き悪いなあ」
「絶対とんでもない狼だろ……」
「眞澄クンに言われたくないなぁ」
「そうね~。種類はちょっと違うけど。みさきちゃんは大変ね~」
イズミさんにそう言われたけれど、私の何が大変なのかわからなくて腕を組んで首を傾げて考える。
「なかなかの強敵やな」
「ねー、オレのタリスマンはー?」
すっかり忘れられていた裕翔くんが唇を尖らせる。
「やだ~、ごめんなさいね~」
イズミさんは持ってきた荷物へ駆け寄ると中からふたつの箱を取り出してテーブルに置いた。
ひとつは腕時計、もうひとつはネックレスが入っていた。
「腕時計がみさきちゃんのよ~。ネックレスは裕翔くん~」
「ありがとうございます」
「ありがとうー!」
裕翔くんがイズミさんの腕にしがみつく。
「いいのよ~。お仕事だもの~」
イズミさんが裕翔くんの頭をよしよしと撫でた。
変わったことと言えば、透さんが1日置きに私たちの下校時間に校門に迎えに来てくれて、そのまま一緒に夕飯を食べて帰るようになったことぐらい。
明日はお休みで、イズミさんが私と裕翔くんのタリスマンの完成品を届けてくれる予定。
私は透さんがお土産にくれた大きな瓶に入っているバスソルトを溶かした湯船に浸かった。
大きく深呼吸をすると、浴室を満たしたオリエンタルな香りが鼻腔をくすぐる。
それにしてもイズミさんと言い透さんと言い、私は女子力で負けている気がする。
と、言うか、私は全般に渡ってみんなの足を引っ張っている。私の存在がみんなに迷惑をかけている。
思わずため息を吐いてしまって、慌てて首を何度も横に振った。
みんなとても鋭いから、私がこんなマイナス思考に陥っていたらものすごい勢いで心配してくれる。それはまた申し訳ない気持ちになってしまう。
強くなるしかない。せめて足手まといにならないように。
いつもながらその答えにしか行き着かないのだけど、それしかない、と湯船を出た。
「おっはよ~!」
イズミさんがまたたくさんの荷物を抱えて、我が家へ来てくれた。
「おはようございます」
「淳くんの微笑み、本当に癒されるわ~」
淳くんとイズミさんの足元で、みやびちゃんが毛を逆立ててイズミさんをいかくしている。
淳くんはスマートにイズミさんの荷物を代わりに持って家の中へ案内する。
「おはよー」
リビングへ行くと、裕翔くんがワクワクした様子でイズミさんの側へ駆け寄って来た。
「おはようございます」
「……おはよう」
優雅に本を読んでいた誠史郎さんと、ソファーを盾のようにして警戒している眞澄くん。
「眞澄くーん、会いたかったわ~」
両腕を広げてイズミさんが眞澄くんに駆け寄ろうとすると、私の背中の影に眞澄くんは隠れた。
「イズミさん!眞澄より、早くオレのタリスマン見せてよー」
裕翔くんがイズミさんのシャツの裾を引っ張っる。
「お代の中に眞澄くんとハグするのも入っ……」
「なんや、朝から騒がしいなあ」
いつの間にか透さんが来ていた。淳くんが通してくれたみたい。
「あら~、透くん~」
「お久しぶりです」
イズミさんに透さんは会釈する。ふたりも知り合いだったみたいだ。祓い屋業界は広いようで狭い。
「みさきちゃん、家の中に閉じこもっててもらちが開かんから俺と出かけへん?」
透さんがにっこり笑って私の手を握ろうとしたけれど、眞澄くんが間に割って入った。
「……俺も行く」
「いけませんよ、ふたりとも。まずはイズミさんからタリスマンをいただいて、出かけるのはその後です」
「お母様はお元気~?」
「めっちゃ元気。せやから俺はしばらくひとりで首都圏で仕事しろって追い出されたんや」
「え……。それでこちらに?」
淳くんが少し驚いた様子で透さんに問いかける。どうやら私たちが思っていたような難しい事情はなかった。
「そうや。ホンマ人使いの荒いオカンやで。真堂さんとこへは絶対挨拶行け言われるし。来たら早々吸血鬼騒動の依頼があるし」
裕翔くんの視線が天井の辺りを泳ぐ。
「ま、おかげで可愛いみさきちゃんとも会えたんやけど」
ウインクして見せた透さんにイズミさんが後ろから抱きついて、頬を指先でつついた。
「みさきちゃん、気をつけなさいよ~。透くんはとんでもない狼よ~」
「人聞き悪いなあ」
「絶対とんでもない狼だろ……」
「眞澄クンに言われたくないなぁ」
「そうね~。種類はちょっと違うけど。みさきちゃんは大変ね~」
イズミさんにそう言われたけれど、私の何が大変なのかわからなくて腕を組んで首を傾げて考える。
「なかなかの強敵やな」
「ねー、オレのタリスマンはー?」
すっかり忘れられていた裕翔くんが唇を尖らせる。
「やだ~、ごめんなさいね~」
イズミさんは持ってきた荷物へ駆け寄ると中からふたつの箱を取り出してテーブルに置いた。
ひとつは腕時計、もうひとつはネックレスが入っていた。
「腕時計がみさきちゃんのよ~。ネックレスは裕翔くん~」
「ありがとうございます」
「ありがとうー!」
裕翔くんがイズミさんの腕にしがみつく。
「いいのよ~。お仕事だもの~」
イズミさんが裕翔くんの頭をよしよしと撫でた。
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