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誠史郎ルート 2章
禁断の果実 4
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せっかくだからと、ファンタジーキングダムの中にあるレストランで夕飯を食べることになった。
コース料理のお店で、とてもかわいい内装なのにどこか大人っぽい雰囲気があるように感じる。
夜なので誠史郎さんはサングラスを外していつもの眼鏡に戻っていた。
運ばれてくる料理は盛り付けからして凝っていた。おしゃれな前菜を食べ終わるとタイミング良くメインの料理が運ばれてくる。これがフランス料理のコースなんだと感動しながらステーキを食べた。柔らかくて、ソースもおいしい。食べ放題のパンとも良く合う。
とても贅沢な晩ごはんだ。
「おいしい……」
お皿に何も残さず平らげた。
デザートはファンタジーキングダムの王様、ケットシーをイメージしたゴマのジェラートとお妃様のイチゴのケーキで、目にも楽しい。
「かわいいですね! 食べるのがもったいないぐらい……」
私はそう言いながらもジェラートがスプーンを差し込んでいた。
ひとつひとつにテンションが上がってしまう。
誠史郎さんはそんな私を優しく見つめてくれていた。
「みさきさんが1番かわいいですよ」
ケーキをフォークで一口大に切り分けながら、誠史郎さんはさらりと言った。
私の口の中でジェラートは一瞬で溶けてなくなる。
真っ赤になりながらもデザートをおいしくいただいた。
お手洗いから戻ると、そのままお店を出ることになった。支払いはすでに誠史郎さんが済ませてくれていたみたいだ。
「ごちそうさまです。ありがとうございます」
「どういたしまして」
そのまま手をつないで歩き出す。
今日一日でこの行動もとても自然になった気がする。
「……名残惜しいですが、帰りましょうか」
魔法の解ける時間だ。
寂しいけれどうなずいて出入口へ歩き始める。
ドン、と大きな音が響いて空が明るくなった。
いつの間にか夜のショーが始まっていたみたいだ。
振り返ると大きな花火が絶え間なく何発もうち上がっている。
誠史郎さんも足を止めてくれて、手をつないだまま色とりどりに照らされる夜空を見上げていた。
私はこの花火を一生忘れないと思う。
「……また、来たいです」
自然にこぼれていた。
「ええ」
誠史郎さんを見上げると、こちらを見てそっと微笑んでくれる。
そして私の耳元に唇を寄せる。
「今度はちゃんと計画して、泊まりがけで来ましょう」
驚いて目を丸くした私の唇に、誠史郎さんは小鳥が戯れるようなキスをした。
「もちろん、ふたりきりで」
思わずこくこくとうなずいてしまった。誠史郎さんは人の悪い妖艶な微笑みをひらめかせる。
もう一度短いキスを交わして、再び出入口へ向かった。
駐車場へ行って車に乗り込む。
帰りは行きより車の進みが速かった。
家へ近づくのが寂しく感じる。もっとふたりでいたい。
誠史郎さんは右手はハンドルを握ったまま、大きな左手で私の手を優しく包んでくれた。
私の気持ちに気づいたのだろうか。冷たいぐらい整った横顔を見つめるけれど読み取れない。
こんな風に過ごせるのもあとわずか。
離れがたくて彼の手を引き寄せて頬擦りした。
二時間ほど車に乗っていたはずなのに、あっという間だった気がする。
「誠史郎さん、今日は……」
「こちらに泊まらせていただきます」
それだけで嬉しくなった。同じ屋根の下にいられる。
「ただいま……」
ゆっくり玄関のドアを開く。リビングが駆けてくる足音が響いてきた。
「みさき! おかえりっ!」
裕翔くんが勢い良く出迎えてくれた。
「ただいま」
「ただいま戻りました」
「誠史郎もお帰り。ふたりでお出かけいいなー。オレもみさきと遊びに行きたーい」
「デートですから」
誠史郎さんに背中から抱き締められた。裕翔くんはきょとんと私たちを眺めている。
「皆さんはまだリビングにいらっしゃいますか?」
「眞澄だけ……」
いまいち事情が飲み込めない様子の裕翔くん。くりくりした目を白黒させている。
誠史郎さんは私の手をひいて玄関を上がった。裕翔くんがその後ろをあわてた様子でついてくる。
「ただいま戻りました」
眞澄くんがゲームをする手を止めてこちらに振り返る。淳くんはお風呂に入っているのかいない。透さんもいなかった。
「お帰り」
「眞澄くんたちにお願いしたいことがあります」
「お願い?」
眞澄くんは少し身構えて、怪訝な表情になる。
「みさき、誠史郎。お帰り」
お風呂上がりの淳くんがやって来た。透き通りそうに白い頬が上気している。
「淳くんと裕翔くんも聞いてもらえますか?」
私と誠史郎さんが3人に取り囲まれるような形になった。誠史郎さんが何を言い出すのかわからなくておろおろしてしまう。
「亘理さんはみさきさんと私に何かを期待している様子です。お隣に監視人員まで配置しています」
「なっ……! 何かって、なんだよ!?」
「それははっきりしないのですが、私たちに危害を加えるつもりはないと言っていました。ですが、いつ気が変わるかわかりません。みさきさんを護るために力を貸してください」
誠史郎さんが深々と頭を下げた。眞澄くん、淳くん、裕翔くんは戸惑ってそれぞれ顔を見合わせる。
「誠史郎に言われなくてもみさきのことは護るよ」
裕翔くんが不満そうに頬を膨らませ、唇を尖らせる。
「ありがとうございます」
誠史郎さんはダリアのように華やかでふわりとした笑みを浮かべた。とても嬉しそうに見えた。
「……誠史郎、少し雰囲気が変わった?」
淳くんが少し驚いた表情で首を傾げる。
「そうですか?」
いたずらっぽく微笑む誠史郎さん。私も淳くんと同じ感想を持っていた。今までより何と言うか、少し柔らかいように感じる。
何度もこくこくとうなずく私に、誠史郎さんは少し困ったように頬を緩めていた。
コース料理のお店で、とてもかわいい内装なのにどこか大人っぽい雰囲気があるように感じる。
夜なので誠史郎さんはサングラスを外していつもの眼鏡に戻っていた。
運ばれてくる料理は盛り付けからして凝っていた。おしゃれな前菜を食べ終わるとタイミング良くメインの料理が運ばれてくる。これがフランス料理のコースなんだと感動しながらステーキを食べた。柔らかくて、ソースもおいしい。食べ放題のパンとも良く合う。
とても贅沢な晩ごはんだ。
「おいしい……」
お皿に何も残さず平らげた。
デザートはファンタジーキングダムの王様、ケットシーをイメージしたゴマのジェラートとお妃様のイチゴのケーキで、目にも楽しい。
「かわいいですね! 食べるのがもったいないぐらい……」
私はそう言いながらもジェラートがスプーンを差し込んでいた。
ひとつひとつにテンションが上がってしまう。
誠史郎さんはそんな私を優しく見つめてくれていた。
「みさきさんが1番かわいいですよ」
ケーキをフォークで一口大に切り分けながら、誠史郎さんはさらりと言った。
私の口の中でジェラートは一瞬で溶けてなくなる。
真っ赤になりながらもデザートをおいしくいただいた。
お手洗いから戻ると、そのままお店を出ることになった。支払いはすでに誠史郎さんが済ませてくれていたみたいだ。
「ごちそうさまです。ありがとうございます」
「どういたしまして」
そのまま手をつないで歩き出す。
今日一日でこの行動もとても自然になった気がする。
「……名残惜しいですが、帰りましょうか」
魔法の解ける時間だ。
寂しいけれどうなずいて出入口へ歩き始める。
ドン、と大きな音が響いて空が明るくなった。
いつの間にか夜のショーが始まっていたみたいだ。
振り返ると大きな花火が絶え間なく何発もうち上がっている。
誠史郎さんも足を止めてくれて、手をつないだまま色とりどりに照らされる夜空を見上げていた。
私はこの花火を一生忘れないと思う。
「……また、来たいです」
自然にこぼれていた。
「ええ」
誠史郎さんを見上げると、こちらを見てそっと微笑んでくれる。
そして私の耳元に唇を寄せる。
「今度はちゃんと計画して、泊まりがけで来ましょう」
驚いて目を丸くした私の唇に、誠史郎さんは小鳥が戯れるようなキスをした。
「もちろん、ふたりきりで」
思わずこくこくとうなずいてしまった。誠史郎さんは人の悪い妖艶な微笑みをひらめかせる。
もう一度短いキスを交わして、再び出入口へ向かった。
駐車場へ行って車に乗り込む。
帰りは行きより車の進みが速かった。
家へ近づくのが寂しく感じる。もっとふたりでいたい。
誠史郎さんは右手はハンドルを握ったまま、大きな左手で私の手を優しく包んでくれた。
私の気持ちに気づいたのだろうか。冷たいぐらい整った横顔を見つめるけれど読み取れない。
こんな風に過ごせるのもあとわずか。
離れがたくて彼の手を引き寄せて頬擦りした。
二時間ほど車に乗っていたはずなのに、あっという間だった気がする。
「誠史郎さん、今日は……」
「こちらに泊まらせていただきます」
それだけで嬉しくなった。同じ屋根の下にいられる。
「ただいま……」
ゆっくり玄関のドアを開く。リビングが駆けてくる足音が響いてきた。
「みさき! おかえりっ!」
裕翔くんが勢い良く出迎えてくれた。
「ただいま」
「ただいま戻りました」
「誠史郎もお帰り。ふたりでお出かけいいなー。オレもみさきと遊びに行きたーい」
「デートですから」
誠史郎さんに背中から抱き締められた。裕翔くんはきょとんと私たちを眺めている。
「皆さんはまだリビングにいらっしゃいますか?」
「眞澄だけ……」
いまいち事情が飲み込めない様子の裕翔くん。くりくりした目を白黒させている。
誠史郎さんは私の手をひいて玄関を上がった。裕翔くんがその後ろをあわてた様子でついてくる。
「ただいま戻りました」
眞澄くんがゲームをする手を止めてこちらに振り返る。淳くんはお風呂に入っているのかいない。透さんもいなかった。
「お帰り」
「眞澄くんたちにお願いしたいことがあります」
「お願い?」
眞澄くんは少し身構えて、怪訝な表情になる。
「みさき、誠史郎。お帰り」
お風呂上がりの淳くんがやって来た。透き通りそうに白い頬が上気している。
「淳くんと裕翔くんも聞いてもらえますか?」
私と誠史郎さんが3人に取り囲まれるような形になった。誠史郎さんが何を言い出すのかわからなくておろおろしてしまう。
「亘理さんはみさきさんと私に何かを期待している様子です。お隣に監視人員まで配置しています」
「なっ……! 何かって、なんだよ!?」
「それははっきりしないのですが、私たちに危害を加えるつもりはないと言っていました。ですが、いつ気が変わるかわかりません。みさきさんを護るために力を貸してください」
誠史郎さんが深々と頭を下げた。眞澄くん、淳くん、裕翔くんは戸惑ってそれぞれ顔を見合わせる。
「誠史郎に言われなくてもみさきのことは護るよ」
裕翔くんが不満そうに頬を膨らませ、唇を尖らせる。
「ありがとうございます」
誠史郎さんはダリアのように華やかでふわりとした笑みを浮かべた。とても嬉しそうに見えた。
「……誠史郎、少し雰囲気が変わった?」
淳くんが少し驚いた表情で首を傾げる。
「そうですか?」
いたずらっぽく微笑む誠史郎さん。私も淳くんと同じ感想を持っていた。今までより何と言うか、少し柔らかいように感じる。
何度もこくこくとうなずく私に、誠史郎さんは少し困ったように頬を緩めていた。
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