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透ルート 3章
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お父さん、お母さんとの約束の時間がきた。
ドキドキしながら真壁さん、透さんと並んでタブレット端末を前にする。
液晶画面にお父さんとお母さんの姿が映った。
メールはしていたけれど、こうして顔を見るのは久しぶりだ。
「こんばんはぁ。ご無沙汰してます。真壁ですぅ」
「こちらこそ、ご無沙汰しております」
にこやかな真壁さんに、お父さんがペコリと頭を下げる。
「お忙しい中お時間作っていただいて、ホンマにありがとうございます」
「いえ、とんでもない!」
真面目な表情の透さんはいつもより大人っぽく見えた。実際、私よりずっと大人なのだけど。
お父さんはあわてたように右手を振る。何だか頼りない。
「真壁透です。直接そちらにうかがわず、申し訳ございません」
「主人が来られへんでごめんなさいねぇ」
「こちらこそ、直接お会いできなくて申し訳ありません」
お母さんが愛想笑いを浮かべてちょこんと首を傾げる。
「みさき、ちゃんとご飯たべてるか?」
お父さんがうるうるしながらカメラに近づいてきた。ちょっと恥ずかしい。
「食べてるよ。大丈夫」
「なかなか日本に帰れなくてごめんな」
「透さんも、みんなもいてくれるから大丈夫だよ」
「みさきぃー」
透さんの前であんまり恥ずかしいところを見せないでもらいたい。言ったらまた面倒なことになりそうだから沈黙するけれど。
「真堂さん、今日、お時間いただきましたのは、みさきさんとのことでお願いしたいことがありまして」
ズバっと切り込んだ透さん。うるさかったお父さんが静かになって、画面の向こうから透さんをまじまじと見る。
お母さんがお父さんの服を後ろから引っ張って着席させた。
「みさきさんと、結婚を前提にお付き合いすることをお許しいただけますか?」
お父さんが固まった。口から魂が抜けたように真っ白になっている。
「みさきはまだ高校生ですけれど……」
お母さんが遠慮がちに透さんに問いかけた。多分お父さんは復活するまで時間がかかる。
「はい。ですから交際について、ご両親にお許しをいただきたいです。中途半端な気持ちでみさきさんと過ごすわけではないと、お伝えしたくて」
私まで緊張してきた。固く唇を結んで液晶画面の中のお母さんを見つめる。お母さんも真剣に透さんの話に耳を傾けていた。
「結婚のタイミングは、高校卒業か、大学卒業か、それ以外でも、きちんと真堂さんにもご相談して決めたいです。入籍するより先に子供ができるようなことはないように気をつけますので、どうかお許しいただけないでしょうか?」
「……みさきはどう考えているの?」
どう言えば伝わるか、慎重に言葉を選ぼうと一度唇を結ぶ。深呼吸して、お母さんを真っ直ぐ見つめた。
「透さんと結婚して、ずっと一緒にいたい……」
結局、ありきたりのことしか言えなかった。だけど素直な気持ちだ。
緊張しながらお母さんの返事を待つ。
「真壁さんと真剣にお付き合いするのね?」
深く頷いた私に、お母さんは小さく微笑む。
「至らないところの多い娘ですけれど、よろしくお願いします」
「とんでもないです。ありがとうございます。みさきさんを幸せにします」
「みさきぃぃー」
ようやく再起動したお父さんは、今にも泣き出しそうな顔をカメラに近づけてきた。
「お父さん!」
お母さんが再びお父さんを引き戻す。
「真壁さん、今後とも、よろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
真壁さんとお母さんが画面越しにお辞儀しあっていた。
「ほら、お父さんも」
「透くん……」
いきなりの名前呼びに私が面食らってしまう。だけど透さんは背筋を伸ばして、お父さんを真っ直ぐに見つめてくれた。
「はい」
「みさきを絶対に泣かさないでくれよ」
「もちろんです」
真剣な横顔。改めて透さんは素敵な男性だとドキドキする。
「みさきはまだ高校生だからね! くれぐれも節度ある付き合いを……!」
「はい」
透さんは爽やかな笑顔を浮かべているけれど、悪魔のしっぽが見えた気がした。返事はしたけど、何もしないとは言っていない。
私はお父さんに言えない秘密をすでに抱えてしまっている。多分、お父さんの言う節度を守ることはできない。心の中で謝った。
「お父さん、お母さん、ありがとう」
「みさきぃ……」
またお父さんは情けない声を上げた。安心してほしくて笑って見せる。
「まだ日本に帰れませんので、ご迷惑をおかけしますがみさきのこと、よろしくお願いいたします」
お母さんがそう言って、通話を終了した。
真っ暗になった液晶を前に、透さんが大きなため息をつく。
「緊張した……」
全然そうは見えなかったので驚いた。同時に何だか嬉しくなる。
「許してもらえて良かったなぁ、透。ほな、みさきちゃん、明日学校休みやろ? 銀座行こか」
「は、はい」
銀座に何をするために行くのかわからないけれど、反射的に頷いていた。
「オカン、まさか……」
「別に明日決めんでもええけど、見に行くぐらいええやん」
「え、ええと……?」
私だけ話が読めない。透さんに助けを求めるように視線を送る。
「ごめんな。オカン、婚約指輪見に行くつもりや。いくらなんでも気ぃ早すぎや。俺は今日はここに泊めてもろて、明日はみさきちゃんとゆっくりデートしたい」
「何言うてんの。あんたは私らと一緒に帰るんやで。明日また会うたらエエ」
真壁さんが指を鳴らすと音もなく黒沢さんが現れた。透さんは背中にお札を貼られる。
「なっ……!」
動けなくなった透さんを黒沢さんが抱えあげた。背の高い透さんを持ち上げているのに、黒沢さんは表情が全く変わらない。
「みさきちゃん、いろいろありがとうね。明日の朝、十時頃に迎えにくるから待ってて」
「は、はい……」
目の前の光景に頭がついていかないまま、廊下へ出ていく真壁さんたちの後をついていく。
「みさき、薫さんと瑠美さんは元気にして……」
階段を降りてきた淳くんも黒沢さんに担がれた透さんを見てぎょっとなった。
「淳くん、いろいろありがとうねぇ。これからもよろしゅう」
「は、はい……」
淳くんが呆気にとられている。
「淳クン、助けてー!」
「真堂さん、いろいろありがとうございます。夕飯、おいしかったです。お邪魔しました」
「ほな、また明日」
ニコニコしながら手を振る真壁さんと、眉ひとつ動かさず透さんを運ぶ黒沢さん。私と淳くんは返事もできないで呆然と家を出る姿を見ていた。
ドキドキしながら真壁さん、透さんと並んでタブレット端末を前にする。
液晶画面にお父さんとお母さんの姿が映った。
メールはしていたけれど、こうして顔を見るのは久しぶりだ。
「こんばんはぁ。ご無沙汰してます。真壁ですぅ」
「こちらこそ、ご無沙汰しております」
にこやかな真壁さんに、お父さんがペコリと頭を下げる。
「お忙しい中お時間作っていただいて、ホンマにありがとうございます」
「いえ、とんでもない!」
真面目な表情の透さんはいつもより大人っぽく見えた。実際、私よりずっと大人なのだけど。
お父さんはあわてたように右手を振る。何だか頼りない。
「真壁透です。直接そちらにうかがわず、申し訳ございません」
「主人が来られへんでごめんなさいねぇ」
「こちらこそ、直接お会いできなくて申し訳ありません」
お母さんが愛想笑いを浮かべてちょこんと首を傾げる。
「みさき、ちゃんとご飯たべてるか?」
お父さんがうるうるしながらカメラに近づいてきた。ちょっと恥ずかしい。
「食べてるよ。大丈夫」
「なかなか日本に帰れなくてごめんな」
「透さんも、みんなもいてくれるから大丈夫だよ」
「みさきぃー」
透さんの前であんまり恥ずかしいところを見せないでもらいたい。言ったらまた面倒なことになりそうだから沈黙するけれど。
「真堂さん、今日、お時間いただきましたのは、みさきさんとのことでお願いしたいことがありまして」
ズバっと切り込んだ透さん。うるさかったお父さんが静かになって、画面の向こうから透さんをまじまじと見る。
お母さんがお父さんの服を後ろから引っ張って着席させた。
「みさきさんと、結婚を前提にお付き合いすることをお許しいただけますか?」
お父さんが固まった。口から魂が抜けたように真っ白になっている。
「みさきはまだ高校生ですけれど……」
お母さんが遠慮がちに透さんに問いかけた。多分お父さんは復活するまで時間がかかる。
「はい。ですから交際について、ご両親にお許しをいただきたいです。中途半端な気持ちでみさきさんと過ごすわけではないと、お伝えしたくて」
私まで緊張してきた。固く唇を結んで液晶画面の中のお母さんを見つめる。お母さんも真剣に透さんの話に耳を傾けていた。
「結婚のタイミングは、高校卒業か、大学卒業か、それ以外でも、きちんと真堂さんにもご相談して決めたいです。入籍するより先に子供ができるようなことはないように気をつけますので、どうかお許しいただけないでしょうか?」
「……みさきはどう考えているの?」
どう言えば伝わるか、慎重に言葉を選ぼうと一度唇を結ぶ。深呼吸して、お母さんを真っ直ぐ見つめた。
「透さんと結婚して、ずっと一緒にいたい……」
結局、ありきたりのことしか言えなかった。だけど素直な気持ちだ。
緊張しながらお母さんの返事を待つ。
「真壁さんと真剣にお付き合いするのね?」
深く頷いた私に、お母さんは小さく微笑む。
「至らないところの多い娘ですけれど、よろしくお願いします」
「とんでもないです。ありがとうございます。みさきさんを幸せにします」
「みさきぃぃー」
ようやく再起動したお父さんは、今にも泣き出しそうな顔をカメラに近づけてきた。
「お父さん!」
お母さんが再びお父さんを引き戻す。
「真壁さん、今後とも、よろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
真壁さんとお母さんが画面越しにお辞儀しあっていた。
「ほら、お父さんも」
「透くん……」
いきなりの名前呼びに私が面食らってしまう。だけど透さんは背筋を伸ばして、お父さんを真っ直ぐに見つめてくれた。
「はい」
「みさきを絶対に泣かさないでくれよ」
「もちろんです」
真剣な横顔。改めて透さんは素敵な男性だとドキドキする。
「みさきはまだ高校生だからね! くれぐれも節度ある付き合いを……!」
「はい」
透さんは爽やかな笑顔を浮かべているけれど、悪魔のしっぽが見えた気がした。返事はしたけど、何もしないとは言っていない。
私はお父さんに言えない秘密をすでに抱えてしまっている。多分、お父さんの言う節度を守ることはできない。心の中で謝った。
「お父さん、お母さん、ありがとう」
「みさきぃ……」
またお父さんは情けない声を上げた。安心してほしくて笑って見せる。
「まだ日本に帰れませんので、ご迷惑をおかけしますがみさきのこと、よろしくお願いいたします」
お母さんがそう言って、通話を終了した。
真っ暗になった液晶を前に、透さんが大きなため息をつく。
「緊張した……」
全然そうは見えなかったので驚いた。同時に何だか嬉しくなる。
「許してもらえて良かったなぁ、透。ほな、みさきちゃん、明日学校休みやろ? 銀座行こか」
「は、はい」
銀座に何をするために行くのかわからないけれど、反射的に頷いていた。
「オカン、まさか……」
「別に明日決めんでもええけど、見に行くぐらいええやん」
「え、ええと……?」
私だけ話が読めない。透さんに助けを求めるように視線を送る。
「ごめんな。オカン、婚約指輪見に行くつもりや。いくらなんでも気ぃ早すぎや。俺は今日はここに泊めてもろて、明日はみさきちゃんとゆっくりデートしたい」
「何言うてんの。あんたは私らと一緒に帰るんやで。明日また会うたらエエ」
真壁さんが指を鳴らすと音もなく黒沢さんが現れた。透さんは背中にお札を貼られる。
「なっ……!」
動けなくなった透さんを黒沢さんが抱えあげた。背の高い透さんを持ち上げているのに、黒沢さんは表情が全く変わらない。
「みさきちゃん、いろいろありがとうね。明日の朝、十時頃に迎えにくるから待ってて」
「は、はい……」
目の前の光景に頭がついていかないまま、廊下へ出ていく真壁さんたちの後をついていく。
「みさき、薫さんと瑠美さんは元気にして……」
階段を降りてきた淳くんも黒沢さんに担がれた透さんを見てぎょっとなった。
「淳くん、いろいろありがとうねぇ。これからもよろしゅう」
「は、はい……」
淳くんが呆気にとられている。
「淳クン、助けてー!」
「真堂さん、いろいろありがとうございます。夕飯、おいしかったです。お邪魔しました」
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