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第1章~転生そして契約〜

継承の儀

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ククククッ!ハーハッハッハ!!
炎の中で高笑いを続けるヴァンドラ。
アイツやばい。てかやってしまった。

「すみません、わざとじゃなくて!その!」

「何だ。」
炎の中から1歩、また1歩と近づくヴァンドラ。

「ゆ、許してください……。」

「クククッ、では我と1つ誓いをたてぬか?」

「誓いですか?」

ポゥっとヴァンドラが手から紙のようなものをだす。

「我と誓いを結ぶのか?結ばないのか ?今決めろ。ククッ、貴様の命運をわけるぞ。」

また契約みたいなものか!なんだ!
この世界は契約大好きなのか!
内容気になるけど、聞ける感じじゃない……。
てか空気的に結ばないと死ぬだろこれ!

萌渕が顔を上げると既に目の前にはヴァンドラが居た。
覚悟を決めろ!!俺!!

「結ぶのならば魔力を手に込めこの紙に触れよ。結ばぬのなら……」
「結ぶよ。」
ヴァンドラの言葉を遮る萌渕。

「魔力を込めるってのはまだよくわからないけどさっきの感じでいいのか?」

「クククッ、あぁ!構わんぞ。」

手に空気を集めて……温かくなった。よし。
萌渕は紙に触れた。その瞬間!
ブオッ!!!一瞬で辺りを闇が包む。

「クククッ!誓いはたった!条件はただ1つ!」

「ちょ、ちょっと待て!これはなんだ!」

「説明ばかりで疲れるのだがな。今回は許してやろう。これは“継承の儀”わかりやすくいえば世代交代だ。」

「な、何を言って……。」

「ククッ、クククッ、光栄に思え!貴様は選ばれたのだ。我が後継者にな!その魔力我が誓約で存分に奮え!」

「な、な、後継者!?ヴァンドラさんの!?」

グチャ……。グチャァ。
肉を潰すような不快な音を立てヴァンドラが
血の滴る肉の球塊に変形する。

「ヴァ、ヴァンドラさん?」

肉の塊になったヴァンドラから声が響く。
「貴様への誓約はただ1つ!我が力を使い、この世界を我が一族の手中にいれよ。」

「世界を、手中にっ……て!」
うおおおおおお!やばい!なんだこれ!!
ヴァンドラ?が一瞬で足下に来たと思ったら
どんどん飲み込まれていく!!
やばいんじゃないか!!これ!!

「まだ、俺はっ……!!」


「ククッ、案ずるな。儂に身を任せよ。苦しくはない」
完全に包み込まれる萌渕。
徐々に意識を失っていく。
気を失う刹那声が響く。

「貴様にこの世界での名を授けよう。“ヴァンドラ・フューゼ”それが貴様の名だ。」

ここで萌渕としての生が終わり、フューゼは
一時の眠りについた。
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