前代未聞のダンジョンメーカー

黛 ちまた

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第一章 新しい生活の始まり

019-2

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 スオウの樹がちらほらと咲き始めた。
 ラズロさんと一緒に買い出しに出かけて、スオウの樹を教えてもらった。
 気が付かなかったけど、王都のあちこちにある樹はスオウの樹だったし、裏庭に植えられた樹にも何本かスオウの樹があった。
 枝を大きく広げたものが多くて、蕾が沢山枝の先に付いているのが見えた。あれが一斉に咲いたら、確かに凄いと思う。ラズロさんが楽しみにするのも分かる。
 それから少しして、冬の王を倒したという知らせが城にも届いて、あっという間に王都内に知れ渡った。
 もうじき、みんなが帰って来る!

 花の開花と同じぐらいに、みんなは帰って来た。
 到着する日はあらかじめ教えられていたから、王都の人たちと一緒に大通りに並んで、戻って来るのを待った。
 王都の大きな門が完全に開かれて、隊列を組んだ騎士や、魔法師団がゆっくりと入って来た瞬間、わあぁっという歓声が上がった。僕も負けずに大きな声でおかえりなさいと言う。
 暖かい風にのって、スオウの花びらが舞う。
 騎士団の先頭にクリフさんがいて、魔法師団の先頭にノエルさんがいた。
 二人の姿が見えて、なんだか胸がいっぱいになった。
 どれだけ大変だったのかは分からないけど、分からないんだけど、二人が帰って来たことがとっても嬉しい。
 クリフさんと目が合った。クリフさんは少し目を細めた、優しい笑顔を向けてくれた。
 ノエルさんとも目が合って、ウインクされた。周囲の女の人たちがキャー! っと叫んだからびっくりした。

「大怪我はしてなさそうだな」

 僕を肩車してくれていたラズロさんが言った。

「今見える限りでは、してなさそうでした」

 良かった、本当に。

「戻ったとは言っても、まだしばらく残務処理で忙しいだろうけどな」

「そうなんですか?」

「冬の王との戦いは他の国とも共闘するっつったろ? 討伐後の戦利品の配分とかな、色々あるらしいぜ?」

 こう言うのを、大人の事情、というのかも知れない。

「そうなんですね。僕はいつみんなが食堂に来ても良いように、ご飯を作って待ってようと思います」

「ま、そりゃそうだな」

 さてと、帰るか、とラズロさんは言って、僕を肩車したまま城に向かう。

「えっ、ラズロさん! 僕、自分で歩きますっ」

「人が多いだろうが」

 それはそうだけど。

「夜は宵鍋に行こうぜ。きっとお祭り騒ぎで楽しいぜ?」

 そう言えば、ザックさんと最近会ってないことに気が付いた。

「はい、ザックさんに会いたいです」
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