前代未聞のダンジョンメーカー

黛 ちまた

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第二章 マレビト

034-3

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 夕方になってようやく帰って来たパフィを捕まえて、逃げられないように抱っこする。

『随分熱烈な歓迎をするではないか』

「パフィに逃げられないようにする為です」

 ふふん、と鼻で笑うパフィ。
 もう、人の気も知らないで。

「何をするつもりなの?」

『朝に言ったろう。奴らの本当の姿を見せた方が面白いと』

「暴露するとは言ってたけど、面白いまでは言ってなかったよ……」

 更に良くない方向に進みそうだから、本当に止めて欲しい……。

『細かいことばかり気にするから、おまえは歳の割に老け込むのが早いのだ。もっと楽しめ』

 老け込ませている張本人からの、容赦ない言葉にどっと疲れを感じます……。

「ねぇ、パフィ。何をやろうとしてるのか僕には全然分からないけど、嘘じゃなくて、僕はパフィが悪者のように扱われるのは嫌なんだよ。本当はそうじゃないから良いとかそういう話じゃなくて」

 生意気を言ってるのは分かるんだけど、はっきりと言葉を選ばすに言うなら、第一王子の後見をしている人たちが、第二王子派の人たちと面と向かってどうにかするのが良いんだと思う。そんな簡単じゃないって言うのも分かってるんだけど。
 僕の事はおいといて、パフィは一番関係ないのに。解決する為に行動して、パフィが悪く言われるのはおかしい。
 クリフさんはあぁ言ってたけど、ノエルさんは納得出来ないって顔をしてて、ラズロさんも不愉快そうな表情だった。勿論、クリフさんも喜んでそれを言ってる訳じゃないのは分かるんだけど……。

『おまえを怒らせる事はしないから安心しろ』

「本当?」

 マグロの目を通してパフィを見つめ……てるつもり。
 何故だかパフィはご機嫌で、二又のしっぽが楽しそうに揺れている。

『おまえは怒るとしつこいからな。下手な事をして怒らせて、好物を食べ損ねさせるあの嫌がらせ……地味に意地が悪いと思うぞ』

 嫌がらせなんだから、そう思って下さい。

『ダメ王子派を単純に潰すだけでは、火種が残るだろうと思ってなぁ』

 火種が残る?
 一回では終わらないってこと?

 下ろせ、と言われたのでベッドにマグロを下ろして隣に座る。

『この国はな、難しい状況にある』

 クリフさんもそんな事を言っていたような?

『貴族や平民と言った身分制度を残しつつも、能力のあるものを、努力や才能に応じて引き上げていき、国力を高めようとしているのだ』

 血筋も必要なんだろうな、って事はなんとなく分かったけど、それだけではきっと駄目なんだろうと思う。
 ナインさんの生まれた国の話を聞いててそう思ったし、ノエルさんはあんなに凄い人なのに、平民だからと言うだけで凄さを否定されるのはおかしい事だって分かる。

『それが上手く行くかどうかの瀬戸際にこの国は立たされているのだ。なにしろ北の大国は貴族第一、魔法一辺倒の国。南は形ばかりの共和国となり、せっかく手に入れた権利を手放すのを惜しみ、民の不満を何処かに逃したいと上層部が考えているような国。そんな中でこの国が逆行すれば間違いなく、北と南の双方から介入される』

 ラズロさんじゃないけど、頭をわしわし掻きたくなってきた……。

『第一王子派は貴族も平民も混じっている。そしてどちらも才能のある者を取り揃えている。
第二王子派を押さえ込めたなら、次の王は血筋ではなく、才能を見てくれるのだと思わせられる。
その為の小細工を用意するのを手伝ってやろう。直接暴れてやろうとも思ったがな、いつもいつも魔女が正面から暴れるだけと思われるのも面白くないからな』

 なるほど。
 貴族と平民が身分に関係なく協力しているって思わせて、どっちの国からも介入されないようにするんだね。

「大人って、大変だね」

『それでそこに結論を持っていくのか、おまえは……』
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