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1章
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「殿下は今日はどうされたの?何か約束でもしていたの?」
く先ほどまでエヴァトリスは来訪していたらしいが、カタリーナは約束などしていないためルルーシュに聞いてみる。しかし、ルルーシュは頭を抱えたままだ。家令も青い顔をして応接室の入り口に立ったままである。そのうち、廊下を走る音が聞こえ使用人から、エヴァトリスが馬車で帰ったという報告を受ける事になる。
ルルーシュの話によると今日の夕方エヴァトリスの執務室で話をする予定だったらしいが、待ちきれなくなったのか、公爵家に来てしまったようだ。エヴァトリスが子どものような仕草をする事が珍しいためクスクスと笑ってしまうとルルーシュからは呆れた視線を向けられた。
「姉さんは殿下の事どう思ってるの?」
思いがけない言葉だった。どう思っているのか、一番近いのは家族愛ではないだろうか。弟と同様に成長を見守ってきた可愛い子だ。幸せになって欲しいとも思っている。エヴァトリスは聡明であり、成長すれば今後良い国王となるだろう。うまく周りを動かす事もできるはずだ。だからカタリーナはそんなエヴァトリスを支える一本の柱になりたいと思っている。将来果たさなくてはいけない役割の重さは測りしれない、そんな時疲れた心を休める場を作ってあげたいと思っている。だから、カタリーナはエヴァトリスには恋をして欲しいと思っていた。
カタリーナは恋をした事がなかった。8歳の頃にはエヴァトリスの婚約者候補とされていたため、異性との関わりを持つ事は許されなかった。だが、恋愛に興味がないわけではない。恋愛小説のような恋に憧れときにはエヴァトリスの婚約者確定の状態となっており、今までの状況を含めどうしようもなかった。だが、カタリーナはエヴァトリスを恨んだ事はない。これはカタリーナの義務だ。高位貴族の令嬢として生まれたカタリーナの義務なのだ。こう思えた事にホッとした自分がいた。10代の子どもでは自分の不幸を嘆くか、未来の王妃・聖女としての自尊心だけ高い女性になる可能性が高かった。前世の記憶があったから、前世の人生があったから自分だけではなく周りを見る事もできる。自分の役割を考える事が出来る。だから大丈夫、前世で見る事が出来なかった子どもの、殿下の成長を見守る事を幸せに、国の為に生きる事を考えられる。国を守る事は民を守る事であり、公爵家の家族を守ることであり何かを守れる事は幸せな事だ。今の私はあの時の私とは違うのだ。息子も守れなかった私とは違いもっと多くの物を、者たちを守る事が出来る立場にいる。これは誰もが持てるものではない。これがカタリーナにとっての幸せなのだ。
カタリーナがエヴァトリスのことをどう思っているかなど、一言で言えるはずがない。無言になったカタリーナへ困った様な視線をルルーシュが向ける。ルルーシュはまだ15歳だがもう15歳でもある。あと数年で成人を迎えるのだ。納得も理解も得られないかもしれないが1つの考えとしてカタリーナの思い知ってくれれば嬉しいと感じてしまった。
そこからカタリーナはルルーシュに色々な話をした。エヴァトリスが1歳の時には異例の婚約者候補という立場にあった事、政治的な意味合いも強くエヴァトリスが7歳には正式な婚約者となった事。婚姻を結ぶのは最短である殿下が18を迎える年までまたなくてはいけないので、カタリーナかの年齢や子を残さなくてはいけない事を考えると早くに側室を迎える可能性が高いこと。カタリーナとは年も離れ難しいか、愛し愛される人と結ばれて欲しい事、その人を正室として迎えられなく申し訳なく思っている事を話した。最初は驚いた顔をしていたが次第に額にしわを寄せ、痛みを堪える様な悲痛を訴える様なそんな表情になった。だから伝えた。私の思いが誤って伝わらないように。
「ルルーシュ。間違えないでね。私は自分を可愛そうと思ったり、自己犠牲に酔ったりしているわけじゃないわ。幸せだと思っているの。大切な人達を成長を見守り、国を平和へと導く助力が出来る、民や大切な人達を守る権利を・義務を果たせる立場にいる事を幸せだと思っているの。だから、そんなに悲しそうな顔をしないで。私は幸せなのよ?」
そう微笑むと、目線を下げ膝の上で強く手を握る姿が見えた。よぼと強く握り混んでいるのだろう、ルルーシュの手は白くなり、爪痕が残りそうだ。どれぐらい時間が経ったのか分からないが静かにルルーシュの反応を待つ。顔をあげると悲痛を訴えるような表情は変わらず、そんな表情をさせている自分が申し訳なく感じてしまう。
「姉さんにとっては私も、殿下もまだまだ子どもかもしれませんし、頼りなく思う時も多いと思います。ですが、いつまでも子どもでもありませんし、子どもでいる気もありません。いつまでも守られる立場に甘んじる気もありません。姉さんの気持ちと覚悟が嬉しく思いますが、これからは未来の王妃を守れるような立場になれるよう勤めていきます。姉上の意思が無駄にならぬようこの国に、殿下に支えていきたいと思います。」
ルルーシュの言葉を聞いて胸に込み上げてくるものがあった。カタリーナは視界が滲んでいく中ちょっと歪んだ笑顔を浮かべていると静かにハンカチ差し出すルルーシュと目があった。ハンカチを受け取ると優しく細められる瞳に涙がこぼれそうになる。
カタリーナが落ち着いた頃
「約束があるので殿下のところに行ってきます。それと、、、きっと落ち着かずに過ごしていると思うので。姉さんの色々な決意も分かりましたけど、
少しで良いので殿下のことも信じてあげてください」そう話すルルーシュの顔には苦笑が浮かんでいる。
「姉上も色々お話し下さりありがとうございます。疲れたと思うので少しお休みください」
気遣いの言葉に胸に温かいものが広がるのを感じる。そう、もう彼は子どもではないのだ。この日以降、カタリーナは『姉さん』と呼ばれる事はなくなった。
く先ほどまでエヴァトリスは来訪していたらしいが、カタリーナは約束などしていないためルルーシュに聞いてみる。しかし、ルルーシュは頭を抱えたままだ。家令も青い顔をして応接室の入り口に立ったままである。そのうち、廊下を走る音が聞こえ使用人から、エヴァトリスが馬車で帰ったという報告を受ける事になる。
ルルーシュの話によると今日の夕方エヴァトリスの執務室で話をする予定だったらしいが、待ちきれなくなったのか、公爵家に来てしまったようだ。エヴァトリスが子どものような仕草をする事が珍しいためクスクスと笑ってしまうとルルーシュからは呆れた視線を向けられた。
「姉さんは殿下の事どう思ってるの?」
思いがけない言葉だった。どう思っているのか、一番近いのは家族愛ではないだろうか。弟と同様に成長を見守ってきた可愛い子だ。幸せになって欲しいとも思っている。エヴァトリスは聡明であり、成長すれば今後良い国王となるだろう。うまく周りを動かす事もできるはずだ。だからカタリーナはそんなエヴァトリスを支える一本の柱になりたいと思っている。将来果たさなくてはいけない役割の重さは測りしれない、そんな時疲れた心を休める場を作ってあげたいと思っている。だから、カタリーナはエヴァトリスには恋をして欲しいと思っていた。
カタリーナは恋をした事がなかった。8歳の頃にはエヴァトリスの婚約者候補とされていたため、異性との関わりを持つ事は許されなかった。だが、恋愛に興味がないわけではない。恋愛小説のような恋に憧れときにはエヴァトリスの婚約者確定の状態となっており、今までの状況を含めどうしようもなかった。だが、カタリーナはエヴァトリスを恨んだ事はない。これはカタリーナの義務だ。高位貴族の令嬢として生まれたカタリーナの義務なのだ。こう思えた事にホッとした自分がいた。10代の子どもでは自分の不幸を嘆くか、未来の王妃・聖女としての自尊心だけ高い女性になる可能性が高かった。前世の記憶があったから、前世の人生があったから自分だけではなく周りを見る事もできる。自分の役割を考える事が出来る。だから大丈夫、前世で見る事が出来なかった子どもの、殿下の成長を見守る事を幸せに、国の為に生きる事を考えられる。国を守る事は民を守る事であり、公爵家の家族を守ることであり何かを守れる事は幸せな事だ。今の私はあの時の私とは違うのだ。息子も守れなかった私とは違いもっと多くの物を、者たちを守る事が出来る立場にいる。これは誰もが持てるものではない。これがカタリーナにとっての幸せなのだ。
カタリーナがエヴァトリスのことをどう思っているかなど、一言で言えるはずがない。無言になったカタリーナへ困った様な視線をルルーシュが向ける。ルルーシュはまだ15歳だがもう15歳でもある。あと数年で成人を迎えるのだ。納得も理解も得られないかもしれないが1つの考えとしてカタリーナの思い知ってくれれば嬉しいと感じてしまった。
そこからカタリーナはルルーシュに色々な話をした。エヴァトリスが1歳の時には異例の婚約者候補という立場にあった事、政治的な意味合いも強くエヴァトリスが7歳には正式な婚約者となった事。婚姻を結ぶのは最短である殿下が18を迎える年までまたなくてはいけないので、カタリーナかの年齢や子を残さなくてはいけない事を考えると早くに側室を迎える可能性が高いこと。カタリーナとは年も離れ難しいか、愛し愛される人と結ばれて欲しい事、その人を正室として迎えられなく申し訳なく思っている事を話した。最初は驚いた顔をしていたが次第に額にしわを寄せ、痛みを堪える様な悲痛を訴える様なそんな表情になった。だから伝えた。私の思いが誤って伝わらないように。
「ルルーシュ。間違えないでね。私は自分を可愛そうと思ったり、自己犠牲に酔ったりしているわけじゃないわ。幸せだと思っているの。大切な人達を成長を見守り、国を平和へと導く助力が出来る、民や大切な人達を守る権利を・義務を果たせる立場にいる事を幸せだと思っているの。だから、そんなに悲しそうな顔をしないで。私は幸せなのよ?」
そう微笑むと、目線を下げ膝の上で強く手を握る姿が見えた。よぼと強く握り混んでいるのだろう、ルルーシュの手は白くなり、爪痕が残りそうだ。どれぐらい時間が経ったのか分からないが静かにルルーシュの反応を待つ。顔をあげると悲痛を訴えるような表情は変わらず、そんな表情をさせている自分が申し訳なく感じてしまう。
「姉さんにとっては私も、殿下もまだまだ子どもかもしれませんし、頼りなく思う時も多いと思います。ですが、いつまでも子どもでもありませんし、子どもでいる気もありません。いつまでも守られる立場に甘んじる気もありません。姉さんの気持ちと覚悟が嬉しく思いますが、これからは未来の王妃を守れるような立場になれるよう勤めていきます。姉上の意思が無駄にならぬようこの国に、殿下に支えていきたいと思います。」
ルルーシュの言葉を聞いて胸に込み上げてくるものがあった。カタリーナは視界が滲んでいく中ちょっと歪んだ笑顔を浮かべていると静かにハンカチ差し出すルルーシュと目があった。ハンカチを受け取ると優しく細められる瞳に涙がこぼれそうになる。
カタリーナが落ち着いた頃
「約束があるので殿下のところに行ってきます。それと、、、きっと落ち着かずに過ごしていると思うので。姉さんの色々な決意も分かりましたけど、
少しで良いので殿下のことも信じてあげてください」そう話すルルーシュの顔には苦笑が浮かんでいる。
「姉上も色々お話し下さりありがとうございます。疲れたと思うので少しお休みください」
気遣いの言葉に胸に温かいものが広がるのを感じる。そう、もう彼は子どもではないのだ。この日以降、カタリーナは『姉さん』と呼ばれる事はなくなった。
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