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1章
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馬車の中ではエヴァトリスとルルーシュが向かい合わせで座っていた。
「姉上元気そうだったでしょ?それに、少しだけど2人で話せて気分転換になったみたいでよかったね」
ルルーュは公爵家での会話などなかった事のように話すが、それに対する返事はなく空気も重い。無言が続く馬車の中で痺れを切らしたように
「私に八つ当たりしないでよ。むしろ、他の誰もが教えなかった姉上の体調不良殿下にお伝えしたんだからありがたく思って欲しいくらいなのにさ」
ルルーシュはいつも通りの飄々とした物言いに戻っている。こう言う時の切り替えと言うか諦めは非常に早い。どちらともつかない深いため息が馬車の中に溢れる。
「ごめん。カタリーナの事になると余裕がなくなるんなだ。これに、ルルが関わってるはずないのにね」
「それにしても国王様ととルシエール様は何でこんな事したんだろうね。殿下にバレたら確実に面倒なことになるって目に見えてたのにさ。それに多分だけど父上も絡んでるよね?姉上に口止めしてないくらいだから大した事ではないと思うんだけど」
ルルーシュの言葉にエヴァトリスは少し悩んだように視線を下げる。
「分からない。だから今日中に国王に会えるように調整してよ。」
考え込むエヴァトリスのために城に戻ってから調整を行う。すぐに謁見申請する事は難しいため、宰相である父の元へ向かった。“無駄な労力をつかうくらいなら、親の力だろうが何だろうが使ったもの勝ち”と言うのがルルーシュの信条だ。父の侍従に声をかけて姉上の事で相談があると言えばすぐに許可が下りた。部屋に入って早々に人払いがされて
「また殿下とカタリーナに何かあったのか?」
色々と察しが良すぎる父に笑いがこみ上げてくる。
「はい。国王様にお伺いしたい事がありまして。」
「また、カタリーナが殿下を弄んだのかと思ったが、違うのか?どうしたんだ?」
父の口調が砕けたものになり、不敬と取られかねない発言をしている。それにしても『弄ぶ』とは、上手く言うものだとルルーシュは心の中で笑ってしまう。父につられてルルーシュの言葉も砕けたものになる。
「今日姉上と話をした時に、神殿での教育係がルシエール様からリシャール様に変わった事を知った殿下がブチ切れ中です。多分、姉上と年頃が近い男性が近くに居たのを知らされていなかった事が原因かと思いますが。国王様とルシエール様と、後は父上もこの件に関わってますよね?姉上はその事を何とも思ってなかったようなので、大した事ではないと思うのですが、適当に殿下のフォローをしてもらいたいんですよ。」
話していて苦笑いしか出てこないルルーシュだが、父は一瞬だけ悲しそうな顔をした後ですぐまた砕けた笑みにもどった。
「殿下は相変わらずだね。周りに被害が出ないように、国王には早めに会えるよう調整しておくよ。」
「本当ですよ。まぁ、これで私の肩の荷は少し降りました。ありがとうございます。」
宰相の計らいもあり、その日の夕方には国王との謁見が可能となった。可能ならその場に立ち会いたいと思っていたルルーシュだが、人払いがされたため、静かに退室する。
国王陛下、宰相、エヴァトリスの3人だけとなった部屋では思いの外陽気な声が聞こえていた。
「思ったより気づくのが遅かったな?てっきり1.2年で気づかれるとばかり思っていたぞ」
笑い声が聞こえてくるのではないかと言うほど、機嫌の良さそうな声だ。その声にエヴァトリスは顔をしかめる。そんなエヴァトリスを歯牙にかける様子はなく話し続ける。
「ルシエールがな、ほらあいつもいい歳だろう?いろいろと体にガタがきているみたいで、できるだけ協会としての仕事を孫に引き継ぎたいと言い始めたんだ。ルシエールは早くに息子とその嫁を無くしているからな、自分がいつどうなるか分からない歳になってきて心配だったんだろうよ。こっちとしては、お前がやきもちを焼くからルシエールにやってもらいたかったんだけど、『バレなきゃいいよ』だそうだ」
話しながら笑い始めた国王陛下に対して手元に何かあれば顔面に向けてなにかを投げつけたい衝動になったエヴァトリスだが、あいにく都合の良いものはここにはない。もうイライラを隠す様子もなく
「あのクソジジイ」
と呟く。エヴァトリスはルシエールがあまり得意ではない。それは幼少期からカタリーナとのことをからかわれ続けていたからだ。冗談交じりに幼い恋心を傷つけ塩を満遍なく塗りつけていくルシエールに対しては平気で暴言を吐くようになった。むしろ、あの陽気なじいさんは積極的にエヴァトリスに汚い言葉を教えたりもしたものだ。
話の流れにはおかしいところはないが、エヴァトリスはわざわざ隠すしていたことが気になった。理由を言えば納得できる理由であるからだ。だが、これ以上聞いてお話は出てこないだろうと思い引き下がることにした。
「わかりました。本当であればルシエールにも嫌味の一つ二つこぼしたいところですが、返り討ちに合いそうなのでやめておきます。今日はお時間いただきありがとうございました。」
「まだ、ルシエールにからかわれているのか。まぁ、その判断が懸命だろうな」
まだ、声を出して笑っている国王を冷たい視線で眺めるエヴァトリスだが、そのまま礼をして退室する。退室のドアを閉める際に国王と宰相が目を合わせてホッと息を吐いた様子をエヴァトリスは横目で捉えながら部屋を辞した。
エヴァトリスが自身の執務室に戻ると、そこでは何をするでもなく紅茶を飲んでいるルルーシュの姿があった。ポットまで用意してあるところを見るとしばらく居座るつもりだったようだ。部屋に入るとすぐにルルーシュから声がかけられた。
「思ったより帰ってくるの早かったね。それで理由分かったの?」
相変わらず2人っきりになると言葉が気安くなるが、エヴァトリスはそれを心地よいと思っている。だが、先程の国王との会話を思い出しそっけない受け答えになる。
「あぁ、大体はね。ルシエールも歳だから仕事最小限にして後継者である孫のリシャールに任せているらしいよ。確かにいつどうなるか分からない歳だねし仕方ないよね。ただ、黙っていたのはやっぱりわざとだったよ。私がヤキモチでリシャールと近づかないようにさせると思っていたみたい。本当に失礼だよね。公私混同はしないよ。」
小さな声で呟いた最後の一言を聞いたルルーシュは思わず吹き出した。
「いや、リシャール様に代わったのって殿下が7歳の時でしょ。絶対ごねてたよ。なんなら、姉上に直接お願いするんじゃないかな『寂しいからそばにいて』とでも涙浮かべながら言ってさ。よく『子ども扱いされた』っていじけるくせに、都合の良い時は使ってたよね~」
思い出し笑いを浮かべながら話すルルーシュに顔をしかめつつ目を背ける。エヴァトリスからの反論は聞かれない。きっとそれが答えなのだろう。笑いが止まらなくなったルルーシュの声が諫める者もいない部屋で響き渡る。ひとしきり笑い終えると目尻の涙をぬぐいながら
「でも大した理由じゃなくて良かったよ。それに、あの堅物相手なら殿下も安心でしょ?氷の王子様だっけ?あの恥ずかしい二つ名誰がつけたんだろうね。」
ルルーシュの言葉にため息を吐きながら、少し気の抜けたようにエヴァトリスは返事をする
「確かに彼は真面目だし、人との接触を好まないからね。その点は安心できるかな。でもやっぱり心配なのは心配だよね。カタリーナであれば、聖女でも何でも構わないから無理なんかしないでほしいのにわかってくれないしね」
責任感の強いカタリーナのことを二人は好きだったが、自己評価が低く自身の身体を顧みることなく動いてしまうカタリーナのことは好きではなかった。
「しばらくは体調を理由に神殿は禁止させてもらって、しばらくしたら一緒に神殿での練習風景を見せてもらうよ。『何をやっているのか分からなければ心配だから様子を見せて』とでも言えばきっと否定はしないよ。」
「ありがとう、殿下がいればきっと姉上は幸せになれる。姉上は自分をないがしろにしがちだから・・・」
ルルーシュはそう言い残し、少し悲しそうな顔をしながらエヴァトリスの執務室を退室した。
「姉上元気そうだったでしょ?それに、少しだけど2人で話せて気分転換になったみたいでよかったね」
ルルーュは公爵家での会話などなかった事のように話すが、それに対する返事はなく空気も重い。無言が続く馬車の中で痺れを切らしたように
「私に八つ当たりしないでよ。むしろ、他の誰もが教えなかった姉上の体調不良殿下にお伝えしたんだからありがたく思って欲しいくらいなのにさ」
ルルーシュはいつも通りの飄々とした物言いに戻っている。こう言う時の切り替えと言うか諦めは非常に早い。どちらともつかない深いため息が馬車の中に溢れる。
「ごめん。カタリーナの事になると余裕がなくなるんなだ。これに、ルルが関わってるはずないのにね」
「それにしても国王様ととルシエール様は何でこんな事したんだろうね。殿下にバレたら確実に面倒なことになるって目に見えてたのにさ。それに多分だけど父上も絡んでるよね?姉上に口止めしてないくらいだから大した事ではないと思うんだけど」
ルルーシュの言葉にエヴァトリスは少し悩んだように視線を下げる。
「分からない。だから今日中に国王に会えるように調整してよ。」
考え込むエヴァトリスのために城に戻ってから調整を行う。すぐに謁見申請する事は難しいため、宰相である父の元へ向かった。“無駄な労力をつかうくらいなら、親の力だろうが何だろうが使ったもの勝ち”と言うのがルルーシュの信条だ。父の侍従に声をかけて姉上の事で相談があると言えばすぐに許可が下りた。部屋に入って早々に人払いがされて
「また殿下とカタリーナに何かあったのか?」
色々と察しが良すぎる父に笑いがこみ上げてくる。
「はい。国王様にお伺いしたい事がありまして。」
「また、カタリーナが殿下を弄んだのかと思ったが、違うのか?どうしたんだ?」
父の口調が砕けたものになり、不敬と取られかねない発言をしている。それにしても『弄ぶ』とは、上手く言うものだとルルーシュは心の中で笑ってしまう。父につられてルルーシュの言葉も砕けたものになる。
「今日姉上と話をした時に、神殿での教育係がルシエール様からリシャール様に変わった事を知った殿下がブチ切れ中です。多分、姉上と年頃が近い男性が近くに居たのを知らされていなかった事が原因かと思いますが。国王様とルシエール様と、後は父上もこの件に関わってますよね?姉上はその事を何とも思ってなかったようなので、大した事ではないと思うのですが、適当に殿下のフォローをしてもらいたいんですよ。」
話していて苦笑いしか出てこないルルーシュだが、父は一瞬だけ悲しそうな顔をした後ですぐまた砕けた笑みにもどった。
「殿下は相変わらずだね。周りに被害が出ないように、国王には早めに会えるよう調整しておくよ。」
「本当ですよ。まぁ、これで私の肩の荷は少し降りました。ありがとうございます。」
宰相の計らいもあり、その日の夕方には国王との謁見が可能となった。可能ならその場に立ち会いたいと思っていたルルーシュだが、人払いがされたため、静かに退室する。
国王陛下、宰相、エヴァトリスの3人だけとなった部屋では思いの外陽気な声が聞こえていた。
「思ったより気づくのが遅かったな?てっきり1.2年で気づかれるとばかり思っていたぞ」
笑い声が聞こえてくるのではないかと言うほど、機嫌の良さそうな声だ。その声にエヴァトリスは顔をしかめる。そんなエヴァトリスを歯牙にかける様子はなく話し続ける。
「ルシエールがな、ほらあいつもいい歳だろう?いろいろと体にガタがきているみたいで、できるだけ協会としての仕事を孫に引き継ぎたいと言い始めたんだ。ルシエールは早くに息子とその嫁を無くしているからな、自分がいつどうなるか分からない歳になってきて心配だったんだろうよ。こっちとしては、お前がやきもちを焼くからルシエールにやってもらいたかったんだけど、『バレなきゃいいよ』だそうだ」
話しながら笑い始めた国王陛下に対して手元に何かあれば顔面に向けてなにかを投げつけたい衝動になったエヴァトリスだが、あいにく都合の良いものはここにはない。もうイライラを隠す様子もなく
「あのクソジジイ」
と呟く。エヴァトリスはルシエールがあまり得意ではない。それは幼少期からカタリーナとのことをからかわれ続けていたからだ。冗談交じりに幼い恋心を傷つけ塩を満遍なく塗りつけていくルシエールに対しては平気で暴言を吐くようになった。むしろ、あの陽気なじいさんは積極的にエヴァトリスに汚い言葉を教えたりもしたものだ。
話の流れにはおかしいところはないが、エヴァトリスはわざわざ隠すしていたことが気になった。理由を言えば納得できる理由であるからだ。だが、これ以上聞いてお話は出てこないだろうと思い引き下がることにした。
「わかりました。本当であればルシエールにも嫌味の一つ二つこぼしたいところですが、返り討ちに合いそうなのでやめておきます。今日はお時間いただきありがとうございました。」
「まだ、ルシエールにからかわれているのか。まぁ、その判断が懸命だろうな」
まだ、声を出して笑っている国王を冷たい視線で眺めるエヴァトリスだが、そのまま礼をして退室する。退室のドアを閉める際に国王と宰相が目を合わせてホッと息を吐いた様子をエヴァトリスは横目で捉えながら部屋を辞した。
エヴァトリスが自身の執務室に戻ると、そこでは何をするでもなく紅茶を飲んでいるルルーシュの姿があった。ポットまで用意してあるところを見るとしばらく居座るつもりだったようだ。部屋に入るとすぐにルルーシュから声がかけられた。
「思ったより帰ってくるの早かったね。それで理由分かったの?」
相変わらず2人っきりになると言葉が気安くなるが、エヴァトリスはそれを心地よいと思っている。だが、先程の国王との会話を思い出しそっけない受け答えになる。
「あぁ、大体はね。ルシエールも歳だから仕事最小限にして後継者である孫のリシャールに任せているらしいよ。確かにいつどうなるか分からない歳だねし仕方ないよね。ただ、黙っていたのはやっぱりわざとだったよ。私がヤキモチでリシャールと近づかないようにさせると思っていたみたい。本当に失礼だよね。公私混同はしないよ。」
小さな声で呟いた最後の一言を聞いたルルーシュは思わず吹き出した。
「いや、リシャール様に代わったのって殿下が7歳の時でしょ。絶対ごねてたよ。なんなら、姉上に直接お願いするんじゃないかな『寂しいからそばにいて』とでも涙浮かべながら言ってさ。よく『子ども扱いされた』っていじけるくせに、都合の良い時は使ってたよね~」
思い出し笑いを浮かべながら話すルルーシュに顔をしかめつつ目を背ける。エヴァトリスからの反論は聞かれない。きっとそれが答えなのだろう。笑いが止まらなくなったルルーシュの声が諫める者もいない部屋で響き渡る。ひとしきり笑い終えると目尻の涙をぬぐいながら
「でも大した理由じゃなくて良かったよ。それに、あの堅物相手なら殿下も安心でしょ?氷の王子様だっけ?あの恥ずかしい二つ名誰がつけたんだろうね。」
ルルーシュの言葉にため息を吐きながら、少し気の抜けたようにエヴァトリスは返事をする
「確かに彼は真面目だし、人との接触を好まないからね。その点は安心できるかな。でもやっぱり心配なのは心配だよね。カタリーナであれば、聖女でも何でも構わないから無理なんかしないでほしいのにわかってくれないしね」
責任感の強いカタリーナのことを二人は好きだったが、自己評価が低く自身の身体を顧みることなく動いてしまうカタリーナのことは好きではなかった。
「しばらくは体調を理由に神殿は禁止させてもらって、しばらくしたら一緒に神殿での練習風景を見せてもらうよ。『何をやっているのか分からなければ心配だから様子を見せて』とでも言えばきっと否定はしないよ。」
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