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2章
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目がさめると、カタリーナは自室のベッドの上にいた。エヴァトリスと食事をして、その後お茶をしながら話をして・・・、カタリーナは昨日の記憶を順番に思い出そうとしたところで、昨日泣き疲れて寝たことに気が付いた。
「えっと、私は・・・」
カタリーナは羞恥のあまり、ベッドの上で悶える。そして、誰がここまで運んでくれたのかという疑問にぶち当たる。正しくは疑問ではないだろう。あの状況下でカタリーナを自室まで運んでくれる人には心当たりがありすぎる。ただ、王子にそんなことをさせていたと思いたくがないための現実逃避である。
着替えの準備のために、部屋を訪れた侍女に声をかける。
「気づいたらこの部屋に戻ってきていたの。後でお礼を言いたいからどなたが連れてきてくださったのか教えていただいても良いかしら?」
「エヴァトリス殿下が送ってくださったんですよ。カタリーナ様を抱き上げて颯爽と歩く姿はもう王子様みたいで、いや本物の王子様で・・・。」
勢いよく話始めた夢見がちな侍女によって、カタリーナの希望はあっという間に砕け散る。
「次お会いしたときにでもお礼を言わなくてはいけないわね。」
こちらから聞いておいて申し訳ないが、いつまで続くか分からない侍女による王子談義をカタリーナは強制的に終了させた。
朝の支度が終わると食事へ向かう。いつもエヴァトリスと2人で食事を摂っている部屋だ。部屋にはすでにエヴァトリスが席に着き、カタリーナの到着を待っていた。
「お待たせして申し訳ありません。」
部屋に入り礼をすると、すこし足早に席へと向かうカタリーナ。
「ゆっくりで大丈夫だよ。気にしないで。」
エヴァトリスはいつもの様に微笑んでおり、その笑顔がカタリーナを切なくさせる。
「昨日は部屋まで運んでくださったと伺いました。お恥ずかしい限りです。」
申し訳なさと、恥ずかしさから少し頬を赤らめながらお礼を言うカタリーナ。途中までしっかりと視線を合わせていたが、少しずつ下の方へ下がっていく。
「リーナを他の人に任せる訳にはいかないからね。」
嬉しそうに話すエヴァトリスを見ていると、カタリーナは胸の中が暖かくなった。それからは、お互いの公務の予定や、カタリーナの質問大会が始まる。いつも通りの時間が過ごせたことにほっとするカタリーナだった。
この日は久しぶりの王妃とお茶をする予定もあった。公務の手伝いで、今までゆっくりする時間が持てなかったため、カタリーナは少し楽しみにしていたが、場所が聖女の泉がある園庭と聞いて少しだけ身構えた。
初めて行ったその場所を「落ち着く場所」と表現したことには間違いないが、正直良い思い出がない。今でも時折「聖女が来なければ」と思ってしまう時があるのだから仕方ないだろう。場所の話をした際カタリーナの反応を見た王妃は少し申し訳なさそうに微笑みながら話始める。
「カタリーナにとってあまり良い場所ではないかもしれないけれど、あそこは誰にも話を聞かれる心配のない場所なのよ」
「大丈夫です。お気遣いいただきありがとうございます。」
今の時期で、隠れて話さなくてはいけない内容となれば、聖女に関する事だろう。知らずに後悔をしたくないカタリーナは身構えながらも了承の返事をする。
そのまま王妃とカタリーナは連れ立って聖女の泉がある庭園へ向かう。緊張からか、お互いに会話はない。
庭園に着くと、前回の様に入り口に立つ騎士からの挨拶を受け、中にはいる。その際に付いてくる侍女はいなかったが、庭園のテーブルの上には既にお茶の準備がされていた。ただ、今回準備されていたのは紅茶ではなく果実水だった。
「席に着いてちょうだい。紅茶だと、どうしても誰かにお願いしなくてはいけなくなっちゃうから、ゆっくり話をするために果実水にしてもらったの。また今度美味しい紅茶は飲みましょう。」
優しく微笑む王妃に釣られて思わずカタリーナも笑顔になる。
「はい。是非お願い致します。」
果実水を飲み一息ついたところで、すぐに王妃は真剣な表情になった。
「エヴァトリスが、聖女の事話したんでしょ?大丈夫?」
思いがけない質問にカタリーナは目を見開く。
「周りの目があると好きな事が話せないと思って、こうしてもらったんだけど、余計なお世話だったかしら?」
王妃の表情から、今日のこの時間がカタリーナを心配した思いで取られたものだと分かった。
エヴァトリスといい、王妃といい何て情に熱い人たちなのだろう。
「正直、少し悩んでいます。待ってて良いのか、それがエヴァトリス殿下のためになるのか・・・」
わざわざこんな環境を作ってまで聞いてくれた王妃への礼儀としてカタリーナは正直な気持ちを伝えようと言葉を続ける。
「私は・・・、エヴァトリス殿下に惹かれています。側にいれば、今よりももっと惹かれていくでしょう。ですが、それが・・・、殿下への負担にはならないでしょうか。」
話ながら、昨日の「頑張るから」と呟き続けるエヴァトリスを思い出し涙がこぼれそうになるが、どうにか堪える。
「あなたはどうしたい?」
王妃の質問にカタリーナは答える事ができない。
「待ちたい?それとも、国王に話した時みたいに割り切った夫婦関係を目指す?」
まだ、カタリーナは返事をできずにいたが、その様子を見て王妃は最後の問いかけをする。
「それとも、逃げ出したい?」
その瞬間カタリーナの瞳には涙が溜り、目尻から一筋溢れる。
「申し訳・・・ありません。」
王妃は少し悲しそうな目をしながら微笑んだ。
「いいの。謝らないで・・・」
カタリーナは何も応えることができなかった。声を出せばそのまま嗚咽が漏れそうになる。泣き言を言いそうになる。それを口を噤むことでどうにかこらえていた。ただ、噤むことのできない涙だけはポロポロとこぼれ続ける。
正面に座っていた王妃がハンカチを差し出し、カタリーナはそれを申し訳なさげに受け取り涙を拭く。
「カタリーナには、少し休憩が必要ね。宰相も・・・聖女が現れたことであなたのことを心配しているわ。申し訳ないけれど、今の段階で聖女の事は極秘事項になっているから、他の家族には話すことはできないけれど・・・、それでもここよりは実家の方が気持ちは落ち着くはずよ。」
カタリーナが返事をできない間も王妃は話し続ける。
「私たちはカタリーナが王宮に住む様になって、嬉しく思っているわ。それは聖女が現れた今でも変わらない。仕事も手伝ってくれてとても助かっている。でもね、このままだと、貴方の心が壊れてしまう。忙しさに気を取られて、心が蝕まれることに気づかないと気づいた時は手遅れになっているかもしれない。だからしっかり休んでまた戻ってきて。」
王妃の声色は優しく、カタリーナは小さく頷く。
「エヴァトリスには私から話しておくわ。でも、また少し会えなくなるとあの子いじけるから出る前に一声かけてくれると嬉しいわ。それとね、そのハンカチとても気に入っている物なの。だから、王宮に帰ってきた時に必ず返してちょうだいね。」
「ありがとうございます。」
カタリーナがそう返事をするのを聞いた王妃はゆっくりと微笑み、お菓子を食べ始めた。カタリーナも、王妃に習い一口クッキーに口をつける。涙のせいかそのお菓子は少しだけしょっぱかった。
夜になると、カタリーナはエヴァトリスにしばらく実家に帰りたい旨を伝えた。食事の時から、何か話したそうな顔をしていたエヴァトリスは、王妃から話を聞いていたのだろう。引き止めることはなく、ただ悲しそうな顔で
「ゆっくりしておいで。」
と言うだけだった。
翌朝カタリーナは実家から連れてきた侍女を連れ公爵家に帰るのだった。
「えっと、私は・・・」
カタリーナは羞恥のあまり、ベッドの上で悶える。そして、誰がここまで運んでくれたのかという疑問にぶち当たる。正しくは疑問ではないだろう。あの状況下でカタリーナを自室まで運んでくれる人には心当たりがありすぎる。ただ、王子にそんなことをさせていたと思いたくがないための現実逃避である。
着替えの準備のために、部屋を訪れた侍女に声をかける。
「気づいたらこの部屋に戻ってきていたの。後でお礼を言いたいからどなたが連れてきてくださったのか教えていただいても良いかしら?」
「エヴァトリス殿下が送ってくださったんですよ。カタリーナ様を抱き上げて颯爽と歩く姿はもう王子様みたいで、いや本物の王子様で・・・。」
勢いよく話始めた夢見がちな侍女によって、カタリーナの希望はあっという間に砕け散る。
「次お会いしたときにでもお礼を言わなくてはいけないわね。」
こちらから聞いておいて申し訳ないが、いつまで続くか分からない侍女による王子談義をカタリーナは強制的に終了させた。
朝の支度が終わると食事へ向かう。いつもエヴァトリスと2人で食事を摂っている部屋だ。部屋にはすでにエヴァトリスが席に着き、カタリーナの到着を待っていた。
「お待たせして申し訳ありません。」
部屋に入り礼をすると、すこし足早に席へと向かうカタリーナ。
「ゆっくりで大丈夫だよ。気にしないで。」
エヴァトリスはいつもの様に微笑んでおり、その笑顔がカタリーナを切なくさせる。
「昨日は部屋まで運んでくださったと伺いました。お恥ずかしい限りです。」
申し訳なさと、恥ずかしさから少し頬を赤らめながらお礼を言うカタリーナ。途中までしっかりと視線を合わせていたが、少しずつ下の方へ下がっていく。
「リーナを他の人に任せる訳にはいかないからね。」
嬉しそうに話すエヴァトリスを見ていると、カタリーナは胸の中が暖かくなった。それからは、お互いの公務の予定や、カタリーナの質問大会が始まる。いつも通りの時間が過ごせたことにほっとするカタリーナだった。
この日は久しぶりの王妃とお茶をする予定もあった。公務の手伝いで、今までゆっくりする時間が持てなかったため、カタリーナは少し楽しみにしていたが、場所が聖女の泉がある園庭と聞いて少しだけ身構えた。
初めて行ったその場所を「落ち着く場所」と表現したことには間違いないが、正直良い思い出がない。今でも時折「聖女が来なければ」と思ってしまう時があるのだから仕方ないだろう。場所の話をした際カタリーナの反応を見た王妃は少し申し訳なさそうに微笑みながら話始める。
「カタリーナにとってあまり良い場所ではないかもしれないけれど、あそこは誰にも話を聞かれる心配のない場所なのよ」
「大丈夫です。お気遣いいただきありがとうございます。」
今の時期で、隠れて話さなくてはいけない内容となれば、聖女に関する事だろう。知らずに後悔をしたくないカタリーナは身構えながらも了承の返事をする。
そのまま王妃とカタリーナは連れ立って聖女の泉がある庭園へ向かう。緊張からか、お互いに会話はない。
庭園に着くと、前回の様に入り口に立つ騎士からの挨拶を受け、中にはいる。その際に付いてくる侍女はいなかったが、庭園のテーブルの上には既にお茶の準備がされていた。ただ、今回準備されていたのは紅茶ではなく果実水だった。
「席に着いてちょうだい。紅茶だと、どうしても誰かにお願いしなくてはいけなくなっちゃうから、ゆっくり話をするために果実水にしてもらったの。また今度美味しい紅茶は飲みましょう。」
優しく微笑む王妃に釣られて思わずカタリーナも笑顔になる。
「はい。是非お願い致します。」
果実水を飲み一息ついたところで、すぐに王妃は真剣な表情になった。
「エヴァトリスが、聖女の事話したんでしょ?大丈夫?」
思いがけない質問にカタリーナは目を見開く。
「周りの目があると好きな事が話せないと思って、こうしてもらったんだけど、余計なお世話だったかしら?」
王妃の表情から、今日のこの時間がカタリーナを心配した思いで取られたものだと分かった。
エヴァトリスといい、王妃といい何て情に熱い人たちなのだろう。
「正直、少し悩んでいます。待ってて良いのか、それがエヴァトリス殿下のためになるのか・・・」
わざわざこんな環境を作ってまで聞いてくれた王妃への礼儀としてカタリーナは正直な気持ちを伝えようと言葉を続ける。
「私は・・・、エヴァトリス殿下に惹かれています。側にいれば、今よりももっと惹かれていくでしょう。ですが、それが・・・、殿下への負担にはならないでしょうか。」
話ながら、昨日の「頑張るから」と呟き続けるエヴァトリスを思い出し涙がこぼれそうになるが、どうにか堪える。
「あなたはどうしたい?」
王妃の質問にカタリーナは答える事ができない。
「待ちたい?それとも、国王に話した時みたいに割り切った夫婦関係を目指す?」
まだ、カタリーナは返事をできずにいたが、その様子を見て王妃は最後の問いかけをする。
「それとも、逃げ出したい?」
その瞬間カタリーナの瞳には涙が溜り、目尻から一筋溢れる。
「申し訳・・・ありません。」
王妃は少し悲しそうな目をしながら微笑んだ。
「いいの。謝らないで・・・」
カタリーナは何も応えることができなかった。声を出せばそのまま嗚咽が漏れそうになる。泣き言を言いそうになる。それを口を噤むことでどうにかこらえていた。ただ、噤むことのできない涙だけはポロポロとこぼれ続ける。
正面に座っていた王妃がハンカチを差し出し、カタリーナはそれを申し訳なさげに受け取り涙を拭く。
「カタリーナには、少し休憩が必要ね。宰相も・・・聖女が現れたことであなたのことを心配しているわ。申し訳ないけれど、今の段階で聖女の事は極秘事項になっているから、他の家族には話すことはできないけれど・・・、それでもここよりは実家の方が気持ちは落ち着くはずよ。」
カタリーナが返事をできない間も王妃は話し続ける。
「私たちはカタリーナが王宮に住む様になって、嬉しく思っているわ。それは聖女が現れた今でも変わらない。仕事も手伝ってくれてとても助かっている。でもね、このままだと、貴方の心が壊れてしまう。忙しさに気を取られて、心が蝕まれることに気づかないと気づいた時は手遅れになっているかもしれない。だからしっかり休んでまた戻ってきて。」
王妃の声色は優しく、カタリーナは小さく頷く。
「エヴァトリスには私から話しておくわ。でも、また少し会えなくなるとあの子いじけるから出る前に一声かけてくれると嬉しいわ。それとね、そのハンカチとても気に入っている物なの。だから、王宮に帰ってきた時に必ず返してちょうだいね。」
「ありがとうございます。」
カタリーナがそう返事をするのを聞いた王妃はゆっくりと微笑み、お菓子を食べ始めた。カタリーナも、王妃に習い一口クッキーに口をつける。涙のせいかそのお菓子は少しだけしょっぱかった。
夜になると、カタリーナはエヴァトリスにしばらく実家に帰りたい旨を伝えた。食事の時から、何か話したそうな顔をしていたエヴァトリスは、王妃から話を聞いていたのだろう。引き止めることはなく、ただ悲しそうな顔で
「ゆっくりしておいで。」
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翌朝カタリーナは実家から連れてきた侍女を連れ公爵家に帰るのだった。
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