冒険者の受難

清水薬子

文字の大きさ
24 / 32
女冒険者サナ

淪落※

しおりを挟む
 暖炉に焚べられた薪はとうに炭に変わり果て、ボロボロと粉々に崩れた。
 革張りのソファーが身動ぎのたびに擦れあって高い音を立て、私たちの荒い息遣いが静寂を押し退ける。
 向かい合うように繋がった結合部から収まりきれなかった粘液が体を伝ってソファーや床を汚している。
 部屋に満ちる気配はどれも淫蕩なものばかり。
 それらのなかでも一際理性を揺さぶって崩しにかかってくるのはカインだった。

「なあ、サナ。奥に当たると気持ちいいな」
「ひっ、くっ」
「かわいい」
「ううっ……」

 恥ずかしさに頭が煮えたって、自覚できるほど顔が熱くなる。
 その様子をカインは心底嬉しそうに微笑むのだ。
 さながら、恥じらう恋人に愛しさを募らせるような顔で。

 見たことない表情かおを浮かべる彼を見て、今更ながらにカインは男性だったと気づいた。
 人並みの生きる上で必要な欲求はあるということは知っていたが、なんとなく自分とは違うと思っていた。
 必要だから行為に及ぶ。
 そこに感情が介在する余地などないと勝手に決め付けていた。
 人と一線を引いて接する彼が、まさかこんなことをするなんて思いもしなかった。

「考え事とは随分余裕そうだなあ?」

 行為の最中であっても私の様子に目敏く気づいたカイン。
 繋いだ手を強引に引き寄せられた。
 唇を熱い舌が突いてにゅるりと割って入る。

「ん、んむっ……んっ、んうぅ……」

 自分とは違う、分厚くて熱い舌が口腔をじっくりと舐める。
 歯列をなぞり、舌を絡めて上顎を擽るように擦る。
 上顎が弱いと分かると、そこを執拗に舐り始めた。
 彼の舌に触れるたびに体が反応して、目に見えてカインの口角が上がる。
 酸欠で意識が落ちる寸前に解放された。

「こんなにしてるのに、まだキスに慣れてないんだな。おっと、危ない」

 カインの腕が倒れかけた私の体を支えながら抱きしめた。
 片手が解放されたというのに、だらりと投げ出した手はカインの服を掴んでしがみつくだけ。
 気まぐれに突き上げるたびにあられもない声が溢れ出て、何もかも快楽に塗りつぶされる。
 そもそも彼とは何度も体を重ねているのだ、どう足掻こうと所詮は彼の掌の上。
 とっくに限界まで追い詰められていた。

「もっ、だめっ」
「俺も、一緒にイこうなっ」
「あっ、あぁあ~~~っ!」

 どちゅっ、と最奥をえぐるように突き上げられて視界が爆ぜる。
 もう何度目になるのかも分からない絶頂。
 ビクビク体を震わせながら全身に力が入り、恋人繋ぎになったカインの手を握る。
 びゅく、びゅくと胎内に熱が広がって、同じく限界を迎えたカインも手を握り返す。
 出し切った後も馴染ませるようにゆるゆると動くから、絶頂で飛びかけた意識を引きずり戻される。
 
「ははっ、一緒にイけたな。ん、かわい」

 ぽんぽんと頭を撫でられた。
 たったそれだけで体だけでなく心まで脱力してしまいそうになる。
 なけなしの理性で堪えているが、そろそろぽっきりと折れてしまいそうだ。

「俺の、俺だけのサナ。かわいい、好き、好き」

 カインの方はとっくに理性を手放しているようで、熱に浮かされたようにしきりに甘い言葉を浴びせてくる。
 特に今のような小休止のタイミングで殊更熱烈に耳元で囁く。
 それも縋るような震えた声で名前を呼んでくるものだから、なんだか強情な私が悪いのではないかという気持ちさえ湧いてくる。

「も、カインさん、それ、やめて……」

 彼は揶揄っているだけだ。
 真に受ける方が馬鹿だ、と自分に白々しい暗示を掛ける。
 こうでもしないと自分を保てなくなるほど精神的にも追い詰められていた。

「なんで……? 俺のこと嫌いか?」

 嘘でも頷くべきところを、真正面からゆらゆらと薄氷のように揺れる彼の瞳に見つめられて言葉に詰まる。

「嫌いというわけでは、なくて」

 口をついて出たのは完全な墓穴だった。
 しどろもどろになった私の言葉を彼は辛抱強く耳を傾ける。

「カインさんにはもっと相応しい人が……」

 完全に制御を失った口はぽろぽろと自分の逃げ場と退路を断ち始めていた。
 後半にいくにつれて声は自分でも分かるほど尻すぼみになる。
 俯いてカインの視線から逃げても、耳鳴りがしそうなほどの沈黙と僅かに抱きしめる力に『やってしまった』という後悔が込み上げる。

「それだけか? 他にはないか?」

 カインが念を押すように顔を覗き込む。
 隠したくても片手は繋がれ、もう片方の手で隠しても顔の全部は覆えない。
 俯いてカインの視線から逃げ、懸命に取り繕うに相応しい言葉を探す。

「……勘違い、しちゃうから……」

 頑張って思考を巡らせたが、カインを突き放すような言葉を思いついても口にはできなかった。
 嘘でも冗談でもないということは目を見れば分かるし、こういう風に揶揄う性格でもないとこれまでの付き合いで知っている。
 結局、自白とも取れる言葉しか出てこなかった。

「そうか」

 重苦しい静寂を破ったのはカインの返答だった。
 繋いでいた手がスルリと離れ、私の顎を掬い上げられた。
 必然的に視線がカインと交差して、居た堪れない気持ちになる。
 早鐘を打った心臓は痛みと苦しさを感じて、『いっそ殺して欲しい』と思う。

「サナ、好きだ」
「う……」
「お前がいい」
「あの、聞いてました?」

 私の問いかけに対してカインは目を細めて微笑んだ。
 想定していた表情よりも柔らかいものだったので毒気やらなんやら抜けて、残ったのは気恥ずかしさだけ。

「お前がいい、お前じゃなきゃ嫌だ」
「……カイン、さん」
「傍にいてくれれば、それでいい」

 噛み付くように唇が重なって私の返答は封じられた。
 舌を入れるわけでもなく、あっさりと唇を離す。
 先ほどまでの穏やかな雰囲気は消え失せ、ギラギラと充血した蒼い瞳が私を射抜く。

「俺のことが嫌いでも、どんなに離れたいって喚いても、絶対に許さないからな」
「あの……? ひぐっ!? や、まってえ゛っ、あ゛!?」

 気がつけば指が食い込むほど、いや爪が皮膚に刺さるほど強く腰を掴まれていた。
 勢いよく突き上げられて先端が子宮口を押し上げて、急に襲ってきた圧迫感に肺の中にあった空気を全て吐き出し、一瞬で思考が真っ白に塗りつぶされて停止した。
 気絶してもお構いなしに突き上げられて起こされ、抜けそうになる程腰を引いてからまた根本まで突き上げる。

「俺みたいなっ、奴にっ、好かれたのがっ、運の尽きっ、なんだよ!」
「う゛あ゛っ、あ゛あっ!」

 カインの動きに合わせて獣のような嬌声が口から溢れる。
 これまでのじくじくとした粘着質な動き方と違って、ガツガツと貪るような激しい動き方は無理矢理快感を引きずり出す。
 壊れた人形のように悲鳴をあげ、カインの首に手を回してしがみつく。

「だからっ、諦めろっ、なあ? 楽になれって! 全部、ぜんぶ、ゼンブっ、俺にっ、委ねろ!」
「あ゛あ゛ッ、ひぐっ、まって、あ゛、これだめっ! だめなのっ!」

 視界が段々と毒々しい色に満ち始めてきた。
 上手く呼吸が出来なくて、涙やら涎でぐちゃぐちゃのままカインに縋り付く。

「これ゛っ、あ゛ッ、おかしくっ、なる゛ッ、から゛あ゛あ゛ッ!」
「ああ! それっ、いいな! おかしくなっちまえばっ、何処にも行けなくなるよなあっ!?」

 なにやら恐ろしいことを言っているような気がするが直ぐに思考の隅に追いやられた。
 突かれる度に結合部から透明な液体が噴き出し、全身が強張って痙攣する。
 より一層強く締め付けるせいでさらに感覚が鋭敏になり、視界がぱちぱちと爆ぜる。

「おかしくなれっ、なっちまえ!」
「あ゛ッ、う゛あ゛ッ゛!」

 自分のなかで張り詰めていた心の糸が千切れたような気がした。

「カインさんっ!」

 カインの首にしがみついていた手で後頭部を掴み、渾身の力で引き寄せて自分から唇を重ねる。
 がちりと歯がぶつかって、唇に鋭い痛みが走るがそれすら気にならない。
 目を見開くカインに構わず、強引に舌をねじ込んで絡める。
 唇の端から生暖かい液体が溢れて顎を伝う。

「お、おい、血が、んぐっ!?」

 舌に伝わる感触が気持ち良くて、髪の毛を掴んで逃げようとするカインを捕まえて口内を貪欲に舐る。
 彼の手が腰を離れて肩を掴んだが、弱い力だったので引き剥がし、手を繋いで指を絡める。
 躊躇いがちに彼が握り返す感触が伝わってきて、えも言われぬ充足感に包まれた。

「カインさん……カインさんっ!」

 もっとキスをしていたいのに、どうしても息が続かなくて仕方なしに唇に吸い付きながら彼の名を呼ぶ。
 彼の分厚い舌が顎を滴る液体を舐め取り、薄く開いていた唇の間に入る。

「んむっ、サナ。俺、もうっ……!」
「んう、カインさんっ! カイン、カインッ!」

 どちゅん、と一番奥を突き上げられて視界が爆ぜる。
 飛びかけた意識はぐりぐりと奥を捏ねる動きで引き戻された。
 胎内に熱がじんわり広がるのを感じながら荒い息のまま彼の肩に頭を預ける。
 服の裾から覗いた彼の首筋が目について、がぶりと噛み付く。
 低い声を漏らしながらもカインは引き剥がすことはせず、宥めるように頭をポンポンと撫でる。

「擽ってぇ……流石に少し、休憩するか」
「はぁーっ、はぁーっ……そぉですねぇ……」

 動けるだけの体力もなく、気力を振り絞って返事をするが間延びした声しか出なかった。
 引き抜かれた拍子にごぽりと粘液が溢れて互いの服だけでなく、ソファーを汚した。


◇◆◇◆



 湯気に包まれた浴室は声がよく響く。
 ちゃぷちゃぷとお湯が張られた浴槽のなか、カインの足の間に座りながら頬を膨らませてむくれていた。

 手早く魔法で汚れを片付けて動けない私を抱えてきたのは紛れもなくカインで、あれだけ動いて体力を使ったというのに疲れ一つ見せない。
 日頃の食事量を鑑みれば納得のスタミナである。

「これからどーするつもりなんですか、カインさん」
「地吹雪が止み次第、買い物に行って必要なものを買うだろ。教会で婚約を済ませたあとは結納しないとな。結婚式はジューンブライドの六月がいいか」
「いや、予定ではなくて……まあ、いっか」

 ぶくぶくと水中で息を吐き出しながら抗議の意味を込めて問い詰めれば、彼は間髪入れずに指を折ってこれからの予定を羅列した。
 予定を聞きたかったわけではなかったのだが、とても嬉しそうに買い物のリストを作り始めていたのでなんだかいじけているのも馬鹿らしくなってきた。
 それでも歩けなくなるまで責めた彼のことを許した訳ではないので、両手で空洞を作る。
 空洞に水を入れ、狙いをつけて背後のカインに勢いよくお湯を発射!

「お前の分の服ーーわぶっ!?」

 油断しきっていたカインは避けることもできず、思いっきり顔面にお湯がかかった。
 ほくそ笑んでしまうほど手応えを感じ、ほんの少し鬱憤が晴れた。
 背後にいるカインは暫く無言を貫き、片手で水滴が滴る顔を拭う。

「…………やったな」

 彼の手が下りてお腹をガッチリとホールドした。
 彼の濡れた髪からポタリと滴が肩に落ちる。

「調子に乗ってやり過ぎたかと思っていたんだが、どうやらまだ元気があるようだな」

 頸に柔らかいものが這い、かぷりと噛み付かれる。
 お湯に浸かっているというのにぞわりと鳥肌が立つ。

「夜、覚悟しておけよ」
「ひえっ」

 ほんのちょっとやり返したつもりだが、彼は宣戦布告と受け取ったらしい。
 これ以上は本当に明日どころか明後日まで動けなくなってしまう。

「いやぁ、ちょっとやめておきましょうよ、ね?」
「なんでだ? ……何か予定でも?」
「予定はないんですけど、そんなに長居するのも……ねえ?」
「折角結ばれたのだから遠慮は無用だ。それに、これから二人で住むというのにどこに行くつもりだ?」

 振り返ってカインの顔を見たが、彼はいつものように平然とした顔で会話を続ける。

「まだ積雪があるというのに外に出る必要はないだろう。雪が溶けるまでは家にいた方がいい」
「カインさん、本気なんですか? 本気で私と婚姻する気なんですか?」
「ああ、そうだ。なんだ、何か問題でもあるのか? ……男、とか?」
「いえ、私よりもカインさんですよ」

 カインはそれこそ街を歩く人と変わらないように見えるが、貴族の血脈でもある。
 その証としての魔力持ちなのだから、婚姻や住居に制約が掛けられているはずだ。
 そのことを指摘すると、彼は勝ち誇った笑みを浮かべた。

「とっくに根回し済みだ」
「……一時の気の迷い、じゃないんですね」
「そういう訳で諦めてくれ。なに、悪いようにはしない」

 逡巡の後、深いため息をついた。

「そのため息はどういーーぶあっ!?」

 再度水鉄砲でカインの顔を狙い撃つとまたも彼に命中した。
 彼に似合わぬ間抜けな悲鳴が聞こえて思わずクスリと笑ってしまう。

「今更、『あれは冗談だった』なんて言われても絶対に許しませんからね。精々覚悟を決めておいてください」

 身寄りもなく安定した職を持つ訳でもない私に断るだけの明確な理由はない。
 それに、これは向こうから持ちかけてきた“契約”だ。
 後からどんなに泣いて喚いて無かったことにしようとしても、絶対に履行させる。

「……またやったな」
「あっ!? ま、まあいいじゃないですか。水入らずって関係になる訳ですし……ね?」
「そうだな、水入らずな関係ならこれ以上風呂に浸かるより愛し合うべきだなあ?」
「その理屈はおかしいです! あっ、変なとこ触らないでください!」

 さわさわと太腿を撫で始めた手に危機感を覚えても自力で立ち上がれない体ではなす術もなく。
 結局、危うく逆上せるまで体を弄られ続けた後、夜もしっかり抱かれたのは言うまでもなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

イケメンエリート軍団??何ですかそれ??【イケメンエリートシリーズ第二弾】

便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC” 謎多き噂の飛び交う外資系一流企業 日本内外のイケメンエリートが 集まる男のみの会社 そのイケメンエリート軍団の異色男子 ジャスティン・レスターの意外なお話 矢代木の実(23歳) 借金地獄の元カレから身をひそめるため 友達の家に居候のはずが友達に彼氏ができ 今はネットカフェを放浪中 「もしかして、君って、家出少女??」 ある日、ビルの駐車場をうろついてたら 金髪のイケメンの外人さんに 声をかけられました 「寝るとこないないなら、俺ん家に来る? あ、俺は、ここの27階で働いてる ジャスティンって言うんだ」 「………あ、でも」 「大丈夫、何も心配ないよ。だって俺は… 女の子には興味はないから」

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

処理中です...