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Ⅰ 旅立ち
3 旅立ち
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「父さんごめん、俺、牛飼いになれなかった。俺村を出る事になった」
「・・・・そーか、残念だが女神様の御意志だから仕方がないさ。カーナはともかく、この家はミラかミロに婿を貰えば大丈夫さ。ところで天職は何の職人だったんだ」
カイは家に戻ると、早速、納屋で牛の毛刈り鋏の手入れをしていた父親のガルに報告した。
「職人じゃ無くてマナ人、何するのか、何処で修行するのかも良く判らない変な天職なんだ」
「えっマナ人!ちょっと待ってろ」
ガルが床の蓋を開けて地下貯蔵庫へあたふたと降りて行った、色々な物をひっくり返している騒々しい物音が聞こえた後、戻って来た時には、手に古い革張りの本を持っていた。
「これはご先祖様が書き遺した本だ。カイ、台所で座って話そう」
呆気に取られたカイが大人しくガルの後に付いて行くと、カーナがテーブルで古文書を書き写していた。
「母さん、カイに話があるからお茶を煎れてくれ」
「はい、あなた」
「父さん、私は席を外した方が良いかしら」
「カーナ、我が家に伝わる本の話だ。お前も聞いておけ」
「ふーん、家にも本があったんだ。先々王が喜寿記念で配ったノルトノス王国建国起源書かしら」
カーナは興味無さ気に、村人から良く神殿に持ち込まれて来る本、どの家でも家宝として後生大事に保管されている価値の無い本の名前を口にした。
「その本は、爺さんが風呂の焚き付けに使ったそうだ」
「うわー酷、価値も中身も無い本だけど、それでも酷い扱いだわ。父さん、余白をノート替りに使えるんだから、もっと大事にしないと」
「炊き付けに使ったのは爺さんだ。俺に文句を言われても困る」
「そりゃそうだけどさー」
「こほん、話を元に戻すぞ。この本は我が家に代々伝わって来た貴重な本だ。何でもミノラダ王国が滅んだ時にご先祖様が王宮から持ち出した由緒正しい本だそうだ」
「うわー、嘘くさい。父さん、ミノラダ王国って吟遊詩人の御伽噺には良く登場するけど、架空の国って言われてるのよ。その本、曾爺さんあたりが悪徳商人に高いお金で掴まされたんじゃないの」
「我が家の御先祖様はミノラダ王国の王族だったそうだ」
「あー、やっぱり。神殿の記録に残ってたんだけど、それって八十年前に流行った詐欺の手口らしいわよ。あんたはミノラダ王国の末裔ですって言われて、何人も騙されて高い本を売り付けられたらしいの。こんな田舎の農家でそんな事有り得ないのに馬鹿だよね」
「カーナ、邪魔するんだったら二階に上がってろ」
「嫌!カイに馬鹿なご先祖様の法螺話を信じ込ませたくないから、私も絶対一緒に聞く」
「なら話の腰を折るな。カイ、この本はご先祖様から伝わってる由緒正しい本だ。(「だから、騙されたのよ」)いいからカーナは黙ってろ。それにこの本を俺が爺さんから引き継いだ時に、代々伝えている伝言も併せて伝えられた。その伝言と言うのが、”マナ人の才持つ子が生まれし時、この本を託せ”と言う伝言だ」
「父さん、マナ人の事も何か伝わってるの」
「マナ人の事は何も伝わっておらん。単に託せということだけだ」
「ふーん、なるほど知能犯だわ。珍しい天職を出汁にするこのやり方なら詐欺行為が発覚し難いわ」
「・・・・・。とにかくこの本はお前に渡す為に伝えられて来たものだ。ほれ、カイ渡すぞ。これで俺の代の義務はお終いだ。後はお前が考えろ」
押し付けられる様にカイは本を受け取った、そしてパラパラとページを捲って、中に何が書かれているか中身を確認した。
「父さん、俺には全然読めないよ」
「えっ!」
「ふーん、カイ、ちょっと見せて頂戴」
カーナがカイから本を奪い取ってテーブルに広げる、そして暫く固まっていた。
「・・・・・・・・。きゃー、きゃー、きゃー、父さんこれ凄いわ。手書きよ、しかも古代カナン語の筆記体よ。わー感激、古代カナン語の筆記体で書かれている本が残ってたんだ。完筆日は書いてあるかしら・・・有った・・・・きゃー、凄いわ、二千年前の本よこれ。王家の蔵書印まで押してあるわ。これ国宝級の本よ、父さん」
カーナが本を抱きしめて小躍りを始めた。
「カーナ、判ってるとは思うが、それはカイの物だぞ。ちゃんと返してやれよ」
「うーー、やだ、だってこれカイには読めないわよ。私だって子孫だし受け継ぐ権利はあるわ。それにカイに渡しちゃ本が可哀そうよ」
カーナの古文字の解読という物凄く変わった趣味は、趣味の領域を少々はみ出していた。
そして、カーナは古文書絡みの話になると見境が無くなる。
「それでもだ。それはカイの為にご先祖様が残したものだ。返しなさい」
「うー、いやー!絶対に嫌。これ私が貰う」
普段の村の子供達から先生と呼ばれている威厳の片鱗も無く、身体の大きな子供になり切っている。
「鳥飼の本なんて欲しく無いから姉ちゃんにあげるよ」
「だめだ、これは代々この家の主が伝えて来たことで、我家の決まりだ」
「いやー、絶対に嫌」
「仕方が無い。ならお前がカイからその本を預かることにしろ。それなら良いな」
「うん」
「その代り、カイに本の中身を訳して教えてやれ」
「・・・・解ったわ。カイ、いつ出発なの」
「五日後」
「時間が無いわね。カイ、訳せるところまで訳して渡すから、残りは住む場所が落ち着いたら連絡しなさい。訳文を送ってあげるから。それと、カイ、あんたも古代カナン語勉強しなさい」
「えっ!なんでだよ」
「古い言語には、今の言葉で表現できない言葉も沢山有るの。だから過去の古い文を読む時は、その言語で読まないと正確に理解出来ない表現が凄く多いの、これが訳す事の限界なのよね。五日間しか無いから基礎しか教えられないけど、古文書を読む為には必要なことなの。領都の書蔵には入門書も置いてある筈だから後は自分で勉強なさい」
「姉ちゃん、俺正確に読めなくも良いから」
「こらカイ、御先祖様から伝わった大事な本なんだぞ、カーナの言う通りちゃんと勉強しろ」
「あー、父ちゃん狡いぞ。俺こんな本返すから父ちゃんが勉強しろよ」
「さあカイ、時間が無いわ。直ぐに勉強するわよ、諦めなさい」
「嫌だー」
カイは耳を掴まれて二階へ引き摺って行かれた。
ーーーーー
五日後の朝、確認の為、一旦今日領都へ向かう子供達が神殿に呼び出された。
「領都へ向かう者は全部で十五名、今日中に迎えの馬車が中央広場へ来るそうじゃから、準備しておけ。他の町へ向かう者も今日中に連絡が来るそうなので、順次知らせる。一番早いのが、ジョイ、ケーナ、ガイラ、ニーナ、カイ、お前達五人じゃ。ありがたい事に、領主様の御屋敷から迎えの馬車を送って頂けるそうじゃ。昼前に噴水前で待っておるそうじゃから、急いで準備しておけ」
「カイ、あんた傷だらけでボロボロだけど大丈夫」
「なんか剣術の特訓でもしてたのか」
「荷物の準備は出来てるの」
「うーん、これから。間に合うかな」
「カイ君、五日間もあったんだよ、計画性を持たないと」
「うん、五日間もあった。長い五日間だった。殺されるかと思った」
「ほらカイ、しっかりしてよ」
支度と言ってもカイには持って行く物を考える気力が残って無かった。
カーナは本当に睡眠時間一鈴(二時間)でカイに古代カナン語の筆記体の基礎知識を叩き込んだのだ。
取り敢えず、布団の上に服や食器などの普段使う物を全部並べ、布団を二つに折り畳んで包み、敷布を被せて背中に背負い込んだ。
御先祖様の本の翻訳の一部とカーナの手作りの簡易辞書と筆記用具は肩から下げる鞄に入れ、紐を通したプレートと財布を首から下げた。
目を閉じると、拳骨を握ったカナン古文字の筆記体が目の前に怖い顔で立っている。
「兄ちゃん、行ってらっしゃい」
「領都で悪い女に騙されないでね」
家の前で、双子の妹、ミロとミラがカイを見送ってくれた。
「父さんと母さんと姉ちゃんは」
「父ちゃんと母ちゃんは牛の世話してるよ。修行場所が決まったら、手紙寄越せって言ってた」
「姉ちゃんは寝直して来るって。修行場所が決まったら訳文を送るって言ってた」
「・・・それじゃ行って来るよ・・・。うっく、もうここへは戻れないかも知れないけど、父さんと母さんを大切にな」
「大丈夫よ、父ちゃんも母ちゃんも兄ちゃんより丈夫だから。兄ちゃんの部屋、私達が使うから戻って来ちゃ駄目だよ。それとこれ」
「なんだよこれ」
「領都の美味しいお菓子リスト、送ってね」
ーーーーー
「カイ、何だよその大荷物」
カイが中央広場の噴水前に着くと、他の四人は既に待っていた。
「ニーナ、先に行くなんて冷たいぞ」
「仕方ないでしょ、あんたがぐずぐずしてるから。それよりあんた、弁当と水筒は持って来たの」
「えっ、必要なのか」
「当たり前だろ。領都まで一日半ずっと馬車に乗ってるんだぞ」
「カイ、まだ馬車が来てないから、水筒とお弁当を買いに行きましょ」
「ケーナありがとう」
「私も付き合うわ」
三人が広場沿いの商店へ走って行った。
「ガイラは付き合わないの」
「ケーナもニーナもカイに過保護なんだよ。腹減ったくらいじゃ死なないのにさ」
「仕方が無いんじゃないの。ケーナもニーナもカイのこと好きらしいしさ」
「ふん、そんな物。離れて生活すれば直ぐに気持ちなんて変わるさ。鳥飼のカイより、俺みたいに頼り甲斐の有る男の方が絶対に良いと思うしな」
「頑張りなよ。それじゃ僕はケーナにアプローチするかな」
「えっ、ジョイ、お前ケーナが好きだったのか」
「うん、ケーナは可愛いし働き者だと思うよ。稼ぎの少ない亭主で苦労させちゃ可哀そうだろ」
「うん、そうだ、そうだ。鳥飼のカイの相手じゃ、ニーナが可哀そうだ。領都に着いたら二人で頑張ろう」
「うん」
ーーーーー
「ケーナとニーナとカイは、まだ来ないのか」
「いえ、村長さん、来てます。今、店で弁当と水筒を買ってます」
「そうか、それなら大丈夫じゃな。そろそろ馬車が着く筈なんじゃが」
「村長さん、あれは違うんですか」
「はっ、はっ、はっ。あれは貴賓用の馬車じゃ、どこぞの貴族様が休憩に寄られたのだろうよ」
その四頭曳きの豪華な黒塗りの馬車から御者が降りて来て、村長達の所へ近付いて来る。
「ベセットの村長さんかい」
「はい、如何にも。何かご用事でしょうか」
「俺はコクリカの運送組合のセトだ。領主様の御屋敷へ行く子供らを貰い受けに来た」
コクリカとは、この地方であるコクリ領の領都の名で、ベセット村はコクリ領の北方に位置していた。
領主は代々コクリ王国の血を引く家の者が任命され、今はコクリ男爵家が領主を務めていた。
「ですがその馬車は貴賓用じゃないですか。例年迎えに来るのは幌付きの荷車ですよ」
「ああ、俺も荷車で来る積りだったんだが、御屋敷から一番良い馬車使えって指示が有ってよ。仕方ないんでこれを持って来たんだよ、さあ、乗ってくれ」
ーーーーー
「凄い馬車よね、これ」
「ええ、このソファー物凄く広いし座り易いわ」
「荷車が来るって兄さんが言ってたけど、荷車がなかったんじゃないかな」
「なんか落ち着かないな」
「なんか凄くこの馬車早いわよ、ほら、また他の馬車を抜いたわ」
広い馬車の車内で、四人は長い革張りのソファーの端に身を寄せて、固まって座っていた。
「カイは」
「荷室に布団敷いて良く寝てるわ。私も布団担いでくれば良かったかしら」
「カイと将来の話をじっくりする積りだったのになー」
「だめよ、私がカイと一緒になるの。小さい頃から良く一緒に寝てたんだから、カイの隣はわ・た・し」
「狡いわ、ニーナ。家が隣だっただけでしょ。あー!」
「ちょっとケーナ、どこへ行くのよ」
「バックからハンカチ取って来るだけよ」
「嘘、ハンカチなら持ってるでしょ。カイと一緒に寝る積りね、こら、ちょっと待ちなさい」
ーーーーー
カルセ村 フローラ
まだドキドキしています。
荷物を積もうと荷室の扉を開けたら、中で人が寝ていました。
しかも、一人の可愛い男の子に左右から女の子が抱き付いていたんです。
悲鳴が喉元まで上がって来て、立ち尽くしてしまいました。
暫く全員でその場に凍り付いていましたが、エッチの最中ではなく熟睡している様なので、そっと荷物を脇に置いてから荷室を閉めました。
物凄く豪華な馬車です。
豪華な扉をそっと開けると、豪華なソファーの片隅で男の子が二人重なって寝ていました。
一瞬立ち尽くしましたが、二人ともズボンを履いていたので安堵しました。
この二人も熟睡しているようです。
「ミラーラ、何してるの」
「もう少し情熱的なインパクトのある体勢にして、ハッシの皆さんに喜んで貰おうと思うの」
「うわー、面白そう。あたいも手伝う」
「ねえ、あなた達、本当に神官が天職なの」
ハッシの町に着いたのは夜半でした。
ハッシの皆さんも荷室を開けた途端、飛び退いています。
さすがに町っ子、立ち尽くしていた私達よりも反応が良いです。
そして町の人はさすがに用心深いです、馬車のドアを慎重に開けて中を覗き込んでいます。
私達はソファーの影に隠れてじっと様子を窺いました。
男の子二人が視界に入ったようです。
「きゃー」
悲鳴を上げて、物凄い勢いで馬車から転げ落ちています、やっぱり町の人達の反応は素晴らしいです。
ーーーーー
「起きろ、もう直ぐコクリカだ」
御者の声に、馬車の中で寝ていた子供達が一斉に起き上がる。
途中カルセ村とハッシの町に寄ったので、車内は満員に変わっていた。
ジョイとガイトは目が覚めて仰天した、周りを女の子達に囲まれていたのだ。
そして何故か互いの股間に顔を寄せる感じで眠っており、ズボンも半分降ろされ、周囲から物凄く冷たい視線で見られている。
カイは、目が覚めた時、何故ケーナとニーナが脇で寝ているのか判らなかった。
そしてソファーに戻ろうとした時、車内が満員に変わっていたことにも驚いたが、悲鳴を上げられ退かれたことにはもっと驚いた。
仕方が無いので、荷室の蓋を開けてそのまま寛いでいた。
硝子張りの窓の外に目を移すと、周囲には見渡す限りの果樹園が広がっており、東の空が白み始めていた。
石壁に囲まれたコクリカの町が徐々に大きくなり、陽が昇る時分には馬車はやがて大きな門を潜った。
「これが乗員名簿だ」
「うむ、十八名だな。剣士が一人、書記が二人、神官が二人、調理師が二人、お針子が二人、メイドが八人、おっマナ人殿か。なるほど、だからこの馬車を使ったか。確認した、通ってくれ」
馬車はまだ人通りの少ない表通りを走り、領主の屋敷へと向かった。
「マナ人殿は正面玄関にご案内しますから、そのまま乗ってお待ち下さい。他はここで降りろ」
正門前で馬車が一旦停まると、守備隊長らしき男が乗り込んで来て指示をした。
馬車内で女の子達の間に囁きがさざ波の様に広がった。
「ねえ、マナ人って何、何か凄い人なの」
「うわー、だからあの子達、油断したわ」
「しまった、出遅れたわ」
「一緒に寝てた子何処、急いで尋問して」
「ただの鳥飼よ」
荷室から這い出たものの、急に馬車の中が静まり返り、カイは落ち着かなくなった。
なぜ自分だけが取り残されたのか判らなかったので、急いで布団を背負って待機する。
正門の大門が開かれ、再びゆっくりと馬車が動き始めた。
馬車は花の咲き乱れる広い庭園沿いを通って、正面玄関へと向かった。
カイは凍り付いてしまった。
馬車のドアを開けようと手を伸ばしたら、急にドアが開いて、ドアの向こうには大勢の人が左右に並んで待ち構えていたのだ。
「お降り下さい。背中の荷物はお預かりいたします」
カイが恐々と半分身を乗り出し途端、馬車のドアの脇に立っていた初老の男性に背中の布団を奪われてしまった。
「あっ、待って」
慌ててカイは布団を追掛ける、そして突然その男性が脇に避けると、目の前に上品な中年男性が立っていた。
その男性がにこやかに右手を伸ばし、カイに握手を求めて来た。
「マナ人殿、ようこそ我屋敷へ。私はコクリ家当主クロードです。以後お見知り置きを。私の右に居りますのが長女のベレット、左に居りますのが次女のベネッサと三女のベルーサです。仲良くしてやってください」
「ベレットです、よろしく」
「ベネッサです」
「私はベルーサ、来年神託式なの。年増の姉様より、私の方が絶対お薦めよ」
「あっ、こら、ベルーサ」
掴み掛かろうとする二人の姉からひらりと逃れ、ベルーサはちゃっかりカイの後ろに隠れる。
カイは白いドレスを着た三人を見て、天使の様だと思った。
肌は雪の様に白く滑々している。
白銀の長い髪を細かく丁寧に飾模様に結い上げ、赤い宝石が嵌め込まれた金の髪飾りで飾ってある。
紫色の美しい目で覗き込まれると、魂を吸い込まれそうだった
「・・・・そーか、残念だが女神様の御意志だから仕方がないさ。カーナはともかく、この家はミラかミロに婿を貰えば大丈夫さ。ところで天職は何の職人だったんだ」
カイは家に戻ると、早速、納屋で牛の毛刈り鋏の手入れをしていた父親のガルに報告した。
「職人じゃ無くてマナ人、何するのか、何処で修行するのかも良く判らない変な天職なんだ」
「えっマナ人!ちょっと待ってろ」
ガルが床の蓋を開けて地下貯蔵庫へあたふたと降りて行った、色々な物をひっくり返している騒々しい物音が聞こえた後、戻って来た時には、手に古い革張りの本を持っていた。
「これはご先祖様が書き遺した本だ。カイ、台所で座って話そう」
呆気に取られたカイが大人しくガルの後に付いて行くと、カーナがテーブルで古文書を書き写していた。
「母さん、カイに話があるからお茶を煎れてくれ」
「はい、あなた」
「父さん、私は席を外した方が良いかしら」
「カーナ、我が家に伝わる本の話だ。お前も聞いておけ」
「ふーん、家にも本があったんだ。先々王が喜寿記念で配ったノルトノス王国建国起源書かしら」
カーナは興味無さ気に、村人から良く神殿に持ち込まれて来る本、どの家でも家宝として後生大事に保管されている価値の無い本の名前を口にした。
「その本は、爺さんが風呂の焚き付けに使ったそうだ」
「うわー酷、価値も中身も無い本だけど、それでも酷い扱いだわ。父さん、余白をノート替りに使えるんだから、もっと大事にしないと」
「炊き付けに使ったのは爺さんだ。俺に文句を言われても困る」
「そりゃそうだけどさー」
「こほん、話を元に戻すぞ。この本は我が家に代々伝わって来た貴重な本だ。何でもミノラダ王国が滅んだ時にご先祖様が王宮から持ち出した由緒正しい本だそうだ」
「うわー、嘘くさい。父さん、ミノラダ王国って吟遊詩人の御伽噺には良く登場するけど、架空の国って言われてるのよ。その本、曾爺さんあたりが悪徳商人に高いお金で掴まされたんじゃないの」
「我が家の御先祖様はミノラダ王国の王族だったそうだ」
「あー、やっぱり。神殿の記録に残ってたんだけど、それって八十年前に流行った詐欺の手口らしいわよ。あんたはミノラダ王国の末裔ですって言われて、何人も騙されて高い本を売り付けられたらしいの。こんな田舎の農家でそんな事有り得ないのに馬鹿だよね」
「カーナ、邪魔するんだったら二階に上がってろ」
「嫌!カイに馬鹿なご先祖様の法螺話を信じ込ませたくないから、私も絶対一緒に聞く」
「なら話の腰を折るな。カイ、この本はご先祖様から伝わってる由緒正しい本だ。(「だから、騙されたのよ」)いいからカーナは黙ってろ。それにこの本を俺が爺さんから引き継いだ時に、代々伝えている伝言も併せて伝えられた。その伝言と言うのが、”マナ人の才持つ子が生まれし時、この本を託せ”と言う伝言だ」
「父さん、マナ人の事も何か伝わってるの」
「マナ人の事は何も伝わっておらん。単に託せということだけだ」
「ふーん、なるほど知能犯だわ。珍しい天職を出汁にするこのやり方なら詐欺行為が発覚し難いわ」
「・・・・・。とにかくこの本はお前に渡す為に伝えられて来たものだ。ほれ、カイ渡すぞ。これで俺の代の義務はお終いだ。後はお前が考えろ」
押し付けられる様にカイは本を受け取った、そしてパラパラとページを捲って、中に何が書かれているか中身を確認した。
「父さん、俺には全然読めないよ」
「えっ!」
「ふーん、カイ、ちょっと見せて頂戴」
カーナがカイから本を奪い取ってテーブルに広げる、そして暫く固まっていた。
「・・・・・・・・。きゃー、きゃー、きゃー、父さんこれ凄いわ。手書きよ、しかも古代カナン語の筆記体よ。わー感激、古代カナン語の筆記体で書かれている本が残ってたんだ。完筆日は書いてあるかしら・・・有った・・・・きゃー、凄いわ、二千年前の本よこれ。王家の蔵書印まで押してあるわ。これ国宝級の本よ、父さん」
カーナが本を抱きしめて小躍りを始めた。
「カーナ、判ってるとは思うが、それはカイの物だぞ。ちゃんと返してやれよ」
「うーー、やだ、だってこれカイには読めないわよ。私だって子孫だし受け継ぐ権利はあるわ。それにカイに渡しちゃ本が可哀そうよ」
カーナの古文字の解読という物凄く変わった趣味は、趣味の領域を少々はみ出していた。
そして、カーナは古文書絡みの話になると見境が無くなる。
「それでもだ。それはカイの為にご先祖様が残したものだ。返しなさい」
「うー、いやー!絶対に嫌。これ私が貰う」
普段の村の子供達から先生と呼ばれている威厳の片鱗も無く、身体の大きな子供になり切っている。
「鳥飼の本なんて欲しく無いから姉ちゃんにあげるよ」
「だめだ、これは代々この家の主が伝えて来たことで、我家の決まりだ」
「いやー、絶対に嫌」
「仕方が無い。ならお前がカイからその本を預かることにしろ。それなら良いな」
「うん」
「その代り、カイに本の中身を訳して教えてやれ」
「・・・・解ったわ。カイ、いつ出発なの」
「五日後」
「時間が無いわね。カイ、訳せるところまで訳して渡すから、残りは住む場所が落ち着いたら連絡しなさい。訳文を送ってあげるから。それと、カイ、あんたも古代カナン語勉強しなさい」
「えっ!なんでだよ」
「古い言語には、今の言葉で表現できない言葉も沢山有るの。だから過去の古い文を読む時は、その言語で読まないと正確に理解出来ない表現が凄く多いの、これが訳す事の限界なのよね。五日間しか無いから基礎しか教えられないけど、古文書を読む為には必要なことなの。領都の書蔵には入門書も置いてある筈だから後は自分で勉強なさい」
「姉ちゃん、俺正確に読めなくも良いから」
「こらカイ、御先祖様から伝わった大事な本なんだぞ、カーナの言う通りちゃんと勉強しろ」
「あー、父ちゃん狡いぞ。俺こんな本返すから父ちゃんが勉強しろよ」
「さあカイ、時間が無いわ。直ぐに勉強するわよ、諦めなさい」
「嫌だー」
カイは耳を掴まれて二階へ引き摺って行かれた。
ーーーーー
五日後の朝、確認の為、一旦今日領都へ向かう子供達が神殿に呼び出された。
「領都へ向かう者は全部で十五名、今日中に迎えの馬車が中央広場へ来るそうじゃから、準備しておけ。他の町へ向かう者も今日中に連絡が来るそうなので、順次知らせる。一番早いのが、ジョイ、ケーナ、ガイラ、ニーナ、カイ、お前達五人じゃ。ありがたい事に、領主様の御屋敷から迎えの馬車を送って頂けるそうじゃ。昼前に噴水前で待っておるそうじゃから、急いで準備しておけ」
「カイ、あんた傷だらけでボロボロだけど大丈夫」
「なんか剣術の特訓でもしてたのか」
「荷物の準備は出来てるの」
「うーん、これから。間に合うかな」
「カイ君、五日間もあったんだよ、計画性を持たないと」
「うん、五日間もあった。長い五日間だった。殺されるかと思った」
「ほらカイ、しっかりしてよ」
支度と言ってもカイには持って行く物を考える気力が残って無かった。
カーナは本当に睡眠時間一鈴(二時間)でカイに古代カナン語の筆記体の基礎知識を叩き込んだのだ。
取り敢えず、布団の上に服や食器などの普段使う物を全部並べ、布団を二つに折り畳んで包み、敷布を被せて背中に背負い込んだ。
御先祖様の本の翻訳の一部とカーナの手作りの簡易辞書と筆記用具は肩から下げる鞄に入れ、紐を通したプレートと財布を首から下げた。
目を閉じると、拳骨を握ったカナン古文字の筆記体が目の前に怖い顔で立っている。
「兄ちゃん、行ってらっしゃい」
「領都で悪い女に騙されないでね」
家の前で、双子の妹、ミロとミラがカイを見送ってくれた。
「父さんと母さんと姉ちゃんは」
「父ちゃんと母ちゃんは牛の世話してるよ。修行場所が決まったら、手紙寄越せって言ってた」
「姉ちゃんは寝直して来るって。修行場所が決まったら訳文を送るって言ってた」
「・・・それじゃ行って来るよ・・・。うっく、もうここへは戻れないかも知れないけど、父さんと母さんを大切にな」
「大丈夫よ、父ちゃんも母ちゃんも兄ちゃんより丈夫だから。兄ちゃんの部屋、私達が使うから戻って来ちゃ駄目だよ。それとこれ」
「なんだよこれ」
「領都の美味しいお菓子リスト、送ってね」
ーーーーー
「カイ、何だよその大荷物」
カイが中央広場の噴水前に着くと、他の四人は既に待っていた。
「ニーナ、先に行くなんて冷たいぞ」
「仕方ないでしょ、あんたがぐずぐずしてるから。それよりあんた、弁当と水筒は持って来たの」
「えっ、必要なのか」
「当たり前だろ。領都まで一日半ずっと馬車に乗ってるんだぞ」
「カイ、まだ馬車が来てないから、水筒とお弁当を買いに行きましょ」
「ケーナありがとう」
「私も付き合うわ」
三人が広場沿いの商店へ走って行った。
「ガイラは付き合わないの」
「ケーナもニーナもカイに過保護なんだよ。腹減ったくらいじゃ死なないのにさ」
「仕方が無いんじゃないの。ケーナもニーナもカイのこと好きらしいしさ」
「ふん、そんな物。離れて生活すれば直ぐに気持ちなんて変わるさ。鳥飼のカイより、俺みたいに頼り甲斐の有る男の方が絶対に良いと思うしな」
「頑張りなよ。それじゃ僕はケーナにアプローチするかな」
「えっ、ジョイ、お前ケーナが好きだったのか」
「うん、ケーナは可愛いし働き者だと思うよ。稼ぎの少ない亭主で苦労させちゃ可哀そうだろ」
「うん、そうだ、そうだ。鳥飼のカイの相手じゃ、ニーナが可哀そうだ。領都に着いたら二人で頑張ろう」
「うん」
ーーーーー
「ケーナとニーナとカイは、まだ来ないのか」
「いえ、村長さん、来てます。今、店で弁当と水筒を買ってます」
「そうか、それなら大丈夫じゃな。そろそろ馬車が着く筈なんじゃが」
「村長さん、あれは違うんですか」
「はっ、はっ、はっ。あれは貴賓用の馬車じゃ、どこぞの貴族様が休憩に寄られたのだろうよ」
その四頭曳きの豪華な黒塗りの馬車から御者が降りて来て、村長達の所へ近付いて来る。
「ベセットの村長さんかい」
「はい、如何にも。何かご用事でしょうか」
「俺はコクリカの運送組合のセトだ。領主様の御屋敷へ行く子供らを貰い受けに来た」
コクリカとは、この地方であるコクリ領の領都の名で、ベセット村はコクリ領の北方に位置していた。
領主は代々コクリ王国の血を引く家の者が任命され、今はコクリ男爵家が領主を務めていた。
「ですがその馬車は貴賓用じゃないですか。例年迎えに来るのは幌付きの荷車ですよ」
「ああ、俺も荷車で来る積りだったんだが、御屋敷から一番良い馬車使えって指示が有ってよ。仕方ないんでこれを持って来たんだよ、さあ、乗ってくれ」
ーーーーー
「凄い馬車よね、これ」
「ええ、このソファー物凄く広いし座り易いわ」
「荷車が来るって兄さんが言ってたけど、荷車がなかったんじゃないかな」
「なんか落ち着かないな」
「なんか凄くこの馬車早いわよ、ほら、また他の馬車を抜いたわ」
広い馬車の車内で、四人は長い革張りのソファーの端に身を寄せて、固まって座っていた。
「カイは」
「荷室に布団敷いて良く寝てるわ。私も布団担いでくれば良かったかしら」
「カイと将来の話をじっくりする積りだったのになー」
「だめよ、私がカイと一緒になるの。小さい頃から良く一緒に寝てたんだから、カイの隣はわ・た・し」
「狡いわ、ニーナ。家が隣だっただけでしょ。あー!」
「ちょっとケーナ、どこへ行くのよ」
「バックからハンカチ取って来るだけよ」
「嘘、ハンカチなら持ってるでしょ。カイと一緒に寝る積りね、こら、ちょっと待ちなさい」
ーーーーー
カルセ村 フローラ
まだドキドキしています。
荷物を積もうと荷室の扉を開けたら、中で人が寝ていました。
しかも、一人の可愛い男の子に左右から女の子が抱き付いていたんです。
悲鳴が喉元まで上がって来て、立ち尽くしてしまいました。
暫く全員でその場に凍り付いていましたが、エッチの最中ではなく熟睡している様なので、そっと荷物を脇に置いてから荷室を閉めました。
物凄く豪華な馬車です。
豪華な扉をそっと開けると、豪華なソファーの片隅で男の子が二人重なって寝ていました。
一瞬立ち尽くしましたが、二人ともズボンを履いていたので安堵しました。
この二人も熟睡しているようです。
「ミラーラ、何してるの」
「もう少し情熱的なインパクトのある体勢にして、ハッシの皆さんに喜んで貰おうと思うの」
「うわー、面白そう。あたいも手伝う」
「ねえ、あなた達、本当に神官が天職なの」
ハッシの町に着いたのは夜半でした。
ハッシの皆さんも荷室を開けた途端、飛び退いています。
さすがに町っ子、立ち尽くしていた私達よりも反応が良いです。
そして町の人はさすがに用心深いです、馬車のドアを慎重に開けて中を覗き込んでいます。
私達はソファーの影に隠れてじっと様子を窺いました。
男の子二人が視界に入ったようです。
「きゃー」
悲鳴を上げて、物凄い勢いで馬車から転げ落ちています、やっぱり町の人達の反応は素晴らしいです。
ーーーーー
「起きろ、もう直ぐコクリカだ」
御者の声に、馬車の中で寝ていた子供達が一斉に起き上がる。
途中カルセ村とハッシの町に寄ったので、車内は満員に変わっていた。
ジョイとガイトは目が覚めて仰天した、周りを女の子達に囲まれていたのだ。
そして何故か互いの股間に顔を寄せる感じで眠っており、ズボンも半分降ろされ、周囲から物凄く冷たい視線で見られている。
カイは、目が覚めた時、何故ケーナとニーナが脇で寝ているのか判らなかった。
そしてソファーに戻ろうとした時、車内が満員に変わっていたことにも驚いたが、悲鳴を上げられ退かれたことにはもっと驚いた。
仕方が無いので、荷室の蓋を開けてそのまま寛いでいた。
硝子張りの窓の外に目を移すと、周囲には見渡す限りの果樹園が広がっており、東の空が白み始めていた。
石壁に囲まれたコクリカの町が徐々に大きくなり、陽が昇る時分には馬車はやがて大きな門を潜った。
「これが乗員名簿だ」
「うむ、十八名だな。剣士が一人、書記が二人、神官が二人、調理師が二人、お針子が二人、メイドが八人、おっマナ人殿か。なるほど、だからこの馬車を使ったか。確認した、通ってくれ」
馬車はまだ人通りの少ない表通りを走り、領主の屋敷へと向かった。
「マナ人殿は正面玄関にご案内しますから、そのまま乗ってお待ち下さい。他はここで降りろ」
正門前で馬車が一旦停まると、守備隊長らしき男が乗り込んで来て指示をした。
馬車内で女の子達の間に囁きがさざ波の様に広がった。
「ねえ、マナ人って何、何か凄い人なの」
「うわー、だからあの子達、油断したわ」
「しまった、出遅れたわ」
「一緒に寝てた子何処、急いで尋問して」
「ただの鳥飼よ」
荷室から這い出たものの、急に馬車の中が静まり返り、カイは落ち着かなくなった。
なぜ自分だけが取り残されたのか判らなかったので、急いで布団を背負って待機する。
正門の大門が開かれ、再びゆっくりと馬車が動き始めた。
馬車は花の咲き乱れる広い庭園沿いを通って、正面玄関へと向かった。
カイは凍り付いてしまった。
馬車のドアを開けようと手を伸ばしたら、急にドアが開いて、ドアの向こうには大勢の人が左右に並んで待ち構えていたのだ。
「お降り下さい。背中の荷物はお預かりいたします」
カイが恐々と半分身を乗り出し途端、馬車のドアの脇に立っていた初老の男性に背中の布団を奪われてしまった。
「あっ、待って」
慌ててカイは布団を追掛ける、そして突然その男性が脇に避けると、目の前に上品な中年男性が立っていた。
その男性がにこやかに右手を伸ばし、カイに握手を求めて来た。
「マナ人殿、ようこそ我屋敷へ。私はコクリ家当主クロードです。以後お見知り置きを。私の右に居りますのが長女のベレット、左に居りますのが次女のベネッサと三女のベルーサです。仲良くしてやってください」
「ベレットです、よろしく」
「ベネッサです」
「私はベルーサ、来年神託式なの。年増の姉様より、私の方が絶対お薦めよ」
「あっ、こら、ベルーサ」
掴み掛かろうとする二人の姉からひらりと逃れ、ベルーサはちゃっかりカイの後ろに隠れる。
カイは白いドレスを着た三人を見て、天使の様だと思った。
肌は雪の様に白く滑々している。
白銀の長い髪を細かく丁寧に飾模様に結い上げ、赤い宝石が嵌め込まれた金の髪飾りで飾ってある。
紫色の美しい目で覗き込まれると、魂を吸い込まれそうだった
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