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30 ミノタウロス
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ーーーーー
聖神殿主任神官 カシス
オークさんのベルトを必死で握り締め、死んでも離すまいと思いました。
無限に有る新しい知識も知りたいし、恋もしたいし、エッチも経験したい。
こんな所で牛に食われて死んで堪る物かと思いました。
私は最後まで必死に足掻く、泥々のグチャグチャになっても、必要ならば人を蹴落としてでも生き残る、これが私のポリシーなんです。
死んで称賛を浴びるくらいなら、生きて罵詈雑言に包まれて生きた方がまし、死んだら何も残りません。
”人間死に方が大事”なんて世迷言を何時も曰まっているミントも、私の横でオークさんのベルトに必死の形相で縋り付いています。
人間追い込まれてやっと自分の本心に気が付くのでしょう。
まあ、鎖のリュックにぶら下がっているノートよりは多少ましでしょうが。
ミントの足を払って蹴落としてやろうかとも思いましたが、これは後々の楽しみに取って置きましょう。
それよりも、さっきから気になっていることがひとつ。
私の手の脇にオークさんの山刀が納まった儘なのです。
素人なので自信は無いのですが、山刀を使った方が楽に戦えると思えるのですが。
無事避難所に飛び込めました。
避難所には先に潜った部隊の隊員でしょうか、大勢の神官と魔術師が生き残っており、手早く扉を開けてくれたのです。
中に入ると、オークさんは直ぐに服を脱ぎ捨て、鎖帷子の上下姿になりました。
生き残りのほとんどが若い女性です、素肌が完全透けて見える姿に一瞬全員が固まりました。
物凄い筋肉です、それに手と足には毛が一杯、オークさんに抱かれる自分の姿を一瞬想像してしまいました。
なんか凄く気持ちが良さそう。
「ミューア、ファーレ」
「はい」
リュックから飛び出して来た女の子二人が、物凄く手馴れた感じでオークさんに刻印札を貼り付けて行きます。
「ゲリト、メルト、ノリト。ゲリト、メルト、ノリト。ゲリト、メルト、ノリト」
鬼神の様に、炎を纏ったオークさんが外に飛び出して行きました。
「オーク、頑張ってねー」
「味方殴っちゃ駄目だよ」
小窓から外を覗くと、オークさんがミノタウロス相手に、正しく鬼神の様に暴れ回っていました。
軍の兵士達の剣や槍は、ことごとくミノタウロスの身体に弾き飛ばされ、ダメージを与えられていません。
孤軍奮闘を絵に描いた様に、オークさんだけがミノタウロスを殴り飛ばしています。
「あっ」
「うっ」
当然ミノタウロスの攻撃はオークさんに集中します。
何度も棍棒の直撃を受けて飛ばされています。
その度に、脇で外を見詰めている二人の女の子の口から短い悲鳴が漏れます。
軽い言葉送り出しても、心配で仕方が無いようです。
子供らしいと思い、二人の顔を見たら、オークさんの動きを必死で追う視線は、大人の女の物でした。
あれ?胸の中に嫉妬の雲の様なものが湧き上りました。
二人向こう側で、ノートが怖い顔で二人を見詰めています。
たぶん私も同じ様な顔をしているのでしょう。
ーーーーー
聖神殿主任神官 ミント
最後の一人を抱えてオークさんが戻ってきました。
大怪我を負った人もいますが、全員生きています。
ミューアちゃんが走り寄って、泣きながらオークさんの治療を始めました。
私もと思い一歩踏み出した時、オークさんが全員を見回し、良く通る大きな声が避難所内に響き渡りました。
「ミノタウロスと話がしたい。言語術、意思疎通術、通話術が可能な者は手を挙げてくれ」
一瞬静まり返りましたが、ぱらぱらと三、四人が手をあげました。
私も急いで手を挙げます、外交官を目差した時期も有ったので通話術は学んでいます。
「詳しく説明する、ここに集まってくれ」
五人が集まり、オークさんが説明を始めました。
勿論、大勢の人が取り囲んで、じっと耳を傾けています。
「ここからの解放を条件に、襲撃しないように説得してみる」
えー、魔獣相手に説得ですか?無理じゃないですか?相手は人間じゃないんですよ。
私の通話術では荷が重たい様です。
ーーーーー
ミノタウロスの目には、人に対するはっきりした憎悪の感情が宿っていた。
戦いの最中にも、互いに何かを叫び合っていた。
与えられた物とはいえ、武器と装備と衣服を纏っていた。
むしろなぜ、この世界の人達がミノタウロスには知性が無いと考えているのか理解出来なかった。
通常ミノタウロスは鉄の網を使って討伐する。
大人数で誘導し、大人数で抑え込むのだ。
今、異界の霊や魚の化け物が跋扈するここでそれを行うのは不可能だ。
そうなると、先程の様子からすると、戦力は僕だけになる。
時間が有れば群れを潰すことも可能だ。
この避難所を起点にミノタウロスを削って行けば良いからだ。
だが、時間が無い、その間も穴が広がってしまう。
僕の話す日本語を順次翻訳してもらい、手伝って貰う人の選抜を行った。
なんと、最後に残ったのは、ミントさんだった。
ーーーーー
聖神殿主任神官 カシス
うー、あの女さっき蹴落としておけば良かった。
背中のリュックに女の子を二人を入れ、ミントを御姫様抱っこしてオークさんが外に出ました。
「僕はオークだ。お前達のボスと話がしたい」
「○×△□#$●%▼&□●」
聖神殿主任神官 カシス
オークさんのベルトを必死で握り締め、死んでも離すまいと思いました。
無限に有る新しい知識も知りたいし、恋もしたいし、エッチも経験したい。
こんな所で牛に食われて死んで堪る物かと思いました。
私は最後まで必死に足掻く、泥々のグチャグチャになっても、必要ならば人を蹴落としてでも生き残る、これが私のポリシーなんです。
死んで称賛を浴びるくらいなら、生きて罵詈雑言に包まれて生きた方がまし、死んだら何も残りません。
”人間死に方が大事”なんて世迷言を何時も曰まっているミントも、私の横でオークさんのベルトに必死の形相で縋り付いています。
人間追い込まれてやっと自分の本心に気が付くのでしょう。
まあ、鎖のリュックにぶら下がっているノートよりは多少ましでしょうが。
ミントの足を払って蹴落としてやろうかとも思いましたが、これは後々の楽しみに取って置きましょう。
それよりも、さっきから気になっていることがひとつ。
私の手の脇にオークさんの山刀が納まった儘なのです。
素人なので自信は無いのですが、山刀を使った方が楽に戦えると思えるのですが。
無事避難所に飛び込めました。
避難所には先に潜った部隊の隊員でしょうか、大勢の神官と魔術師が生き残っており、手早く扉を開けてくれたのです。
中に入ると、オークさんは直ぐに服を脱ぎ捨て、鎖帷子の上下姿になりました。
生き残りのほとんどが若い女性です、素肌が完全透けて見える姿に一瞬全員が固まりました。
物凄い筋肉です、それに手と足には毛が一杯、オークさんに抱かれる自分の姿を一瞬想像してしまいました。
なんか凄く気持ちが良さそう。
「ミューア、ファーレ」
「はい」
リュックから飛び出して来た女の子二人が、物凄く手馴れた感じでオークさんに刻印札を貼り付けて行きます。
「ゲリト、メルト、ノリト。ゲリト、メルト、ノリト。ゲリト、メルト、ノリト」
鬼神の様に、炎を纏ったオークさんが外に飛び出して行きました。
「オーク、頑張ってねー」
「味方殴っちゃ駄目だよ」
小窓から外を覗くと、オークさんがミノタウロス相手に、正しく鬼神の様に暴れ回っていました。
軍の兵士達の剣や槍は、ことごとくミノタウロスの身体に弾き飛ばされ、ダメージを与えられていません。
孤軍奮闘を絵に描いた様に、オークさんだけがミノタウロスを殴り飛ばしています。
「あっ」
「うっ」
当然ミノタウロスの攻撃はオークさんに集中します。
何度も棍棒の直撃を受けて飛ばされています。
その度に、脇で外を見詰めている二人の女の子の口から短い悲鳴が漏れます。
軽い言葉送り出しても、心配で仕方が無いようです。
子供らしいと思い、二人の顔を見たら、オークさんの動きを必死で追う視線は、大人の女の物でした。
あれ?胸の中に嫉妬の雲の様なものが湧き上りました。
二人向こう側で、ノートが怖い顔で二人を見詰めています。
たぶん私も同じ様な顔をしているのでしょう。
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聖神殿主任神官 ミント
最後の一人を抱えてオークさんが戻ってきました。
大怪我を負った人もいますが、全員生きています。
ミューアちゃんが走り寄って、泣きながらオークさんの治療を始めました。
私もと思い一歩踏み出した時、オークさんが全員を見回し、良く通る大きな声が避難所内に響き渡りました。
「ミノタウロスと話がしたい。言語術、意思疎通術、通話術が可能な者は手を挙げてくれ」
一瞬静まり返りましたが、ぱらぱらと三、四人が手をあげました。
私も急いで手を挙げます、外交官を目差した時期も有ったので通話術は学んでいます。
「詳しく説明する、ここに集まってくれ」
五人が集まり、オークさんが説明を始めました。
勿論、大勢の人が取り囲んで、じっと耳を傾けています。
「ここからの解放を条件に、襲撃しないように説得してみる」
えー、魔獣相手に説得ですか?無理じゃないですか?相手は人間じゃないんですよ。
私の通話術では荷が重たい様です。
ーーーーー
ミノタウロスの目には、人に対するはっきりした憎悪の感情が宿っていた。
戦いの最中にも、互いに何かを叫び合っていた。
与えられた物とはいえ、武器と装備と衣服を纏っていた。
むしろなぜ、この世界の人達がミノタウロスには知性が無いと考えているのか理解出来なかった。
通常ミノタウロスは鉄の網を使って討伐する。
大人数で誘導し、大人数で抑え込むのだ。
今、異界の霊や魚の化け物が跋扈するここでそれを行うのは不可能だ。
そうなると、先程の様子からすると、戦力は僕だけになる。
時間が有れば群れを潰すことも可能だ。
この避難所を起点にミノタウロスを削って行けば良いからだ。
だが、時間が無い、その間も穴が広がってしまう。
僕の話す日本語を順次翻訳してもらい、手伝って貰う人の選抜を行った。
なんと、最後に残ったのは、ミントさんだった。
ーーーーー
聖神殿主任神官 カシス
うー、あの女さっき蹴落としておけば良かった。
背中のリュックに女の子を二人を入れ、ミントを御姫様抱っこしてオークさんが外に出ました。
「僕はオークだ。お前達のボスと話がしたい」
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