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38 魔車
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やっぱり三十六時間連続でエッチさせたことを根に持って居た。
「これから、平和協定の再協議を始めたいと思います。提案のある人」
「はい議長、オークさんに闇の刻以降のエッチ禁止を申し入れたいと思います。このままでは睡眠時間が無くなります。それとエッチさせるのは週三日に制限したいと思います」
この国の時刻は夜明けから始まる。
夜明けから四分の一日が明の刻、その後の四分の一日が陽の刻、その更に後の四分の一日が暮の刻、そして夜明けまでが闇の刻。
日本の時間で言えば、夜十時から朝の四時までが闇の刻だ。
「それではミントさんの提案に賛成の方、挙手願います」
『はーい』
「賛成多数なので、ミントさんの提案を採択して、これからは闇の刻以降はエッチは禁止で、週三日に制限したいと思います」
「僕は反対だ。再考を提案する」
「二日間ずっとエッチしてた獣の提案は却下します。賛成の人」
『はい』
夕食前に相談が有ると言われて食堂に出向いたら、いきなり平和協定の再協議を宣言されてしまった。
多数決で僕の唯一の生きる喜びを制限しようとしている、これは何とかしなければ。
「はい、はい、はい、異議あり、横暴だぞ。ファーレ、それなら今日の飯は作らないぞ」
「あー、オーク、食べ物で脅かすなんて卑怯よ」
「狡いぞオーク、食い物を人質に取るなんて」
「うるさい、僕は毎日朝までやるんだ」
「オークこそ横暴よ、私達はオークの玩具じゃないわよ」
「そうよ、人権蹂躙だわ」
「寝不足はお肌の大敵なのよ」
「人としての節度を考えろよ、毎日朝までされたら身体が持たないよ」
「私達はあんたと違って普通の人間なのよ、判ってる」
「僕だって普通の人間だぞ」
「どこが!」
「あんたの頭の中って鼠の脳味噌が入ってるんじゃないの」
「ファーレ、鼠に悪いよ。オークはちんちんに脳味噌入ってるんだから」
「あっごめん、オークの頭って飾だったわ」
うー、これはもう一回、じっくりと話し合う必要がある。
勿論ベットの上での身体での話し合いだ。
「きゃー、野蛮人が正体を現したわ、みんなヘルプ」
「ミントは右足、カシスが左足、ピーは頭押さえて。ミューアは右手、ファーレは左手を押さえて。僕は首を絞める」
「がおー」
「きゃー、誰か縄持って来て」
結局何とか粘り続けて、エッチの制限時間は闇の一鈴まで、エッチの回数も三人一組のローテーション制で五日に一回完全休養日を入れることまで歩み寄った。
なお、鈴とは刻の下の時間単位で、一刻が四鈴となっている。
日本で言うと、一鈴は一時間半、だから闇の一鈴は夜の十一時半だ。
大いに不満だが密度で解決しようと思っている。
ローテーション制については不満は無い、一人で普段の倍頑張って貰えば良いだけだ。
ただ問題がある、ベットが一つしか無いので、エッチが終わるまでエッチお休み組の寝る場所が無くなるのだ。
結局ローテーション制は、エッチお休み組の寝る場所を確保してから実施することになった。
二日後、目的地であるケネッセの町に到着したので、早速に車鍛冶を訪れて寝室の増室をお願いした。
「んー、旦那、これ以上長くしたら交差路を曲がるのが大変になりますぜ」
「無理でしょうか」
「幅を広げる方法も有るが、時間も金も掛かる。買い換えた方が簡単で安いね」
「買い換えた方が良いですかね」
「あんた神官だろ」
「はい、一応」
「幽霊は平気かい」
「ええ、普通の人に比べれば」
「じゃっ、お勧め品が有るぜ。外見は普通の馬車だが、中が魔法で拡張されている。そうだな、この車の三倍の広さはあるかな」
「それは凄いですね。お値段は」
「金貨三枚」
「えっ!無茶苦茶安いんじゃないですか、何か訳ありですか」
「へっ、へっ、へっ、正解でさ。まず空間保持に魔力の補充が必要で、結構魔石をがばがば喰う。次に魔力をうっかり切らすと元の大きさの空間に戻るんで、中の荷物が木っ端微塵」
「中に人が居たら死んじゃうじゃないですか」
「そうなんだよ、実際に昔、この馬車の中で遊んでた子供が潰されて亡くなったらしくてよ」
「・・・もしかして、その子の幽霊が出るの」
「さすが神官、察しが良いぜ。でも普通の大きさの馬車として使ってる分には泣き声が聞こえるだけだし、空間を広げて使っても人魂が見えて、時々荷物が暴れるくらいだから心配いらないぜ」
別空間に巣くっている魔霊だ、しかも泣いている子供だ。
僕は十歳未満の子供は苦手だ、大抵僕の顔を見ると急に泣き出す。
勘違いした親に何度追掛けられて警察に突き出されそうになったことか。
小さい子供泣き声を聞くと、その嫌な思い出が蘇る。
「いらない」
「えー、金貨二枚に勉強するからよ」
「いらない」
「みんな気味悪がって買わねーんだよ。ただで良いぜ」
「いらない、捨てれば良いだろ」
「町のゴミ捨て場に持っていったら、幽霊は引き取らないって言われるし、神殿に持って行ったらゴミは引き取らないって言われて困ってるんだよ」
「町の外に捨てれば良いだろ」
「捨てに行ったさ、そしたら馬車に大声で泣かれてよ。冒険者から町役場に通報されちまった。迷惑な不法投棄するなって領主様から大目玉喰らっちまったよ。近所から夜煩いって苦情が来てるんだよ。この車金貨五十枚で下取りするからよ、頼むぜ」
「うーん」
「良し、俺も男だ。金貨百枚で下取りしよう」
「仕方が無いなー、人助けと思ってその馬車を引き取るよ」
「ありがてー、助かる」
車庫へ案内されて付いて行くと。表面が緑色の複雑な刻印と螺鈿で覆われた豪華な馬車が置いてあった。
車輪や御者席の外枠にはミスリル銀が使われており、これを作った人物は相当な金持ちだったのだろう。
なるほど、その超高級品の馬車が癇に障る声でぴーぴーと泣いている。
しかも子供の声なので、凄く耳に残る。
近所から苦情が来るのも物凄く納得できる。
僕は霊の様子を見る事にした、生意気そうな餓鬼だったらぶん殴って成仏させてやる。
馬車後部の給魔石口へ魔石を入れて車内の空間を広げる。
全身に刻印札を貼って馬車の中に乗り込む。
「ゲリト、メルト、ノリト。ゲリト、メルト、ノリト。ゲリト、メルト、ノリト」
「ひっく、おじちゃんだーれ、お姉ちゃんとお母さんは何処」
「これから、平和協定の再協議を始めたいと思います。提案のある人」
「はい議長、オークさんに闇の刻以降のエッチ禁止を申し入れたいと思います。このままでは睡眠時間が無くなります。それとエッチさせるのは週三日に制限したいと思います」
この国の時刻は夜明けから始まる。
夜明けから四分の一日が明の刻、その後の四分の一日が陽の刻、その更に後の四分の一日が暮の刻、そして夜明けまでが闇の刻。
日本の時間で言えば、夜十時から朝の四時までが闇の刻だ。
「それではミントさんの提案に賛成の方、挙手願います」
『はーい』
「賛成多数なので、ミントさんの提案を採択して、これからは闇の刻以降はエッチは禁止で、週三日に制限したいと思います」
「僕は反対だ。再考を提案する」
「二日間ずっとエッチしてた獣の提案は却下します。賛成の人」
『はい』
夕食前に相談が有ると言われて食堂に出向いたら、いきなり平和協定の再協議を宣言されてしまった。
多数決で僕の唯一の生きる喜びを制限しようとしている、これは何とかしなければ。
「はい、はい、はい、異議あり、横暴だぞ。ファーレ、それなら今日の飯は作らないぞ」
「あー、オーク、食べ物で脅かすなんて卑怯よ」
「狡いぞオーク、食い物を人質に取るなんて」
「うるさい、僕は毎日朝までやるんだ」
「オークこそ横暴よ、私達はオークの玩具じゃないわよ」
「そうよ、人権蹂躙だわ」
「寝不足はお肌の大敵なのよ」
「人としての節度を考えろよ、毎日朝までされたら身体が持たないよ」
「私達はあんたと違って普通の人間なのよ、判ってる」
「僕だって普通の人間だぞ」
「どこが!」
「あんたの頭の中って鼠の脳味噌が入ってるんじゃないの」
「ファーレ、鼠に悪いよ。オークはちんちんに脳味噌入ってるんだから」
「あっごめん、オークの頭って飾だったわ」
うー、これはもう一回、じっくりと話し合う必要がある。
勿論ベットの上での身体での話し合いだ。
「きゃー、野蛮人が正体を現したわ、みんなヘルプ」
「ミントは右足、カシスが左足、ピーは頭押さえて。ミューアは右手、ファーレは左手を押さえて。僕は首を絞める」
「がおー」
「きゃー、誰か縄持って来て」
結局何とか粘り続けて、エッチの制限時間は闇の一鈴まで、エッチの回数も三人一組のローテーション制で五日に一回完全休養日を入れることまで歩み寄った。
なお、鈴とは刻の下の時間単位で、一刻が四鈴となっている。
日本で言うと、一鈴は一時間半、だから闇の一鈴は夜の十一時半だ。
大いに不満だが密度で解決しようと思っている。
ローテーション制については不満は無い、一人で普段の倍頑張って貰えば良いだけだ。
ただ問題がある、ベットが一つしか無いので、エッチが終わるまでエッチお休み組の寝る場所が無くなるのだ。
結局ローテーション制は、エッチお休み組の寝る場所を確保してから実施することになった。
二日後、目的地であるケネッセの町に到着したので、早速に車鍛冶を訪れて寝室の増室をお願いした。
「んー、旦那、これ以上長くしたら交差路を曲がるのが大変になりますぜ」
「無理でしょうか」
「幅を広げる方法も有るが、時間も金も掛かる。買い換えた方が簡単で安いね」
「買い換えた方が良いですかね」
「あんた神官だろ」
「はい、一応」
「幽霊は平気かい」
「ええ、普通の人に比べれば」
「じゃっ、お勧め品が有るぜ。外見は普通の馬車だが、中が魔法で拡張されている。そうだな、この車の三倍の広さはあるかな」
「それは凄いですね。お値段は」
「金貨三枚」
「えっ!無茶苦茶安いんじゃないですか、何か訳ありですか」
「へっ、へっ、へっ、正解でさ。まず空間保持に魔力の補充が必要で、結構魔石をがばがば喰う。次に魔力をうっかり切らすと元の大きさの空間に戻るんで、中の荷物が木っ端微塵」
「中に人が居たら死んじゃうじゃないですか」
「そうなんだよ、実際に昔、この馬車の中で遊んでた子供が潰されて亡くなったらしくてよ」
「・・・もしかして、その子の幽霊が出るの」
「さすが神官、察しが良いぜ。でも普通の大きさの馬車として使ってる分には泣き声が聞こえるだけだし、空間を広げて使っても人魂が見えて、時々荷物が暴れるくらいだから心配いらないぜ」
別空間に巣くっている魔霊だ、しかも泣いている子供だ。
僕は十歳未満の子供は苦手だ、大抵僕の顔を見ると急に泣き出す。
勘違いした親に何度追掛けられて警察に突き出されそうになったことか。
小さい子供泣き声を聞くと、その嫌な思い出が蘇る。
「いらない」
「えー、金貨二枚に勉強するからよ」
「いらない」
「みんな気味悪がって買わねーんだよ。ただで良いぜ」
「いらない、捨てれば良いだろ」
「町のゴミ捨て場に持っていったら、幽霊は引き取らないって言われるし、神殿に持って行ったらゴミは引き取らないって言われて困ってるんだよ」
「町の外に捨てれば良いだろ」
「捨てに行ったさ、そしたら馬車に大声で泣かれてよ。冒険者から町役場に通報されちまった。迷惑な不法投棄するなって領主様から大目玉喰らっちまったよ。近所から夜煩いって苦情が来てるんだよ。この車金貨五十枚で下取りするからよ、頼むぜ」
「うーん」
「良し、俺も男だ。金貨百枚で下取りしよう」
「仕方が無いなー、人助けと思ってその馬車を引き取るよ」
「ありがてー、助かる」
車庫へ案内されて付いて行くと。表面が緑色の複雑な刻印と螺鈿で覆われた豪華な馬車が置いてあった。
車輪や御者席の外枠にはミスリル銀が使われており、これを作った人物は相当な金持ちだったのだろう。
なるほど、その超高級品の馬車が癇に障る声でぴーぴーと泣いている。
しかも子供の声なので、凄く耳に残る。
近所から苦情が来るのも物凄く納得できる。
僕は霊の様子を見る事にした、生意気そうな餓鬼だったらぶん殴って成仏させてやる。
馬車後部の給魔石口へ魔石を入れて車内の空間を広げる。
全身に刻印札を貼って馬車の中に乗り込む。
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