44 / 83
44 地下遺跡1
しおりを挟む
ーーーーー
テオ
このギルドでは新参者なので、僕達の冒険者ランクは最初Hから始まる。
金品を贈与して上位ランク者のパーティーに加わり、実の伴わない点数稼ぎでランク上げする輩がいるので、加われるパーティーランクは自分とのランク差が3未満に制限されている。
だから僕達の加われるパーティーの上限はFランク、そのパーティーの上位者の半数の平均値がFランクとなるパーティーだ。
パーティーメンバー募集の掲示板を三人で見に行ったら、オークから聞いた通り、極めて神官の数が足りないらしく、神官募集の掲示板だけが二十七面に及んでいた。
その内Fランクパーティーの募集は三面分、三百四十二パーティーが神官を募集していた。
「ミューア、ファーレ、どうするの」
「私はランク制限無しのこれ、報酬は少ないけど、国が募集している遺跡調査団の隊員に応募するわ」
「ミューアは」
「私は普通のパーティーに入ってみたいな。なるべく守りが固くて堅実そうな所。このDランクとFランクの盾役が四人居るこのパーティーにしようかしら。守り重視みたいだから、治療の負担も少なそうだし」
「ふーん」
「テオは治療が苦手だから、薬師か治療師の居るパーティーの方が良いわよ」
「ほらテオ、これなんかどう。治療師がCランクよ、八人パーティーだから報酬は少ないけどきっと安全よ」
どうせ迷ったって一緒だ。
「うん、それにする」
募集カードを持って受付に行ったら、ちょうどそのパーティーのリーダーが業務受付窓口に並んでいた。
リーダーは大柄なCランクの女性治療師だった、何故かスケールアーマーと大盾を装備しており、見た目は完全な戦士タイプだった。
「助かったよ、妹が神殿の養成所で修行してるんだけど、卒業するのがまだ先でさ。取り敢えず悪霊が出ると高級呪符使ってなんとか凌いでたんだけど、大赤字で困ってたんだ」
ギルドの食堂で他のメンバーと顔合わせしたら、リーダーと同じ様な顔が七人ぞろぞろとやって来た。
「私はカンナ、今説明した通りCランクの治療師さ。上位の連中と組んで稼いでたんだけど、此奴らが田舎から出て来たんで面倒見てるんだ。此奴が弟のクロカとコスモとシクラとデルフィ」
『うっす、宜しく』
「そんで此奴らが妹のデイジとセチアとラック」
『宜しくね』
「親父が元冒険者でさ、パーティーメンバーだった御袋達三人とそのまま夫婦になったから、子沢山なんだよ。まだこの下に五人もいて、しかもまだ腹の中が三人居るんだぜ、本当に困った親父だよ」
「はははは、撲もっと困った人知ってますから」
将来僕達も、四十人家族くらいになるのだろうか。
うー、全部オークに似た子供だったら困るな。
「報酬は九等分で良いかい」
「ええ、良いですよ」
「私とクロカとコスモとデイジが前線で盾役で、シクラとデルフィが中段で槍役、セチアとラックが魔術師で後方支援。4-2-2の陣形を基本でやってるんだけど、あんたは今までどんな陣形だったんだい」
「うーん、基本的には1ですかね」
「えっ?」
「うーん、形としては1-3-1とか1-5-1かな。あっ、最後の1は荷物持ちです」
「なんだい、その変則形は」
「熊みたいなリーダーが全部片付けちゃうんです」
「ふーん、良く解んないけど、それじゃあんたは二列目の真ん中で良いかい」
「はい、良いです」
地下遺跡の入り口には結界魔法が施されており、入出場確認所の番人から渡される入場札を首から下げないと通れない仕組みになっていた。
番人に入場許可証を渡して入場札を受け取る。
「新入りが入ったのか」
「ああ、ギルドで手配して貰った神官さ」
「おお、そりゃ運が良かったな。今日も荷運びか」
「ああ、こいつらまだ初心者だからね」
「姉ちゃん、俺はもうFランクなんだぜ」
「生言うんじゃないよ、一人じゃ蜥蜴一匹倒せないくせに。お前はまだまだ初心者だよ、テオの前だからって格好付けるんじゃないよ」
「違うわい」
「へー、兄ちゃん赤くなってる」
「煩せー、この野郎」
「野郎じゃないもん、乙女だもん」
兄弟の仲は良い様で、コスモがセチアにからかわれている。
セチアとラックは僕と同い年だ。
カンナが二十三、クロカが十七、コスモが十六、シクラとデイジが十五でデルフィが十四。
カンナが長身でがっしりした体格で、フレイルが良く似合っている。
クロカとコスモは長身だがやや細身、デイジはカンナを一回り小さくした感じで、シクラとデルフィはまだ成長途中なのかやや小柄、セチアとラックは僕よりも少し小さかった。
皆整った顔立ちをしている。
結界を潜ると、ふわっとした感じがして、気が付くと大きな魔法陣の中に立っていた。
「この遺跡って面白のよ。中に入ると、出た時に使った魔法陣まで送ってくれるの」
「だからここは遺跡の六層なの、請け負った仕事は七層の宿屋への物資の輸送だから仕事は直ぐに終わるわ。後は魔石を集めながら古代魔道具を捜すだけなんだけど、今日の目標は九層魔法陣よ」
「陣形組むぞ、気合いれろ」
『おー!』
「カンナさん、扉の外で何かが待ち構えてますよ。息が聞こえます」
「えっ」
「撲耳が良いんです」
テオ
このギルドでは新参者なので、僕達の冒険者ランクは最初Hから始まる。
金品を贈与して上位ランク者のパーティーに加わり、実の伴わない点数稼ぎでランク上げする輩がいるので、加われるパーティーランクは自分とのランク差が3未満に制限されている。
だから僕達の加われるパーティーの上限はFランク、そのパーティーの上位者の半数の平均値がFランクとなるパーティーだ。
パーティーメンバー募集の掲示板を三人で見に行ったら、オークから聞いた通り、極めて神官の数が足りないらしく、神官募集の掲示板だけが二十七面に及んでいた。
その内Fランクパーティーの募集は三面分、三百四十二パーティーが神官を募集していた。
「ミューア、ファーレ、どうするの」
「私はランク制限無しのこれ、報酬は少ないけど、国が募集している遺跡調査団の隊員に応募するわ」
「ミューアは」
「私は普通のパーティーに入ってみたいな。なるべく守りが固くて堅実そうな所。このDランクとFランクの盾役が四人居るこのパーティーにしようかしら。守り重視みたいだから、治療の負担も少なそうだし」
「ふーん」
「テオは治療が苦手だから、薬師か治療師の居るパーティーの方が良いわよ」
「ほらテオ、これなんかどう。治療師がCランクよ、八人パーティーだから報酬は少ないけどきっと安全よ」
どうせ迷ったって一緒だ。
「うん、それにする」
募集カードを持って受付に行ったら、ちょうどそのパーティーのリーダーが業務受付窓口に並んでいた。
リーダーは大柄なCランクの女性治療師だった、何故かスケールアーマーと大盾を装備しており、見た目は完全な戦士タイプだった。
「助かったよ、妹が神殿の養成所で修行してるんだけど、卒業するのがまだ先でさ。取り敢えず悪霊が出ると高級呪符使ってなんとか凌いでたんだけど、大赤字で困ってたんだ」
ギルドの食堂で他のメンバーと顔合わせしたら、リーダーと同じ様な顔が七人ぞろぞろとやって来た。
「私はカンナ、今説明した通りCランクの治療師さ。上位の連中と組んで稼いでたんだけど、此奴らが田舎から出て来たんで面倒見てるんだ。此奴が弟のクロカとコスモとシクラとデルフィ」
『うっす、宜しく』
「そんで此奴らが妹のデイジとセチアとラック」
『宜しくね』
「親父が元冒険者でさ、パーティーメンバーだった御袋達三人とそのまま夫婦になったから、子沢山なんだよ。まだこの下に五人もいて、しかもまだ腹の中が三人居るんだぜ、本当に困った親父だよ」
「はははは、撲もっと困った人知ってますから」
将来僕達も、四十人家族くらいになるのだろうか。
うー、全部オークに似た子供だったら困るな。
「報酬は九等分で良いかい」
「ええ、良いですよ」
「私とクロカとコスモとデイジが前線で盾役で、シクラとデルフィが中段で槍役、セチアとラックが魔術師で後方支援。4-2-2の陣形を基本でやってるんだけど、あんたは今までどんな陣形だったんだい」
「うーん、基本的には1ですかね」
「えっ?」
「うーん、形としては1-3-1とか1-5-1かな。あっ、最後の1は荷物持ちです」
「なんだい、その変則形は」
「熊みたいなリーダーが全部片付けちゃうんです」
「ふーん、良く解んないけど、それじゃあんたは二列目の真ん中で良いかい」
「はい、良いです」
地下遺跡の入り口には結界魔法が施されており、入出場確認所の番人から渡される入場札を首から下げないと通れない仕組みになっていた。
番人に入場許可証を渡して入場札を受け取る。
「新入りが入ったのか」
「ああ、ギルドで手配して貰った神官さ」
「おお、そりゃ運が良かったな。今日も荷運びか」
「ああ、こいつらまだ初心者だからね」
「姉ちゃん、俺はもうFランクなんだぜ」
「生言うんじゃないよ、一人じゃ蜥蜴一匹倒せないくせに。お前はまだまだ初心者だよ、テオの前だからって格好付けるんじゃないよ」
「違うわい」
「へー、兄ちゃん赤くなってる」
「煩せー、この野郎」
「野郎じゃないもん、乙女だもん」
兄弟の仲は良い様で、コスモがセチアにからかわれている。
セチアとラックは僕と同い年だ。
カンナが二十三、クロカが十七、コスモが十六、シクラとデイジが十五でデルフィが十四。
カンナが長身でがっしりした体格で、フレイルが良く似合っている。
クロカとコスモは長身だがやや細身、デイジはカンナを一回り小さくした感じで、シクラとデルフィはまだ成長途中なのかやや小柄、セチアとラックは僕よりも少し小さかった。
皆整った顔立ちをしている。
結界を潜ると、ふわっとした感じがして、気が付くと大きな魔法陣の中に立っていた。
「この遺跡って面白のよ。中に入ると、出た時に使った魔法陣まで送ってくれるの」
「だからここは遺跡の六層なの、請け負った仕事は七層の宿屋への物資の輸送だから仕事は直ぐに終わるわ。後は魔石を集めながら古代魔道具を捜すだけなんだけど、今日の目標は九層魔法陣よ」
「陣形組むぞ、気合いれろ」
『おー!』
「カンナさん、扉の外で何かが待ち構えてますよ。息が聞こえます」
「えっ」
「撲耳が良いんです」
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
好感度0になるまで終われません。
チョコパイ
恋愛
土屋千鶴子(享年98歳)
子供や孫、ひ孫に囲まれての大往生。
愛され続けて4度目の転生。
そろそろ……愛されるのに疲れたのですが…
登場人物の好感度0にならない限り終わらない溺愛の日々。
5度目の転生先は娘が遊んでいた乙女ゲームの世界。
いつもと違う展開に今度こそ永久の眠りにつける。
そう信じ、好きなことを、好きなようにやりたい放題…
自覚なし愛され公女と執着一途皇太子のすれ違いラブロマンス。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる