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57 地下遺跡14
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二百人を超える人が”ケンタウロスの尻尾”の奥へと潜って行く。
骨の魚はほぼ狩り尽くしたようで、霊の気配だけが周囲の岩盤の中へと消えて行く。
目的地の昔の町跡には何事も無く辿り着いた。
ほぼ昔の形が残されている宿屋跡の食堂で魔力の結界を張り、食事を摂って仮眠することにした。
「ほう、これは案内図じゃな」
アスピさんが食堂の壁に彫られた地図の痕跡を発見した。
「ピー、残ってる凹凸に応じて明暗を強調してくれないか」
「はい、やってみます」
欠落が激しいものの、壁に古代の地図が浮かび上がった。
「先生、これ全体図じゃないですか。落ちてる破片を拾い集めて修復してみましょうか」
「うむ、これは過去の姿を再現できる貴重な資料じゃ、これで想像だった仮説の立証ができるかもしれん。慎重にな」
「はい」
壁に鳥瞰図が浮かび上がった。
中心に巨大な円形ドームが有り、そのドームを中心として放射線状に道が伸びている。
「神殿都市じゃな。これは船の印じゃから船着き場じゃな。水運都市でもあったようじゃな」
「先生、この門の様式」
「うむ、雑多な文明の様式の門が混在しておるから、民族毎の居住区に別れておったのじゃろ」
「国際都市かのー、悔しいが外敵の侵入説が否定されて、水害説が有力になるかの」
「先生、これは鋳物の工房でしょうか。このテーブルもそうですが、古代文明では我々の認識以上に銅が多く使われていた様に思われます」
「うーむ、鉱毒説かの。確かに町の上流に工房を設置しておるの」
「誇大妄想の世迷言と思っておったが、その可能性も否定できんか」
「ちと頭ごなしに否定し過ぎたかの」
脇で一生懸命明暗を維持しているピーには可哀そうだったが、議論は学者さん達に任せて、僕は少し仮眠をとることにした。
ーーーーー
「ケイノス、早く逃げましょう」
「ファイナ、船着き場は人で溢れて近付けないよ」
「でも急がないと、異世界との穴から霊が襲って来るんでしょ」
「まだ神官様達が礼拝堂に結界を張って支えてくれているよ。それに魔術師達も穴が広がるのを防ごうと頑張っているそうだ」
「ごめんなさいケイナス、私が時神殿にお参りしたいって言い出さなければ」
「君の所為じゃないよ、ファイナ。それにその穴を支え切れなければ、結局この大陸だけじゃなくて、世界が滅びるそうだよ」
「もう私達お終いなのかしら」
「神殿で神官様達が話しているのを聞いたんだけど、異世界との穴は時空を貫いて開いていて、その先端部分を潰さなきゃ駄目なんだそうだよ」
「それって、別の時代の人に頑張って貰わないと駄目ってこと」
「うん、そうらしいよ」
「それなら逃げないで、ここでその人に祈ってましょ」
「うん」
二人が見上げた壁には、極彩色で塗られた地図が彫られており、その中心には金色に輝く時神殿が描かれていた、
”ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。じゃから頑張れ”
ーーーーー
変な夢を見た。
最後の爺さんの笑い声は気になったが、頭から振り払って、大きく伸びをした。
「うーん」
ミントとカシスとファーレとピーが、変な顔をして僕を見詰めていた。
「オーク大丈夫、なんか変な物でも食べたの。光ってたよ」
気を取り直して身体を解す。
「さあ、出発だ」
僕が先頭になって排水溝を進む。
骨の魚は僕の視界に入ると逃げて行き、霊は壁面に入って息を潜める。
殿は霊に襲われている様だが、ミントとカシスを回してあるので大丈夫だろう。
霊の気配の濃い方向へひたすら進んで行くと、排水溝は半分潰れている通路へと繋がっていた。
通路の先には薄く明滅するような、ゲートの光が薄く見えていた。
排水溝から全員が上がったことを確認してから、隊列を整え直す。
通路は巨大なドームに繋がっていた。
崩れた円柱が転がるドームの中心に、直径二メートル程のゲートが浮いて黒い霧の様に魂を吐き出している。
嫌な予感がしたので、全員通路で待機させて、僕が単独でドーム中へ足を踏み入れる。
浮き輪を着けた光石を五十個程投げ入れると、水中の中に眠っていた古代の神殿が全容を現した。
巨大なドームの中心に、円柱で囲まれていたらしい神殿本体のドームが半分崩れた姿を晒していた。
床には細かい文様が描かれたタイルが一面に貼られており、ドームに壁面には、森の中を思わせる木々の彫像が透かし彫りにされていた。
時の女神の彫像なのだろうか、鏡を抱えた女性の裸像が倒れている。
内側の神殿の少し手前だった、悪い予感が当たって、突然巨大な魚の骨の化け物に下から襲われた。
水中を泳いでいる状態で無かったら、たぶん反応出来なかっただろう、床の中から突然襲い掛かって来たのだ。
ぎりぎりでその巨大な鋸の様な歯を躱し、口の中から上顎を蹴り上げた。
動きが止まって一瞬に肋骨から泳ぎ出し、転がっていた一抱え程の円柱を持ち上げ叩き付けた。
背骨が砕け散ったが一瞬で復元して襲い掛かって来た。
魚相手の水中での戦闘は不利なので、魔力の膜で、ドームの四分の一程の大きさの水の無い空間を作り出す。
骨の化け物が床に落下し、叩き付けられる、追撃を加えようと円柱を振り被ったら、床に染み込む様に影に変わってしまった。
影に変わった骨の化物が、飛び上がる様に足元から襲いかかる。
影を叩いても効果が無いし、直下から襲われるので逃げるだけで必死だ。
魔力の膜を解除し、通路へと逃げ出した。
五人程通路から押し流されていたので回収して通路に戻る。
「少し人数が足りないんじゃないか」
「あんたが変な事するから水流が起きて、何人も排水溝へ流されたのよ」
「ごめん」
あの骨の化物を倒さないとゲートは塞げない。
全員が戻るの待って作戦会議を開いた。
通路の前を泳ぎ回り、骨の化物を誘い出す。
襲って来たら、水の無い空間を作り、骨の化物を空中から落下させる。
骨の化物が影に変わって床の中へ消える前に、通路から人がわらわらと走り出てきて、骨を少し削り取ってから、急いで通路へと逃げ帰る。
通路には最初から空気を満たしてあるので、空間を作った時の水圧の変化の影響は受けない。
本体へと逃げ帰ろうとして暴れる切り取った骨は、結界を張った祓いの魔法陣の中へ投げ入れる。
切り取った骨は、暫く魔法陣の中で苦しんで暴れているが、やがて灰に変わって動かなくなる。
地道な人海戦術だが、こちらは頭数が多い、確実に骨の化物を弱めて行った。
ーーーーー
ココロ神殿神官養成校 二年A組 ジョージ
「長丁場になる。最初の三鈴(六時間)は全員戦闘に加わって貰うが、後は班毎に一鈴づつ戦って休養時間や食事時間を確保する。逃げ帰る時は焦らず順番に通路へ戻る様に、休養時間に余計な体力の消耗はしないこと、以上だ」
神官長の号令一下始まった戦闘だが、世界を救う為の化物との戦闘の筈なんだが無茶苦茶地味だ。
神官長が囮になって、俺達が化け物の骨をくすねて来る。
ピクピク動く骨を魔法陣の中に放り込むと、苦しそうに暴れてから、動かなくなって灰になる。
「はい交代、次は四班」
次はまた四鈴後だ、排水溝に飛び込んで汗を流す。
食事をして、後は時間まで寝るだけだ。
「ねえ、ジョージ」
「なんだよ、ニナ」
「神官の資格貰ったら後はどうすの」
「ギルドで仕事貰って金を稼ぐ」
「その後は」
「ニナ、二人で旅をしないか。小さな荷馬車買ってさ。今度の経験で新しい世界が見たくなったんだ」
「ジョージと一緒なら何処でも良いよ。あたいも海が見たいしさ」
「エッチする神官長に怒られるから出来ないけど、キスならいいか」
「うん」
食事の回数から逆算して四日後ぐらいだったと思う。
骨の化物は徐々に縮んで行き、遂に四つにへし折られて魔法陣の中へ放り込まれた。
結界が破れそうな程暴れ回ったが、やがて動かなくなって灰に変わった。
”伝説級、不死の巨魚の討伐に成功しました”
頭の中で十回以上繰り返してファンファーレが響き渡り、身体に力が満ちて来た。
「ジョージ、これなに」
「ニナ、冒険でのレベルアップはこんな感じだって兄貴が言ってた」
神官長が異世界の穴の前に立つと、霊がピタッと入って来なくなった。
何時も神官長の脇にいる女の餓鬼が中心となって、魔術師達が穴の回りに円陣を作り、封印の魔法陣を構築する。
俺達はその外側に円陣を作り、魔法陣に魔力を流し込んでサポートする。
穴が徐々に縮んで行く、穴の封印を妨害しようとしたのだろう、骸骨が穴から這い出ようとしたが、神官長の拳骨を喰らって穴の中へ落ちていった。
そして穴が完全に消滅した、思わず、俺達は右手の拳を突き上げて叫び声を上げてしまった。
「それじゃ帰るぞ」
戻ってステータスを確認したら、俺達全員は神官の資格を得ていた。
それに加えて、異世界の穴の封印の報酬が国から、骨の化物の討伐報酬がギルドから渡された。
数えると、金貨百枚が袋の中に入っていた。
「俺達は東に向かう、ジョージは如何する」
「俺達は南へ行って海を見て来る。達者でなロット、アリサ」
「ああ、お前達もな。ジョージ、ニナ」
「また五年後に会えると良いね、アリサ」
「ええ、絶対に会えるわ。学校の正門前で待ってるわよ」
「じゃっ、五年後」
「ああ、五年後」
俺達は南へ向かう街道をゆっくりと荷車を走らせている。
ニナが隣に座って俺の肩に頭を乗せている。
「ずっと一緒だね。五年後皆と一緒に会おうね」
「ああ、五年後か」
「神官長も来るって言ってたよ」
「ヒュー、男爵様なのにか。まあ、貴族様じゃなくても、約束破ると神官長おっかないからな」
「うん、だから五年後だね」
骨の魚はほぼ狩り尽くしたようで、霊の気配だけが周囲の岩盤の中へと消えて行く。
目的地の昔の町跡には何事も無く辿り着いた。
ほぼ昔の形が残されている宿屋跡の食堂で魔力の結界を張り、食事を摂って仮眠することにした。
「ほう、これは案内図じゃな」
アスピさんが食堂の壁に彫られた地図の痕跡を発見した。
「ピー、残ってる凹凸に応じて明暗を強調してくれないか」
「はい、やってみます」
欠落が激しいものの、壁に古代の地図が浮かび上がった。
「先生、これ全体図じゃないですか。落ちてる破片を拾い集めて修復してみましょうか」
「うむ、これは過去の姿を再現できる貴重な資料じゃ、これで想像だった仮説の立証ができるかもしれん。慎重にな」
「はい」
壁に鳥瞰図が浮かび上がった。
中心に巨大な円形ドームが有り、そのドームを中心として放射線状に道が伸びている。
「神殿都市じゃな。これは船の印じゃから船着き場じゃな。水運都市でもあったようじゃな」
「先生、この門の様式」
「うむ、雑多な文明の様式の門が混在しておるから、民族毎の居住区に別れておったのじゃろ」
「国際都市かのー、悔しいが外敵の侵入説が否定されて、水害説が有力になるかの」
「先生、これは鋳物の工房でしょうか。このテーブルもそうですが、古代文明では我々の認識以上に銅が多く使われていた様に思われます」
「うーむ、鉱毒説かの。確かに町の上流に工房を設置しておるの」
「誇大妄想の世迷言と思っておったが、その可能性も否定できんか」
「ちと頭ごなしに否定し過ぎたかの」
脇で一生懸命明暗を維持しているピーには可哀そうだったが、議論は学者さん達に任せて、僕は少し仮眠をとることにした。
ーーーーー
「ケイノス、早く逃げましょう」
「ファイナ、船着き場は人で溢れて近付けないよ」
「でも急がないと、異世界との穴から霊が襲って来るんでしょ」
「まだ神官様達が礼拝堂に結界を張って支えてくれているよ。それに魔術師達も穴が広がるのを防ごうと頑張っているそうだ」
「ごめんなさいケイナス、私が時神殿にお参りしたいって言い出さなければ」
「君の所為じゃないよ、ファイナ。それにその穴を支え切れなければ、結局この大陸だけじゃなくて、世界が滅びるそうだよ」
「もう私達お終いなのかしら」
「神殿で神官様達が話しているのを聞いたんだけど、異世界との穴は時空を貫いて開いていて、その先端部分を潰さなきゃ駄目なんだそうだよ」
「それって、別の時代の人に頑張って貰わないと駄目ってこと」
「うん、そうらしいよ」
「それなら逃げないで、ここでその人に祈ってましょ」
「うん」
二人が見上げた壁には、極彩色で塗られた地図が彫られており、その中心には金色に輝く時神殿が描かれていた、
”ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。じゃから頑張れ”
ーーーーー
変な夢を見た。
最後の爺さんの笑い声は気になったが、頭から振り払って、大きく伸びをした。
「うーん」
ミントとカシスとファーレとピーが、変な顔をして僕を見詰めていた。
「オーク大丈夫、なんか変な物でも食べたの。光ってたよ」
気を取り直して身体を解す。
「さあ、出発だ」
僕が先頭になって排水溝を進む。
骨の魚は僕の視界に入ると逃げて行き、霊は壁面に入って息を潜める。
殿は霊に襲われている様だが、ミントとカシスを回してあるので大丈夫だろう。
霊の気配の濃い方向へひたすら進んで行くと、排水溝は半分潰れている通路へと繋がっていた。
通路の先には薄く明滅するような、ゲートの光が薄く見えていた。
排水溝から全員が上がったことを確認してから、隊列を整え直す。
通路は巨大なドームに繋がっていた。
崩れた円柱が転がるドームの中心に、直径二メートル程のゲートが浮いて黒い霧の様に魂を吐き出している。
嫌な予感がしたので、全員通路で待機させて、僕が単独でドーム中へ足を踏み入れる。
浮き輪を着けた光石を五十個程投げ入れると、水中の中に眠っていた古代の神殿が全容を現した。
巨大なドームの中心に、円柱で囲まれていたらしい神殿本体のドームが半分崩れた姿を晒していた。
床には細かい文様が描かれたタイルが一面に貼られており、ドームに壁面には、森の中を思わせる木々の彫像が透かし彫りにされていた。
時の女神の彫像なのだろうか、鏡を抱えた女性の裸像が倒れている。
内側の神殿の少し手前だった、悪い予感が当たって、突然巨大な魚の骨の化け物に下から襲われた。
水中を泳いでいる状態で無かったら、たぶん反応出来なかっただろう、床の中から突然襲い掛かって来たのだ。
ぎりぎりでその巨大な鋸の様な歯を躱し、口の中から上顎を蹴り上げた。
動きが止まって一瞬に肋骨から泳ぎ出し、転がっていた一抱え程の円柱を持ち上げ叩き付けた。
背骨が砕け散ったが一瞬で復元して襲い掛かって来た。
魚相手の水中での戦闘は不利なので、魔力の膜で、ドームの四分の一程の大きさの水の無い空間を作り出す。
骨の化け物が床に落下し、叩き付けられる、追撃を加えようと円柱を振り被ったら、床に染み込む様に影に変わってしまった。
影に変わった骨の化物が、飛び上がる様に足元から襲いかかる。
影を叩いても効果が無いし、直下から襲われるので逃げるだけで必死だ。
魔力の膜を解除し、通路へと逃げ出した。
五人程通路から押し流されていたので回収して通路に戻る。
「少し人数が足りないんじゃないか」
「あんたが変な事するから水流が起きて、何人も排水溝へ流されたのよ」
「ごめん」
あの骨の化物を倒さないとゲートは塞げない。
全員が戻るの待って作戦会議を開いた。
通路の前を泳ぎ回り、骨の化物を誘い出す。
襲って来たら、水の無い空間を作り、骨の化物を空中から落下させる。
骨の化物が影に変わって床の中へ消える前に、通路から人がわらわらと走り出てきて、骨を少し削り取ってから、急いで通路へと逃げ帰る。
通路には最初から空気を満たしてあるので、空間を作った時の水圧の変化の影響は受けない。
本体へと逃げ帰ろうとして暴れる切り取った骨は、結界を張った祓いの魔法陣の中へ投げ入れる。
切り取った骨は、暫く魔法陣の中で苦しんで暴れているが、やがて灰に変わって動かなくなる。
地道な人海戦術だが、こちらは頭数が多い、確実に骨の化物を弱めて行った。
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ココロ神殿神官養成校 二年A組 ジョージ
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神官長の号令一下始まった戦闘だが、世界を救う為の化物との戦闘の筈なんだが無茶苦茶地味だ。
神官長が囮になって、俺達が化け物の骨をくすねて来る。
ピクピク動く骨を魔法陣の中に放り込むと、苦しそうに暴れてから、動かなくなって灰になる。
「はい交代、次は四班」
次はまた四鈴後だ、排水溝に飛び込んで汗を流す。
食事をして、後は時間まで寝るだけだ。
「ねえ、ジョージ」
「なんだよ、ニナ」
「神官の資格貰ったら後はどうすの」
「ギルドで仕事貰って金を稼ぐ」
「その後は」
「ニナ、二人で旅をしないか。小さな荷馬車買ってさ。今度の経験で新しい世界が見たくなったんだ」
「ジョージと一緒なら何処でも良いよ。あたいも海が見たいしさ」
「エッチする神官長に怒られるから出来ないけど、キスならいいか」
「うん」
食事の回数から逆算して四日後ぐらいだったと思う。
骨の化物は徐々に縮んで行き、遂に四つにへし折られて魔法陣の中へ放り込まれた。
結界が破れそうな程暴れ回ったが、やがて動かなくなって灰に変わった。
”伝説級、不死の巨魚の討伐に成功しました”
頭の中で十回以上繰り返してファンファーレが響き渡り、身体に力が満ちて来た。
「ジョージ、これなに」
「ニナ、冒険でのレベルアップはこんな感じだって兄貴が言ってた」
神官長が異世界の穴の前に立つと、霊がピタッと入って来なくなった。
何時も神官長の脇にいる女の餓鬼が中心となって、魔術師達が穴の回りに円陣を作り、封印の魔法陣を構築する。
俺達はその外側に円陣を作り、魔法陣に魔力を流し込んでサポートする。
穴が徐々に縮んで行く、穴の封印を妨害しようとしたのだろう、骸骨が穴から這い出ようとしたが、神官長の拳骨を喰らって穴の中へ落ちていった。
そして穴が完全に消滅した、思わず、俺達は右手の拳を突き上げて叫び声を上げてしまった。
「それじゃ帰るぞ」
戻ってステータスを確認したら、俺達全員は神官の資格を得ていた。
それに加えて、異世界の穴の封印の報酬が国から、骨の化物の討伐報酬がギルドから渡された。
数えると、金貨百枚が袋の中に入っていた。
「俺達は東に向かう、ジョージは如何する」
「俺達は南へ行って海を見て来る。達者でなロット、アリサ」
「ああ、お前達もな。ジョージ、ニナ」
「また五年後に会えると良いね、アリサ」
「ええ、絶対に会えるわ。学校の正門前で待ってるわよ」
「じゃっ、五年後」
「ああ、五年後」
俺達は南へ向かう街道をゆっくりと荷車を走らせている。
ニナが隣に座って俺の肩に頭を乗せている。
「ずっと一緒だね。五年後皆と一緒に会おうね」
「ああ、五年後か」
「神官長も来るって言ってたよ」
「ヒュー、男爵様なのにか。まあ、貴族様じゃなくても、約束破ると神官長おっかないからな」
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