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2 町
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周囲の木が少しずつ細くなり、それに合わせて蜥蜴の数も減り始めた。
一日の食い扶持を確保するのに苦労し始めると、突然森が途切れて大規模な木の伐採跡地が目の前に出現した。
伐採地は広く、三キロ四方は有りそうだった。
迂回するとなると相当遠回りになる、枝も細くなって木々の間を渡り難くなっていたので、思い切って地上を横断することにした。
伐採後相当な年数が経過しているようで、地上は草に覆われ、低い灌木も育っている。
比較的草の少ない見通しの良い場所を選んで警戒しながら進む。
木の上からは解らなかったが、伐採地の中央は湿地化しており、少々歩き難い。
「ニャー!」
「仕方ないだろ、上からじゃ解らなかったんだから」
突然草が動いた様に見えた。
草が彩良に襲い掛かったのだ。
我ながらビックリするくらいの反射神経で彩良を抱き上げた。
間一髪、彩良が居た空間を、大きく開かれた鋭い歯が並んだ口が通り過ぎた。
僕は必死で彩良を抱えて走り出した。
すると周囲の草が一斉に動き出して襲って来た。
レベルアップで視力が良くなっているようで、足元の草の動きが良く解る。
動く草の化け物が作る草むらは、自然の草むらに比べて不自然に草が密集している。
その不自然な草むら目掛けて跳び、化け物が口を開く前に踏み付けて足場にする。
泥濘に足を取られるより、足が沈まない分早く走れる。
とっても怖かったが、これは命を賭けたギャンブルだ。
尻尾を振って足に攻撃を仕掛けてくる奴もいたが、転んだら食われるので、必死にバランスを取って走り続ける。
前方に丸太小屋があった。
上からだと草に覆われた小山に見える程草に覆われている。
木のベランダの様な場所に飛び乗った時だった。
踏み台に使った草の化け物が身を翻し、僕の足に噛み付こうした。
必死に足を引いて食い千切られずに済んだのだが、深い傷を負ってしまった。
その草の化け物がベランダに這い登って追い駆けてきたので、彩良を丸太小屋の中へ放り込み、木刀をその化け物の頭らしき場所に叩き付ける。
なかなかしぶとく、何度叩いても動きを止めないで襲って来る。
必死に逃げ回りながら、死にたくないので根性で頑張る。
徐々に動きが鈍って行き、そして化け物は動きを止めた。
怖いので、動きを止めた化け物を、五十発くらい余分に殴っておく。
その場に座り込んで荒い息を整える。
スウェットのズボンの裾は血でぐっしょりと濡れており、確認した傷は自分でもびっくりするくらい深く抉られていた。
「ニャー」
足を押さえて唸っていたら、心配そうな顔をして彩良が傷を舐めてくれた。
少し痛みが和らいだ様に感じたので、傷を確認したら血が止まっていた。
「うん、ありがとう彩良」
気を取り直して動かなくなった草の化け物を確認したら、長さが一メートル半くらいの鰐だった。
擬態なのだろうか、身体の表皮が草と見分けが付かない程、精緻な草状に変化していた。
金色の角は勿論生やしている。
丸太小屋の中は驚く程広く、木のテーブルと木のベンチが並んでいた。
伐採していた時に食堂として使っていたのだろう。
窓もドアも屋根もまだしっかりしていた。
窓には透明なガラス状の板が残っており、割れている物を確認したら硝子より軽く、そして柔らかい感じがした。
小さな厨房もあり、石を積み上げた炉が設けられていた。
調理具は残っていなかったが、木の食器は残されていた。
薪が積まれたまま残っていたので有り難かった。
足の痛みを我慢して屋根に登って周囲を確認する。
三十メートル程離れた場所に、材木の搬出路だろうか、周囲より二メートル程高く土の盛られた路が、正面の森に向かって延びていた。
あの道に沿って進めば、人里に着くに違いない。
だが問題はその三十メートルだ、草に擬態した鰐がうようよしている。
正面の森の上の雲が茜色に染まり始めた、背後の空は深い濃紺へと変り始めている。
取り敢えず正面が西、背後が東と考えることにした。
「彩良、飯食って寝るか」
「ニャー」
食材は勿論草に化けた鰐だ。
石の炉に火を入れて暖を取ながら鰐を捌く。
竹刀削りを使って革を剥いで、肉を削り取って行く。
この数十日、毎日蜥蜴を捌いていたので、すっかり慣れてしまった。
炉の補修用の石が積んであったので、石炉で焼いて肉を乗せる。
岩塩が棚の奥に一欠けら残されていたので、振り掛けて食ってみたら、驚くほど美味かった。
翌朝、僕は身体が震えて止まらなかった。
意識も朦朧としており、鰐に噛まれた傷が原因だろうこと、火を絶やしてはいけないこと、僕が死んだら彩良がこの小屋から出られなくなることのみが、頭の隅で意識できた。
足は腫れ上がっており、傷がジンジンと痛む。
彩良が一生懸命舐めてくれているのが唯一の救いだ。
「ごめんな、彩良」
「ニャー」
必死に起き上がって鰐の肉を食って、その後はひたすら横になって眠る。
眠りが浅いので、火を絶やさずには済んだ。
震えが止まった、怠いがなんとか起き上がれる。
時計の日付をみたら、三日経っていた。
「もう大丈夫だ、彩良。ありがとな」
「ニャー、ニャー」
彩良が嬉しそうに笑っている。
残り少ない鰐の肉を食べ、木の食器を少し貰っておく。
木のテーブルを小屋から引っ張りだし、木材の搬出路に向かって橋を作る。
テーブルは頑丈で重く、体力が回復していない僕は直ぐに息が切れる。
「はー、はー、はー」
「ニャー」
「ああ、大丈夫だ」
無事搬出路に渡る橋が完成。
小屋に宿泊施設が無かったので、人里はここから近いと考えている。
太陽の位置から考えてまだ昼前だ。
僕達は小屋を後にして出発した。
ーーーーー
途中何度か草に化けた鰐に襲われたが、伐採地より小型だったので、奮戦の末撲殺する。
最初の一匹目に襲われた時、鰐に食われるといけないので、彩良はザックに入れて背負っている。
撲殺した鰐は念の為、食糧用として竹刀袋にぶら下げて歩く。
五匹ほど貯まって、少し竹刀袋が肩に食い込み始めた時、道は人や荷車が行き交う広い道に突き当たった。
僕は行き交う人を見て凍りついた。
猫、犬、熊、鼠、鼬、栗鼠、獣人達が大勢歩いていたのだ。
勿論人もいる、だが完全な人は少なく、猫耳や犬耳が生えている。
殆どの人が剣を腰に帯びて武装しており、荷車は大型の鳥が引いている。
服はボタンの無い薄茶色の作務衣の様な服の上に皮のアーマーを装備した姿が多く、僕と同じ様に鰐を背負って歩いている獣人もいる。
だぼっとした茶色のスウェット姿なら、なんとなく周囲と違和感が無かった。
背丈は五十センチくらいから二メート半まで大小ばらばら、やはり熊の獣人が大きく、栗鼠や鼠は小さかった。
猫人と犬人の割合が高そうで、尻尾は残っている。
暫らく歩くと高い塀に囲まれた町が見えて来た。
町へ入るには手続きが必要な様で、検問所に並んでいる。
僕もその列に加わる。
僕の順番が回って来た。
「○×△■○#&%$、○△◇」
「すいません、言葉が解らないんで」
「×□◇△○#$×、&%○△」
さてと、困った。
「ニャニャニャニャン」
「○◆△×$%○◆」
「ニャンニャニャニャニャニャン」
「○△□×○%△」
彩良が突然僕の右肩から身を乗り出し、検問所の犬の兵士に話しかけた。
犬の兵士は頷いており、何だか言葉が通じてるようだ。
銅色の首に掛ける認識札が渡され、無事に通して貰えた。
「ニャンニャン」
町に入ったら、彩良に肩を叩かれ、右前脚で方向を指示された。
兵士から何かを聞き出したようで、道行く人を呼び止め、時々確認している。
辿り着いたのは、使い古した道具や服が並んでいる裏通りの店で、帳場に老猫人が座っていた。
「ニャニャ」
彩良はその老猫人に用事があるようだった。
「ギャギャギャギャ」
「ニャニャニャニャ」
「ギャギャ」
彩良がザックに潜り込んで、蜥蜴の角が入った袋を取り出し、老猫人に渡す。
老猫人が天秤で重さを量り、銀貨五十枚を積んで見せた。
「ニャニャニャニャニャン」
「ギャギャギャ」
「ニャニャニャニャニャニャニャン」
老猫人が溜息を吐いて、銀貨五枚を足す。
商談が成立したようだ。
僕が銀貨を受け取って、彩良がザックから取り出した小銭入れへ仕舞う。
そのまま店を出ようとしたら、彩良に猫パンチされてしまった。
「ニャニャニャニャ!」
彩良が前足で示している方向を見たら、ワンピースとエプロンを組み合わせた、メイド服の様な小さな服がぶら下っていた。
「欲しいのか」
「ニャン」
帳場へ持って行くと、銀貨一枚で買えた。
僕の手から服を奪い取ると、彩良はザックの中へ潜り込み、もぞもぞと動いている。
中で服を着ていたようで、ザックから出ると僕の目の前に立ってくるりと回って見せる。
うん、良く似合っている。
「うん、可愛いよ」
「ニャー」
彩良が二本足でスタスタ歩き始めた。
うん、前から僕は、猫って歩けるんじゃないかと思っていた。
あれ、エプロンの前ポケットに小銭入れが入っている。
「彩良、お財布」
「ニャー!」
怒られてしまった。
うー、彩良に財布の紐を握られてしまった。
一日の食い扶持を確保するのに苦労し始めると、突然森が途切れて大規模な木の伐採跡地が目の前に出現した。
伐採地は広く、三キロ四方は有りそうだった。
迂回するとなると相当遠回りになる、枝も細くなって木々の間を渡り難くなっていたので、思い切って地上を横断することにした。
伐採後相当な年数が経過しているようで、地上は草に覆われ、低い灌木も育っている。
比較的草の少ない見通しの良い場所を選んで警戒しながら進む。
木の上からは解らなかったが、伐採地の中央は湿地化しており、少々歩き難い。
「ニャー!」
「仕方ないだろ、上からじゃ解らなかったんだから」
突然草が動いた様に見えた。
草が彩良に襲い掛かったのだ。
我ながらビックリするくらいの反射神経で彩良を抱き上げた。
間一髪、彩良が居た空間を、大きく開かれた鋭い歯が並んだ口が通り過ぎた。
僕は必死で彩良を抱えて走り出した。
すると周囲の草が一斉に動き出して襲って来た。
レベルアップで視力が良くなっているようで、足元の草の動きが良く解る。
動く草の化け物が作る草むらは、自然の草むらに比べて不自然に草が密集している。
その不自然な草むら目掛けて跳び、化け物が口を開く前に踏み付けて足場にする。
泥濘に足を取られるより、足が沈まない分早く走れる。
とっても怖かったが、これは命を賭けたギャンブルだ。
尻尾を振って足に攻撃を仕掛けてくる奴もいたが、転んだら食われるので、必死にバランスを取って走り続ける。
前方に丸太小屋があった。
上からだと草に覆われた小山に見える程草に覆われている。
木のベランダの様な場所に飛び乗った時だった。
踏み台に使った草の化け物が身を翻し、僕の足に噛み付こうした。
必死に足を引いて食い千切られずに済んだのだが、深い傷を負ってしまった。
その草の化け物がベランダに這い登って追い駆けてきたので、彩良を丸太小屋の中へ放り込み、木刀をその化け物の頭らしき場所に叩き付ける。
なかなかしぶとく、何度叩いても動きを止めないで襲って来る。
必死に逃げ回りながら、死にたくないので根性で頑張る。
徐々に動きが鈍って行き、そして化け物は動きを止めた。
怖いので、動きを止めた化け物を、五十発くらい余分に殴っておく。
その場に座り込んで荒い息を整える。
スウェットのズボンの裾は血でぐっしょりと濡れており、確認した傷は自分でもびっくりするくらい深く抉られていた。
「ニャー」
足を押さえて唸っていたら、心配そうな顔をして彩良が傷を舐めてくれた。
少し痛みが和らいだ様に感じたので、傷を確認したら血が止まっていた。
「うん、ありがとう彩良」
気を取り直して動かなくなった草の化け物を確認したら、長さが一メートル半くらいの鰐だった。
擬態なのだろうか、身体の表皮が草と見分けが付かない程、精緻な草状に変化していた。
金色の角は勿論生やしている。
丸太小屋の中は驚く程広く、木のテーブルと木のベンチが並んでいた。
伐採していた時に食堂として使っていたのだろう。
窓もドアも屋根もまだしっかりしていた。
窓には透明なガラス状の板が残っており、割れている物を確認したら硝子より軽く、そして柔らかい感じがした。
小さな厨房もあり、石を積み上げた炉が設けられていた。
調理具は残っていなかったが、木の食器は残されていた。
薪が積まれたまま残っていたので有り難かった。
足の痛みを我慢して屋根に登って周囲を確認する。
三十メートル程離れた場所に、材木の搬出路だろうか、周囲より二メートル程高く土の盛られた路が、正面の森に向かって延びていた。
あの道に沿って進めば、人里に着くに違いない。
だが問題はその三十メートルだ、草に擬態した鰐がうようよしている。
正面の森の上の雲が茜色に染まり始めた、背後の空は深い濃紺へと変り始めている。
取り敢えず正面が西、背後が東と考えることにした。
「彩良、飯食って寝るか」
「ニャー」
食材は勿論草に化けた鰐だ。
石の炉に火を入れて暖を取ながら鰐を捌く。
竹刀削りを使って革を剥いで、肉を削り取って行く。
この数十日、毎日蜥蜴を捌いていたので、すっかり慣れてしまった。
炉の補修用の石が積んであったので、石炉で焼いて肉を乗せる。
岩塩が棚の奥に一欠けら残されていたので、振り掛けて食ってみたら、驚くほど美味かった。
翌朝、僕は身体が震えて止まらなかった。
意識も朦朧としており、鰐に噛まれた傷が原因だろうこと、火を絶やしてはいけないこと、僕が死んだら彩良がこの小屋から出られなくなることのみが、頭の隅で意識できた。
足は腫れ上がっており、傷がジンジンと痛む。
彩良が一生懸命舐めてくれているのが唯一の救いだ。
「ごめんな、彩良」
「ニャー」
必死に起き上がって鰐の肉を食って、その後はひたすら横になって眠る。
眠りが浅いので、火を絶やさずには済んだ。
震えが止まった、怠いがなんとか起き上がれる。
時計の日付をみたら、三日経っていた。
「もう大丈夫だ、彩良。ありがとな」
「ニャー、ニャー」
彩良が嬉しそうに笑っている。
残り少ない鰐の肉を食べ、木の食器を少し貰っておく。
木のテーブルを小屋から引っ張りだし、木材の搬出路に向かって橋を作る。
テーブルは頑丈で重く、体力が回復していない僕は直ぐに息が切れる。
「はー、はー、はー」
「ニャー」
「ああ、大丈夫だ」
無事搬出路に渡る橋が完成。
小屋に宿泊施設が無かったので、人里はここから近いと考えている。
太陽の位置から考えてまだ昼前だ。
僕達は小屋を後にして出発した。
ーーーーー
途中何度か草に化けた鰐に襲われたが、伐採地より小型だったので、奮戦の末撲殺する。
最初の一匹目に襲われた時、鰐に食われるといけないので、彩良はザックに入れて背負っている。
撲殺した鰐は念の為、食糧用として竹刀袋にぶら下げて歩く。
五匹ほど貯まって、少し竹刀袋が肩に食い込み始めた時、道は人や荷車が行き交う広い道に突き当たった。
僕は行き交う人を見て凍りついた。
猫、犬、熊、鼠、鼬、栗鼠、獣人達が大勢歩いていたのだ。
勿論人もいる、だが完全な人は少なく、猫耳や犬耳が生えている。
殆どの人が剣を腰に帯びて武装しており、荷車は大型の鳥が引いている。
服はボタンの無い薄茶色の作務衣の様な服の上に皮のアーマーを装備した姿が多く、僕と同じ様に鰐を背負って歩いている獣人もいる。
だぼっとした茶色のスウェット姿なら、なんとなく周囲と違和感が無かった。
背丈は五十センチくらいから二メート半まで大小ばらばら、やはり熊の獣人が大きく、栗鼠や鼠は小さかった。
猫人と犬人の割合が高そうで、尻尾は残っている。
暫らく歩くと高い塀に囲まれた町が見えて来た。
町へ入るには手続きが必要な様で、検問所に並んでいる。
僕もその列に加わる。
僕の順番が回って来た。
「○×△■○#&%$、○△◇」
「すいません、言葉が解らないんで」
「×□◇△○#$×、&%○△」
さてと、困った。
「ニャニャニャニャン」
「○◆△×$%○◆」
「ニャンニャニャニャニャニャン」
「○△□×○%△」
彩良が突然僕の右肩から身を乗り出し、検問所の犬の兵士に話しかけた。
犬の兵士は頷いており、何だか言葉が通じてるようだ。
銅色の首に掛ける認識札が渡され、無事に通して貰えた。
「ニャンニャン」
町に入ったら、彩良に肩を叩かれ、右前脚で方向を指示された。
兵士から何かを聞き出したようで、道行く人を呼び止め、時々確認している。
辿り着いたのは、使い古した道具や服が並んでいる裏通りの店で、帳場に老猫人が座っていた。
「ニャニャ」
彩良はその老猫人に用事があるようだった。
「ギャギャギャギャ」
「ニャニャニャニャ」
「ギャギャ」
彩良がザックに潜り込んで、蜥蜴の角が入った袋を取り出し、老猫人に渡す。
老猫人が天秤で重さを量り、銀貨五十枚を積んで見せた。
「ニャニャニャニャニャン」
「ギャギャギャ」
「ニャニャニャニャニャニャニャン」
老猫人が溜息を吐いて、銀貨五枚を足す。
商談が成立したようだ。
僕が銀貨を受け取って、彩良がザックから取り出した小銭入れへ仕舞う。
そのまま店を出ようとしたら、彩良に猫パンチされてしまった。
「ニャニャニャニャ!」
彩良が前足で示している方向を見たら、ワンピースとエプロンを組み合わせた、メイド服の様な小さな服がぶら下っていた。
「欲しいのか」
「ニャン」
帳場へ持って行くと、銀貨一枚で買えた。
僕の手から服を奪い取ると、彩良はザックの中へ潜り込み、もぞもぞと動いている。
中で服を着ていたようで、ザックから出ると僕の目の前に立ってくるりと回って見せる。
うん、良く似合っている。
「うん、可愛いよ」
「ニャー」
彩良が二本足でスタスタ歩き始めた。
うん、前から僕は、猫って歩けるんじゃないかと思っていた。
あれ、エプロンの前ポケットに小銭入れが入っている。
「彩良、お財布」
「ニャー!」
怒られてしまった。
うー、彩良に財布の紐を握られてしまった。
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