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高年期[二学期・前編]
運動会のチーム分けが決まったよー。
しおりを挟む朝にはすっかり熱が下がったらしく4人で仲良く登校。
朝はね、かなり危なかった際どかった!胸まさぐられて下半身弄られて意識が朦朧としてる中ちゃんと抵抗しました。・・・擦り合いで我慢してもらいました。浮気じゃない!ノーカンノーカン!
でもね朝からずぅ~っとしがみつかれ離れなかった。可武伊さんと姉さんに「仲良しね」と言われたが苦笑いで返すしかなかった。ははは。
「じゃあね克典。まだ万全じゃないだろうから無理するなよ。いっちゃんにまこっちゃんも克典の面倒よろしくね?」
「「任せてー!」」
「まぁ朝構ってくれたから我慢してあげるよ。またねー」
はぁ、最後の言葉いらない。蔵本兄弟には伝わってなかったのが幸いかな。
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「薫風くん、やりましたわよー!!!!」
「はっ!?うぐっ・・・!」
放課後、万純くんとクラスの子と少し話していたら急に大声を出して走ってきた陽南さんに思いっきり抱き着かれた。・・・痛いよ陽南さん。
「・・・どうしたの?」
「運動会のチーム分けが決まりましたわよ!」
「!ど、どの組と一緒になったの!?」
「2ーBと3ーDですわ!すみません3ーBを取ろうか悩んだのですが鳥羽さんがいたから辞めましたの。攻略対象者とは一切関わらないようにしましたの。」
「徹底的にしたね・・・あ~、流依兄さんとは別かぁ。」
「すみません。でも、これで高校生らしく運動会を楽しめそうですわ!良い感じにバランス良く均等にチームが別れましたの!」
「・・・そっか。まぁゲームのシナリオ通りとか関係なく楽しんでやった方が良いよね。」
「そうですわ!もう私はヒロインじゃありませんもの!ただの女の子ですわ!」
「!・・・そうだね。ここはゲームの世界であっても僕たちは現実なんだからね。今を楽しまなくちゃね!」
「ふふ!その通りですわ!でも応援合戦は圧勝確実ですけどね!」
「はは!うん、頑張ろう。」
そうだよね。僕たちは前世の記憶があるだけで、ここは現実世界なんだもんね。うん、そう考えれば楽しみだね!
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次の日、いつものように大量にクッキーを焼き、今回は昨日の夜に作ったパウンドケーキを付け足した。マーマレードを使ってオレンジパウンドを作りました。
あ、マーマレードは手作りです。前に大量にミカンが手に入ったとの事でジャムを作ってみたのだ。パンやビスケットに付けて食べれると真菜が喜んでいた。うん喜んでもらえて嬉しいよ。
「・・・薫風くん、なんかまた甘い匂いを漂わせて登校ですか。」
「おはよう万純くん。今回はパウンドケーキを作ってきたよ。・・・ちゃんと万純くんや紫音さんの分もあるよ。」
「やったー!有難う薫風くん!」
「ごきげんようお二方。・・・まぁパウンドケーキですか?」
「オレンジパウンドだけどね。口に合えば良いけど。」
「大丈夫!薫風くんのは安心して口に運べる!美味しいの決まってるから!」
「・・・うん、信頼してくれて有難う。まぁ後で教室で渡すよ。今回は僕の親衛隊の人たちにあげるために作ったものだから。」
「あーあの3年対象のイベントの揉め事だね。・・・ってか!薫風くんの親衛隊は何人いるわけ!?なんか大荷物じゃない?」
そーなんだよね。あの時ざっと見て20人以上はあの場にいたと思うんだよね。まぁ愛翔さんと神泉先輩が大体誰が制裁を下したのか把握してるだろうから全員行き届くかわからないけど作れるだけ作って持ってきたんだよね。
まず風間くんの所へ・・・
「これ、休憩がてら食べて下さい!銀徹さんのも作ったんだ。食べてね。」
「有難う薫風。・・・うん、甘い匂いがするね。クッキーと、パウンドケーキだね。有難う。」
「俺にまで作ってきてもらって悪いな。大切に食べる」
次に愛翔さんの所へ・・・
「愛翔さん!あの、これ作ったんで食べてください!あのイベントの揉め事で助けてもらったので。」
「ああ、薫風有難う。・・・わぁ、久々の薫風の手作りが食べれるよ。あ、これオレンジパウンド?」
「うん!マーマレードを使って焼いたんだ。味見したから大丈夫だと思う。」
「有難う。大事に食べるよ。・・・あ、じゃあ神泉にも作ってくれたのかな?」
「うん。神泉先輩と会えるかな?」
「ああ、今呼んであげるよ。」
間。
「こ、これはっ!・・・え、これ本当にもらって良いのですか?」
「・・・敬語?」
「あの3年対象のイベントの揉め事に関わった人へのお礼だって。・・・多分、薫風が作ったの余るから取り合いが発生しないように取りまとめてね親衛隊長。」
「お任せあれ!・・・クッキーに・・・パウンドケーキ!ああこんな神秘的な物、勿体無くて食べれない・・・!」
「いや、食べてもらえないとカビ生えます。」
「うん、正論だね薫風。あえて突っ込まない薫風のスルー対応。ふふ。」
「・・・いや、突っ込んだ方が良かった?」
「スルーで良いと思うよ。」
うん、なんか僕が作ったお菓子、両手で掲げて目を輝かせて眺めてるんだけど・・・ねぇ、ちゃんと食べてね?物を粗末にしないでね。
そして教室にて。
「おっ美味しいぃ~!!本当に薫風くんって器用だよね!クッキーも相変わらず・・・腹一杯に食べたいくらいだね!」
「ほんと・・・このパウンドケーキ、シットリしていてオレンジの風味が味わえて美味しいですわ。うちのシェフでも、こう味を引き出せないと思いますわぁ。」
「・・・美味しいです薫風さん。私の分まで有難うございます。」
うん、この3人は特別だよ?いつも僕に付き合ってくれて有難うね。
ま、視線は痛いがな。流石にクラス全員に配る程心は広くありません。この3人はいつも有難うという意味も込めてますから。
あ、忘れてた。克典と蔵本兄弟の所へ・・・
「おー薫風の手作りー。」
「「有難うございまっす!早速頂きまーす!」」
「あっ・・・」
その場で袋を引きちぎりクッキーを摘まみ口の中へ。・・・まぁ好きな時に食べてもらっても構わないけど、今すぐ食べるとは思わなかったよ。
「う、うめぇー!!!!薫風センセー天才!?」
「ほんっとウメー!手作り!?え、これ普通に店に売り出されてもおかしくない味だよ!」
「お、有難う。率直な感想をその場で言ってもらえると照れるな。」
「・・・うん、蜂蜜生姜湯もそうだけど、薫風って料理好きだねー。俺なんか面倒で絶対無理だな。むしろ死人がでそー。」
・・・同感。難なく想像できますよ克典。包丁振り回さないでね。
うん、全員に引き渡ったかな?まぁ親衛隊には宣言したからね。拝まないでちゃんと食べてほしいなー。
閑話。
「こ、これが姫の手作りクッキーとパウンドケーキ・・・!」
「高級チョコを使ったクッキーにマイナーなプレーン。そして・・・シットリフワフワのパウンドケーキ・・・はぁ、こんな、こんな~・・・!」
「はいは~い!授業の合間に頂いた姫からのお礼~。ちゃんと受けとったかなー?姫からの伝言。『食べてもらえないとカビ生えますので拝まず胃袋に納めてください。』はい以上!わかったかなぁ~?」
「「「「・・・」」」」
「そ・れ・と~・・・余り物、5袋!さぁ争わない為に~ジャンケン大会を始めま~す!」
「「「「おぉー!!!!」」」」
「はいジャ~ン、ケ~ン・・・」
昼休みのとある一室。校内に怒声が響く程盛り上がり、後に生徒指導に呼ばれてしまったのである・・・。
・・・あ、ちなみに神泉くんはこっそり1袋隠し持ち家でコッソリ頂いてました(笑)正確には余り6袋(笑)
応援ありがとうございます!
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