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幼少期
まさかここで会うとは
しおりを挟む僕は長細い少し丈夫な棒を手に、近くにあった小動物のご飯皿に向かって思いっきり振って叩いた。
予想外に大きな音を立ててしまったので小動物達が怯えてしまった。
ごめんね・・・
「なにやってるのセンパイたち?そこにいるウサギさんがケガしてるのにほったらかしなの?」
「なんだお前は?今年入った年少か?」
「・・・」
あーあーいかにも甘やかされて育ちましたっていう太っちょが8人いますよー
それに比べて3人はスラッとしてて可愛らしい男の子が3人。
あっ男の子に可愛いは禁句かな?
「おっお前は関係ないだろ!さっさとどこか行け!お前もこいつらと痛い目にあわせるぞ」
「あーセンパイ大丈夫です。僕はそこにいるケガしたウサギさんに用があるので。このままじゃ弱って死んでしまうので。」
「なっなっお前ふざけてるのか!?」
ガシャーーーン
「ひっ!?」
「もう一度いいます。僕はそこにいるウサギさんに用があるんです。ケンカはほかのばしょでやってください。」
「「・・・・・・」」
あーこれだからお子さまは・・・
もういいや。固まってるうちにウサギちゃん救出しますか。
スタスタスタ・・・
ガシッ!
「ん!?」
「おっおっお前~~~何様だぁーーー‼」
「・・・」
嗚呼・・・溜め息でそう。
とりあえず哀れみの目で見つめてやる。
「ななななっ何だその目は!?!?」
ん?何故顔を赤らめる?風邪か?体調悪いのか?
「・・・はなしてもらえますかセンパイ?」
「おっお前~この俺を惑わすな~‼」
「・・・は?」
失敬な。
わた・・・僕は君を哀れんでるんですよ?
面倒だなあ~シカトしよう。
バタバタバタ・・・
「何をしてるの~~~!?!?」
あぁ、やっと先生が来たか。遅いなぁ・・・
「ちっ!覚えてろよ平民共!」
うわぁ~お決まり文句吐いて逃げてったよ・・・
「あら?八乙女くん、どうしたの?」
「せんせー、ウサギさんケガしてるのー。」
よし、ブリッ子完璧!
「あらあら!大変~!!」
「天野くんはどうしたの?泣いちゃって・・・」
「えっ・・・!」
へぇ~あの天パくん天野って言うんだ。
・・・ん?何故僕を見る?
あー仕方ないフォローするか。
「すみません。僕がショッキを落としちゃって。そしたらウサギさんビックリしてケガしちゃって、それを見たセンパイがウサギさんがケガしたの見てビックリして泣いたんです。」
・・・苦しい言い訳・・・先生、騙されてお願い!
「あらあら可哀想に・・・天野くん大丈夫よ。ウサギさんは病院に連れて行くから、すぐ元気になるよ!」
「はっはい・・・!」
はぁ~~~~
先生が馬鹿で良かった。
いや、話に乗ってくれただけかな?
よし、帰ろう・・・
ガシッ!
今度は誰!?
「・・・助けてくれてありがとう。」
「・・・いいえ~。あんなのがキゾクとか世も末ですね」
・・・あ。
子供らしくない事言っちゃった・・・
チラッ
ああ・・・唖然としてるよ・・・
「僕・・・かえりたいんですが・・・もうひるやすみおわりますし・・・」
「あっああ・・・すまない。」
パッと手を離してくれた。
よし、帰ろーーー
「俺は二階堂新という。お前は?」
・・・ん?どっかで聞いた名前・・・?
「僕はやおとめかおると言います。」
「そうか。かおる、明日また昼に話をしないか?」
「・・・いえ、けっこうです。すみません、しつれいします」
脱兎のごとく逃げる!
ああああ~~~あれってゲーム攻略対象者じゃん!!!!!
ヤバい!
ヤバすぎる‼
まさか幼稚園で会うなんて‼
しかも二階堂って平民なの?
えっ生徒会長になってたよね!?
しかも貴族しか通えない学校で!
・・・何?今は平民でも将来は貴族になってあの学校でヒロインに会って恋をするの!?
なんか・・・私の知ってるゲームの内容と全く違うんですけど・・・
・・・もしかして私が知らなかっただけ!?
うわぁー前世に戻って確認したい。調べ尽くしたい。
あああぁぁぁぁぁ・・・・
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