R18の乙女ゲーに男として転生したら攻略者たちに好かれてしまいました

やの有麻

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中年期

人気者はつらい

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・・・僕、貴族の変わり者らしい。良い意味で。






事の発端は初めての実習の時だ。



まだ紫音さんにストーカーされてた頃、野外学習の見学にきていた。



3年生がせっせと畑を耕したり肥料を作ったりと作業してる姿を見学して、それをスケッチに書くという課題だ。




・・・ところが皆スケッチすると知らなかったらしく、僕のグループ以外は用紙は有っても書くペンなどの道具を忘れてしまったらしい。




先生も困ってた時に手を差し伸べたのは僕。もっと詳しく言えば僕の執事。


忍者の如く現れ新品の道具を忘れてしまったというクラスの人達に手早く渡していく。

そして道具を入れてる袋には僕の家紋がうっすら印刷されており皆僕を神のように崇めていた・・・



うんざりしながらも執事に感謝の言葉を言うと嬉しそうに微笑んでくれた。うん、お爺ちゃん癒しですわ・・・




どうやら貴族は自分勝手が多いらしく、クラスの為に道具を渡した時点で変わり者という変な名称をつけられました。はい。








それから何かと頼られたり誘われる事が多くなったが僕は基本4人グループを貫いた。


席が近くで知り合った3人だが空気を読むしとにかく優しい。


そして何かに誘われても3人を優先するのでクラスの子は3人を羨ましがっていた。


3人は特に気にする素振りをみせず普通に接してくれるので僕は遠慮なく甘えている。




・・・一応、執事に頼んで僕が席を外した時の3人の行動をみてもらったが僕の陰口を言うわけでもなく、クラスの子に悪口を言われてる感じもなく平和そのものだった。



うん。このA組は常識のある良い子たちばかりらしい。良かった良かった・・・






というわけにもいかず・・・





勉強と実習をメインとしてるこの学校に美化委員や風紀委員というものはない。


ただ学級委員はある。クラスのまとめ役はイベントの時には必要不可欠。


そして推薦され僕が学級委員長に就任。はぁ・・・早速目立ってるよ。



でも、まぁ小学校の頃から学年長やってたから苦にはならないから良いけどね・・・




そしてさらに自分がネイビーブルーの瞳の持ち主というのもバレた。強風によって・・・ね。



そして僕は注目の的。







それから紫音さんのクラスに行けば紫音さんに人だかりが出きるのは必然的・・・



どうしたものかね・・・




御手洗さんは相変わらず盗み見するだけで近寄って来ず、紫音さんの周りは身分しか興味を持たない欲まみれの人達が紫音さんの周りを取り巻かれ進展なし・・・




助け船をだすしかないか。





まず御手洗麗華の情報収集しなくてはね。





「薫風様。こちらです。」

「わざわざ有難う。・・・情報早いね・・・」

「これも執事の仕事ですから。」






優秀過ぎる・・・







え~・・・ほうほう・・・ほうほう・・・






乗馬が得意か・・・確か今週乗馬の訓練があったような・・・




乗馬というか、馬の世話が主な役割だけどね。





「こんにちは紫音さん。」

「あら、ごきげんよう薫風さん。少し失礼致しますわ。」




僕の呼び出しに紫音さんは席を立つ。そして廊下へ出る。




「・・・御手洗さんとお話できましたか?」

「それがなかなか・・・取り巻きがうっとうしくて・・・」





うわぁ~顔を歪ませて嫌そうな顔してる。お疲れ様。




「それで、お話とは?」

「紫音さんは乗馬は得意ですか?」

「そこそこは。どうしてですの?」

「今週、乗馬の時間があります。御手洗さん、乗馬が得意みたいですから、それを切っ掛けに話しかけてみたら良いんじやないかな。」

「そうなのですか!さっそく行動してみますわ!」

「いやいや!乗馬の授業の時にね?早まっては駄目ですよ?」

「あ!そうでしたわ!気が急いでしまいましたわ!」





大丈夫か?まぁ乗馬の時はA組とB組共同でやるから様子を見よう。













そして今日。乗馬の時間がやってきた。





僕はいつもの4人グループで移動。



チラッと紫音さんを見ると相変わらず取り巻きに囲まれていた。


・・・本当に大丈夫か?








おっ、授業が始まると同時に御手洗さんの隣に移動した!



うん偉い偉い!





・・・大丈夫かな?






「どうしたの薫風?」

「ん?あぁ・・・今ね紫音さんが一生懸命友達を作ろうとしてる所なの。」

「あぁ・・・邪答院さんね。初めて会った第一印象はあまり良いものじゃなかったからなぁ・・・薫風の友達と言われなきゃ近寄りたくないタイプだわ。」

「あ~だよね。」






やはり僕の友達も気を使ったみたいだ・・・


ごめんね。




「でも邪答院さんは話せば常識のある優しい人ですから大丈夫だと思いますよ。」

「そうね。私もそう思いますよ。私たちにも全然普通に接してくれましたし。ほんと、薫風くんの周りの人は良い人ばかりですね。」




あら、女子二人にもお墨付きをもらったね。





うん・・・やはり悪役令嬢になるのは高校入ってからかな。やっぱり補正が入らなきゃ悪役にならないんじゃないかな?





うわっ!やっぱゲーム怖ぇ・・・


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