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高年期[一学期編]
文化祭2日目①
しおりを挟む「・・・本当にコレ、着なきゃダメ・・・?」
「・・・ダメだね。」
「ダメですわ。」
「これくらい問題ないわ薫風くん!今日一日頑張ってくださいまし!」
「・・・あー腹が痛い・・・保健室・・・」
「「「「仮病はダメだよ(です)!」」」」
うん・・・僕は確かに和装を着てみたいとは思ったよ。・・・でもトンでもない衣装が用意されているとは思いもよらず・・・物凄い派手な衣装が用意されていた。
ウサ耳は片方が折り曲がっている黒い毛色で、前髪はやはり整えられた。この頭のウサ耳が本当の耳ですよ~と見せかけるように耳を横髪で隠し所々髪を跳ねさせたり山を作ったと弄られました。
服装はもちろん男性物で、近いイメージで言うと成人式に着る和装と歌舞伎衣装を合わせた様な感じで羽織ものが黒く袖丈が女物のように長い。中の着物は白。そして袴が衝撃的だった。白に金箔を散りばめた感じのゴージャス感を漂わせている感じだった。
「・・・何のためにこんな衣装を・・・どんだけ金を使ったんだい?」
「まぁ!・・・そんな野暮な事を聞くのは失礼ですわ。ちゃんと理事長様に許可を得て作りましたのよ。」
「・・・は?あの風間理事長?・・・普通、担任や校長に聞くものでは?」
「理事長様が許可を下せば誰も逆らえませんわ。それに薫風くんが着ると言ったら二つ返事で許可を貰えましたわ。」
このしてやられた感・・・はぁ、まぁこれを着れば大注目の的になるだろうから・・・売上貢献するために頑張りますか。はぁ・・・
髪を整えたり衣装を着せてもらうため女子更衣室の中でやってもらってたが・・・なんともまぁ・・・男子の目が鋭いのなんの。
そんな目を向けるなら僕の代わりにこれを着てくれ・・・
完璧に整えられ自分の姿を鏡で見たら・・・う、うん・・・まぁ似合ってるんじゃない?
前世で着物なんて成人式に着る位だったから男性物でも着たかったんだよね。まぁ、この見てくれなら似合っててもおかしくないか。
・・・あれ僕、いつのまにナルシスト化してる?
もちろん更衣室から廊下に出るとざわめきましたよ。もう昨日と同じ反応するから慣れちゃったよ。早く教室へ行こう。
ガラッ
キャーーーー!!!!
「・・・う、うん・・・薫風くん、似合ってるよ。予想以上だね。」
「クラス長・・・はぁ、誉め言葉として受け止めとくよ。有難う。」
「やりきった感半端ないですわ!」
「はんぱない?」
「達成感の事ですわ!ああ、薫風くんを弄るのは楽しいですわ!」
「こら・・・僕は着せ替え人形じゃないぞ。」
「・・・薫風さん、とても・・・お似合いですわ。昨日のもお似合いでしたが今日のもとても・・・」
「有難う紫音さん。紫音さんも和装ですね。ん?今度は狼かな?可愛いですね。」
「・・・はぁ~~~」
「あ、紫音さん・・・!」
僕は何か失神するような事言った?紫音さんがよろめいた所を隣にいた麗華さんがまた受け止めていた。
「紫音さん紫音さん、しっかりしてくださいまし。・・・八乙女さんがどんなに魅力的でも受け止められなければ紫音さんがそのうち倒れてしまいますわ!」
「はぁ・・・薫風さん・・・なんて魅力的なのかしら・・・はぁ~・・・」
「し、紫音さん!しっかり!」
なんか二人で呟きあってるのですが・・・?ま、まさかのレズ?い、いや・・・そんな事はないよね?悪役令嬢のはずだった紫音さんは二階堂くんの事が好きだったわけだから・・・ね?違うよね?
そしてまた開始の合図が放送で流れた。それと同時に一般客が校門から入ってくる。
・・・ん?なんか人数が昨日より多くないか?
えー和装だからな・・・自分の事を「妾」と呼ぼうか!口調も直して・・・
「さあさあ儂の屋敷へいかがかな~?」
「妾が直に相手してやるぞ?茶でも飲み談笑しようぞ。」
前がクラス長、後が僕。あらかじめ口調を変えようと模索していた。
なんだっけな・・・江戸時代の姫君の口調?確か「のじゃロリ」とか言うものだね。自分の事を「妾」とか「儂」呼びして語尾に「~のじゃ」とか「~だの」とか武将のような、そんな喋り方だっかな。
それをクラス長に話したら喜んでノッてくれた。うん、クラス長のその何でも取り入れられる能力は好ましいよ!
ん?・・・なんか見覚えのある人が・・・?
「そこのお嬢様方!どうじゃ?儂らの屋敷へ遊びに来んかえ?」
「キャッ!あ!昨日のケモミミ喫茶の人・・・!」
「妾と茶を共に飲まんかえ?どうじゃ?」
「・・・キャーーーー!!!!」
OH・・・このキンキン声・・・なんとかならないのかな・・・?
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