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高年期[一学期編]
文化祭最終日①
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ついに文化祭最終日がやってきました!
朝、目を覚まし襲われそうになりながらも何とか逃れ、てか新くんの執事さんが僕の味方をしてくれたので無事に学校にたどり着きました。・・・腰辺りが怠いけど仕方がない。
なんでも昨日僕が思ってた「恩を仇で返す」という言葉を執事さんが新くんにピシャリといい放ち新くんが大人しくなったみたい。・・・執事さん僕の味方をしてくれて有難う。
「薫風・・・いつの間に俺の執事と仲良くなった?」
「主人がわがままだと近くにいる執事は賢く世渡り上手になるんですよ。」
「・・・耳に痛いな。はぁ~そうだな。薫風から求められるよう自分磨きをしよう。」
「・・・素直ですね新先輩。」
「・・・ふふっ。新先輩か。いい響きだな。特別感がある。」
なーんか僕は新くんの何かのスイッチを押してしまったらしい。・・・まぁ自分磨きするって言ってるんだから悪い方へはいかないだろう。
・・・ん?あの門の前にいるのは・・・見知ったシルエットが!
「流依兄さん!」
「・・・あ?」
思わず叫んでしまい新くんの顔から笑顔が消え険しい顔に変わった・・・なんか新くん流依兄さんを敵対してない?何故そんなに目の敵にしてるわけ?
「・・・二階堂くん、体調崩して早退したんだって?・・・大丈夫かい?」
「・・・ああ、薫風が看病してくれたからな。」
「そっか。はぁ・・・僕だってまだ薫風に看病してもらった事ないのに・・・あ。」
「ほぉ~・・・そうなのか。これは良い事を聞いた。」
ん?流依兄さんが気まずそうに手で口を隠しそっぽを向いてしまった。対照的に新くんはニヤニヤ笑ってるんですが・・・?な、なんだろう?今、流依兄さんのフォローをしなきゃならないような感じがする・・・
「流依兄さんはいつも健康だから仕方ないよ。むしろ僕の方が体調崩しちゃって流依兄さんにお世話してもらってるんだ。兄さんのお陰で体調崩しても不安になったりしないんだよ。」
「薫風・・・ああ~完璧すぎるよ、僕の弟は・・・」
あ、流依兄さんに抱き締められた。僕は兄さんが絶対的信頼を寄せてるから安心する。
ベリッ!
「わあっ!?」
「・・・いい加減、互いに兄弟離れしたほうがいいんじゃないか?薫風、教室まで送ってやる。」
「・・・二階堂くん、薫風を離してくれるかな?」
流依兄さんから身体を剥がされ新くんに肩に担がれた!・・・はっ!?え、何この状況?
スタスタ歩く新くんの後ろで真っ黒い笑みを浮かべてる兄さんを見て、少し肝が冷える感覚を味わったよ・・・こ、これ・・・流依兄さんの前で新くんを名前呼びしたらどうなるんだろう?・・・僕まだ死にたくないデス。
なんとか下ろしてもらい。丁重に見送りを断った。流依兄さんは教室までと言って付いてきてくれた。
「・・・昨日はほんと助かった。今度お前が体調崩した時に俺を頼れ。」
「・・・は、はい。」
「・・・夜も、頼まれれば相手するぞ?」
「っ!!!」
み、耳元で囁かないでほしい。なんか悪魔の囁きを聞いた気がする・・・
流依兄さんの周りの気温が低下していくからこれ以上煽るのはやめてほしい!
間。
「やあ薫風くん。昨日は色々と大変だったみたいだね。」
「・・・クラス長、あんた、僕を先輩に売ったなぁ~!!クラス長!僕はあの衣装は断固拒否します!いいよね!?」
教室に入るなりクラス長こと越名くんが話しかけてきた。・・・まったく、悪気のない顔して話しかけてくるんじゃないよ!
「えっ!??それは無理じゃないかなぁ~・・・」
「いや?・・・僕の意見は通るよねぇ~?君の独断の駆け引きに僕は巻き込まれたんだよ~?」
「・・・薫風?今日はどんな衣装を着るんだい?」
「流依兄さん・・・今日は最終日という事で、僕は女装する事になってるんだ・・・」
「・・・へぇ?それは聞き捨てにならないかな。」
おっ!兄さんも一緒に講義してくれるかな?
「えっ・・・や、八乙女先輩!?」
「ちょっと見せてくれる?これは兄として、ちょっと心配だからね。」
「え、兄さん!?」
なんか僕が思ってた展開と違う・・・?
何故か流依兄さんが更衣室に入っていったし・・・あ、あれ?兄さん、僕の味方してくれるんじゃ・・・?
「これはもう薫風が試着済みなのかい?」
「勿論です。ウィッグを着けますので薫風くんと親しい人以外は薫風くんの事を気付かないと思います。」
「・・・うーん、僕も見てみたいな・・・」
「えっ!?に、兄さん!?ちょっと待って!今日くらい僕、兄さんと他のクラスを見回りたい!」
「ん?・・・あーそうだね・・・じゃあ越名くんだっけ?そこは調整してくれるかな?僕も薫風と見回りたいからさ。」
「勿論です!薫風くんは今日は宣伝してくれれば良いよ!」
「そうですわ薫風さん。強靭なナイト様がいれば安心して衣装を完璧に着飾ってみせますわ!」
「え、紫音さんまで・・・」
はい詰みましたー。ここには僕の味方は誰もいないみたいです。
そして流依兄さんは自分の教室へと帰っていき、僕は泣く泣く女子更衣室で着せ替え人形にされました・・・
*********
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朝、目を覚まし襲われそうになりながらも何とか逃れ、てか新くんの執事さんが僕の味方をしてくれたので無事に学校にたどり着きました。・・・腰辺りが怠いけど仕方がない。
なんでも昨日僕が思ってた「恩を仇で返す」という言葉を執事さんが新くんにピシャリといい放ち新くんが大人しくなったみたい。・・・執事さん僕の味方をしてくれて有難う。
「薫風・・・いつの間に俺の執事と仲良くなった?」
「主人がわがままだと近くにいる執事は賢く世渡り上手になるんですよ。」
「・・・耳に痛いな。はぁ~そうだな。薫風から求められるよう自分磨きをしよう。」
「・・・素直ですね新先輩。」
「・・・ふふっ。新先輩か。いい響きだな。特別感がある。」
なーんか僕は新くんの何かのスイッチを押してしまったらしい。・・・まぁ自分磨きするって言ってるんだから悪い方へはいかないだろう。
・・・ん?あの門の前にいるのは・・・見知ったシルエットが!
「流依兄さん!」
「・・・あ?」
思わず叫んでしまい新くんの顔から笑顔が消え険しい顔に変わった・・・なんか新くん流依兄さんを敵対してない?何故そんなに目の敵にしてるわけ?
「・・・二階堂くん、体調崩して早退したんだって?・・・大丈夫かい?」
「・・・ああ、薫風が看病してくれたからな。」
「そっか。はぁ・・・僕だってまだ薫風に看病してもらった事ないのに・・・あ。」
「ほぉ~・・・そうなのか。これは良い事を聞いた。」
ん?流依兄さんが気まずそうに手で口を隠しそっぽを向いてしまった。対照的に新くんはニヤニヤ笑ってるんですが・・・?な、なんだろう?今、流依兄さんのフォローをしなきゃならないような感じがする・・・
「流依兄さんはいつも健康だから仕方ないよ。むしろ僕の方が体調崩しちゃって流依兄さんにお世話してもらってるんだ。兄さんのお陰で体調崩しても不安になったりしないんだよ。」
「薫風・・・ああ~完璧すぎるよ、僕の弟は・・・」
あ、流依兄さんに抱き締められた。僕は兄さんが絶対的信頼を寄せてるから安心する。
ベリッ!
「わあっ!?」
「・・・いい加減、互いに兄弟離れしたほうがいいんじゃないか?薫風、教室まで送ってやる。」
「・・・二階堂くん、薫風を離してくれるかな?」
流依兄さんから身体を剥がされ新くんに肩に担がれた!・・・はっ!?え、何この状況?
スタスタ歩く新くんの後ろで真っ黒い笑みを浮かべてる兄さんを見て、少し肝が冷える感覚を味わったよ・・・こ、これ・・・流依兄さんの前で新くんを名前呼びしたらどうなるんだろう?・・・僕まだ死にたくないデス。
なんとか下ろしてもらい。丁重に見送りを断った。流依兄さんは教室までと言って付いてきてくれた。
「・・・昨日はほんと助かった。今度お前が体調崩した時に俺を頼れ。」
「・・・は、はい。」
「・・・夜も、頼まれれば相手するぞ?」
「っ!!!」
み、耳元で囁かないでほしい。なんか悪魔の囁きを聞いた気がする・・・
流依兄さんの周りの気温が低下していくからこれ以上煽るのはやめてほしい!
間。
「やあ薫風くん。昨日は色々と大変だったみたいだね。」
「・・・クラス長、あんた、僕を先輩に売ったなぁ~!!クラス長!僕はあの衣装は断固拒否します!いいよね!?」
教室に入るなりクラス長こと越名くんが話しかけてきた。・・・まったく、悪気のない顔して話しかけてくるんじゃないよ!
「えっ!??それは無理じゃないかなぁ~・・・」
「いや?・・・僕の意見は通るよねぇ~?君の独断の駆け引きに僕は巻き込まれたんだよ~?」
「・・・薫風?今日はどんな衣装を着るんだい?」
「流依兄さん・・・今日は最終日という事で、僕は女装する事になってるんだ・・・」
「・・・へぇ?それは聞き捨てにならないかな。」
おっ!兄さんも一緒に講義してくれるかな?
「えっ・・・や、八乙女先輩!?」
「ちょっと見せてくれる?これは兄として、ちょっと心配だからね。」
「え、兄さん!?」
なんか僕が思ってた展開と違う・・・?
何故か流依兄さんが更衣室に入っていったし・・・あ、あれ?兄さん、僕の味方してくれるんじゃ・・・?
「これはもう薫風が試着済みなのかい?」
「勿論です。ウィッグを着けますので薫風くんと親しい人以外は薫風くんの事を気付かないと思います。」
「・・・うーん、僕も見てみたいな・・・」
「えっ!?に、兄さん!?ちょっと待って!今日くらい僕、兄さんと他のクラスを見回りたい!」
「ん?・・・あーそうだね・・・じゃあ越名くんだっけ?そこは調整してくれるかな?僕も薫風と見回りたいからさ。」
「勿論です!薫風くんは今日は宣伝してくれれば良いよ!」
「そうですわ薫風さん。強靭なナイト様がいれば安心して衣装を完璧に着飾ってみせますわ!」
「え、紫音さんまで・・・」
はい詰みましたー。ここには僕の味方は誰もいないみたいです。
そして流依兄さんは自分の教室へと帰っていき、僕は泣く泣く女子更衣室で着せ替え人形にされました・・・
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