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高年期[一学期編]

イベント・・・だよね?あれー?

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神泉先輩にクッキーを渡したのちに、今度は猫屋敷先輩?のクラス2ーBへ。




「こんにちは。猫屋敷先輩はいらっしゃいますか。」

「おあっ!?八乙女兄弟だ!・・・猫屋敷?あーネコは屋上の更に上で寝てるよ。」






屋上の更に上?ああ、察し。






とりあえず、話しかけた先輩にお礼を言って屋上へ。もうすぐ休憩が終わる時間のせいか生徒はパラパラとしかいなかった。




屋上の更に上。小さな建物の屋根に寝てるんだろうなぁ~・・・名前通りかっ!




梯子を登り上に行くと案の定・・・大男が仰向けで寝てました。ブレザーを丸めて枕にしてブラウス越しでもわかる胸板が素晴らしいです。





「・・・お休みのところ、すみません。猫屋敷先輩ですか?」

「・・・」





あれ?反応が・・・梯子から登ってきた兄さんに目をやると呆れた様な苦笑いを浮かべていた。




「メモ帳持ってるから一言書いて置いて行こうか。」

「相変わらず兄さんは準備が良いね・・・有難う。使わせてもらうね。」





「猫屋敷先輩へ

  文化祭の時はご迷惑をおかけしました。
  僕を拐った犯人を捕らえて頂き感謝します。
  ほんのお礼です。食べてください。

  八乙女薫風。」




うん、こんなもんだろう。クッキー食べて貰えるかな?




とりあえず、クッキーを近くに置いてその場を離れた。・・・あれ?ってかあの人まだ寝てるけど午後の授業間に合うの?









そして兄さんに教室まで送ってもらい別れた。






・・・チャイムがなり席に着く。すると担任の先生が教壇に立ち何も言わずソワソワしだした。・・・なんだ?







『あー・・・緊急放送。緊急放送。・・・1ーA、八乙女薫風。同じく、花塚陽南。そして1ーC、鳳克典。今すぐ理事長室へ来て下さい。』







・・・は?何故?





あ、察し。何故か陽南さんがこちらを目を爛々と輝かして見てるし。






イベントが発生したらしい。・・・あれ?でも何故3人が理事長室に呼ばれた?







「かおる~・・・なんか呼ばれたね。一緒に行こ~。」

「あぁ克典。うん、行こうか・・・はぁ。」







フラグ通り僕は王か姫に選ばれたらしい。・・・なんでだよっ!











「よく来たね鳳くんに花塚さん。それに薫風も・・・」

「・・・あの時はどうもご迷惑をおかけしました。」

「大丈夫だよ。・・・さて、何故ここに呼ばれたのか説明するね。・・・まず、君たち3人には説明を聞いてから逃げてもらうよ。」

「「「は?」」」





なんか変な組み合わせだけど3人でハモったよ?




・・・あれ?イベントだよね?・・・ん~、ゲームと違う?それともイベントじゃない?







「14時~17時の3時間の間。君たちはこの学校内で生徒から逃げ回ってもらう・・・・・・・・。・・・ああ、ちゃんと説明するから、男子2人、そんな面倒くさそうな顔をしないで?」





いや、なるでしょ普通。逃げ回る?バトロアじゃないの?






「あと30分後に開催されるよ。ちゃんと説明を聞いて?これは毎年開催されている行事イベントでね、学年で人気のある人が選ばれるんだけど、1年で3人が特に人気があるから決まったんだよ。ああ、簡単に言えば鬼ごっこの様なものだよ。とにかく逃げてね。・・・ちゃんと味方はいるよ。1年生全員が君たちの味方だよ。敵は2年生と3年生、あと教師たちも敵に回るよ。私と五十嵐秘書は仲介。どちらにもつかないから私たちに頼らないでね。」

「・・・どっから突っ込んだらよいのやら。・・・えーこれは強制ですか?」

「うん、強制だよ薫風。・・・ちゃんと褒美はあるよ。もし逃げ切った君たち1年生には・・・なんと秋にある修学旅行の行き場所を選べる権利が手に入ります!」

「「!!」」






マジか!凄く魅力的なんですが!・・・おっ、克典も少しやる気が起きたかな?





「・・・でも、もし捕まったら・・・その捕まった人に1日、主人と執事になってもらいます。」

「「「・・・は?」」」






ナニソレ?主人と執事?・・・あぁナール。確かにゲームの時でも「捕まったら、その人の言うことを1日聞くこと。」ってあったな。・・・それが主人と執事って枠に嵌まるのか。ナールホド。








「・・・執事は主人に絶対服従だからね。君たちの誰かを捕まえた人は、その人を1日中言うことを聞かせられる権利がもらえるんだ。だから1年で特に人気者の人が選ばれるんだ。そうでもしなきゃやる気が起きないからね。」

「風間理事長・・・その、言うことを聞く・・・というのは何でもですか?」

「そうだよ鳳くん。食事から風呂まで何でも、ね。デートしたりしてもいいし、ゆっくり2人で過ごしたりできるんだよ。・・・勿論夜も、ね。執事は主人に絶対服従だから言うことを聞いてもらうよ。・・・もし、そんな事したくなければ3時間逃げ切るんだね。」

「・・・不利すぎますわ。無理があります。」

「勿論、逃げる側は不利だね。だから、3人全員が捕まえられなければ成立しないよ。鳳くんと花塚さんが捕まっても薫風が逃げ切れば1年の勝ち。皆捕まったら負け。簡単でしょ?」

「「「・・・」」」







・・・これ、バトロアじゃないじゃん!逃走中だよ!絶対死ぬ!超難易度の高い脱出ゲームの感覚なんですが!




あ、2人も同意見みたい。しかもぶっつけ本番。グロッキーなんですが。・・・誰か変わって?僕が代わりに守ってあげるから。






「そうそう!2、3年には手錠を渡してるからね。ネーム入りの。」

「「「・・・はぁ?」」」

「手錠で繋がれ初めて捕まった状況になるからねー。護身用に投げ技程度ならやり返しても問題ないからね。とにかく手錠に繋がられたらおしまいだよ。頑張ってねー」

「「「・・・」」」





へぇー・・・テジョウなんかこの世界にあったんだねー・・・もしかしてムチや木馬とかあるのかなー?・・・僕、そっちはお断りだよ?
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