R18の乙女ゲーに男として転生したら攻略者たちに好かれてしまいました

やの有麻

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高年期[一学期編]

おうっ・・・予想外な展開へ

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ん・・・んんっ!?く、苦しい・・・あれ?なーんかこの感覚に覚えが・・・?






「お目覚めですかマイハニー?」

「・・・和彦さん、朝口を塞ぐのはやめてください・・・!」

「だって薫風が可愛いんだもん。」

「そーゆうこといっ・・・んぐっ!」





だもん。じゃーないでしょ?窒息死するわっ!・・・そうだった風間くんより早く起きないとずぅ~っとしつこくチューされるんだった・・・





コンコンと扉からノックする音が聞こえてきた。




「和彦様、そろそろ朝食を。八乙女様が学校に間に合わなくなってしまいます。」

「ああ、わかったよ。薫風も起きたようだし、行くよ。」






扉の向こうから渋い男性の声が聞こえてきた。・・・名前に様付けってことは風間くんの執事さんだろう。



ベットから起き上がりバスローブを借りて風間くんに促されながら一室へと行く。




そこには豪華な朝食と一人の執事服をピシッと着ている男性が立っていた。





「お早う御座います。和彦様、八乙女様。お座りになってお好きな物をお召し上がり下さいませ。」





執事さんの完璧な動作に戸惑いながらも椅子に座るよう促され「有難うございます」とお礼を言いつつ座らせてもらった。・・・すると一瞬驚いた顔をされたが、すぐに柔らかな笑みを浮かべられ「どういたしまして」と返事が返ってきた。




朝食はどれも美味しかった。退出する時も一言お礼を言って出ていく。





「ふふっ・・・薫風は律儀だね。」

「・・・挨拶や礼は当たり前です。」

「そうだね。珍しく私の執事が機嫌良かったから気に入られたみたいだよ。」

「えっ、そうなんですか?」

「そうだよ。」





さ、さいですか。・・・まあ人に好かれる事は良い事だよね。うん。





それから制服を受け取り着替えて風間くんと一緒に学校へ行く。・・・すると校門の前に銀徹さんが立っていた。






「風間・・・お前、また・・・」

「やあ、おはよう五十嵐。昨日はお疲れ様。」

「・・・薫風はお前の恋人じゃないだろ。そんな拘束するのはどうかと思う。」

「薫風は私の恋人の様な存在さ。それに・・・」






2人で話を始めてしまった。蚊帳の外の状態になったので2人をほっといて教室へ行く。







「あ、薫風くん来たね。おはよう。」

「おはよう万純くん。」

「ん~・・・特別感!嬉しいね!あ、そうそう、朝早くに生徒会の子鷹狩先輩が君宛に手紙を預かったよ。」

「ん。有難う。」





子鷹狩くんからの手紙かぁ・・・もっぱらあの逃走中の褒美の事だだろうな・・・






「・・・越名さん、いつの間に薫風さんと親しく・・・?」

「親しいのは入学して間もなくだよ。昨日やっと僕を親友と認めてくれたみたいなんだ!」

「そうですの。・・・なんだかオチオチしておられませんわね・・・」

「いやいや!紫音さんは中学の時から親しい間柄なんだよね?僕は紫音さんを越えられないよ~!」

「そ、そう思いますか?なんだか最近薫風さんがそっけないような・・・」

「あ~薫風くんは今一杯一杯なんだと思うよ?だって・・・いろいろと事件起きたでしょ?それに必ずと言っていい程薫風が巻き込まれてるじゃないか。・・・何度か休んでるしね。」

「・・・そうですわね。学校にいる間は気が気じゃありませんね・・・何かお役に立てれば良いのですが・・・」

「うん!その気持ちだけで十分じゃないかな!その率直な気持ちを薫風くんに伝えるといいよ!」

「そ、そうですわね!流石クラス長ですわね。」

「どんどん誉めてぇ~!誉められて伸びる性格だからさぁ!」






僕が席に着き授業の準備をしていると2人がぼそぼそと話していた。なんだろう?・・・ん?紫音さんがこちらに来たな。どうしたんだ?





「薫風さん!いつも忙しそうですが、何かお役にたてる事がありましたら遠慮なくご相談くださいね!」

「あ、ありがとう紫音さん。そんな、いつもノートを録ってくれたり色々と迷惑かけてるのに・・・いつも心配してくれて有難うね紫音さん。」

「!い、いえ!そんな些細な事!いつだってやりますわ!」

「紫音さん、健気だなぁ・・・」





なにかボソリと万純くんから聞こえたが?なんだ・・・?






「とりあえず手紙の内容はなんだったんだい?」

「ああ・・・そういえばまだ読んでないな・・・開けてみるよ。」






封筒を切り手紙を読み始める。・・・ざっと読んでこんな感じだ。





・髪の毛を整えてメイド服で子鷹狩家に赴く。
・一日中「爛様」と呼ぶ。
・言われた事、命令された事に否定はしないこと。
・食事は薫風が食べさせること。





・・・








ナニコレ?







「まぁ、メイド服ですか・・・執事服ではなく?」

「メイド服って書いてあるねぇ・・・女装、だね。」

「「「女装ですかっ!」」」

「「っ!!?」」





読んで呆気にとられてる所に紫音さんと万純くんが覗き混んできてボソッとメイド服の文字を読み口にしたところ・・・




そして何故か文化祭の時に衣装係だった人が「女装」というその言葉を拾ったらしく反応してきた!




な、何か嫌な予感が・・・


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