アポカリプスな時代はマイペースな俺に合っていたらしい

黒城白爵

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第一章

第三十九話 名前のイメージって強い

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 ◆◇◆◇◆◇


 帰りの道中で上がった高速にて、休憩のためにサービスエリアに立ち寄った。
 往路では一気に移動したため使わなかったが、今は運転疲れと戦いの疲れもあるため寄ることにした次第だ。
 冷凍トラックから降りた後、自作グレイヴをすぐに手に取れる位置に立て掛けたままスマホで調べ物をする。
 検索するのはゲートとボスモンスターについてだ。

 廃墟と化したサービスエリアの敷地の外では、人間大サイズの猿系モンスター達が此方の様子を窺っている。
 モンスター達は元々サービスエリア内にいたが、俺達がやってくると一目散に逃げていった。
 臆病な性格か、彼我の力の差が分かるほどに気配を読む能力に優れているかのどちらかだろう。
 少し待っても襲ってくる気配がないので、ソフィアはつい先ほどお手洗いにいった。
 水が通っていることは安全確認も兼ねて使用前に一緒に確認済みだ。


「現在のゲートは三種類。ボスモンスターが現れるのはその内の二つだけか」


 どうやら、どの種類のゲートも空間の亀裂が放つ光の色によって一目で判別することができるようだ。
 世界変革から四ヶ月経った現時点では、全てのゲートは三種類に分けられるらしい。

 今日遭遇した〈黄色〉のゲートは、ゲート関連の情報サイトによれば、世界変革から三ヶ月経ってから出現し出したゲートとのこと。
 出現時に掃き出された第一陣のモンスター達を率いるのが、その黄色ゲートのボスモンスターになる。
 状況からして、今日の黄色ゲートだと黒ミノタウルスがボスモンスターに該当するのは間違いないだろう。
 その第一陣以降、定期的にボスモンスターを除いたそのゲートのモンスター達の中からランダムで掃き出され続ける。
 なお、一度掃き出し終えるごとに亀裂が閉じられるーー消滅時とは様子が違うらしいーーが、その潜伏状態から再び亀裂が開かれる際の場所は以前の場所と同じなんだそうだ。
 ボスモンスターを倒すまでモンスターが放たれ続けるため、情報サイトでは黄色ゲートは〈モンスター生成ゲート〉と呼称されていた。

 最も目撃情報が多いゲートは、世界変革と同時に出現した〈青色〉のゲートだ。
 まぁ、これは世界変革を引き起こした存在そのものだと言えるのと、日々人間の数が減っているため世界変革時からある青色ゲートの目撃例が一番多くなるのは当然だろう。
 現在でも一番目撃されているようだが、この青色ゲートからはボスモンスターは出現せず、一度モンスターを掃き出し終えたら消滅するため、青色ゲートは〈一般ゲート〉と呼称されている。

 最後の三つ目が〈赤色〉のゲートで、青色にボスモンスターを加えただけのゲートだ。
 世界変革から一ヶ月経過したあたりから存在が確認されているらしく、呼称はそのまま〈ボスゲート〉。

 脅威度でいえば、青→赤→黄と上がっていき、これは出現が確認された順番と同じだった。
 最新の青色の世界変革日を起点とすると、赤色と黄色の出現時期はそれぞれ一ヶ月と三ヶ月。
 この新ゲートの出現間隔からすると、まだ新しいタイプのゲートが出現するのは一ヶ月後か二ヶ月後あたりだろう。


「次は何色かな……」

「お兄さん、何を見ているんデスカ?」

「ゲートとボスモンスターについて」

「私のためデス?」

「今後のためにな」

「つれないですネー。私にも分かったことを教えてくだサイ」

「いいぞ」


 三種類のゲートについて教えた後、赤色ゲートと黄色ゲートから出現するボスモンスターについての話になった。


「まだ情報自体が少ないが、ボスモンスターはそのゲートのボス以外のモンスター達の中で、最も強い種族の上位種っぽい見た目であることが多いみたいだな」

「戦っている最中に開かれた時に現れたのはミノタウルスでしたケド、場所的にクリムゾンブルも黄色ゲートから出てきたモンスターですよネ?」

「たぶんな。同じ牛タイプだし」


 各色のゲートから出現モンスターだが、大体似たような種族や見た目のモンスターで統一されているらしい。
 まぁ、あくまでも似たような、だが。


「だからミノタウルスの上位種っぽい見た目の黒いミノタウルスがボスモンスターなんですネ」

「そういうことなんだろうな。んで、そのボスモンスターを倒した際に稀に手に入るのがボスアイテムだ。ゲートの情報サイトでは〈アーティファクト〉と呼ばれていたな」

「アーティファクト……ボスアイテムよりもなんか特別感がありマス。今後そう呼びまショウ」

「まぁ、俺はどっちでもいいから構わないけど」


 姿を変える機能もあるのか、戦闘時のちょっとゴツい金属質な籠手姿からスタイリッシュな革手袋姿に変わっていた。
 なんとなく籠手が強制装着されている時に着けていた革手袋に似ている気がする。
 元々着けていた革手袋が消滅していたので、もしかして取り込んだことによって姿を変えられるようになったのだろうか?
 普段から身に付けるには籠手は邪魔だったが、この革手袋は着け心地も良く、何故か蒸れないし通気性も良いという謎素材なので非常に有り難い。

 〈放電〉〈雷光〉〈雷拳〉と名付けた三つの能力は籠手形態でないと使えないが、〈銀雷生成〉と〈雷電無効化〉の二つの能力は革手袋形態でも使える。
 〈銀雷生成〉だけだと小規模の銀雷しか使えないが、〈放電〉〈雷光〉〈雷拳〉のザ・殲滅能力な三つよりも扱いやすい。


「近場でボスモンスターの目撃情報ってありましたカ?」

「見当たらなかったな」


 金色のエングレービングが施された黒の革手袋の指先から、銀色の電気をパリパリッと空中に放出しながら答える。
 ソフィアの謎金属製インナーと謎金属で補強した刀の電気抵抗を大きく上げているため、近くで銀雷を使っても問題はない。


「私もパリパリしたいデス……」

「まさか貸し出すことも出来ないとは思わなかったな」


 試しにこのアーティファクトをソフィアに貸し出してみたのだが、彼女が装着しようとした瞬間、突如としてアーティファクトが姿を消し、いつの間にか俺の手に装着されていた。
 この謎現象が、アーティファクトが帰属やら専用アイテムと言われる理由なのだろう。


「ま、今後出現するゲートに期待だな」

「一般の人には聞かせられない発言ですネ」

「確かにな。さて、そろそろ出発するか」

「ハイ。帰りまショウ。私達の愛の巣へ!」

「そんな事実はありません」


 何度目か分からないやり取りを済ませると、廃墟となったサービスエリアを後にした。



 
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