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身代わり花嫁と軍服のこじれた初恋
四十七話『昼下がりの』
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「皮がパリパリで美味しい」
河原で塩焼きを買い、ベンチで食べた。
「たしかに美味い」
「鏡弥さんは鮎、好きですか」
「まあ、実家で夏には食べたな」
「じゃあ、今度作りますね」
鮎なら帝都でも手に入る。二人で塩焼きを食べ、色々と話した。
「次はどこに行きましょうか」
「小説の舞台は?他はないか」
「なら、もう一つだけ」
そこは断崖絶壁だった。
「なぁ、これって推理小説とかで、追い込まれた犯人が自白する」
「違います。これも、恋愛小説の泣ける場所なんです。初恋の人を病気で亡くして、師匠を亡くした舞妓が心病んで身を投げようとして。新たな恋人となる貴族の若様に救われるんです」
一見、悲劇にしか思えない舞妓の悲恋が、再び激しい情愛になる物語。
「なるほど、貴族の若様ね」
「読んでると、ちょっと鏡弥さんに似てますよ。優しくて賢くて、一途で―――」
「一途か」
自分の清華への愛情は、一途などという美しいものではない。
(ドロドロの嫉妬と独占欲の塊であるオレを、清華は一途な愛情だと言った)
「一途なのは、君だ」
え?
清華が振り返る。
「君はオレを美化し過ぎだ。オレはそんなに、きれいな心じゃない」
「そうですか?十年以上も、私が生きてることを信じて、探してくれたんですよね」
「まあ、な」
「なら一途ですよ、普通は死んだと言われた時点で諦めて、何年後かには別の人と結婚します」
諦めたくなかった。もう一度、この腕に清華を抱きたかった。
「そんな、きれいな気持ちじゃない。分かってるだろ」
意地悪く笑う鏡弥に、褥での彼が重なる。
「ば、ばか」
「なぁ、そんなにきれいな気持ちじゃない。オレは」
「だ、だめで・・んっ」
「清華」
「だめぇ」
人が来るから、と清華は涙目で訴える。
「宿に戻るか?夕食まで三時間以上あるが」
「はぁ」
清華は小さく頷いた。
(宿に戻ればどうなるか、分かりきっているのに。私はまた、流されてしまった)
「やだぁ」
夕暮れ時、清華は何度目かの絶頂を迎えた。
「清華」
「んぅ」
膝が震える。
「だめ、も・・無理ぃ」
足を開かされ、さらに深い場所に挿れられる。
「だめ、また――イッ」
あ―――――
ガクガクと、体が震える。
「やだ、もやだぁ」
「清華」
鏡弥の動きが止まり、項や背中に口付けられる。
ズリュと引き抜かれ、清華は気を失った。
(気づけば、体は綺麗に拭かれて、服も直されていた)
「もうすぐ、夕食だってさ」
「・・・どのくらい、寝てましたか」
「一時間かな?キツかったか」
膝枕で寝ている自分に頬が熱くなりながら、清華は首筋まで紅くなるのだった。
河原で塩焼きを買い、ベンチで食べた。
「たしかに美味い」
「鏡弥さんは鮎、好きですか」
「まあ、実家で夏には食べたな」
「じゃあ、今度作りますね」
鮎なら帝都でも手に入る。二人で塩焼きを食べ、色々と話した。
「次はどこに行きましょうか」
「小説の舞台は?他はないか」
「なら、もう一つだけ」
そこは断崖絶壁だった。
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「違います。これも、恋愛小説の泣ける場所なんです。初恋の人を病気で亡くして、師匠を亡くした舞妓が心病んで身を投げようとして。新たな恋人となる貴族の若様に救われるんです」
一見、悲劇にしか思えない舞妓の悲恋が、再び激しい情愛になる物語。
「なるほど、貴族の若様ね」
「読んでると、ちょっと鏡弥さんに似てますよ。優しくて賢くて、一途で―――」
「一途か」
自分の清華への愛情は、一途などという美しいものではない。
(ドロドロの嫉妬と独占欲の塊であるオレを、清華は一途な愛情だと言った)
「一途なのは、君だ」
え?
清華が振り返る。
「君はオレを美化し過ぎだ。オレはそんなに、きれいな心じゃない」
「そうですか?十年以上も、私が生きてることを信じて、探してくれたんですよね」
「まあ、な」
「なら一途ですよ、普通は死んだと言われた時点で諦めて、何年後かには別の人と結婚します」
諦めたくなかった。もう一度、この腕に清華を抱きたかった。
「そんな、きれいな気持ちじゃない。分かってるだろ」
意地悪く笑う鏡弥に、褥での彼が重なる。
「ば、ばか」
「なぁ、そんなにきれいな気持ちじゃない。オレは」
「だ、だめで・・んっ」
「清華」
「だめぇ」
人が来るから、と清華は涙目で訴える。
「宿に戻るか?夕食まで三時間以上あるが」
「はぁ」
清華は小さく頷いた。
(宿に戻ればどうなるか、分かりきっているのに。私はまた、流されてしまった)
「やだぁ」
夕暮れ時、清華は何度目かの絶頂を迎えた。
「清華」
「んぅ」
膝が震える。
「だめ、も・・無理ぃ」
足を開かされ、さらに深い場所に挿れられる。
「だめ、また――イッ」
あ―――――
ガクガクと、体が震える。
「やだ、もやだぁ」
「清華」
鏡弥の動きが止まり、項や背中に口付けられる。
ズリュと引き抜かれ、清華は気を失った。
(気づけば、体は綺麗に拭かれて、服も直されていた)
「もうすぐ、夕食だってさ」
「・・・どのくらい、寝てましたか」
「一時間かな?キツかったか」
膝枕で寝ている自分に頬が熱くなりながら、清華は首筋まで紅くなるのだった。
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