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身代わり花嫁と軍服のこじれた初恋
五十二話『皇居へ入宮』
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「おーい、鏡弥!」
副官の畑山敬之が取り調べの書類を出す。「例の火事場泥棒の取り調べ結果だ。血が凍るぞ」
「なんだ、大袈裟な」
次の瞬間、鏡弥が戦慄した。
「な、血が凍るだろ」
「本当か、これは」
「ああ、間違いない。中山様が調べてくれたから、ガセじゃない」
「黒い」
黒いオオカミ。
「ーーー」
清華から笑顔が消えた。
「清華、皇居にいた方がいい」
「やです」
「オレは四六時中、一緒にいられない」
「いや!」
耳を塞ぎ、うずくまる。
「酷い。家に居て、いいって!」
「この場所に君がいる、それが掴まれたんだ」
「なんで?なんで、家にいられないの」
やだぁ、清華は泣きじゃくる。
「ほんの少しだけだ。すぐに戻れるから」
「すぐって、いつ?三日、一週間、一年?」
「黒いオオカミが、君を狙っている。オレじゃない、君なんだ。手始めに一昨日の晩、君は手篭めにされかけた」
「っ」
「死にたいと考えたんだろ?」
「はい」
「そうしたら、オレは生きられない。君なしで生きられると思うか?」
「やだ、だってせっかく会えたのに。お嫁さんに、やっとなれた」
ずっと夢見ていた日々を、幸せを手にしたのと清華は泣いた。
「なぁ、少しだけだ」
「いつ、一緒に暮らせるの?」
「ーー分からない」
離れたくない。
ただ泣くばかりの清華に、鏡弥は口付けた。
「分かりました、皇居に移ります」
吐息を漏らし、清華が呟いた。
「清華、必ず会いに行く」
「っ」
「だから」
清華が起き上がる。
「こら、何を」
「今日は、私がします」
「ばか、そんなことをしなくていい!」
(これ、ってこんな卑猥な見た目だったかな?)
「ほら、直視も出来ないクセに」
「なんで、こんな」
液体が?と清華は頬を染める。
「事後だからーーっ」
清華が先端に口付けた。
「ば、口を離せ」
「にが、変な味」
二人分の体液が絡むそれは、清華の口で硬さを取り戻す。
んぐっ?
「ゲボゴホ」
むせる清華を、鏡弥が再び組み敷いた。
「たく、その気にさせたんだから、責任をとれ」
「んぅ」
口付けられ、清華は涙をこぼす。
「やだ、私がしま」
「いいから、大人しく抱かれろ」
「いぁーーーー」
深く貫かれ、涙があふれる。
「やだぁ」
「キツいな」
「抜いーーー」
「痛くはないだろ」
耳元で囁いて、激しく突き上げる。
(泣きじゃくる私を、鏡弥さんは朝まで離してくれなかった。いや、私が離れたくなくて、何度も強請った。今生の別れでもないのに、淋しくて不安で堪らなかった)
早く、迎えにきて
ああ、必ず
そんな言葉を最中に繰り返した。
「よくぞ、決心してくれたな」
晃嗣は微笑んだ。
「鏡弥、そなたも今宵から宮に住め」
「いえ、私は」
「構わぬ、そなたは清華の夫だ。傍にいてやれ。司令部も承諾している」
では、と鏡弥は頭を下げる。
「見張りをつけるゆえ、安心して眠るがよい」
晃嗣に一礼し、二人は宮に案内された。
副官の畑山敬之が取り調べの書類を出す。「例の火事場泥棒の取り調べ結果だ。血が凍るぞ」
「なんだ、大袈裟な」
次の瞬間、鏡弥が戦慄した。
「な、血が凍るだろ」
「本当か、これは」
「ああ、間違いない。中山様が調べてくれたから、ガセじゃない」
「黒い」
黒いオオカミ。
「ーーー」
清華から笑顔が消えた。
「清華、皇居にいた方がいい」
「やです」
「オレは四六時中、一緒にいられない」
「いや!」
耳を塞ぎ、うずくまる。
「酷い。家に居て、いいって!」
「この場所に君がいる、それが掴まれたんだ」
「なんで?なんで、家にいられないの」
やだぁ、清華は泣きじゃくる。
「ほんの少しだけだ。すぐに戻れるから」
「すぐって、いつ?三日、一週間、一年?」
「黒いオオカミが、君を狙っている。オレじゃない、君なんだ。手始めに一昨日の晩、君は手篭めにされかけた」
「っ」
「死にたいと考えたんだろ?」
「はい」
「そうしたら、オレは生きられない。君なしで生きられると思うか?」
「やだ、だってせっかく会えたのに。お嫁さんに、やっとなれた」
ずっと夢見ていた日々を、幸せを手にしたのと清華は泣いた。
「なぁ、少しだけだ」
「いつ、一緒に暮らせるの?」
「ーー分からない」
離れたくない。
ただ泣くばかりの清華に、鏡弥は口付けた。
「分かりました、皇居に移ります」
吐息を漏らし、清華が呟いた。
「清華、必ず会いに行く」
「っ」
「だから」
清華が起き上がる。
「こら、何を」
「今日は、私がします」
「ばか、そんなことをしなくていい!」
(これ、ってこんな卑猥な見た目だったかな?)
「ほら、直視も出来ないクセに」
「なんで、こんな」
液体が?と清華は頬を染める。
「事後だからーーっ」
清華が先端に口付けた。
「ば、口を離せ」
「にが、変な味」
二人分の体液が絡むそれは、清華の口で硬さを取り戻す。
んぐっ?
「ゲボゴホ」
むせる清華を、鏡弥が再び組み敷いた。
「たく、その気にさせたんだから、責任をとれ」
「んぅ」
口付けられ、清華は涙をこぼす。
「やだ、私がしま」
「いいから、大人しく抱かれろ」
「いぁーーーー」
深く貫かれ、涙があふれる。
「やだぁ」
「キツいな」
「抜いーーー」
「痛くはないだろ」
耳元で囁いて、激しく突き上げる。
(泣きじゃくる私を、鏡弥さんは朝まで離してくれなかった。いや、私が離れたくなくて、何度も強請った。今生の別れでもないのに、淋しくて不安で堪らなかった)
早く、迎えにきて
ああ、必ず
そんな言葉を最中に繰り返した。
「よくぞ、決心してくれたな」
晃嗣は微笑んだ。
「鏡弥、そなたも今宵から宮に住め」
「いえ、私は」
「構わぬ、そなたは清華の夫だ。傍にいてやれ。司令部も承諾している」
では、と鏡弥は頭を下げる。
「見張りをつけるゆえ、安心して眠るがよい」
晃嗣に一礼し、二人は宮に案内された。
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