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身代わり花嫁と軍服のこじれた初恋
幕間 その四『雨夜の闇』
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御所内の地図が、秘密裏に美作邸にある和俊の部屋に運び込まれた。
地図の中でも皇居の地図は機密事項に属するので、宮内庁に保管され持ち出しが厳しく禁じられていた。
その地図が目の前で堂々と広げられた事実に、和俊は嘲笑を浮かべた。
「皇居内にも、我々に内通している者がいるようだな」
鏡弥を殺すのは、あくまで表向きの目的は、帝である晃嗣の命だ。
晃嗣と光輝を殺し、娘の章枝の子を帝位に就ける。摂政となり、国政を牛耳る腹なのだ。
清華を息子の和俊の許嫁にしたのも、身内に甘い晃嗣に取り入る為だ。
「皇后様の御子が帝位を手にした後、政治を牛耳るつもりか」
強欲な昭三の考えることだ。
摂政になった暁には、この場にいる全員が殺されるだろう。
(皇后様や僕の幸せなんて、爪の先ほども考えない。あくまで、欲しいものを手にするための道具でしかない)
「王宮の正門である南は高く堅固だ、正面突破は難しい」
和俊の言葉に、皆の視線が集まる。
「突破困難なのは正門に限らないが、二番目の西の門と三番目の北の門を突破して御所の」
和俊の指摘は的確だった。
「御所区域に入れたとしても、そこからまた問題だ。主上の寝所を探して彷徨う羽目になる。この地図を寄越した者は、主上の寝所もあらかじめ知らせることが出来るか」
「その夜、その日の気分で寝所を変えるので、空いている宮で寝所にしたことが分かりました」
和俊の目が見ていた。冷たく、ゾッとする眼差しだ。
「これでは反乱を起こせない」
「いや、そうでもありませんよ。最近は体調が優れないらしく、御所から出てくることがありません」
「御所から出られたとして、昼間は私兵を動かせない。確実にそこにいるとしなければ」
和俊の言葉に、襖の奥にいた昭三が嬉しそうに目を細めた。
「主上の居場所が確実でないと、言われましたか」
「はい」
「あります!皇后様の安産祈願のご祈祷をする話しがあります。その日は王宮の門が一斉に開かれます」
和俊は慎重だった。
「門が開かれるなら、警備もいつもより厳重になるだろう」
別の者が答えた。
「私の調べたところによりますと。祈祷は五日後ですが、忙しくしているのは巫女や宮女ばかりで」
警備はなんの準備もしていない。皆の顔が、喜色に染まる。
やれる。
誰ともなく、頷きあった。
(清華、大丈夫だ。君が悲しむことには、絶対にしないから)
和俊は雨夜の闇に、清華の幸せを願った。
地図の中でも皇居の地図は機密事項に属するので、宮内庁に保管され持ち出しが厳しく禁じられていた。
その地図が目の前で堂々と広げられた事実に、和俊は嘲笑を浮かべた。
「皇居内にも、我々に内通している者がいるようだな」
鏡弥を殺すのは、あくまで表向きの目的は、帝である晃嗣の命だ。
晃嗣と光輝を殺し、娘の章枝の子を帝位に就ける。摂政となり、国政を牛耳る腹なのだ。
清華を息子の和俊の許嫁にしたのも、身内に甘い晃嗣に取り入る為だ。
「皇后様の御子が帝位を手にした後、政治を牛耳るつもりか」
強欲な昭三の考えることだ。
摂政になった暁には、この場にいる全員が殺されるだろう。
(皇后様や僕の幸せなんて、爪の先ほども考えない。あくまで、欲しいものを手にするための道具でしかない)
「王宮の正門である南は高く堅固だ、正面突破は難しい」
和俊の言葉に、皆の視線が集まる。
「突破困難なのは正門に限らないが、二番目の西の門と三番目の北の門を突破して御所の」
和俊の指摘は的確だった。
「御所区域に入れたとしても、そこからまた問題だ。主上の寝所を探して彷徨う羽目になる。この地図を寄越した者は、主上の寝所もあらかじめ知らせることが出来るか」
「その夜、その日の気分で寝所を変えるので、空いている宮で寝所にしたことが分かりました」
和俊の目が見ていた。冷たく、ゾッとする眼差しだ。
「これでは反乱を起こせない」
「いや、そうでもありませんよ。最近は体調が優れないらしく、御所から出てくることがありません」
「御所から出られたとして、昼間は私兵を動かせない。確実にそこにいるとしなければ」
和俊の言葉に、襖の奥にいた昭三が嬉しそうに目を細めた。
「主上の居場所が確実でないと、言われましたか」
「はい」
「あります!皇后様の安産祈願のご祈祷をする話しがあります。その日は王宮の門が一斉に開かれます」
和俊は慎重だった。
「門が開かれるなら、警備もいつもより厳重になるだろう」
別の者が答えた。
「私の調べたところによりますと。祈祷は五日後ですが、忙しくしているのは巫女や宮女ばかりで」
警備はなんの準備もしていない。皆の顔が、喜色に染まる。
やれる。
誰ともなく、頷きあった。
(清華、大丈夫だ。君が悲しむことには、絶対にしないから)
和俊は雨夜の闇に、清華の幸せを願った。
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