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第5話 子供たちとする初夏の雪遊びと、初めてのもやもや
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「雪だよ雪、すごーいっ!」
「あっ、危ないので気を付け……!」
シュネーが注意するより先に、三人の子供たちが続けて雪原に突っ込んで来た。
一番年長の、6歳くらいの一人目が新雪に足跡を付け、それよりも幼い二人目、三人目が追ってくる。先の二人に踏み固められた地面を一番小さい子が踏んで、つるりと足を滑らせた。
「危ないっ……!」
シュネーが咄嗟に雪のクッションを作るより早く、ヴェルクの裸身の背中が見えた。屈んで小さな背中に両腕を回す。
彼に抱えられたまま、その3歳ほどの子がまん丸の目をさらに丸くして瞬きをすると、一拍置いて満面の笑みを浮かべた。
「ありがとう領主様!」
「いや、怪我がなくてよかった。気を付けるんだぞ」
その立ち上がって振り向いた裸体が目に入ってしまい、シュネーは慌てて俯きながら賞賛を贈る。
「ヴェルク様は運動もお得意なのですわね、素晴らしいですわ」
「弟たちの面倒を見ていたから、次に何か起こるか予想が付いただけだよ」
一度はびっくりして動きを止めた子供たちだったが、切り替えが早く、何事もなかったように雪をすくってはしゃぎ始めた。
一番上の子が雪だるまをしげしげ眺めながら、これ領主様が作ったの? ぼくたちも遊んでもいい? と確認してくる。
それから4歳くらいの子が雪だるまをぺたぺた触っているのを見て、勝手に触っちゃダメなんだよと怒る。
最後に一番下の子が、長男らしき子の体にギュッとしがみつきながら、兄たちをじっと見つめる。
「シュネー、この子たちに雪をお願いしてもいいだろうか」
「ええ、私にかかればあっという間ですわ!」
シュネーは胸元に手を当てて力強く頷くと、踏み固められた場所を中心に新雪を撒いた。
「あの子たちは、お知り合いですの?」
「部下の騎士の子供たちで三兄弟なんだ。部下と言っても、わたしと歳はそう変わらないのだが……」
上官と部下としての関係性についてか、それとも子供が三人もいることについてか。
ヴェルクの結婚は辺境伯と言う立場と年齢を考えればかなり遅い。義両親も両親もかなり気を揉んでいる。
シュネーはそういえば、彼自身は子供は何人欲しいのだろうと思った。作らないという選択肢は立場上ないのだが、希望はあるだろうが訊いたことがない。
結婚前の顔合わせは実質両親同士の会話ばかりで、両親に余計なことを言うなと散々言い含められたシュネーは、基本的には当たり障りのないこと――つまり、これからの家庭についての希望は明言せず、一緒に考えます――としか言った覚えしかない。
それでも、相手に合わせるようにと怒られたが。
(ヴェルク様は何でも、ゆっくり決めていけばいいと仰ってくれましたけれど……)
「シュネー?」
「申し訳ありません、少し考えごとを。――では皆さん、いきますわよ!」
シュネーは気晴らしをするように、指先から雪を放った。調子に乗って、馬や騎士の雪像、氷の玉座を次々に作り上げる。
季節外れの雪は子供には格好のおもちゃで、あっという間に小さい雪だるまが並び始める。
(あの枝の槍を持った大きい雪だるまはお父様で、あれは兄弟かしら。
……ヴェルク様はお優しいお顔ですけれど、子供がお好きなのかしら)
二人きりではないことは当初の予定と違ってほんの少し寂しいけれど、子供たちを見守っているヴェルクの優しい眼差しに、役に立てて良かったわと思う。
「そうだ、お礼を言わなきゃ。ありがとうお姉ちゃん」
考え事をしていれば突然子供から話しかけられて、シュネーは慌てた。
「お、お姉ちゃん? ……わ、私はええと、そうですわね」
年齢差があって妻には見えないのだろうか。
太陽のような笑顔に言い淀む彼女の言葉を、ヴェルクが引き取る。
「みんな、この人は領主夫人、つまりわたしの奥さんなんだよ」
「そっかー。結婚式のあと馬車を見に行ったんだけどね、遠くて大人がいっぱいで、よく見えなかったから……残念だなぁ」
「それは残念でしたわね、子供優先の場所でも作れば良かったですわ」
教会での式の後、二人は軽く馬車で城下町を巡ってお披露目をした。ただ、確かにかなりの人混みで、背の低い子供には見えにくかっただろう。
「……ところで領主様、今日はなんで裸なの?」
「え?」
そう素で返してしまったのは、ヴェルクでなくシュネーだった。
(え? ……って、あら?)
言ってしまってから、何かおかしいなと思った。
なるべく直視しないよう心がけていたけれど、上半身裸が「いつも通り」であることには、驚くほど慣れてしまっていた自分に気付く。
「……ああ、うん。そういえば三人とも……どうしてここに?」
ヴェルクも混乱したように問い返す――しばらく誰からも訊かれなかったからだろう。
「今日はね、お父様に忘れ物を届けに来たんだよ! で、領主様、裸なのはどうしてなの?」
長兄らしき子が重ねて尋ねたとき、遠くから走ってきた女性の大声が響いた。
「ちょっとあんたたち、勝手にどこかに行かない! 用事が済んだら、すぐ帰るって言ったでしょう!」
ヴェルクとそう変わらない年齢の、兄弟と似た顔立ちの女性が、全力ダッシュで駆け寄ってきた。それからヴェルクの姿を認めると、真っ赤になって頭を深く下げる。
シュネーは、この恥じらいは旦那様の美貌だけではないですわね、と思い――何故か、舌が苦く感じた。
「騎士ダニエルの妻でございます。ご領主様にはご機嫌麗しく……奥様も、お初にお目にかかります」
彼女は軽くスカート摘まんで礼をすると、ほら、邪魔しないのと、顔を失礼にならないよう逸らしながら三人を呼び集める。
「さっき領主様に抱っこしてもらったんだよ」
「転びそうだったんだよ」
「奥様が魔法で雪をだしてくれたんだよ」
口々に報告する息子たちにダニエルの妻は頬を膨らませる。
「もう、領主様は鍛錬かお着換え中だったのでしょ。手を煩わせないの! ……わざわざありがとうございます」
「たんれん! 剣で稽古したり、乾布まさつするんでしょ、僕知ってる!」
「ほらもう帰りますよ!」
「ええー」
まだ遊びたいと母親に時間延長をねだって粘る子供たちに、シュネーは助け舟を出した。
「今日のところはさようならいたしましょう。またいつでも雪山を作ってあげますわ」
「じゃあね、今度は雪合戦したい!」
「勿論ですわ。でも、ご両親とヴェルク様が良いと仰ればですわよ」
「うん、約束する!」
――シュネーが子供たちと約束をして、子供たちが何度も頭を下げる母親に追い立てられながら帰っていったあと。
彼女は、ヴェルク顎に手を当てて何やら考えこんでいるのに気付いた。
「どうされましたの?」
「……そうか、やはり……裸はおかしいか。シュネーもそう思うだろうか。正直に話して欲しい」
「そうですわね、女性には直視し辛いですわね。正直に言えば、薄布一枚でも着てくださると嬉しいです。でも……」
ちょっと前までは、服を着て欲しいと思っていた。その方が照れずに済むから。
次に、理由があるならそれでいいとも思った。体質を知れば、口を出せる立場でないとも思ったから。城のひとたちは何でもないことのようにしていたから、シュネーも徐々に慣れてきたと思った。
それで、今は。
……何故か、先ほどの奥さんが恥じらった様子を思い出してしまう。肌を、他の人に見られたくないなんて、今更なのに。
「シュネー?」
「お好きにしていただくのが良いと思うのに……何でしょう、もやもやしますわ」
そんな独り言のような呟きをヴェルクは拾う。
「ああ、ならばやはり何かを羽織るくらいはしよう。君も顔を会わせにくそうだったし、またこういうことがあって、領主が教育に悪影響だと思われたら困る」
「……それは、また庭で遊んでくださるということですか」
「君は子供に約束していただろう。それにわたしは君が雪を出しているのを見るのが好きなんだ」
「……ありがとう、ございますわ」
ヴェルクの言葉に、シュネーの口元は自然に緩んでしまう。
好き、という単語でほわほわと心が温かくなる気がした。恋愛ではないにしても、好きなもののひとつに入っているなら嬉しい。
「あの……ヴェルク様は、子供が好きでしょうか」
「ああ、子は領地の未来だ。あの子だけではない、知っている部下や出入りの商人、食物を作ってくれる農民……彼らの子たちだから余計にそう思うのかもしれないな」
「それでは……私たちにも子供ができたら、あんな感じなのでしょうか」
シュネーは実のところ、まだ自分がすぐに母親になる覚悟はない。
それでも、いつかそうなるのは悪くないと思っていた。でなければ政略結婚などごめんだと、きっと両親を氷漬けにしてでも出奔していた。
今日もそう思った。丸くて柔らかくて明るくて、太陽のような。あんな存在が側にいたらきっと幸せなのだろうなと思った。
あるいは、この人が父親になることを望んでいるのなら。こんな日をまた過ごせるのなら。
「……子供が欲しいのか?」
「欲しい欲しくないでなく、政略結婚の義務……ですけれど。でも、それは置いておいても、ヴェルク様はいいお父様になりそうだと思いましたわ」
微笑んで言えば、ヴェルクは突然、表情を厳しいものに改める。
「シュネー、そのことは暫く考えなくていい」
「あっ、危ないので気を付け……!」
シュネーが注意するより先に、三人の子供たちが続けて雪原に突っ込んで来た。
一番年長の、6歳くらいの一人目が新雪に足跡を付け、それよりも幼い二人目、三人目が追ってくる。先の二人に踏み固められた地面を一番小さい子が踏んで、つるりと足を滑らせた。
「危ないっ……!」
シュネーが咄嗟に雪のクッションを作るより早く、ヴェルクの裸身の背中が見えた。屈んで小さな背中に両腕を回す。
彼に抱えられたまま、その3歳ほどの子がまん丸の目をさらに丸くして瞬きをすると、一拍置いて満面の笑みを浮かべた。
「ありがとう領主様!」
「いや、怪我がなくてよかった。気を付けるんだぞ」
その立ち上がって振り向いた裸体が目に入ってしまい、シュネーは慌てて俯きながら賞賛を贈る。
「ヴェルク様は運動もお得意なのですわね、素晴らしいですわ」
「弟たちの面倒を見ていたから、次に何か起こるか予想が付いただけだよ」
一度はびっくりして動きを止めた子供たちだったが、切り替えが早く、何事もなかったように雪をすくってはしゃぎ始めた。
一番上の子が雪だるまをしげしげ眺めながら、これ領主様が作ったの? ぼくたちも遊んでもいい? と確認してくる。
それから4歳くらいの子が雪だるまをぺたぺた触っているのを見て、勝手に触っちゃダメなんだよと怒る。
最後に一番下の子が、長男らしき子の体にギュッとしがみつきながら、兄たちをじっと見つめる。
「シュネー、この子たちに雪をお願いしてもいいだろうか」
「ええ、私にかかればあっという間ですわ!」
シュネーは胸元に手を当てて力強く頷くと、踏み固められた場所を中心に新雪を撒いた。
「あの子たちは、お知り合いですの?」
「部下の騎士の子供たちで三兄弟なんだ。部下と言っても、わたしと歳はそう変わらないのだが……」
上官と部下としての関係性についてか、それとも子供が三人もいることについてか。
ヴェルクの結婚は辺境伯と言う立場と年齢を考えればかなり遅い。義両親も両親もかなり気を揉んでいる。
シュネーはそういえば、彼自身は子供は何人欲しいのだろうと思った。作らないという選択肢は立場上ないのだが、希望はあるだろうが訊いたことがない。
結婚前の顔合わせは実質両親同士の会話ばかりで、両親に余計なことを言うなと散々言い含められたシュネーは、基本的には当たり障りのないこと――つまり、これからの家庭についての希望は明言せず、一緒に考えます――としか言った覚えしかない。
それでも、相手に合わせるようにと怒られたが。
(ヴェルク様は何でも、ゆっくり決めていけばいいと仰ってくれましたけれど……)
「シュネー?」
「申し訳ありません、少し考えごとを。――では皆さん、いきますわよ!」
シュネーは気晴らしをするように、指先から雪を放った。調子に乗って、馬や騎士の雪像、氷の玉座を次々に作り上げる。
季節外れの雪は子供には格好のおもちゃで、あっという間に小さい雪だるまが並び始める。
(あの枝の槍を持った大きい雪だるまはお父様で、あれは兄弟かしら。
……ヴェルク様はお優しいお顔ですけれど、子供がお好きなのかしら)
二人きりではないことは当初の予定と違ってほんの少し寂しいけれど、子供たちを見守っているヴェルクの優しい眼差しに、役に立てて良かったわと思う。
「そうだ、お礼を言わなきゃ。ありがとうお姉ちゃん」
考え事をしていれば突然子供から話しかけられて、シュネーは慌てた。
「お、お姉ちゃん? ……わ、私はええと、そうですわね」
年齢差があって妻には見えないのだろうか。
太陽のような笑顔に言い淀む彼女の言葉を、ヴェルクが引き取る。
「みんな、この人は領主夫人、つまりわたしの奥さんなんだよ」
「そっかー。結婚式のあと馬車を見に行ったんだけどね、遠くて大人がいっぱいで、よく見えなかったから……残念だなぁ」
「それは残念でしたわね、子供優先の場所でも作れば良かったですわ」
教会での式の後、二人は軽く馬車で城下町を巡ってお披露目をした。ただ、確かにかなりの人混みで、背の低い子供には見えにくかっただろう。
「……ところで領主様、今日はなんで裸なの?」
「え?」
そう素で返してしまったのは、ヴェルクでなくシュネーだった。
(え? ……って、あら?)
言ってしまってから、何かおかしいなと思った。
なるべく直視しないよう心がけていたけれど、上半身裸が「いつも通り」であることには、驚くほど慣れてしまっていた自分に気付く。
「……ああ、うん。そういえば三人とも……どうしてここに?」
ヴェルクも混乱したように問い返す――しばらく誰からも訊かれなかったからだろう。
「今日はね、お父様に忘れ物を届けに来たんだよ! で、領主様、裸なのはどうしてなの?」
長兄らしき子が重ねて尋ねたとき、遠くから走ってきた女性の大声が響いた。
「ちょっとあんたたち、勝手にどこかに行かない! 用事が済んだら、すぐ帰るって言ったでしょう!」
ヴェルクとそう変わらない年齢の、兄弟と似た顔立ちの女性が、全力ダッシュで駆け寄ってきた。それからヴェルクの姿を認めると、真っ赤になって頭を深く下げる。
シュネーは、この恥じらいは旦那様の美貌だけではないですわね、と思い――何故か、舌が苦く感じた。
「騎士ダニエルの妻でございます。ご領主様にはご機嫌麗しく……奥様も、お初にお目にかかります」
彼女は軽くスカート摘まんで礼をすると、ほら、邪魔しないのと、顔を失礼にならないよう逸らしながら三人を呼び集める。
「さっき領主様に抱っこしてもらったんだよ」
「転びそうだったんだよ」
「奥様が魔法で雪をだしてくれたんだよ」
口々に報告する息子たちにダニエルの妻は頬を膨らませる。
「もう、領主様は鍛錬かお着換え中だったのでしょ。手を煩わせないの! ……わざわざありがとうございます」
「たんれん! 剣で稽古したり、乾布まさつするんでしょ、僕知ってる!」
「ほらもう帰りますよ!」
「ええー」
まだ遊びたいと母親に時間延長をねだって粘る子供たちに、シュネーは助け舟を出した。
「今日のところはさようならいたしましょう。またいつでも雪山を作ってあげますわ」
「じゃあね、今度は雪合戦したい!」
「勿論ですわ。でも、ご両親とヴェルク様が良いと仰ればですわよ」
「うん、約束する!」
――シュネーが子供たちと約束をして、子供たちが何度も頭を下げる母親に追い立てられながら帰っていったあと。
彼女は、ヴェルク顎に手を当てて何やら考えこんでいるのに気付いた。
「どうされましたの?」
「……そうか、やはり……裸はおかしいか。シュネーもそう思うだろうか。正直に話して欲しい」
「そうですわね、女性には直視し辛いですわね。正直に言えば、薄布一枚でも着てくださると嬉しいです。でも……」
ちょっと前までは、服を着て欲しいと思っていた。その方が照れずに済むから。
次に、理由があるならそれでいいとも思った。体質を知れば、口を出せる立場でないとも思ったから。城のひとたちは何でもないことのようにしていたから、シュネーも徐々に慣れてきたと思った。
それで、今は。
……何故か、先ほどの奥さんが恥じらった様子を思い出してしまう。肌を、他の人に見られたくないなんて、今更なのに。
「シュネー?」
「お好きにしていただくのが良いと思うのに……何でしょう、もやもやしますわ」
そんな独り言のような呟きをヴェルクは拾う。
「ああ、ならばやはり何かを羽織るくらいはしよう。君も顔を会わせにくそうだったし、またこういうことがあって、領主が教育に悪影響だと思われたら困る」
「……それは、また庭で遊んでくださるということですか」
「君は子供に約束していただろう。それにわたしは君が雪を出しているのを見るのが好きなんだ」
「……ありがとう、ございますわ」
ヴェルクの言葉に、シュネーの口元は自然に緩んでしまう。
好き、という単語でほわほわと心が温かくなる気がした。恋愛ではないにしても、好きなもののひとつに入っているなら嬉しい。
「あの……ヴェルク様は、子供が好きでしょうか」
「ああ、子は領地の未来だ。あの子だけではない、知っている部下や出入りの商人、食物を作ってくれる農民……彼らの子たちだから余計にそう思うのかもしれないな」
「それでは……私たちにも子供ができたら、あんな感じなのでしょうか」
シュネーは実のところ、まだ自分がすぐに母親になる覚悟はない。
それでも、いつかそうなるのは悪くないと思っていた。でなければ政略結婚などごめんだと、きっと両親を氷漬けにしてでも出奔していた。
今日もそう思った。丸くて柔らかくて明るくて、太陽のような。あんな存在が側にいたらきっと幸せなのだろうなと思った。
あるいは、この人が父親になることを望んでいるのなら。こんな日をまた過ごせるのなら。
「……子供が欲しいのか?」
「欲しい欲しくないでなく、政略結婚の義務……ですけれど。でも、それは置いておいても、ヴェルク様はいいお父様になりそうだと思いましたわ」
微笑んで言えば、ヴェルクは突然、表情を厳しいものに改める。
「シュネー、そのことは暫く考えなくていい」
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