アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん

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 「本田さんって週末何か予定あります?」
 コミュ力強めの後輩、笹川が僕に尋ねてきた。

 「いや、特に無いけど。なんで?」
 笹川は、顔を寄せて声量を落として話を続ける。

 「聞きました?赤坂にダンジョンが出来たって!僕、今度の土日、連休なんでダンジョンに行ってみようかと思って。で、本田さんも連休でしょ?良かったら一緒にどうかなぁ?って思ったんですよ。」

 「マジで!?ササ、ダンジョン行ってるの?危なくない?」

 「あんまり深く潜らなければ危なくないですよ。給料も安いし、バイトですよ、バイト!」
 僕も昔は良く小遣い稼ぎにダンジョンに潜っていた。いつしかダンジョンでの収入にも課税される様になっていた。またダンジョンで怪我する人が多くなるにつれダンジョン保険料も値上がりが続いていた。
 危険の割に、実入りが少なくなって、段々と足が遠のいていったのである。

 「ササ、元気がいいなぁ。赤坂のダンジョンって結構流行ってるの?」

 「まぁボチボチ程度みたいですね。週末ダンナーが主な感じっぽいです。」
 週末ダンナーとは、普段は正規職に就いていて週末だけダンジョン攻略をする人の名称である。

 「そうだなぁーもう何年も潜って無いだけどな……暇だし行ってみるかな……」

 「そうですよ。運動にもなりますし、ダイエットも兼ねて行きましょうよ。ダンジョンが赤煉瓦倉庫の近くなんで、ガッツリ儲けて、帰りにあそこの海沿いのスパに行って、焼き鳥ケンちゃんってどうですか?ケンちゃん、ハイボールとレモンサワー、一杯99円祭りやってますよ。」

 「お!乗った!行く行く!決定!」
 正直、ダンジョンより、スパ&お得な焼き鳥コースで行く気になったのだ。

 「じゃまた時間やら詳細詰めましょう!本田さん昔結構やってたんでしょ?僕まだ2Fまでなんで、階層更新したいんですよね!」

 そんなこんなで何年か振りに、ダンジョンに潜る事になった。


 ◇ ◇ ◇ ◇


 当日、帰りにケンちゃんに寄るためにバスで集合場所に向かう。

 昔着ていた服は見当たらず、動き易いユニシロのズボンにパーカー、スニーカーといった、いかにも週末ダンナーらしい格好だ。

 愛用の黒リュックはいつも緩くダボっと背負うのが好きなのだが、今日は紐を締め身体に密着する様に調整してある。

 「ササ!お待たせ!」

 「本田さん、おはようございます。えらいカジュアルですね。」
 そういう笹川もアッパーアーマーの上下ジャージで、ランニングをする様な格好である。

 「そりゃ週末ダンナーだもん。準備はいいか?美味しいハイボール飲むために、怪我なく行こうな。」

 ダンジョンの入り口に設置されている改札口にマイナンバーカードを読み込ませ、入場する。

 「さぁ行こうか!!」
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