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第2話 少女が自殺したわけ
しおりを挟む君の名前は?なんて呼んだらいいのかな?
少年が尋ねる
桜田夢花(さくらだゆめか)だよ
夢花って呼んでくれたら嬉しいな
分かったよ夢花
少年は優しく微笑み答えた
他愛のない会話が続いた
しかし急に少年が立ち止まり
ねぇ聞いてもいいかな
青年は少し困ったように言った
なぁに?
夢花は不思議そうに尋ねる
君はどうして自殺なんてしたの?
一瞬2人の時が止まった
夢花はその瞬間全てを思い返した
辛く苦しい日々を
学校に行ったある日
夢花は友達に話しかけた
いや友達だと思っていたが正しいか…
話しかけてもその答えが返ってくることはなかった
隣の人に話しかけようとも答えが返ってくることはない
聞こえるのはどこからともなく少女を笑う声
夢花はクラスのみんなから無視されていたのだ
もうクラスに夢花の居場所はなかった
家でのある日のこと
この出来損ない!!
そう言って頬を張り飛ばされた
優秀でなければ許されない
居場所なんてない
そんな家だった
お前のことなんか好きじゃなかったよw
恋人からそんな言葉を放たれた
唯一の居場所と信じていた恋人から
信じていたたった1人から
そんな言葉で突き放された
つらい
怖い
苦しい
そんな日々だった
この世界で愛されることを望んだって
この世界で認められることを望んだって
この世界で幸せになることを望んだって
全て叶わないのだから…
そう考え続けた日々の末
夢花は飛び込んでしまった
皆を乗せ走る電車の中へ
気づいた時夢花は泣いていた
全て終わらせられないなら
飛び込むんじゃなかったな…
そう思う夢花の頭にそっと優しい重さが乗っかった
青年が夢花の頭を撫でていた
頑張ったんだね
ここではもう苦しまなくていいんだよ
青年は優しく言った
夢花はこれで良かったのかもしれないと初めて思った
なぜかわからないけれど青年のその優しさに触れているとこれでいいと思えた
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