キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太

文字の大きさ
12 / 54

No.12:「学校の先生と同じだよ」

しおりを挟む
 僕たちは一旦アパートに戻る。
 二つの大きな買い物袋は、結構重い。
 アパートに戻って、荷物を置いた。

「すみかさん、お昼どうしましょうか?」
 時間は12時近くになっていた。

「何か外で食べよう。お礼にご馳走するから。また安い所になっちゃうけど」

「えーいいんですか? 嬉しいな。じゃあまたサンゼでどうですか?」

「また? 翔君はそこでいいの?」

「ええ。サンゼ大好きなんで」

「マクドは?」
 すみかさんは、いたずらっぽく笑う。

「勘弁してください。あの時だって大変だったんですから」

 彼女か?とか再三聞かれた話をした。

「あはは。じゃあ今度同棲してます、って言ってあげたら?」

「冗談はやめてください」
 それこそパニックになる。

 僕たちは再びアパートを出て、駅方向に向かう。
 サンゼリアに入ると、しばらく待ってから席に案内された。
 やっぱり日曜日は混むんだな。

 僕はカルボナーラの大盛り、すみかさんはドリア、シェア用にピザを一枚注文した。
 僕は朝作ったスペアキーを渡す。
 すみかさんは「無くさないようにしないとね」といって、財布にしまった。
 食事の会計は、すみかさんに払ってもらった。
 ごちそうになります。

 食事を終えて、駅に向かう。
 そこから電車で15分。
 この街で一番の繁華街だ。
 この駅の正面に、リトニがある。

 ちなみに、すみかさんがバイトしている「ナディア」というお店も、この駅の裏側にあるらしい。
 僕はこの駅裏にはめったに行かないので、よくわからないが。
 ということは、アパートからだと30分かからないくらいか。
 わりと近くてよかった。
 帰りは車で送ってもらえるようだし、安心だ。

 2人でリトニに入る。
 僕はショッピングカートを持って、すみかさんの後をついて行く。

 すみかさんは、最初に一番小さいサイズのハンガーラックをカートに入れた。
 それから二人で、ぶらぶらとフロアを散策した。
 なんだかデートみたいだ。

 台所用品売り場で、また外国人のカップルがいた。
 何かを探している感じだ。
 さっきと全く同じパターン。
 すみかさんは、彼らに近寄った。

「大丈夫ですか? いんぐりっしゅ、OK?」
 すみかさんは、彼らに語りかけた。

 彼らも身振り手振りで、すみかさんに話しかけている。
 3人で、どこかへ移動していく。
 僕もまた後からついていく。

 日用品のコーナーに、彼らの探し物があった。
 突っ張り棒だった。
 え、突っ張り棒って外国人に人気なの?

 外国人カップルはすみかさんにお礼を言って、別のコーナーへ歩いて行った。

「すみかさん、優しいですね」

「ん? 普通だよ。でも外国人観光客には、できるだけ声をかけるようにしてるの。何かお困りですかとか、写真撮りましょうかとか」

「偉いですね」

「だってさ、旅行先で現地の人に優しくされると、それだけでいい思い出にならない? また行きたいなって思うようになると思うんだ」

 なるほど、そういう考え方があるのか。
 僕は感心してしまった。

「でもどうしてさっきは、日本語で声をかけたんですか? ソーダイの時は、最初から英語で話しかけてましたよね?」

「ん? ああ、ソーダイの人たちは、アメリカ英語で話してたからね。だから英語で話しかけたの」

 なんでもない事のように、すみかさんは言った。

「今の人たちは、ロシアか東欧の言葉で話してたの。だからもし英語ができない人達だったら、困るかなと思って」

「そこまで聞いてたんですね」

「だってもし英語ができなくて、いきなり英語で語りかけられたら戸惑っちゃうでしょ? だからこっちもカタコトで語りかけたら、向こうもコミュニケーションをとりやすいかな、と思って」

「凄いです」

「凄くないよー。学校の先生と同じだよ」

「えっ?」

 意外な言葉に、僕はすみかさんの顔を見た。

「先生と同じって?」

「ん? ああ、だって英語ができる子もいれば、苦手な子もいるわけじゃない? それなのに、みんな同じカリキュラムで教えていくこと自体がおかしいんだよ。一人一人のレベルに合った教え方をしていく。まあ理想論なんだけどね」

 すみかさんは、ちょっと寂しそうに笑った。

「すみかさん、いい先生になれますね」

「そお? そう言ってもらえると、嬉しいな。就職浪人中だけどね」

 すみかさんは自虐的に苦笑した。

 でも僕は、こういう人に英語を教えてもらいたいと思った。

 今の学校の授業はどうだろうか?
 教科書に沿って全員同じように授業が進められて、同じように宿題が出て、同じように答え合わせをして。

 成績の良い生徒はどんどん伸びるけど、悪い生徒はそのままだ。
 各個人のレベルに合った授業の進め方があればいいのに。

 でも確かにそれは、先生の負担が大きくなってしまうんだろうな。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?

宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。 栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。 その彼女に脅された。 「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」 今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。 でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる! しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ?? 訳が分からない……。それ、俺困るの?

学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。

たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】 『み、見えるの?』 「見えるかと言われると……ギリ見えない……」 『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』  ◆◆◆  仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。  劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。  ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。  後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。  尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。    また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。  尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……    霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。  3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。  愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー! ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。

久野真一
青春
 羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。  そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。  彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―  「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。  幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、  ある意味ラブレターのような代物で―  彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。  全三話構成です。

春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる

釧路太郎
キャラ文芸
僕には露出狂のいとこが三人いる。 他の人にはわからないように僕だけに下着をチラ見せしてくるのだが、他の人はその秘密を誰も知らない。 そんな三人のいとこたちとの共同生活が始まるのだが、僕は何事もなく生活していくことが出来るのか。 三姉妹の長女前田沙緒莉は大学一年生。次女の前田陽香は高校一年生。三女の前田真弓は中学一年生。 新生活に向けたスタートは始まったばかりなのだ。   この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」にも投稿しています。

かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?

久野真一
青春
 2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。  同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。  社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、  実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。  それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。  「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。  僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。  亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。  あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。  そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。  そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。  夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。  とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。  これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。  そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される

けるたん
青春
「ほんと胸がニセモノで良かったな。貧乳バンザイ!」 「離して洋子! じゃなきゃあのバカの頭をかち割れないっ!」 「お、落ちついてメイちゃんっ!? そんなバットで殴ったら死んじゃう!? オオカミくんが死んじゃうよ!?」 県立森実高校には2人の美の「女神」がいる。 頭脳明晰、容姿端麗、誰に対しても優しい聖女のような性格に、誰もが憧れる生徒会長と、天は二物を与えずという言葉に真正面から喧嘩を売って完膚なきまでに完勝している完全無敵の双子姉妹。 その名も『古羊姉妹』 本来であれば彼女の視界にすら入らないはずの少年Bである大神士狼のようなロマンティックゲス野郎とは、縁もゆかりもない女の子のはずだった。 ――士狼が彼女たちを不審者から助ける、その日までは。 そして『その日』は突然やってきた。 ある日、夜遊びで帰りが遅くなった士狼が急いで家へ帰ろうとすると、古羊姉妹がナイフを持った不審者に襲われている場面に遭遇したのだ。 助け出そうと駆け出すも、古羊姉妹の妹君である『古羊洋子』は助けることに成功したが、姉君であり『古羊芽衣』は不審者に胸元をザックリ斬りつけられてしまう。 何とか不審者を撃退し、急いで応急処置をしようと士狼は芽衣の身体を抱き上げた……その時だった! ――彼女の胸元から冗談みたいにバカデカい胸パッドが転げ落ちたのは。 そう、彼女は嘘で塗り固められた虚乳(きょにゅう)の持ち主だったのだ! 意識を取り戻した芽衣(Aカップ)は【乙女の秘密】を知られたことに発狂し、士狼を亡き者にするべく、その場で士狼に襲い掛かる。 士狼は洋子の協力もあり、何とか逃げることには成功するが翌日、芽衣の策略にハマり生徒会に強制入部させられる事に。 こうして古羊芽衣の無理難題を解決する大神士狼の受難の日々が始まった。 が、この時の古羊姉妹はまだ知らなかったのだ。 彼の蜂蜜のように甘い優しさが自分たち姉妹をどんどん狂わせていくことに。 ※【カクヨム】にて編掲載中。【ネオページ】にて序盤のみお試し掲載中。【Nolaノベル】【Tales】にて完全版を公開中。 イラスト担当:さんさん

処理中です...