キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太

文字の大きさ
53 / 54

No.53:3月2日

「でもそれと同時に、やらないといけないことがたくさんあるの。それは英語版Webサイトと国際学科のWebサイトの整備、それにSNS対策なんだ」

 なるほど、それは理解できる。
 うちの学校のWebサイトは、英語版がない。
 交換留学先となるアメリカの高校向けにも、英語のサイトは必須だ。
 もちろんSNS対策も必要になってくるだろう。

「これから私が中心になって、英語の動画も撮って行こうと思っているの。でも動画を編集したりとか、SNS配信や広告代理店との仲介役をサポートしてくれる人が必要なの。で、それにぴったりの生徒が1名いるわけ。しかも経験者でね」

「なるほど。いますね、ひとり」

「翔君」

 すみかさんは、僕の顔を正面から見据えた。

「私と一緒にこのプロジェクトに参加してほしい。翔君に、このプロジェクトを手伝ってほしいの」

「喜んでお手伝いしますよ、すみかさん」

 僕は即答した。
 断る理由はどこにもない。

「特別推薦がなくなった分だけ僕も勉強時間が必要ですけど、それくらいだったらお手伝いできます。全然問題ありません」

「あ、そうだ。その特別推薦枠なんだけどね」

 すみかさんの目が真剣になった。

「私ね、校長先生からこう言われたの」

「?」

「今度はお前さんが瀬戸川君をサポートする番じゃぞ、って。意味分かる?」

「……サポート……ですか?」

 どういう意味だろ?

「そう。今回校長先生は、随分ゴリ押しをしてまで私を採用してくれた。その分、翔君の特別推薦まで押し通すのは難しい状況になった。ここまではいい?」

「はい、そういうことだと理解してます」

「でももし私がこのプロジェクトを完璧に仕上げて、生徒からの授業の評判も良くて……ってなったら、周りの見る目が変わってくると思うの。この人材を採用してよかった、校長の目に間違いはなかったって」

 なるほど、確かにそれは道理だ。
 それにすみかさんだったら、そうなる可能性の方が高い。

「そしてそのプロジェクトをサポートした生徒がいる。その生徒は学校の英語のWebサイトや国際学科のサイトの整備に携わり、SNS対策に尽力して国際学科の前評判を高める功績を上げた。しかもその生徒は、昨年受験出願者数を前年対比で4倍にした生徒だとしたら」

 僕は唾を飲み込む。

「合わせ技で総合的に考えて、その生徒は特別推薦枠を得るのにふさわしい生徒だと思わない? 誰にも文句を言わせないような」

 なるほど……そういうことか。

「翔君、覚えておいてね」

 すみかさんの眼光に迫力が増した。

「私、翔君に特別推薦枠を絶対取らせるから。何があっても、どんな手を使ってでも、私の全てをかけて取らせるから。他の生徒なんかに、絶対に取らせない。今度は私の番だから」

「すみかさん……」

「これはね、私と校長先生の総意なの。本当に大崎校長には感謝しないといけないわね、私たち」

「本当にそう思います」

 ここまで僕のこと、いや僕たちのことを思ってくれるなんて。
 でも元はといえば、父さんと母さんが校長と懇意にしていたからなんだ。
 そういう意味では、父さんと母さんに感謝しなくちゃ。
 縁って本当に不思議だな。

「もちろん翔君にも、頑張ってもらわないといけないわよ。でも私も校長先生も全面的にバックアップするから。もし反対する男の教職員がいたら、私、その人と寝てもいいわ」

 とんでもない事を言い出した。

「何言ってるんですか。自分だって経験ないくせに」

「えっ? あ、そうだった……初めてで……いや、初めては……初めては、やっぱりイヤ!!」

 どうしたの?
 顔を赤くして、体をよじっている。

「まあ現実的にそんなこと起こらないでしょう」

「そ、そうよね」

 すみかさんは顔を赤くしたままだ。
 まだ何か言いたそうだ。

「どうしたんですか?」

「翔君、あのね……」

 すみかさんが、何か言いよどむ。

「3月2日……」

「3月2日? 先月の? 何かありましたっけ」

「違うの! 来年の3月2日!」

 声が大きい。
 どうしたんだろう。

「何の日だか分かる?」

「……いえ、わかりません」

 多分、僕も含めてみんな大学とか決まっている時期だと思うけど。

「卒業式だよ。翔君の」

「あー」

 なるほど。
 確かにそれぐらいの時期だろう。

「それでね……その日の夜にね。私、翔君のアパートに行くから」

「はい?」

「行って、翔君に告白するから!」

「はいぃぃ??」

 僕も大きい声が出た。

「い、一体どうしたんですか?」

「こ、言葉どおりよ!」

 すみかさんは、相変わらず顔が真っ赤だ。

「それって……その……告白の予告……みたいなやつですか?」

「そ、そうとってもらって構わないわ。だ、だから……ちゃんと返事、考えといてね……」

「そこまでしなくたって……」

 僕は嘆息する。
 すみかさんに、ここまで言わせてしまった。
 今度は僕の番だろう。
感想 6

あなたにおすすめの小説

学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。

たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】 『み、見えるの?』 「見えるかと言われると……ギリ見えない……」 『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』  ◆◆◆  仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。  劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。  ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。  後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。  尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。    また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。  尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……    霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。  3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。  愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー! ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?

宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。 栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。 その彼女に脅された。 「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」 今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。 でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる! しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ?? 訳が分からない……。それ、俺困るの?

【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません

竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる

釧路太郎
キャラ文芸
僕には露出狂のいとこが三人いる。 他の人にはわからないように僕だけに下着をチラ見せしてくるのだが、他の人はその秘密を誰も知らない。 そんな三人のいとこたちとの共同生活が始まるのだが、僕は何事もなく生活していくことが出来るのか。 三姉妹の長女前田沙緒莉は大学一年生。次女の前田陽香は高校一年生。三女の前田真弓は中学一年生。 新生活に向けたスタートは始まったばかりなのだ。   この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」にも投稿しています。

静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について

おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。 なんと、彼女は学園のマドンナだった……! こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。 彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。 そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。 そして助けられた少女もまた……。 二人の青春、そして成長物語をご覧ください。 ※中盤から甘々にご注意を。 ※性描写ありは保険です。 他サイトにも掲載しております。

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。

久野真一
青春
 羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。  そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。  彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―  「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。  幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、  ある意味ラブレターのような代物で―  彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。  全三話構成です。