学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。

たかなしポン太

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前編

環奈先生の憂鬱

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 誰だろ?

「はい」

「『巨乳女教師』が来てあげたわよ。入っていい?」

「……ああもう、自分で言っちゃってるよ……ていうかお前が変なこと言うからだぞ!」

『だからアタシは悪くないって』

 俺は引き戸を開け、環奈先生に入ってもらったのだが……その服装のインパクトが凄かった

 ピチピチのへそ出しTシャツにショートパンツという、露出度全開のスタイルだ。体にピッチリと張り付いたTシャツはVネックで、谷間もあらわに環奈先生の巨大な胸の形をくっきりと浮かび上がらせている。ブラのレース模様と合わせると、胸にメロンが2つ入っているようにさえ見えた。

 細めのウエストからショートパンツに包まれた大きめのヒップ、その下に続く肉感のある足元……完全に男を悩殺にかかっているスタイルだ。

『うわっ……環奈ちゃん、その格好で男の部屋に来るのはヤバいでしょ?』

「ここはいいでしょ? りんちゃんもいるし……でもさぁ、この格好でマサ君の部屋の前まで行ったわけ。そしたらマサくん、なんて言ったと思う?」

 まあ大体想像はつくが……

「『そんな格好してたら、風邪引くぞ。明日も早いし、おやすみ』って。部屋の中にも入れてくれないんだよ? もう本当に信じられない! 私こんなに頑張ってるのに!」

「多分頑張ってる方向性が、間違っているんだと思いますけどね」

「やっぱり全裸で凸した方が早いのかな?」

 あんた本当に教育者か?

「あーもうやってらんない。ちょっと失礼するわね」

 環奈先生はズカズカと俺の部屋に入ってきて、部屋の真ん中に座り込んだ。そして……手にしていたビールをプシュッと開けた。

「ちょっと環奈先生。ここは敷地内禁酒ですよ」

「もちろんノンアルよ。これぐらいはいいでしょ?」

 まったく悪びれる様子もなく、環奈先生はノンアルビールをグビグビと喉を鳴らしながら飲むと、プハーっと大きく息を吐く。

「まったく……ただのオッサンですね」

「いいでしょ? 24時間『巨乳女教師』はやってられないっての。ナオ君、何かツマミない?」

「ないですよ」

「あ、そういえばさ。ナオ君、夕方美久ちゃんと一緒にお風呂入ってたの?」

『はぁ?!』

 りんが鋭い視線を俺に向けてきた。

「な、なんでそれを……」

「『勝手に入ってくるな』って声が聞こえてきたし。でも美久ちゃん中3でしょ? いくら仲がいいとは言っても、ちょっといろいろマズいんじゃない?」

『マズいに決まってんじゃん! もうナオったら……妹系は検索履歴に無かったわよ!』

「だからいちいち調べるなって! でも……そうなんですよ。俺も脱衣所の鍵をかけなかったから悪いんですけどね。なかなか兄離れしてくれなくて」

「でもまあ……確かにお母さんが亡くなられてから、ナオ君にベッタリみたいだったしね。仕方ない部分もあるけど」

 環奈先生は、我が家のそんな事情も知っている。

「そうなんですけどね……でもちゃんと言い聞かせるようにします」

 もう少ししたら彼氏とかできて「ナオ兄ぃ、キモい」とか言うようになるかもしれないし……でもそれはそれで凹むだろうな。

 環奈先生はその後すぐに「明日早いから」と言って出ていった。俺は花宮のメッセージに返信するのをすっかり忘れ、それに気がついたのは翌朝だった。そして俺は考えに考え、「可愛いぞ。似合ってる」というメッセージを死ぬほど恥ずかしい思いで送信した。花宮からはすぐに、猫が照れた表情で「ありがとう」と言っているスタンプが返信されてきた。

              ◆◆◆

 俺の実家での夏休みは、半日修行、半日フリー or 学校の宿題というパターンで過ごしていく。修行は霊能力と精神力をかなり消耗する。修行の後はかなりぐったりしてしまうので、俺は宿題をやりながら寝落ちしそうになるときもある。

 ちなみに環奈先生は予定通り2泊の滞在で帰っていった。滞在中に美久を半日買い物に連れ出してくれて、その時に下着も買ってくれたらしい。本当にありがたい。

 俺が修行の時間中、りんは俺の部屋でテレビとパソコンで時間を潰し、俺が戻ってくるとテレビから収集した芸能情報を話し出す。俺は疲れているので、右から左へ聞き流すだけだが……なんだか倦怠期の夫婦みたいだな。

 それでもりんがいるおかげで助かっていることもある。食事の準備に俺も参加することが多いのだが、りんが隣で料理指導をしてくれるお陰で非常に手際よくできるのだ。美久も目を丸くして「ナオ兄ぃ、ちゃんと自炊してるみたいだね」とびっくりしていた。

 そんな夏休みを送っていた8月のある日。俺は朝から落ち着かなかった。

『今日は琴ちゃんとお父さんが来る日だよね? ナオ、楽しみでしょ? ちょっとはオシャレしないとダメだよ。ねえ、どんなジャージ着るの?』

「体育教師か。なんでジャージ一択なんだよ」

『ちゃんと琴ちゃんに、ビキニ持って来いって言った?』

「お前は花宮に何をさせたいんだ?」

 そう、今日は花宮と花宮のお父さんが、水巌寺に見学に来る日だ。俺が兄貴と日取りを調整して、昼前には到着する。朝9時過ぎに「これから家を出るからね」と花宮からメッセージがきた。

 でも確かにりんの言う通り、お洒落しようにも俺はろくな服を持っていない。私服のほとんどをアパートに置いてきたし、俺は寺にいる間は作務衣さむえを着ている場合が多い。仕方ないので俺がここに来たときに着ていたブルーのシャツにジーンズを着ることにする。

「もうすぐ着くよ」という花宮からのメッセージを受けて、俺は駐車場で待機する。俺はりんに部屋で待ってもらいたかったが、『なんでよ! 連れてってよ! 絶対行く!』といって聞かかなったので、しぶしぶ連れて行くことにした。
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