11 / 17
拒まれなかった、その距離
しおりを挟む
時は緩やかに過ぎ、あの夜から一年の年月が経った――。
「オレーリア、ノーフォーク伯爵領の小麦の生産量は右肩上がりだ。不作の年に備えた備蓄も、すでに整っている。小麦を使った加工品の出荷も増産傾向だが……できれば、もう一手、何か欲しいところだな」
「そうですね……クッキー以外にも、日持ちのするものがあればよいのですが……。王都に到着するまで一週間。何か良い案はありませんでしょうか?」
オレーリアは、手元の報告書から視線を上げ、静かに考え込んだ。
――小麦はある。
――加工技術もある。
――問題は「時間」と「輸送」だ。
焼き菓子は人気がある。だが、湿気に弱く、長旅には向かない。塩蔵は保存が利くが、嗜好品としては弱い。
「……“乾かす”のではなく、“閉じ込める”という手は?」
ぽつりと漏れた独り言に、エドワードが眉を上げた。
「閉じ込める?」
「ええ。水分を飛ばすのではなく、空気を遮断するのです。油、あるいは蜜。小麦を粉にして焼いたあと、完全に冷ましてから、油脂で包む……」
オレーリアは指先で机を軽く叩きながら、思考を組み立てていく。
「例えば――硬く焼いた小麦菓子を、澄ましバターで密封する。空気に触れなければ、カビも進みにくい。味も落ちにくく、腹持ちも良い」
「……保存食でありながら、嗜好品にもなる、か」
エドワードは小さく唸った。
「はい。兵の携行食にもなりますし、街道の商人にも売れます。王都に届くまで一週間……十分、持ちます」
そして、オレーリアは一拍置いて、視線を上げた。
「さらに言えば――“ノーフォークの保存菓子”として名を売れます。無言で信を積み上げていく品になります」
エドワードは、その言葉の意味を即座に理解した。
飢饉の年でも届く。
戦の後でも配れる。
そして、「あの伯爵領は備えがある」と知らしめる象徴になる。
「……なるほどな」
口元に、わずかな笑みが浮かぶ。
「小麦は武器にならんが、保存食は武器になる、というわけだ」
「ええ。剣より静かで、けれど確実に効きます」
その夜、ノーフォーク伯爵領では、試作第一号の保存菓子が焼かれた。
エドワードは、この一年、オレーリアとの距離を詰めあぐねていた。
かつて自分が犯した過ち――名を与えぬまま胸の底に沈め続けてきた“罪”が、今もなお、彼の一歩を縛っている。
罪悪感と執着が絡み合った感情は、いつしか恋情と独占欲へと姿を変えていた。
それでも最近、オレーリアの表情から、かつての強張りは消えている。肩に入っていた力も抜け、すれ違いざまに視線が合うことが増えた。
ほんの一瞬――彼を確かめるように向けられるその眼差しに、エドワードは思わず息を詰める。
彼の言葉に、小さく笑い返してくれることもある。そのたびに、胸の奥に沈めてきた“あの夜”の記憶が、鈍く疼いた。
王宮ですれ違うか、月に一度のノーフォーク領の報告会と、その後のお茶会。
二人の接点は、それだけだ。
テーブル越しに向けられる穏やかな微笑み。
カップを置く指先の動き。
何気ない仕草のひとつひとつが、彼の理性を少しずつ削っていく。
正直なところ、エドワードは焦れていた。もう一歩、関係を進めたい。手を伸ばせば届く距離に、彼女はいる。
――だが、その手で触れていいのか。かつて、自分が傷つけた相手に。
その迷いは今も、彼の胸の奥で、静かに息をしている。
◇◇◇
その夜、エドワードの胸を占めていたのは、ウィリアムの名だった。
談笑する二人の姿。オレーリアが見せた、あの無防備な微笑み――自分のものではない、と突きつけられたような感覚が、理性を削った。
王宮で割り当てられた部屋へ戻る回廊で、エドワードが足を止めたのは、ほとんど衝動だった。
偶然を装うには、あまりに拙い間だった。それでも、彼は声をかけてしまった。
「……オレーリア」
彼女は驚いたように瞬きをしたが、拒まなかった。
扉が閉まる。
それだけで、逃げ道は消える。
エドワードは何も言わなかった。言えば、壊れてしまう気がしたからだ。
ただ、そっと手を伸ばす。触れた肩は強張らず、振り払われることもない。
――同意は、沈黙の中にあった。
彼は乱暴にはしなかった。確かめるように、壊さぬように、指先で距離を詰めていく。
オレーリアもまた、言葉を発さなかった。視線を伏せたまま、逃げることも、応えることもせず、ただ受け入れている。
口づけは、なかった。
名を呼ぶことも、会話も。
それでも、二人の距離は戻れないところまで近づいていた。
それが愛なのか、嫉妬の延長なのか、それとも贖罪のつもりだったのか――答えは、どこにもなかった。
ただ、静かに夜が更け、朝になれば、何事もなかった顔で向き合わねばならない関係だけが、そこに残った。
翌日の報告会の間、エドワードは一度もオレーリアを正面から見なかった。
見れば、壊れる。
見れば、昨夜の沈黙が、すべて言葉を持って蘇る。
(……俺は、何をした)
衝動だった。ウィリアムの存在に、胸の奥を抉られた瞬間、理性が遅れた。
拒まれなかったことが、救いであり、同時に罪だった。
もし、あのとき彼女が一言でも拒んでいたら。あるいは、名を呼んでいたら。
――どれほど、楽だっただろう。
彼女は何も言わなかった。だからこそ、エドワードは奪った側になった。
(優しくした、だと?)
そんな言い訳が、通じるはずもない。優しさは、免罪符にはならない。それでも。ウィリアムが彼女の隣に立った瞬間、胸の奥で、はっきりと黒い感情が蠢いた。
(……触れるな)
理不尽だと、わかっている。昨夜、自分は何も約束していない。関係を定義する言葉すら、口にしていない。
それなのに。彼女が自分以外に向けて微笑むことが、耐え難い。
(独占したい)
そう思ってしまった時点で、もう遅かった。後悔と、欲望と、過去の罪が絡まり合い、エドワードは初めて悟る。
――昨夜の行為よりも、この感情のほうが、よほど取り返しがつかない、と。
エドワードと別れ、部屋に戻ってから、オレーリアは何度も深呼吸をした。
(落ち着いて。考えましょう)
――優しかった。
――視線を逸らしていた。
――何も言わなかった。
事実だけを並べれば、感情は切り離せるはずだった。なぜ、胸の奥が、こんなにも静かに熱いのか。
嫌悪は、なかった。恐怖も、怒りも。
あるのは、触れられた記憶と、それを否定しきれない自分自身。
(違う)
オレーリアは、強く首を振った。
(私は――)
彼に傷つけられた過去がある。忘れたふりをしてきただけで、消えたわけではない。なのに、『好意』という言葉が、何度も、思考の縁に浮かんでは消える。
(この想いが育ってしまったら、どうするの)
それは、自分を裏切ることだ。過去の自分を、軽んじることだ。この気持ちを整理しようとすればするほど、感情は形を持ち始めてしまう。
――エドワード様が……好き?
結論を出すには、心が、あまりにも正直すぎた。
そのとき、ふと、ウィリアムの声が脳裏をよぎる。
『お前を傷つけた男で、いいのか?』
答えは、まだ出ない。ただ一つだけ、はっきりしていることがあった。――このままでは、何もなかった顔で、エドワード様と向き合うことは、もうできない。
________________
エドワードが嫌いな方、ごめんなさい🙏
エール📣・いいね❤️ をいただけると物語づくりの励みになります。
📣 新連載スタート!
【口づけした同期の騎士が、
慕っていた女の先輩と一線を越えていました。
モテ騎士と優しい副団長、どちらを選べばいいですか?】
⚔️じれじれ × 💞すれ違い × 騎士団恋愛譚
「オレーリア、ノーフォーク伯爵領の小麦の生産量は右肩上がりだ。不作の年に備えた備蓄も、すでに整っている。小麦を使った加工品の出荷も増産傾向だが……できれば、もう一手、何か欲しいところだな」
「そうですね……クッキー以外にも、日持ちのするものがあればよいのですが……。王都に到着するまで一週間。何か良い案はありませんでしょうか?」
オレーリアは、手元の報告書から視線を上げ、静かに考え込んだ。
――小麦はある。
――加工技術もある。
――問題は「時間」と「輸送」だ。
焼き菓子は人気がある。だが、湿気に弱く、長旅には向かない。塩蔵は保存が利くが、嗜好品としては弱い。
「……“乾かす”のではなく、“閉じ込める”という手は?」
ぽつりと漏れた独り言に、エドワードが眉を上げた。
「閉じ込める?」
「ええ。水分を飛ばすのではなく、空気を遮断するのです。油、あるいは蜜。小麦を粉にして焼いたあと、完全に冷ましてから、油脂で包む……」
オレーリアは指先で机を軽く叩きながら、思考を組み立てていく。
「例えば――硬く焼いた小麦菓子を、澄ましバターで密封する。空気に触れなければ、カビも進みにくい。味も落ちにくく、腹持ちも良い」
「……保存食でありながら、嗜好品にもなる、か」
エドワードは小さく唸った。
「はい。兵の携行食にもなりますし、街道の商人にも売れます。王都に届くまで一週間……十分、持ちます」
そして、オレーリアは一拍置いて、視線を上げた。
「さらに言えば――“ノーフォークの保存菓子”として名を売れます。無言で信を積み上げていく品になります」
エドワードは、その言葉の意味を即座に理解した。
飢饉の年でも届く。
戦の後でも配れる。
そして、「あの伯爵領は備えがある」と知らしめる象徴になる。
「……なるほどな」
口元に、わずかな笑みが浮かぶ。
「小麦は武器にならんが、保存食は武器になる、というわけだ」
「ええ。剣より静かで、けれど確実に効きます」
その夜、ノーフォーク伯爵領では、試作第一号の保存菓子が焼かれた。
エドワードは、この一年、オレーリアとの距離を詰めあぐねていた。
かつて自分が犯した過ち――名を与えぬまま胸の底に沈め続けてきた“罪”が、今もなお、彼の一歩を縛っている。
罪悪感と執着が絡み合った感情は、いつしか恋情と独占欲へと姿を変えていた。
それでも最近、オレーリアの表情から、かつての強張りは消えている。肩に入っていた力も抜け、すれ違いざまに視線が合うことが増えた。
ほんの一瞬――彼を確かめるように向けられるその眼差しに、エドワードは思わず息を詰める。
彼の言葉に、小さく笑い返してくれることもある。そのたびに、胸の奥に沈めてきた“あの夜”の記憶が、鈍く疼いた。
王宮ですれ違うか、月に一度のノーフォーク領の報告会と、その後のお茶会。
二人の接点は、それだけだ。
テーブル越しに向けられる穏やかな微笑み。
カップを置く指先の動き。
何気ない仕草のひとつひとつが、彼の理性を少しずつ削っていく。
正直なところ、エドワードは焦れていた。もう一歩、関係を進めたい。手を伸ばせば届く距離に、彼女はいる。
――だが、その手で触れていいのか。かつて、自分が傷つけた相手に。
その迷いは今も、彼の胸の奥で、静かに息をしている。
◇◇◇
その夜、エドワードの胸を占めていたのは、ウィリアムの名だった。
談笑する二人の姿。オレーリアが見せた、あの無防備な微笑み――自分のものではない、と突きつけられたような感覚が、理性を削った。
王宮で割り当てられた部屋へ戻る回廊で、エドワードが足を止めたのは、ほとんど衝動だった。
偶然を装うには、あまりに拙い間だった。それでも、彼は声をかけてしまった。
「……オレーリア」
彼女は驚いたように瞬きをしたが、拒まなかった。
扉が閉まる。
それだけで、逃げ道は消える。
エドワードは何も言わなかった。言えば、壊れてしまう気がしたからだ。
ただ、そっと手を伸ばす。触れた肩は強張らず、振り払われることもない。
――同意は、沈黙の中にあった。
彼は乱暴にはしなかった。確かめるように、壊さぬように、指先で距離を詰めていく。
オレーリアもまた、言葉を発さなかった。視線を伏せたまま、逃げることも、応えることもせず、ただ受け入れている。
口づけは、なかった。
名を呼ぶことも、会話も。
それでも、二人の距離は戻れないところまで近づいていた。
それが愛なのか、嫉妬の延長なのか、それとも贖罪のつもりだったのか――答えは、どこにもなかった。
ただ、静かに夜が更け、朝になれば、何事もなかった顔で向き合わねばならない関係だけが、そこに残った。
翌日の報告会の間、エドワードは一度もオレーリアを正面から見なかった。
見れば、壊れる。
見れば、昨夜の沈黙が、すべて言葉を持って蘇る。
(……俺は、何をした)
衝動だった。ウィリアムの存在に、胸の奥を抉られた瞬間、理性が遅れた。
拒まれなかったことが、救いであり、同時に罪だった。
もし、あのとき彼女が一言でも拒んでいたら。あるいは、名を呼んでいたら。
――どれほど、楽だっただろう。
彼女は何も言わなかった。だからこそ、エドワードは奪った側になった。
(優しくした、だと?)
そんな言い訳が、通じるはずもない。優しさは、免罪符にはならない。それでも。ウィリアムが彼女の隣に立った瞬間、胸の奥で、はっきりと黒い感情が蠢いた。
(……触れるな)
理不尽だと、わかっている。昨夜、自分は何も約束していない。関係を定義する言葉すら、口にしていない。
それなのに。彼女が自分以外に向けて微笑むことが、耐え難い。
(独占したい)
そう思ってしまった時点で、もう遅かった。後悔と、欲望と、過去の罪が絡まり合い、エドワードは初めて悟る。
――昨夜の行為よりも、この感情のほうが、よほど取り返しがつかない、と。
エドワードと別れ、部屋に戻ってから、オレーリアは何度も深呼吸をした。
(落ち着いて。考えましょう)
――優しかった。
――視線を逸らしていた。
――何も言わなかった。
事実だけを並べれば、感情は切り離せるはずだった。なぜ、胸の奥が、こんなにも静かに熱いのか。
嫌悪は、なかった。恐怖も、怒りも。
あるのは、触れられた記憶と、それを否定しきれない自分自身。
(違う)
オレーリアは、強く首を振った。
(私は――)
彼に傷つけられた過去がある。忘れたふりをしてきただけで、消えたわけではない。なのに、『好意』という言葉が、何度も、思考の縁に浮かんでは消える。
(この想いが育ってしまったら、どうするの)
それは、自分を裏切ることだ。過去の自分を、軽んじることだ。この気持ちを整理しようとすればするほど、感情は形を持ち始めてしまう。
――エドワード様が……好き?
結論を出すには、心が、あまりにも正直すぎた。
そのとき、ふと、ウィリアムの声が脳裏をよぎる。
『お前を傷つけた男で、いいのか?』
答えは、まだ出ない。ただ一つだけ、はっきりしていることがあった。――このままでは、何もなかった顔で、エドワード様と向き合うことは、もうできない。
________________
エドワードが嫌いな方、ごめんなさい🙏
エール📣・いいね❤️ をいただけると物語づくりの励みになります。
📣 新連載スタート!
【口づけした同期の騎士が、
慕っていた女の先輩と一線を越えていました。
モテ騎士と優しい副団長、どちらを選べばいいですか?】
⚔️じれじれ × 💞すれ違い × 騎士団恋愛譚
847
あなたにおすすめの小説
「一晩一緒に過ごしただけで彼女面とかやめてくれないか」とあなたが言うから
キムラましゅろう
恋愛
長い間片想いをしていた相手、同期のディランが同じ部署の女性に「一晩共にすごしただけで彼女面とかやめてくれないか」と言っているのを聞いてしまったステラ。
「はいぃ勘違いしてごめんなさいぃ!」と思わず心の中で謝るステラ。
何故なら彼女も一週間前にディランと熱い夜をすごした後だったから……。
一話完結の読み切りです。
ご都合主義というか中身はありません。
軽い気持ちでサクッとお読み下さいませ。
誤字脱字、ごめんなさい!←最初に謝っておく。
小説家になろうさんにも時差投稿します。
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリエット・スチール公爵令嬢18歳
ロミオ王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
余命わずかな私は、好きな人に愛を伝えて素っ気なくあしらわれる日々を楽しんでいる
ラム猫
恋愛
王城の図書室で働くルーナは、見た目には全く分からない特殊な病により、余命わずかであった。悲観はせず、彼女はかねてより憧れていた冷徹な第一騎士団長アシェンに毎日愛を告白し、彼の困惑した反応を見ることを最後の人生の楽しみとする。アシェンは一貫してそっけない態度を取り続けるが、ルーナのひたむきな告白は、彼の無関心だった心に少しずつ波紋を広げていった。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも同じ作品を投稿しています
※全十七話で完結の予定でしたが、勝手ながら二話ほど追加させていただきます。公開は同時に行うので、完結予定日は変わりません。本編は十五話まで、その後は番外編になります。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
円満離婚に持ち込むはずが。~『冷酷皇帝の最愛妃』
みこと。
恋愛
「あなたと子を作るつもりはない」
皇帝シュテファンに嫁いだエリザは、初夜に夫から宣言されて首をかしげる。
(これは"愛することのない"の亜種?)
前世を思い出したばかりの彼女は、ここが小説『冷酷皇帝の最愛妃』の中だと気づき、冷静に状況を分析していた。
エリザの役どころは、公爵家が皇帝に押し付けた花嫁で、彼の恋路の邪魔をするモブ皇妃。小説のシュテファンは、最終的には運命の恋人アンネと結ばれる。
それは確かに、子どもが出来たら困るだろう。
速やかな"円満離婚"を前提にシュテファンと契約を結んだエリザだったが、とあるキッカケで彼の子を身ごもることになってしまい──?
シュテファンとの契約違反におののき、思わず逃走したエリザに「やっと見つけた」と追いすがる夫。
どうやら彼はエリザ一筋だったらしく。あれ? あなたの恋人アンネはどうしたの?
※小説家になろう様でも掲載しています
※表紙イラスト:あさぎかな先生にコラージュアートをいただきました
※毎朝7時に更新していく予定です
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
「地味で無能」と捨てられた令嬢は、冷酷な【年上イケオジ公爵】に嫁ぎました〜今更私の価値に気づいた元王太子が後悔で顔面蒼白になっても今更遅い
腐ったバナナ
恋愛
伯爵令嬢クラウディアは、婚約者のアルバート王太子と妹リリアンに「地味で無能」と断罪され、公衆の面前で婚約破棄される。
お飾りの厄介払いとして押し付けられた嫁ぎ先は、「氷壁公爵」と恐れられる年上の冷酷な辺境伯アレクシス・グレイヴナー公爵だった。
当初は冷徹だった公爵は、クラウディアの才能と、過去の傷を癒やす温もりに触れ、その愛を「二度と失わない」と固く誓う。
彼の愛は、包容力と同時に、狂気的な独占欲を伴った「大人の愛」へと昇華していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる