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【9】残酷★
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「ひっ、あ……ん!」
誰にも触られたことのない場所に指が触れ、迷いのない動きで突き入れられる。ほんの少し前まで温もりを感じていた指が己の内を掻きまわし乱し、その事実がレジーナを追いつめた。
「や、らっ!」
「痛いか?」
最初は息が詰まった。けれど痛いとは違う気がする。初めての感覚に落ち着かない、というのが正しいだろうか。乾いていた秘所は徐々に潤み、アンセルの指を汚していた。
「あっ、やぁっ!」
内側で指を曲げて刺激され腰が跳ねる。枯れたはずの声が溢れ許しを乞う。
「もう止めて」
「すまない。だが解さないとお前が辛くなる」
お腹の奥が熱い。それはレジーナが気づかないうちに二本に増え、好き勝手に動き翻弄する。秘部から零れる愛液は激しさを増し、くっと指を折り曲げられると自分のものとは思えない声が響いた。
指を引き抜かれると頭が真っ白になる。アンセルは身体を起こし、枕元にあった水差に口をつけた。仰向きのまま動かないレジーナを抱き起こすと口移しで水を飲ませた。
「平気か?」
もう一度丁寧に寝かされ、アンセルに見下ろされる。初めての体験に答える気力もなく放心していると、投げ出された足の間にアンセルが身体を捩じ込む。裸の自分ときっちり服を着たままの彼が対照的だった。
彼の手が自身のベルトへと伸び、目の前で下履きが寛げられていく。逃げなければならないのに身体が自由にならないことがもどかしい。
「止めて……」
これから何が起こるのか嫌でもわかる。震える膝を立て、肘を突いてやっと身体を起こしたが、レジーナの努力は無力だった。
ほんの少し動いた身体ではとうてい逃げられない。立てた足を掬われ、アンセルが距離を詰めてくる。
「だめ、いや」
青い顔で首を振る。もう生きていたくない。希望なんて無いのにどうして助けようとするの?
凶暴な質量を押しつけられた膣口も恐怖に震えていた。
「助けて」
誰にも届かなかった願いは今、しっかりとアンセルに届いていた。それなのに求める結果は真逆だ。
「ああ。助けてやる」
「ちがっ――」
「悪いな」
言うなり押しつけられた熱が細い通路を割る。腰が震え逃げようとするも、容赦の無い力にレジーナは悲鳴を上げた。
「ああぁっ!」
痛みに涙が滲む。指とは比べものにならない質量を全身が拒絶する。入らないと首を振っても彼が止まることはなく、腰を引き寄せられ侵入を続けてくる。征服されるような感覚に、心だけでなく秘部が軋むようだ。
「っう……い、たっ……」
「悪い……」
謝るアンセルの声に目を開けると、彼も辛そうな顔をしていた。
(痛いのは、私だけじゃない?)
彼の辛そうな顔を見ていると自分の胸も痛くなる。この行為がアンセルを苦しめているのなら一刻も早く止めなければと思う。けれど組み敷かれ、貫かれたレジーナに自由はない。
膣口が張り出た先端を咥えてなおアンセルは奥を目指そうとする。ゆっくりと、だが確実に胎の中を支配される。
(まだ入るの? まだ先があるの? こんなに痛いのに!?)
僅かに目にした彼のものは大きく立ち上がっていた。それが今、全て収まろうとしている。
「レジーナ、息を」
唇を噛みしめて苦痛をやり過ごしていると労わるように肌を撫でられる。きっと自分はこの手に弱い。たったそれだけのことに酷く安心するのは、ずっとこの温もりを求めていたのだから。
その瞬間、ひときわ大きな衝撃が身体を貫いた。
「はっ、あっ――」
「入った」
涙に濡れた瞳で繋がったという場所に視線を向ける。そこにあったはずの距離がなくなり、あの恐ろしい剛直が全てレジーナの中に埋められていた。アンセルもまた、確かめるように薄い腹を撫でている。
「あ、もう……」
(入ってしまったの?)
手遅れになってしまった事実に絶望する。
誰にも触られたことのない場所に指が触れ、迷いのない動きで突き入れられる。ほんの少し前まで温もりを感じていた指が己の内を掻きまわし乱し、その事実がレジーナを追いつめた。
「や、らっ!」
「痛いか?」
最初は息が詰まった。けれど痛いとは違う気がする。初めての感覚に落ち着かない、というのが正しいだろうか。乾いていた秘所は徐々に潤み、アンセルの指を汚していた。
「あっ、やぁっ!」
内側で指を曲げて刺激され腰が跳ねる。枯れたはずの声が溢れ許しを乞う。
「もう止めて」
「すまない。だが解さないとお前が辛くなる」
お腹の奥が熱い。それはレジーナが気づかないうちに二本に増え、好き勝手に動き翻弄する。秘部から零れる愛液は激しさを増し、くっと指を折り曲げられると自分のものとは思えない声が響いた。
指を引き抜かれると頭が真っ白になる。アンセルは身体を起こし、枕元にあった水差に口をつけた。仰向きのまま動かないレジーナを抱き起こすと口移しで水を飲ませた。
「平気か?」
もう一度丁寧に寝かされ、アンセルに見下ろされる。初めての体験に答える気力もなく放心していると、投げ出された足の間にアンセルが身体を捩じ込む。裸の自分ときっちり服を着たままの彼が対照的だった。
彼の手が自身のベルトへと伸び、目の前で下履きが寛げられていく。逃げなければならないのに身体が自由にならないことがもどかしい。
「止めて……」
これから何が起こるのか嫌でもわかる。震える膝を立て、肘を突いてやっと身体を起こしたが、レジーナの努力は無力だった。
ほんの少し動いた身体ではとうてい逃げられない。立てた足を掬われ、アンセルが距離を詰めてくる。
「だめ、いや」
青い顔で首を振る。もう生きていたくない。希望なんて無いのにどうして助けようとするの?
凶暴な質量を押しつけられた膣口も恐怖に震えていた。
「助けて」
誰にも届かなかった願いは今、しっかりとアンセルに届いていた。それなのに求める結果は真逆だ。
「ああ。助けてやる」
「ちがっ――」
「悪いな」
言うなり押しつけられた熱が細い通路を割る。腰が震え逃げようとするも、容赦の無い力にレジーナは悲鳴を上げた。
「ああぁっ!」
痛みに涙が滲む。指とは比べものにならない質量を全身が拒絶する。入らないと首を振っても彼が止まることはなく、腰を引き寄せられ侵入を続けてくる。征服されるような感覚に、心だけでなく秘部が軋むようだ。
「っう……い、たっ……」
「悪い……」
謝るアンセルの声に目を開けると、彼も辛そうな顔をしていた。
(痛いのは、私だけじゃない?)
彼の辛そうな顔を見ていると自分の胸も痛くなる。この行為がアンセルを苦しめているのなら一刻も早く止めなければと思う。けれど組み敷かれ、貫かれたレジーナに自由はない。
膣口が張り出た先端を咥えてなおアンセルは奥を目指そうとする。ゆっくりと、だが確実に胎の中を支配される。
(まだ入るの? まだ先があるの? こんなに痛いのに!?)
僅かに目にした彼のものは大きく立ち上がっていた。それが今、全て収まろうとしている。
「レジーナ、息を」
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その瞬間、ひときわ大きな衝撃が身体を貫いた。
「はっ、あっ――」
「入った」
涙に濡れた瞳で繋がったという場所に視線を向ける。そこにあったはずの距離がなくなり、あの恐ろしい剛直が全てレジーナの中に埋められていた。アンセルもまた、確かめるように薄い腹を撫でている。
「あ、もう……」
(入ってしまったの?)
手遅れになってしまった事実に絶望する。
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