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【10】魔力★
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アンセルの存在を意識して秘部が疼く。鈍く痛みを訴え、与えられる熱を締め付けている。
「……もう、止めてください」
「動くぞ」
「アンセルさまっ、ああっ!」
無情な宣告を嘆く間もなくアンセルが腰を引く。剛直に刻まれた赤は、この行為がレジーナにとって初めてであることを告げていた。その光景は咎めるようにアンセルの目に焼き付けられる。
「お前、初めてなのか?」
「あっ、や、見ないで」
「そうか……」
けれど同時に嬉しいとも感じてしまう。
「お前を愛することができるのは、俺だけなんだな」
どれほど焦がれても触れることの許されない相手だった。エドワードとの婚約が政略結婚であることは明白だが、二人が想い合っているのなら身を引くつもりだった。それなのにエドワードは自ら手を放したのだ。一度でも手放したのなら、二度と他の男にくれてやるつもりはない。
「あの王子はまだ、お前に触れていなかったのか」
「え――、あっ、や、らぁ!」
どこか嬉しそうなアンセルの声に彼の姿を探す。目が合うと愛しそうに微笑まれた。
奥を狙い腰を打ち付け、肌がぶつかり音を立てる。容赦なく与えられる強い刺激に翻弄され、レジーナの瞳からいくつもの涙が零れた。
「んんっ、ん、あっ!」
「悪い、痛いよな」
アンセルの動きに合わせて彼の剛直と内壁が擦れ、つるりとした先端は押し込まれるたび奥を叩く。完全に抜けきる前に押し戻され、お互いの体液と空気が混ざり酷い音がする。どちらのものかもわからなくなった体液がシーツを汚し触れた場所が冷たい。
彼を押し退けようとする手を取られ、膝裏から深く足を持ち上げられる。容赦なく秘列を暴かれ、胎を占める剛直がひと際張りつめたことでレジーナは慌てた。
「いや、止まって、抜いてぇ!」
「聞けるかよ」
恐ろしく艶めかしい吐息が肌をかすめ、アンセルの手が愛しそうに腹部に触れる。まるで愛されているような錯覚に、言葉で彼を拒絶した。そうしていないと愛されていると誤解してしまう。
「ひっ、あ、やぁあっ!」
(こんなこと、いけない。だめなのに!)
「や、らぁ……!」
みっともなく喘ぐ姿を憧れの人に見られていることも耐えられなかった。どうして美しい思い出のままいさせてくれないのだろう。
強く手のひらを握ることで少しでも快楽を逃そうとすれば、それさえも咎められた。この場においてレジーナに許されることは、アンセルに愛される他にないのだ。
「止めろ、傷がつく」
固く閉じた手を解いて握られる。白い手にキスが落ち、掌同士が触れ合った。彼の指が絡み、囚われ逃げられない。
「あっあっ、やっ、わたし……はっ、あ――!」
「っ、俺も……だす、ぞ」
握られた手はシーツに張りつけられ、腰が浮くほど押し上げられる。どろりと腹の奥が満たされ、吐き出された精が子宮に触れた。
「ふ、あっ……」
馴染ませるように腰を擦りつけられ、乾いていた身体が満たされていく。長い射精が終ると、彼の魔力に支配されていた。火照っていた肌だけでなく、内側から熱を感じる。
「おなか、あつい……?」
「俺がお前を愛した証だ」
「あ、い?」
思いがけない言葉に目を見張ると、アンセルも同じような顔をしていた。
「俺はお前を愛している、レジーナ」
「うそ……」
「嘘じゃねーよ。ああ、だいぶ顔色が戻ってきたな」
頬に触れた手が体温を確かめている。優しくされると甘えてしまいそうで、レジーナは顔を背けてしまった。
ただでさえ枯れていた喉が、叫んだせいで苦しい。むせて咳き込むとアンセルが離れて行くのがわかった。きっとまた口移しで水を与えてくれるのだろう。しかしレジーナは好機とばかりにアンセルに背を向ける。身体を守るようにうつ伏せになり、這ってでも逃げようとした。
――そんなことが許されるはずもないのに。
背中を向けたところでアンセルが覆い被さってくる。布越しにも感じる鍛えられた身体は硬く、意図せず擦りつけられたアンセルのものはすでに硬度を取り戻していた。戸惑ううちに顎を救われ、強引に後ろを向かされたところで唇を重なる。
「んんっ!」
くぐもった声の合間に、飲み干しきれなかった水が零れていく。そのままシーツに手を突かれ、彼の檻に閉じ込められてしまった。至近距離で瞳を覗かれ居心地が悪い。
「どこへ行く? まさか、逃げられると思っているのか?」
あれで終わりではないとアンセルの目が語っている。強引に視線を合わせ、わざとらしく性器を擦りつけ煽ろうとする。
「いいぜ。今度は後ろからでも」
「どうして、だってもう、終わって……」
うわごとのように繰り返していると、熱い吐息が口を掠める。言い聞かせるように囁かれた。
「足りないだろう。もっと注がせろ」
「ひっ――」
喉を引きつらせ、悲鳴も上げられない哀れな女。アンセルは労わるようにレジーナの喉を撫でた。
「……もう、止めてください」
「動くぞ」
「アンセルさまっ、ああっ!」
無情な宣告を嘆く間もなくアンセルが腰を引く。剛直に刻まれた赤は、この行為がレジーナにとって初めてであることを告げていた。その光景は咎めるようにアンセルの目に焼き付けられる。
「お前、初めてなのか?」
「あっ、や、見ないで」
「そうか……」
けれど同時に嬉しいとも感じてしまう。
「お前を愛することができるのは、俺だけなんだな」
どれほど焦がれても触れることの許されない相手だった。エドワードとの婚約が政略結婚であることは明白だが、二人が想い合っているのなら身を引くつもりだった。それなのにエドワードは自ら手を放したのだ。一度でも手放したのなら、二度と他の男にくれてやるつもりはない。
「あの王子はまだ、お前に触れていなかったのか」
「え――、あっ、や、らぁ!」
どこか嬉しそうなアンセルの声に彼の姿を探す。目が合うと愛しそうに微笑まれた。
奥を狙い腰を打ち付け、肌がぶつかり音を立てる。容赦なく与えられる強い刺激に翻弄され、レジーナの瞳からいくつもの涙が零れた。
「んんっ、ん、あっ!」
「悪い、痛いよな」
アンセルの動きに合わせて彼の剛直と内壁が擦れ、つるりとした先端は押し込まれるたび奥を叩く。完全に抜けきる前に押し戻され、お互いの体液と空気が混ざり酷い音がする。どちらのものかもわからなくなった体液がシーツを汚し触れた場所が冷たい。
彼を押し退けようとする手を取られ、膝裏から深く足を持ち上げられる。容赦なく秘列を暴かれ、胎を占める剛直がひと際張りつめたことでレジーナは慌てた。
「いや、止まって、抜いてぇ!」
「聞けるかよ」
恐ろしく艶めかしい吐息が肌をかすめ、アンセルの手が愛しそうに腹部に触れる。まるで愛されているような錯覚に、言葉で彼を拒絶した。そうしていないと愛されていると誤解してしまう。
「ひっ、あ、やぁあっ!」
(こんなこと、いけない。だめなのに!)
「や、らぁ……!」
みっともなく喘ぐ姿を憧れの人に見られていることも耐えられなかった。どうして美しい思い出のままいさせてくれないのだろう。
強く手のひらを握ることで少しでも快楽を逃そうとすれば、それさえも咎められた。この場においてレジーナに許されることは、アンセルに愛される他にないのだ。
「止めろ、傷がつく」
固く閉じた手を解いて握られる。白い手にキスが落ち、掌同士が触れ合った。彼の指が絡み、囚われ逃げられない。
「あっあっ、やっ、わたし……はっ、あ――!」
「っ、俺も……だす、ぞ」
握られた手はシーツに張りつけられ、腰が浮くほど押し上げられる。どろりと腹の奥が満たされ、吐き出された精が子宮に触れた。
「ふ、あっ……」
馴染ませるように腰を擦りつけられ、乾いていた身体が満たされていく。長い射精が終ると、彼の魔力に支配されていた。火照っていた肌だけでなく、内側から熱を感じる。
「おなか、あつい……?」
「俺がお前を愛した証だ」
「あ、い?」
思いがけない言葉に目を見張ると、アンセルも同じような顔をしていた。
「俺はお前を愛している、レジーナ」
「うそ……」
「嘘じゃねーよ。ああ、だいぶ顔色が戻ってきたな」
頬に触れた手が体温を確かめている。優しくされると甘えてしまいそうで、レジーナは顔を背けてしまった。
ただでさえ枯れていた喉が、叫んだせいで苦しい。むせて咳き込むとアンセルが離れて行くのがわかった。きっとまた口移しで水を与えてくれるのだろう。しかしレジーナは好機とばかりにアンセルに背を向ける。身体を守るようにうつ伏せになり、這ってでも逃げようとした。
――そんなことが許されるはずもないのに。
背中を向けたところでアンセルが覆い被さってくる。布越しにも感じる鍛えられた身体は硬く、意図せず擦りつけられたアンセルのものはすでに硬度を取り戻していた。戸惑ううちに顎を救われ、強引に後ろを向かされたところで唇を重なる。
「んんっ!」
くぐもった声の合間に、飲み干しきれなかった水が零れていく。そのままシーツに手を突かれ、彼の檻に閉じ込められてしまった。至近距離で瞳を覗かれ居心地が悪い。
「どこへ行く? まさか、逃げられると思っているのか?」
あれで終わりではないとアンセルの目が語っている。強引に視線を合わせ、わざとらしく性器を擦りつけ煽ろうとする。
「いいぜ。今度は後ろからでも」
「どうして、だってもう、終わって……」
うわごとのように繰り返していると、熱い吐息が口を掠める。言い聞かせるように囁かれた。
「足りないだろう。もっと注がせろ」
「ひっ――」
喉を引きつらせ、悲鳴も上げられない哀れな女。アンセルは労わるようにレジーナの喉を撫でた。
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