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【18】偽り聖女と宿
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徒歩と馬車での移動を繰り返しながら、やがて二人はリエーベルが行きたいと望んだ街にさしかかる。それは当初アロイスから聞かされていた行程よりも遅い到着であった。おそらくはこれもアロイスの配慮である。
歩きながら、リエーベルはいろいろなものに目を奪われた。鳥の囀り、蝶の羽ばたき、久しぶりに身近に感じる生き物の気配。馬車に乗ってからも流れていく景色に彩りを見つけては喜んだ。
歩く速度だって、アロイスはいつも隣を歩いていたけれど、本当はもっと速い人だ。横抱きで運ばれた時に感じた速度よりも随分とゆっくりしていた。
リエーベルが外の景色を楽しめるように。同じ速度で歩けるように。歩くことに疲れたのなら馬車を用意し、それでもまた歩きたいと願う心を満足させられるようにとの配慮だと思う。
「それにしても、不思議な街を目指すんだね」
「おかしいでしょうか?」
「きみは王都で生まれ育ったと聞いたから」
確かに王都からは遠く離れた戦火も届かぬ地。アロイスの懸念も正しいだろう。それでも彼は黙って連れてきてくれた。
「……思い出の場所なのです」
「そうなんだ。きっとその街には俺の知らないきみの姿がたくさんあるんだろうね」
興味深そうに語るアロイスへの罪悪感を悟られぬよう、リエーベルは平静を装う。はしゃいで窓の外を眺めているようにみせかけながら、いよいよ彼の目を盗んで村に向かう方法を見出ださなければならなかった。しかし考えれば考えるほど、方法が見つからないままに街が近付いてしまう。
焦りを見せてはいけないと思いながらも頭の中は計画に支配されていた。そのため街の手前で馬車を下りるアロイスの表情が曇っていることに遅れて気づく。
「せっかくきみとの旅路だっていうのに、生憎の天気のようだね」
順調かに思えた旅路に影が差す。いつの間にか不穏な雨雲が空を覆っていた。どうやら天候は芳しくないようだ。
「本当ですね……」
残念そうに呟くリエーベルの鼻先に滴が垂れる。
「ちょうど降り出したようですね」
「少し急ごうか。この雲じゃあ、これから強くなるだろうからね。きみに風邪を引かせるわけにはいかないな」
雨に追われるように忙しなく駆け込む懐かしい街。とはいえ三年では特に大きく変わったところはないようだ。商店は雨の店構えになっているけれど、営む人々の顔ぶれは見覚えもある。聖女としてではないが、やはり顔を隠す必要があることを痛感した。
想像よりも記憶の通りに広がる光景は、村までの道も鮮明に記憶していると確信させるものだった。この街を出て、道なりに山の方を目指す。そうすれば懐かしい村と、丘には忘れられない家が建っているはずだ。
……多分、そんな事ばかりを考えていたから天罰が下ったのだと思う。
運悪く大きな水溜まりにはまり、運悪く軒先に取り付けられた配水管を流れる雨水を盛大に被ってしまった。リエーベルはもはや雨に降られたというより水に浸かったという有り様だ。
こうなっては街の散策など論外で、一行は早急に宿をとることを求められたのである。
「お、同じ部屋、なのですか?」
部屋に案内されるとリエーベルはできうる限り平静をかき集めて訊ねた。
床を濡らさないよう、リエーベルは宿の入り口でアロイスが交渉するのを待っていたのだが。任せておいたところこの状況である。
もちろん異論を唱えるつもりはないのだ。支払いをしてくれるのはアロイスなのだから一室のほうが安いに決まっている。ただ、アロイスと二人きり、同じ部屋に泊まるという行為に緊張してしまう。
その宿は清潔感のある内装だったけれど、部屋のベッドが一つだけ、というのが疑問なところではあった。
同じ部屋に、一つのベッド。もしもまたあの行為を求められた……
「俺たちは駆け落ち夫婦だろ? 別々の部屋をとって怪しまれても面倒だからね」
リエーベルは自らを激しく罵った。そう、アロイスは便宜上仕方なく、きちんとした理由があって同じ部屋を選んだだけ。やましい感情などありやない。だからこそ焦りを見せる自分とは違って堂々と振る舞えるのだ。
やましいことを考えてしまった自分はなんて愚かなのか。アロイスは自分のためを思って行動してくれているというのに情けない。
「濡れて寒いだろ。早く湯を浴びておいで」
そう、アロイスは親切心で提案しているだけ。このままだと風邪を引いてしまうから。そんなことリエーベルにだったわかっている。でも、どうしたってアロイスと扉を隔てた同じ室内において入浴するという羞恥はあるのだ。
「アロイス様も濡れています。私のことより、どうか先に入られて下さい。風邪を引いてはいけません」
その間に冷静になろうと考えた。しかしアロイスも紳士だ。濡れたリエーベルを放っておいてはくれない。
「きみの方がたくさん水を被っただろ。俺はそんなに濡れていないよ」
「すみません……」
「謝ることはないよ。きみと一緒なら雨に濡れることだって楽しいからね。こんな風にきみと雨に濡れる日が来るなんて、想像していなかったよ」
「はい。アロイス様と一緒なら、私もいつも楽しいです」
「よかった。昔は楽しくもないのに笑えないなんて言われてしまったからね」
「あ、あれは!」
「そうだ、あれにはなかなか傷ついたな」
あの時わかっていると言ってくれたのは気を遣ってのことだったらしい。責められても仕方のないことをしでかした過去は変えられず、リエーベルは心から謝った。
「あ、あの時は、本当にわざとではないのです!」
「ごめんごめん。きみ、からかうと面白いから、つい。わかっているよ」
「アロイス様!」
「ごめんて。それで? あまり我が儘を言うようなら俺も一緒に入るけど、いいの?」
「なっ!? ……また、私はからかわれているのですか?」
「試してみる? じゃあまずは服、脱がせてみて」
このままでは本気で一緒に入りかねないと、リエーベルは逃げるように浴室に駆け込んでいた。
壁を背に、ずるずるとへたり込む。スカートの裾を握ると、服はぐっしょりと濡れているため大量の水を吐き出した。それはレティシアから借りた服であり、まるで彼女に見張られているようで、咎められている気分になった。
「はあ……」
浴室にリエーベルの呆れが反響する。
湯を被るとやはり身体は冷えていたらしく、じんわりと温まった。きっとアロイスも冷えているはずだ。早く交代しなければと、リエーベルは急いで上がる。
ところが湯船を出てふと、冷静になって考えた。
「あ……私、何を着れば……」
アロイスの前から逃げることばかり考えていたなんて言い訳をしたところで現実は変わらない。
もう一度濡れた服に袖を通す?
それこそ風邪を引いてアロイスの気遣いを無駄にしてしまう。
ひとまず服はしっかりと搾り、あらかじめ用意されていた紐に吊して乾かしておく。仕方なくリエーベルは身体にタオルをまいてから、少しだけドアに隙間を空けてアロイスの様子を覗いた。
「上がったの?」
「はいっ!」
即座に隙間から覗いていたことはばれる。
「大丈夫、カーテンは閉めておいたよ。気にせずこっちにおいで。せっかく温まったのに、風邪を引いてしまうよ」
「アロイス様こそ……」
アロイスはジャケットを脱ぎシャツのボタンを外した状態でタオルを羽織っていた。見てはいけないものを見てしまった気がして、リエーベルは自身のつま先を見つめてやり過ごした。
歩きながら、リエーベルはいろいろなものに目を奪われた。鳥の囀り、蝶の羽ばたき、久しぶりに身近に感じる生き物の気配。馬車に乗ってからも流れていく景色に彩りを見つけては喜んだ。
歩く速度だって、アロイスはいつも隣を歩いていたけれど、本当はもっと速い人だ。横抱きで運ばれた時に感じた速度よりも随分とゆっくりしていた。
リエーベルが外の景色を楽しめるように。同じ速度で歩けるように。歩くことに疲れたのなら馬車を用意し、それでもまた歩きたいと願う心を満足させられるようにとの配慮だと思う。
「それにしても、不思議な街を目指すんだね」
「おかしいでしょうか?」
「きみは王都で生まれ育ったと聞いたから」
確かに王都からは遠く離れた戦火も届かぬ地。アロイスの懸念も正しいだろう。それでも彼は黙って連れてきてくれた。
「……思い出の場所なのです」
「そうなんだ。きっとその街には俺の知らないきみの姿がたくさんあるんだろうね」
興味深そうに語るアロイスへの罪悪感を悟られぬよう、リエーベルは平静を装う。はしゃいで窓の外を眺めているようにみせかけながら、いよいよ彼の目を盗んで村に向かう方法を見出ださなければならなかった。しかし考えれば考えるほど、方法が見つからないままに街が近付いてしまう。
焦りを見せてはいけないと思いながらも頭の中は計画に支配されていた。そのため街の手前で馬車を下りるアロイスの表情が曇っていることに遅れて気づく。
「せっかくきみとの旅路だっていうのに、生憎の天気のようだね」
順調かに思えた旅路に影が差す。いつの間にか不穏な雨雲が空を覆っていた。どうやら天候は芳しくないようだ。
「本当ですね……」
残念そうに呟くリエーベルの鼻先に滴が垂れる。
「ちょうど降り出したようですね」
「少し急ごうか。この雲じゃあ、これから強くなるだろうからね。きみに風邪を引かせるわけにはいかないな」
雨に追われるように忙しなく駆け込む懐かしい街。とはいえ三年では特に大きく変わったところはないようだ。商店は雨の店構えになっているけれど、営む人々の顔ぶれは見覚えもある。聖女としてではないが、やはり顔を隠す必要があることを痛感した。
想像よりも記憶の通りに広がる光景は、村までの道も鮮明に記憶していると確信させるものだった。この街を出て、道なりに山の方を目指す。そうすれば懐かしい村と、丘には忘れられない家が建っているはずだ。
……多分、そんな事ばかりを考えていたから天罰が下ったのだと思う。
運悪く大きな水溜まりにはまり、運悪く軒先に取り付けられた配水管を流れる雨水を盛大に被ってしまった。リエーベルはもはや雨に降られたというより水に浸かったという有り様だ。
こうなっては街の散策など論外で、一行は早急に宿をとることを求められたのである。
「お、同じ部屋、なのですか?」
部屋に案内されるとリエーベルはできうる限り平静をかき集めて訊ねた。
床を濡らさないよう、リエーベルは宿の入り口でアロイスが交渉するのを待っていたのだが。任せておいたところこの状況である。
もちろん異論を唱えるつもりはないのだ。支払いをしてくれるのはアロイスなのだから一室のほうが安いに決まっている。ただ、アロイスと二人きり、同じ部屋に泊まるという行為に緊張してしまう。
その宿は清潔感のある内装だったけれど、部屋のベッドが一つだけ、というのが疑問なところではあった。
同じ部屋に、一つのベッド。もしもまたあの行為を求められた……
「俺たちは駆け落ち夫婦だろ? 別々の部屋をとって怪しまれても面倒だからね」
リエーベルは自らを激しく罵った。そう、アロイスは便宜上仕方なく、きちんとした理由があって同じ部屋を選んだだけ。やましい感情などありやない。だからこそ焦りを見せる自分とは違って堂々と振る舞えるのだ。
やましいことを考えてしまった自分はなんて愚かなのか。アロイスは自分のためを思って行動してくれているというのに情けない。
「濡れて寒いだろ。早く湯を浴びておいで」
そう、アロイスは親切心で提案しているだけ。このままだと風邪を引いてしまうから。そんなことリエーベルにだったわかっている。でも、どうしたってアロイスと扉を隔てた同じ室内において入浴するという羞恥はあるのだ。
「アロイス様も濡れています。私のことより、どうか先に入られて下さい。風邪を引いてはいけません」
その間に冷静になろうと考えた。しかしアロイスも紳士だ。濡れたリエーベルを放っておいてはくれない。
「きみの方がたくさん水を被っただろ。俺はそんなに濡れていないよ」
「すみません……」
「謝ることはないよ。きみと一緒なら雨に濡れることだって楽しいからね。こんな風にきみと雨に濡れる日が来るなんて、想像していなかったよ」
「はい。アロイス様と一緒なら、私もいつも楽しいです」
「よかった。昔は楽しくもないのに笑えないなんて言われてしまったからね」
「あ、あれは!」
「そうだ、あれにはなかなか傷ついたな」
あの時わかっていると言ってくれたのは気を遣ってのことだったらしい。責められても仕方のないことをしでかした過去は変えられず、リエーベルは心から謝った。
「あ、あの時は、本当にわざとではないのです!」
「ごめんごめん。きみ、からかうと面白いから、つい。わかっているよ」
「アロイス様!」
「ごめんて。それで? あまり我が儘を言うようなら俺も一緒に入るけど、いいの?」
「なっ!? ……また、私はからかわれているのですか?」
「試してみる? じゃあまずは服、脱がせてみて」
このままでは本気で一緒に入りかねないと、リエーベルは逃げるように浴室に駆け込んでいた。
壁を背に、ずるずるとへたり込む。スカートの裾を握ると、服はぐっしょりと濡れているため大量の水を吐き出した。それはレティシアから借りた服であり、まるで彼女に見張られているようで、咎められている気分になった。
「はあ……」
浴室にリエーベルの呆れが反響する。
湯を被るとやはり身体は冷えていたらしく、じんわりと温まった。きっとアロイスも冷えているはずだ。早く交代しなければと、リエーベルは急いで上がる。
ところが湯船を出てふと、冷静になって考えた。
「あ……私、何を着れば……」
アロイスの前から逃げることばかり考えていたなんて言い訳をしたところで現実は変わらない。
もう一度濡れた服に袖を通す?
それこそ風邪を引いてアロイスの気遣いを無駄にしてしまう。
ひとまず服はしっかりと搾り、あらかじめ用意されていた紐に吊して乾かしておく。仕方なくリエーベルは身体にタオルをまいてから、少しだけドアに隙間を空けてアロイスの様子を覗いた。
「上がったの?」
「はいっ!」
即座に隙間から覗いていたことはばれる。
「大丈夫、カーテンは閉めておいたよ。気にせずこっちにおいで。せっかく温まったのに、風邪を引いてしまうよ」
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